主 2015-12-05 22:37:41 |
通報 |
それは、言わん。
(にこりと笑い、だがきっぱりとそこから先の吐露を拒む。聞かれたから、ここに及んで隠し立てても以降働きにくいかと答えたが、これ以上は悪魔では無く懺悔室の壁に聞かせる話でしかない。ただ一つ言えるのは、この一件で法や規則として世に定められていることを破るのはひどく危険なのだと知ったということ。だから、とオルキスに視線を戻して)
昨日……もう一昨日か、お前がいくら誘おうと絶対俺は堕ちなかったと思うぞ。
(/了解です、ありがとうございました。お休みなさい!)
はぁ、ケチな神父様ですね。
(相手の笑みに対し冷ややかな視線を返して。話すことを拒まれても可笑しくはないだろうと思っていた為、そんなに機嫌を損ねることはなく。やや冗談交じりに上記を述べては一度置いたパンを再び手に取って一口分に千切った欠片を口に運び。それを咀嚼しながら、こちらに視線を戻した相手の言葉に耳を傾けては口の中の物を飲み込んで)
……一度痛い目を見たのであれば、当然でしょう。
ああ、加えてこの教会には基本俺しか居らん。
お前は人選も立地も間違えたということだな、ご愁傷様。
(大して機嫌を降下させなかった相手の理解に、素直に頷きおどけた様に言葉を足す。聖職者をからかいたかったにせよ、もう少し楽しめる場所もあったろうによりによってここを選んだからむしろ従わされる羽目になったのだ。ご愁傷様、とは言いつつ先程からパンばかりつつく相手に無言で卵焼きの乗った皿を押しやって)
(相手の言葉に応えることはなく黙って肩を竦めて。浮かべている表情は無表情にも近いものだが、その裏では呪いが解かれた後どう仕返ししてやろうか等と物騒な思考を巡らせており。近づけられた更に乗った卵焼きを見ては、相手に一度視線を移し。食べろ、ということだろうかと察しては卵焼きを一つ口に運んで)
それ、口に合うのか?
そもそも悪魔に味覚は……あるよな?
(パン然り卵焼き然り、勧められるままに食べはするものの表情の読めない相手に焦れて直球で尋ねる。食事を要しないならばその為に必要な感覚も無いのではとの発想にまで至り、目の前で展開される物騒な思考はまるで悟れないままじわじわと声に不安を滲ませて)
心配しなくても味覚くらいあります。
(卵焼きを飲み込んでから、相手の不安げな様子に少し笑いつつ上記を述べて。誰かと食事をし、食事の感想を口にするということに慣れていないこともあり反応は薄いが、初めての人間の食事は悪いものではなく。フォークを卵焼きに伸ばしつつ「私、これ好きかもしれません」と呟くように)
ほう、素直なのは良いことだな。
(意外や意外、目の前の悪魔から出た「好き」というダイレクトな言葉に一度耳を疑った。次いで安心から湧く笑みに逆らわず頬を緩めて、自分の分の卵焼きまで相手の前の皿に積み上げていく。直前までの己の過去を話していた空気から一転、穏やかになった雰囲気に内心ほっとして)
そうやって普通に食事出来るのに必要の無い行為とはな。
悪魔は何を糧にしているんだ?
私はいつでも素直ですよ。
(相手の言葉に冗談めかして鼻で笑ってから上記のように返し。卵焼きが積み上げられる皿を見ながらそんなにも嬉しかったのだろうかと不思議に思いつつ、貰えるのなら貰っておこうと遠慮する様子は見せず。フォークに刺した卵焼きを口に入れ咀嚼し飲み込み)
……悪魔に飢えというものはありません。魂や血、精力を食らう者もいますが、そういうのは人間の嗜好品に似たようなものですね。
悪魔も元々は天使でしたから……天使が飢えるなど聞いたことが無いでしょう?
あ、それ本当なのか。
(常識の様に言われた悪魔は元天使説にほうと興味深げな色が浮かぶ。ルシファーなど有名な例はともかく、全ての悪魔がそうであるかは教会間でも様々な意見のある案件だ。思わぬところで正解を知ってしまった、とほくほくしながらその気分のままに)
あー、あちこち伏せられた聖書を読むよりお前から話を聞く方が余程面白いな!
そりゃあどうも。つくづく神父とは思えない発言ばかりですね。
(満足げに薄く笑みを浮かべつつ、相手に視線を向けて。聖書よりも悪魔の話に関心を示す相手に対し、誇らしいような呆れたような複雑な思いになりつつ再び卵焼きを口に運んで。それを咀嚼しながら思い出したように食べかけのパンを手に取り、そういえば相手の食事は進んでいるのだろうかと気になって相手の手元に視線を移し)
悪魔と話しただけで神父たる資格を失う様な神への信仰など願い下げだからな。
我らの主は寛大なんだ、赦されるだろ。
(神父らしからぬ、と時折言われる言にさらりと毒を吐いて返答する。投げやりに赦されるだろ、と宣って目を細め、ふと手元に注がれた視線に手が止まっていたかと思い出す。のろのろと食事を再開させるも口に含むは野菜ばかりで)
(/今日は早めに当方寝落ちます、お相手ありがとうございました!)
そうだと良いですけどねぇ。
(赦される、と聞くとクスクスと笑いつつ不安を煽るような発言をし。もしこの神父が罰を受けることになったとしたらそれはそれで面白いのだが、それで呪いが解けなくなるのは困るな、などと考えていて。相手が野菜ばかり食べるのを見ては自分の食事の手を止め)
……菜食主義者か何かですか?
(/了解です! お相手ありがとうございました!)
菜食主義者は卵焼かんだろう。
(突然に下された評価には?と同じく食事の手を止めて顔を上げ、とりあえず突っ込みどころが違うのは分かりつつズレた言葉で応じる。口にしていたのが野菜ばかりだったのが気になったのか、案外よく見ているものだと感心しながら、だが人間という生き物の機微は未だ悟れないらしいと考える。やってしまった卵の他に並ぶ皿は怪我した腕で取るには少しばかり面倒な距離にあるのだ。説明しようとして、今日はやけに頭に浮かぶ何度目かも知れぬ嫌がらせの案。にやつく口元をあーん、と口を開けると)
皿を取るには俺の腕は誰かさんの所為で駄目になっているからな。
だ、か、ら、だ。……食わせろ。
あぁ、そういえば確かに。
(納得したように頷いては、それで話は終わったものだと思い手元のパンの欠片を口に運ぶ。すると聞こえてきた相手の言葉に怪訝な表情浮かべつつそちらに目を向け、そのまま話に耳を傾けるが相手のにやついた口元を見るに碌な話ではなさそうだと察し。予想通りと言える相手の提案に文句が口をついて出そうになるが、開きかけた口を閉じて暫し思案する。それから何を思いついたのか口元に薄く笑みを浮かべると、フォークでベーコンを刺し、テーブルに片手をついて少し身を乗り出して。相手の口にベーコンを刺したフォークを、敢えて奥の方までグッと押し込み)
これで満足ですか?
っ!?
げほっ、ちょ、てめ……貴様、これ以上俺に怪我を負わせる様な真似してくれるなよ!?
(嫌がる相手を煽って楽しんでやろうと目論んでいたのに反してすんなり差し出されたフォーク、押し込まれたそれは当然喉にぐりぐりと当たる。咳き込みながら滅多に口にしたことのない粗暴な二人称が飛び出しかけ、辛うじて飲み込むもののこれは怒っていいだろうと声を荒げる。正直なところ怒りよりも喉に来た驚きと混乱でいっぱいいっぱいなのだが、どうにか喉に傷が付いたらどうしてくれるのだと言い返して)
おやおや、これは申し訳ない。悪気はなかったのですよ?
他人の体となると、どうにも加減が分からなくなるんですよねぇ。
(フォークを相手の口から抜くと、咳き込む姿に満足感を覚えてニヤリと意地の悪い笑みを浮かべ。白々しい言葉を並べつつ、テーブルの上に乗り出していた体を元に戻して椅子に座り直し。声を荒げる相手が面白いのかクスクスと肩を揺らして笑い、それから何事もなかったかのようにベーコンをフォークで刺しては口に運んで)
よくもまあ白々しく……あ、
(しれっとした言い訳をして笑う相手に半眼になり低い声が出たが、抜かれたフォークで平然と食事を再開したのに素の声に戻る。頭に浮かんだのはいつだったか信者に誘われ昼食を共にした際、彼等の娘が一品のおかずを物欲しげに見るものだから食わせてあげようとしたときのこと。「やあよ、それってかんせつきすっていうのよ?」と言われた言葉を思い出すと同時、聖職故どうしても接吻に値する単語には思い出すだけで僅かに頬が熱くなり)
……何と言うか、お前は嫌味なほどに潔癖なイメージがあったんだが……割と頓着しないんだな。
汚れるのは嫌いですよ?
(相手の言葉に対し眉を顰めて首を傾げれば、口の中の物を飲み込んだ後にややずれた返答をし。間接キスといった発想が無く、またそれを知っていたとしてもさほど気にしないのだろう。何故相手の頬が仄かに紅くなっているのかが分からずに、食事する手を止め不思議そうに相手の顔を見ていて。しかし、どんな理由にせよ相手のペースを乱すことができたのであれば悪い気はしない為、眉間に寄せられた皺は既に消えていて)
いや、今のお前のそれは、……その。
(平然としたままの相手にああこれは理解していないなと顔をしかめ、説明しようとするも直接的な言葉もはばかられて口ごもる。というか何故こいつは何も思わないのだ、神父相手だというのに少しはうわぁみたいな反応くらいしろと赤い目を睨み付け。色々と焦った俺が馬鹿みたいではないかと努めて冷静を装い)
い、言い方は悪いが、唾液の交換みたいなものだぞ。
悪魔としては神父相手なのだから気にするところではないのか?
……あぁ、成程。
(その言葉でようやく相手の反応の理由が分かったのか、小さく笑ってから上記を呟き。それから視線を皿に映して卵焼きをフォークで刺しつつ「別に、血を取り入れた時のように体に影響があるわけでもありませんので。寧ろ私にはどうして貴方がそんなに動揺するのかが分からないのですが」と、とぼけるような言葉を口にしにやにや笑みを浮かべ。それから刺した卵焼きを暫し見た後にフォークの先を相手に向けてみて)
腕、伸ばせないんでしたっけ? また食べさせてあげましょうか?
トピック検索 |