主 2015-12-05 22:37:41 |
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は?寝首でも掻きに……あ、いや出来ないんだったか。
(また一歩後ずさりながら突然の質問に怪訝な表情になり、しかし相手には呪いの呪縛がある以上自分を殺せはしないことを思い出す。それでも反射的に警戒心を抱いてしまうのは相手が悪魔故か。下手に情報を寄越すのもリスクが高い気もするのだが、教えの上で「嘘をついてはなりません」とある以上虚言も言えずに)
一応帰る家もあるんだが、正直帰るのも手間でな。
教会の中で適当な場所を選んで寝ているぞ。
そもそも寝首を掻くつもりならこんな直球で質問したりしませんよ。
(なにかしらの悪戯はするかもしれないが、と口にはせぬものの白々しい笑顔を浮かべて。しかし元々の質問の理由は、何かがあった時に相手がどこにいるのかを把握できていた方が良いだろうという考えで。相手の答えを聞くと成程と頷き。「もう教会に住んでいるようなもの、と考えてよさそうですね」と、クスクス笑いつつ呟くように述べて)
物凄く不本意だがな……まあ神父としては悪い行いでもないのだろうが……。
(教会という場所は心安らぐ場所だ、それは自身にとって揺るがない。だがそれと寝泊まりするのに良い宿かというのはまた別で、寝るなら当然家が良いに決まっている。あくまで不本意なのだぞと顔に渋面を貼り付けて主張して。ふと割れた窓越しに空を見上げれば月もいつの間にか傾いていて、話をしている間に大分時間が経過していたのだと気付く。ぐっと一度伸びをして、無言で窓辺へ歩いて行き)
……もう夜明けも近そうですね。
(相手の視線が窓に移ったのを見ては同じように窓越しに空を見て。思った以上に話し込んでいたらしいと内心少し驚きを感じつつ、相手に続いて窓辺に向かい。窓の縁に手を置けば傾いた月を眺め、日が昇ればいよいよ仕事が始まるのかとぼんやり考え。相手に聞こえてしまうことなど構わずに大きな溜息を一つ溢し)
朝一は元気なご老人が来るからな、きちんと礼節を持った対応をしてもらうぞ……って、そうだ、お前普通の人間からはどう見えるんだ?
(露骨な溜め息にじとりと睨む視線を向け、月明かりに照らされた姿に疑問が浮かぶ。自身が悪魔を認識できるのはそれなりにそっち方面に力があるからで、恐らく大半の信者は普段は認識できないだろう。手伝いと言っても信者の目に映らないのであれば色々面倒だぞ、と懸念の色を見せて)
見えませんよ、普段は。その気になればただの人間にも姿が見えるようにするくらい容易いことですがね。
(相手の質問からして、仕事の際に姿が見えないと不便であることを気にしているのだろうと察しては上記のように答え。窓の縁に頬杖をつき相手に横目で視線を送りながら後半を語る様子はどこか得意げで。窓辺から離れては背中の黒い翼を消し、鋭い爪は手袋に覆われ見えない為その姿は人間とほぼ変わらないものとなり)
これならば、人前に出ても大丈夫でしょう。
ん!?
(瞬きする間に消えた背中の翼に、思わず声が上がる。一瞬警戒心も何もかも放り出して、ぺたぺたと翼があったはずの場所に触れては再び感嘆の声を上げて。いくら悪魔に慣れているとはいえ大抵は雑魚に等しい類であるし、そもそも間近に接したこともないのだから仕方ない。まるで手品を見せられた幼子の様に目を輝かせて、「どうなっているんだ?というか消せるんだなその翼!」と楽しげに声を掛けて)
え?
(相手が上げた声にこちらも驚き、何か妙なことをしただろうかと思っていると突然警戒もなく自分に触れだした相手に更に困惑し。ちょ、あの、と意味を成さない言葉を口にしつつ慌てて相手から離れて背を壁にくっつけ触れられないようにして。文句の一つでも言ってやろうと不満げな表情を浮かべ視線を相手に向ければ相手の輝く目を見てそんな気も失せてしまい。呆れて再び溜息をつき)
どうなっている、と言われましても……えぇ、見ての通り。
そ、それは、本当に消えているのか?
それとも消えている様に見せているだけなのか?
(壁へ退避した相手に自分もはっとして我に返り、意味も無く咳払いなどして奇行を誤魔化す。一方で好奇心は尽きないのか気まずそうにしながらも更に疑問を口にして、変わらず目はわくわくとした光を隠そうともしない。文句も言われなかったし聞いて悪いということは無いだろうと自分にも相手にも心中で言い訳して)
ちゃんと消えてますよ。
でなければこうして壁に背をつけることなんてできませんから。
(咳払いを聞くと、誤魔化そうとしているのかと気づき、じと、と相手を睨んで。しかし投げかけられた疑問には壁に凭れつつきちんと答えを返し。意外と好奇心が強い男なのだろうかと、これまでの態度からは想像もつかなかった相手の一面に未だ戸惑い。自分に向けられる相手の視線に居た堪れなくなり、視線をそっと逸らして)
すごいな!
(色々と言いたいことはあったが、その全てを月並みな一言で纏め上げて。今一度その背に触れたくてうずうずする手をどうにか握りしめて耐えると、「他に自分の体をいじれたり、いじってたりしないのか?」と問う。人型の悪魔には大概尻尾がある印象があるぞとオルキスの腰の辺りにじっと目を凝らし)
……そうでしょう。
(相手の感想に色々と言いたいことはあったが、一々突っ込むのも面倒でやや投げやりな言葉を返し。自分の姿を視ることができる人間から物珍し気なものを見る視線を送られることは珍しくなかったが、ここまでじっくり見られることは初めてで違和感が拭えず。「いじると言いますか……ある程度は自由に姿を変えられますからね。邪魔なものは消しておくんですよ」相手が落ち着くまでは意地でも背中を壁から離さないでいようと心に固く誓いつつ応え。本来は尻尾や角もあるが、その二つはあったところで色々なところに引っかかったり、敵が掴みやすい部位を増やすことになり、デメリットの方が大きいということで殆ど出すことはなく)
(相も変わらず謎に丁寧な説明を甘受してふむふむと頷く。何だやはり尻尾もあるんじゃないかと言葉から察すれば、その内どうにかして見せてもらおうと決心する。それにしても悪魔という生き物も、退治する対象としてでなければどうしてなかなか面白い存在だ。元来好奇心は強い気質もあってそんな風に考えていると、空が不意に白み始めたのが見える。さっと仕事用の頭に切り替えると、そのままオルキスの方を向き)
良い暇潰しになった。さあ、仕事としよう。
(相手の言葉に窓の外に注意を向け、もうそんな時間かと肩を竦める。どうやら先程までの好奇心に火がついた状態は治まったらしい相手に安堵の息を吐くと壁から離れ。相手に歩み寄っていけば教会の扉に視線を向け。「手伝いをするとはいえ、信者への接し方なんて知りませんからね。あまり期待はしないでくださいよ」と、その場で腕組みをしつつ述べて)
まあ、どうにでもなるだろう。
お前は口調だけは馬鹿に丁寧だからな。
(暗に口調以外はどうしようもない、と貶しつつどうにかなるというのは割と本気の考えだ。どうせ過激な信者などこの村にはいないのだ、適当にいなしていればそこまで怪しまれることもまずない。加えて朝早くに教会を訪れる者は単に朝の祈りを捧げる為に来ているだけで、神父へはせいぜい挨拶する程度。何とかなるだろう、ともう一度呟き扉に向かい、ぐいと押し開くと遠くを見てぼそりと)
やはり来るのが早いな、あの爺さん。
だけ、とはなんですか、だけとは。
(暗に何を言いたいのかを敏感に感じ取れば、敢えて爽やかな笑みを貼り付けつつ首を傾げて。しかし相手も立場上悪魔を教会で働かせていることがバレては不味い筈。そんな相手が大丈夫だというのであれば大丈夫なのだろうと納得して。相手の呟きが聞こえれば、自分からはその老人の姿は見えないものの「うわぁ、こんな朝早くからよくやりますね……」と、感心を通り越し失礼にも引いたような反応をし)
オルキス、お前立場を問われたら見習いの修道士を名乗っておけよ。
(引き気味の反応に物言いたげな顔になるも、既に当の老人が近付いているのと一概に馬鹿にするなと叱れない共感から何も言わず。身の振り方だけ小声で伝えると、すっくと背を伸ばして口元に素のときには微塵も見せない柔らかい微笑みを浮かべて)
おはようございます、今日もお早いですね。
【老人】
嗚呼、神父様、お早う御座います。
(声を掛けられると真面目な顔のままに挨拶を返し、すぐにいつもは居ない人影に気付いて)
……そちらの御方は?
(/モブキャラやらせて頂きました。モブのロルは短めですがご容赦下さい)
はいはい、分かりましたよ。
(適当な返答を返すも、いざ老人の姿が見えるとこちらも姿勢を正し。相手の表情に内心ではどこか可笑しさを感じて笑ってしまいたくなるが、それを表には微塵も出さぬままで。老人の問いかけが聞こえると恭しく一礼し、穏やかな笑みを浮かべては「本日よりこちらの教会のお手伝いをさせていただくことになりました、オルキスと申します。まだ修道見習いの身では御座いますが、どうぞよろしくお願いいたします」とつらつらと言葉を並べ立てて)
【老人】
わざわざこんな田舎に見習いに来たんかぁ……。
何も無い村ですがね、ちらほら悪魔は迷い込んでくる所ですから。
見習い様も、御気を付けて下されよ。
(心から憂う様に話してやり、破壊の痕が残る礼拝堂にまた戦いがあったのかと目を伏せて。静かに奥へ進むと一人で祈りを始め)
……ご心配、痛み入ります。
ですがこの見習いにとって悪魔など恐るるに足りませんから。
(老人の忠告に不覚にも吹き出しそうになり、ひくひくと引きつる頬をどうにか押し留めて返事をする。悪魔に対して何て忠告をしてくれるんだこの爺さん、と脳内突っ込みをかましながら黙ってその背を見送り。視線が堂内の破壊痕に向いたのには火急修復しなければ教会のイメージとして良くないなと改めて思い直し、この老人が去ったら働かせてやろうと綺麗な澄まし顔を横目で見て)
(えぇ、現在進行形で迷い込んでいますよ。などと口にしてしまう訳には行かないので心の中でそっと呟き。白々しく礼でも口にしようかと考えたがそれよりも先に神父が返事をした為、自分は愛想のいい笑顔を浮かべたまま奥へ進む老人の姿を視線で追って。祈りを始めたのを見届けると視線を神父に移せば相手と視線が合い。何故見られているのかは分からないものの、嫌がらせも兼ねてにこりと笑いかけてみて)
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