主 2015-12-05 22:37:41 |
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どのみちお前が居るのは期間限定だろう、使えるだけ使わんでどうする?
(にや、と口元を笑みに変えて近寄ってきた相手から視線を外す。火の通った様子の卵を脇の皿に落とすと、片手に持っていた菜箸で端を崩して。つまんで一口含むと無言で頷き、更に一つまみすると昨日の続きの様に相手に差し出して)
思った以上に容赦ありませんね、貴方。
(笑みを浮かべる相手に反比例するように眉を顰めては相手の手元から顔に視線を移して。しかしすぐに視線を戻せば小さくため息を吐いて。差し出された箸の先を見てはそのまま口を開きかけるも、ハッとした様子で口を閉ざせば片手で口元を覆い隠しつつ僅かに顔を逸らして疑うような視線を相手に向け)
下手に慣れ合うのは愚かなのだとご親切に忠告痛み入ったからな。
(ふんと鼻を鳴らして慣れない婉曲な言い回しをする。そのまま箸をゆらゆらと急かす様に揺すり、「安心しろ、これは味見であってつまみ食いではないから」と明らかにそこではないと分かり切っているフォローを入れて)
まだ根に持ってるんですか?
(相手の言葉を聞けば呆れつつも思わず小さく笑ってしまい。揺らされる箸を見つつずれたフォローを聞けば「そこを気にしてるんじゃありませんよ」と口元を押さえたまま相手の目を睨むように見て。どうするか悩み)
……根に持っているも何も、それが悪魔本来の在り方なんだろう。
(笑う相手をじとりと見つめ、溜め息を吐き。ごちゃごちゃと考えてしまうのは性分ではないというのに、と相手にいっそ恨みがましささえ抱く。相も変わらず動かない相手に「食べないのなら俺がまた食うぞ」と手に持った箸を引っ込めようとして)
……食べます。
(相手の行動を見ると少し慌て。無理やり自分の中で、また昨日と同じことをされたら仕返しすればよいだけだ、と結論を出せばぽつりと上記のように答えて)
そら。
(ぽいと相手の口に欠片を放り込んでやり、そのまませすぐに野菜に手を伸ばして次の作業を開始する。手際よく野菜を刻みながら、「味はどうだ?」とそちらに目は向けられないままに感想を求めて)
(杞憂だったらしいと少し安心しつつ卵を咀嚼して。新たに作業を始める相手の手元を見つめつつ、感想を尋ねられると視線はそのままで、一度口の中の物を飲み込んでから「美味しいですよ」と素直に答えて)
何だお前、何かおかしくないか?
(素直な賛辞にしかし素直さが妙に気持ち悪いとぎゅっと顔をしかめて。朝頼めば起こしてくれたことや何だかんだ神父服を甘受したことも頭をよぎり、変なものを食べたかもしくは何か企んででもいるのかと、手を止めて訝しげな目を相手に向け)
は? 何を言い出すかと思えば、失礼ですね。
(相手に視線を向けては眉間に皺を寄せつつ上記のように述べ。しかしそう言われる心当たりがないかといえばそうでもない為暫し間を置いてから怪訝な顔で首を傾げては「……常に反抗的でいる方が良いのですか? 私も疲れますし、貴方も疲れると思うのですが」と不思議なものを見る様な目で相手を見つつ)
いや、そういう訳ではないんだが……。
(そんな風に自ら苦労を背負いたがるほど奇特ではない、とそこは首を振って否定し。そんな不思議そうな目で見てくれるな、と視線から逃れる様に野菜刻みを再開させながら言葉をまとめる。一時の間があり、考えが整うと口を開いて)
それにしたって、昨日とは随分な違いだから困惑したんだ。
……成程。
(納得した様子で頷いてから一度相手の手元に視線を戻し。しかし作業を見るよりも何か考えることに集中しているようで、暫くぼんやりとした様子でそれを眺めた後にぽつりと「気のせいだと思いますけどね」と独り言を呟くように)
え?
(脇で呟かれた声にきょとりと声を上げ。作業の手は止めずに野菜を皿に移しながら、聞こえた「気のせい」との声に首を傾げる。気のせいでも何でもなく明らかに昨日は皮肉や嫌がらせが多かったし、今日はそれがさっぱりだと考え。うん、と一人頷くと「気のせいということはないだろう」と返して)
気のせいですよ。大体、まだ今日が始まってからそんなに経ってないでしょう?
(頑なに気のせいだと主張しつつ相手に視線を向け。それから妙に自信ありげな笑みを浮かべては肩を竦めつつ「こんなにも反応が面白い人間が傍に居て私が何もしない筈ありませんよ」と言い切っては視線を手元に戻し)
まあそうだが、えっ?
(渋々ながらも納得しかけて、ただ続いた不穏な言葉に再び声が上がる。その不穏さを問い正すべきか、反応が面白いとの評を否定すべきか悩んで結局何も言えずに朝食の支度を終えてしまい)
(短く声を上げたきり何も言ってこない相手に可笑しそうに小さく笑い。出来上がった朝食を見ては成程こうやって作っていたのかとぼんやり理解した様子で眺めていて。それから相手の顔を見ては「貴方って、料理は得意な方なんですか?」と問いかけて)
これで得意と言ったら村の食堂に怒られるぞ。
(若干のもやもやは残るものの、切り替わった話題に大人しく応じる。焼いただけの卵とベーコン、切っただけの野菜だけではそもそも料理と呼べるかも怪しい。「こんなもの、言っておくが子供でも出来るからな」とどうやら分かっていない様子の相手に大したものではないのだと教えてやって)
子供でも……
(相手の言葉を繰り返せば出来上がった朝食を一瞥し、それから相手に視線を戻せばややめを細めつつ「……もう少し凝った料理になると作れない、ということですか?」と首を傾げては問いかけて)
作れない……ということはないと思うが……。
(手先はそれなりに器用な方という自負はあるし、作り方さえ分かればどうにかなる気はする。だが普段から質素な食事を義務付けられている身として、そんなもの挑戦したこと自体がない為はっきり肯定は出来ず曖昧に頷き。はたと、何故それを聞くのだろうかと思い相手の目を見返して)
それなら良いのですが。
(それを聞くとあっさりと相手から顔をそらし、小さく息を吐きつつ上記のように述べて。薄く笑っては「料理を覚えてくれると……なんて言いながら、料理が出来ない人のものを参考にするのは癪ですからね」と顔を逸らしたまま相手に視線を向けて)
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