主 2015-12-05 22:37:41 |
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父親は子供を甲斐甲斐しく起こしたりしないだろう……多分。
(ふわ、と欠伸をしながら、奇妙に無言を貫いた後に応じてきた相手に軽く片眉を上げて述べ。流石にこの期に及んで二度寝する気にはならず毛布を適当に畳んで隅へ積んでおく。ぐぐ、と伸びをしてから着替えようとして、ふと相手の格好にぎょっとして)
お前、その服のまま寝たのか!?
着替えるのが面倒だったんですよ。
(それほど驚くことだろうかと自身の格好を見ては首を傾げつつ平然とした様子で答えて。しかし相手の言葉で再び服の皺が気になりだしたのか片手で袖についた皺を伸ばし。それから相手に視線を戻して)
あー……気になるのならば俺の服を、と言いたいところなんだが……。
(眠る前に着替えるのが億劫になる気持ちは分かる、翌朝自分でしておいて結局皺が気になる気持ちも。納得して頷き、提案を持ち掛けようとするも懸念が浮かび言葉を止める。首を傾げて言葉端を濁しながら一応提案はしようと口にして)
…………神父服でも良ければ、だが。
(相手の提案を聞けば眉を顰めてあからさまに嫌そうな表情を浮かべ。視線を逸らしつつ口元に手を添えて考え込むような素振りを見せ。それから何度か視線をあちこちに彷徨わせた後に「……悪意が無いことは分かっているのですが、嫌がらせみたいですね」と肩を竦め。最終的に相手に視線を戻せば、渋々提案を呑むのか頷いて。次からはしっかり着替えてから寝るようにしようと固く誓い)
ああ、だけどその服のままも気分悪いだろう。
(承諾した相手を一瞥して、すっかり私室と化している室内の衣装箪笥から適当にスータンを漁る。色や僅かな装飾の差を見て、なるべく神の影響の薄いものを探すというなかなか無い作業を続け。やがて一着を選ぶと、ぴたりと動きを止め)
お前、背は俺と比べてどの位高いんだ……?
さぁ? どれくらいでしょうね。
(相手の問い掛けを聞けば首を傾げ上記述べてから相手に歩み寄って。それから相手の頭に片手を置き、もう片方の手を自分の頭の高さにやっては見比べてみるも首を傾げ。「そう変わらない気もするんですがねぇ」と頬を掻くが、目線を合わせた時に自分のほうが軽く相手を見下ろす形になるのは確かで)
あ、ああ、身長は大差ないだろうがな。
(手の平による背比べにぴくりと肩を揺らすも、実際身長が著しく異なる訳ではないので頷き、視線を気付かれない様そっと相手の足元に向け。身長そのものではなくこっちが問題だ、と多くの悪魔の例に漏れず整った外見、スタイルに内心息を吐く。それ以上は口にせずに服を差し出し)
一部サイズが合わないかもしれんがどうにか着ろ。
どうにか……と言われましても。
(服を受け取りつつ相手の言葉に戸惑うような表情を浮かべて。しかし相手の言葉通りどうにか着るしかない為、寝具の方に近寄っては受け取った服を一度置いて。やはり神父服に着替えるのは気が乗らないものの仕方なく着替え始め)
それ、洗っても良いなら預かるが。
(相手が着替え始めるのを見て、自身も着替えを再開して。いつも通りのスータンは今更手間取ることなくさっさと着られてしまい、目線を戻すと目についた燕尾服に放置は出来ないだろうと洗濯してやることを思い付き、相手に尋ねて)
あぁ……では、お願いします。
(どうにか着替え終えて、着なれない服、それも微妙にサイズの合わない服に違和感を感じつつ、自身の身にまとう服の袖や裾に視線をやっていれば相手の言葉が聞こえて振り返り。少し考えてから頷くとベッドの上に置いた燕尾服を手にとっては差し出して)
ん、
(預かった服と己の寝巻きを脇に抱える。何はともあれ朝食だな、と思い立ち部屋を出ようとして相手を振り返り。せっかく時間があるのだからリクエストでも聞こうかと思うも、そもそも料理自体をあまり知らないのではと首を傾げて)
オルキス、朝食に何か希望はあるか?
希望と言いましても……人の食べるものはよく分かりませんからねぇ。
(何度か人間の食事風景を覗いたことはあるものの、そこに何が並んでいたかは大して思い出すことができずに頭を悩ませて。それから思いついたように、あ、と小さく声を上げつつ相手を見ては「昨日の……なんでしたっけ、黄色い……あ、卵焼きです」と答え。涼しい顔をして食べていたが相当気に入っていたようで)
…………気に入ったのか?
(昨日の反応を見るに卵焼きを食べたのは昨日が初だったはずだが、真っ先にリクエストに上がるとは相当だなとくすくす笑い。リクエストされるまでもなく固定でメニューに組んであるのだから楽なものである。「料理は女親の領分だからな、それを俺がするとなるとやはりお前は父親で正解かもしれん」などと軽口を叩きながら部屋を出て)
……えぇ、まぁ。
(相手の反応を見るとなんとなく恥ずかしくなったのか、視線をそらしつつ頷いて。自分でも人間の食べ物でここまで気に入るものがあるとは思っていなかったので少し驚く気持ちはあり。相手の軽口を聞くと「それだと夫婦前提になるのでは……」と相手が出て行った扉を見つつ呟いて)
(台所に立つと、適当に食材を物色して。リクエストはあって無い様なものだった為少し悩むも、昨日と同じで良いかと決めて卵とベーコン、野菜を引っ張りだしてさっさと調理を始めて)
(/早めですが落ちますね。明日は来られそうにありませんので、また明後日にお願いします。ありがとうございました!)
(いつまでも懺悔室に居るのも退屈だと考え、自身も部屋を出て。外を散歩でもしようかと思ったが、ふと足を台所に向けて。扉を開けると中の様子を覗いてみて)
(/了解です、お相手ありがとうございました!)
どうした、つまみ食いにしてもまだ早いと思うが?
(扉の開く音と背中に感じる視線に気付きはするものの、フライパンの上でまさに卵を焼いている最中の為振り向けずに声だけを掛けて。何をしにきたのかと考え、手伝いはしてくれる可能性以前に料理そのものが恐らく出来ないだろうと脳内で否定、からかう様につまみ食いかと言及して)
そんなみっともないことをするつもりはありませんよ。
(扉から顔だけ覗かせたまま相手の言葉にむっと眉を顰めて。台所を訪れた理由としては、人の料理がどのように作られているのかということに興味が湧いた為であったが、それをわざわざ相手に告げるのも気が引けて。人間風情、と見下している筈の存在の文化に興味を持つなど他人に知られるのは少々恥ずかしいことらしく。台所に足を踏み入れては壁に背を預け、何も言わずに相手が料理をする姿を眺めていて)
……どうせ眺めるならもっと見やすいところに来れば良いだろう。
(返答はする、反論もする、だがその場から動く気配はない相手に呆れ声で言って。見るなら近くで見ろと伝えると「それでゆくゆくは料理を覚えてくれると俺が楽出来るのだが」と、さりげなく新たな仕事の追加を匂わせる。火元に薪を足しながら振り向くと目で来ないのか、と尋ねて)
私の仕事を増やすつもりですか?
(相手の言葉を聞けば少し躊躇い、こちらを見る相手の目にようやく傍まで歩み寄っていき、その際に一言不満げにじとりと相手を睨みながら上記を述べるのも忘れず。足を止めれば大人しくしたまま料理が出来ていく様子を眺めて。
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