主 2015-12-05 22:37:41 |
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……なあ、お前、呪いが解けたら可能か不可能かはさておき、俺のことを殺してやりたいだろう?
(黙って放っておけば良いものを、的外れながらも言葉を投げ掛けてくるのに、ますますどうすれば良いか分からなくなり足を止める。振り返りはしないまま、しかし相手が確かに悪魔なのだという確信が欲しくなりそんな問い掛けをして。そもそも安定を信じてしまったのもその表面上は穏便な態度の所為なのだ、と歯噛みして)
……はぁ?
(相手の問い掛けに対し何故そんなことをと疑問が浮かび。その返答は迷うまでも無く、しかしなんとなくそのままを口にするのが憚られ一瞬の沈黙を置き。だが他の答えが見つかるはずもなく「当たり前ではありませんか。貴方を殺して、その魂を奪ってやりたいと思っていますよ」と、冷ややかな声色で相手に告げて)
だろう?
(想像通りの返事にほっとして、喜色すら滲ませて応じ。無表情からようやく口元に自嘲気味な笑みを戻し、「気に入る気に入らないの問題ではないだろう」と左腕をぶらぶらと揺らして。顔だけ振り返って相手を仰ぐと、また少し笑って)
それを一時でも忘れた、己の愚かさに憤慨しているところだ。
(相手の笑みと言葉にぽかんとした表情を浮かべて、それから噴き出すように小さく笑っては馬鹿にするような笑みを浮かべつつ「つまり何です? 悪魔相手に油断でもしていたのですか」と首を傾げて。くるりと相手に背を向け教会の奥に足を進め)
まったく。えぇ、本当に愚かなことですねぇ。
恐ろしいことに、俺は悪魔という生き物が案外嫌いでないからな。
(肩を竦め、かつて戦わずして追い返すことに成功したいくばくかの悪魔の存在を思い出しながら言う。人間の言葉を解せばそれだけで相手にしてやりたくなるのだから仕方がない。だがそれは相手を選ぶべき対応なのだよなとオルキスの背を見やり)
だがその隙で痛い目にあっては敵わん。
では次からは、大人しくしているからといって安心しないことです。
(ある程度足を進めたところで立ち止まってはその場で腕組をしつつ鼻で笑って上記を述べ。神父の癖に、と何度目か分からないこの文句を頭に思い浮かべつつ悪魔が嫌いではないと言う相手に内心呆れてしまい。背を向けたままで溜息を吐いて)
そうやってお前がご丁寧に警告してくれる限り、俺は何度でも絆されるぞ?
(返ってきた言葉に心外だとばかりに口をへの字にして。何だって時折微妙にこちらの利になることを混ぜてくるんだ、悪魔の癖に!と頭の中だけで叫ぶと、相手と同様に息を吐いて)
村へ事情説明に行ってくる。
説明が済むまで信者もここには来ないだろうから、良い子で留守番していろよ。
それはそれで、私にとっては都合が良いので構いませんが。
(身体ごと相手の方に向きなおっては呆れを隠さぬ笑みを浮かべ。役に立たないと思われては心外だから、呪いを解かせるまで死んでもらっては困るから、何かと理由付けをしつつも結局根は世話焼きな性格であることを否定できずに自分自身に対してもため息を吐きたい気分になり。相手の"良い子で"という言葉を聞くと途端むっとした表情を浮かべて「おや、子供扱いですか? 態々そんな注意を残していかずとも、大人しくしていますよ」と、しっしと手で追い払うような仕草をし)
出来れば大人しくしているよりは、精力的に片付けや修繕をしていて欲しいんだがな?
(軍の者にも口出しされてしまったぼろぼろの礼拝堂をぐるりと見回し、真顔でそう促して。この痕が直ればまた一つ危機意識が低くなるのだろうかとつらつら考えながらも、相手の仕草に適当な返事を寄越すと今度こそ扉から外へ出て行って)
(相手が外へ出ていくと、教会内を見回して。ぼろぼろの礼拝堂に我ながらなかなか暴れたものだと頬を掻き、じっと待っているのも暇な為相手に言われた通り片付けでも進めようと瓦礫に近づいて。ここが教会でさえなければ支配下に置いている悪魔に手伝わせることもできたのだがと今更ながらこの場を呪いつつ大きめの瓦礫の破片を抱え上げ。どこへ運べばいいのかを聞き忘れていた為一先ず庭の隅にでも移動させようと歩き出し)
……戻ったぞ。
(日がほとんど沈む様な時間帯、ようやく戻ってきて。げんなりとした、どこか疲れの滲む声で一応帰還を知らせる。暗くなりだした為今いちよく見えない中を覗き込み、「オルキス、居るよな?」と確認をとって)
(/了解です、夕方まで飛ばしました!)
……おや、随分と遅かったではありませんか。
(瓦礫を動かす中で埃っぽくなってしまった礼拝堂を換気するために開けた窓の、縁に手をつき外を眺めていれば扉の開く音が聞こえそちらに視線を向けて。確認をする相手の声に小さく笑っては上記のように言葉を返し。礼拝堂は未だぼろぼろではあるが、放置されていた瓦礫はあらかた片づけられており)
蝋燭付けてくれ、お前すぐ出来るだろう。
(声は聞こえたものの夕闇の中では影しか認識できず。目を懸命に凝らすも無駄と悟れば、あちこちに点在する燭台を指して指示を出す。マッチは今手元には無いし、持ってくる位ならば炎の能力を使わせた方が早かろうと窓の方を曖昧に見上げて)
あぁ、はいはい……
(比較的闇の中でも不自由の無い自分の目と違って、相手にはこの暗さは辛いのだろうと納得し。窓際から離れつつ辺りを見て燭台の位置を確認して。直後、一斉に蝋燭に火が灯り。相手に視線を戻してはそちらに歩み寄って)
!?
瓦礫が片付いて……お前本当に片付けしていたんだな!?
(明るくなった視界に飛び込んできた光景に、蝋燭を付けてもらった礼など吹き飛び。小綺麗になった礼拝堂というよりも、オルキスが片付けをしたという事実に驚きの声を上げて。思わずぱちぱち、と両手を叩くと大きく安堵の息を吐き)
正直もう一仕事覚悟していたんだが……この分なら必要無いな。
助かった。
それは良かった。私としても、とっとと此処を直して呪いを解いていただかないといけませんので。
(驚いた様子の相手に眉を顰め、相手が両手を叩くのを見て子供扱いでもしているのかと更に機嫌を急降下させるもその後に告げられた礼の言葉に思わず目を見開いて。なんとなく照れくさいのかつい視線を逸らしつつ、偉そうに鼻を鳴らしてから上記のように述べ)
はは、片付けと修繕が同じ手間だと思ったら大間違いだがな。
(にこりと笑顔でえげつない言葉を吐き。ぐぐっと体を伸ばすと視線を朝食をとった部屋の扉に向けて、朝方放置してきたままの残り物を思い出す。ぐ、と眉を顰めるも一度思い出した案件を無かった事には出来ず、かといってその処理に片付けに奮闘してくれた彼を巻き込むのも気が引けて)
……夕飯は、すまんがお前に出せるものは無さそうだ。
……修繕には資材も用意しなければいけませんからね。
(この先を思い気が滅入るが、とりあえず片づけは終わったのだからと軽く首を横に振って暗い思考を追いやり。そうしている間に相手の言葉が耳に入るとそちらを見て。首を傾げつつ「構いませんが……そんなに金に困っているのですか?」と問いかけるが、相手の視線を辿り今朝の部屋の扉に目を向けると朝食をそのままにしていたことを思い出し。納得した様子で、あぁ、と声を漏らし)
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