主 2015-12-05 22:37:41 |
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えぇ、悪魔ですから。
(クスリと小さく笑ってから頷いては、相手の呟きの訳を問おうと口を開きかけ。しかし丁度服を引かれ、一度相手に視線を戻し。わざわざ話を戻すつもりも無いのか素直に指さされた方向に視線を向け「もう到着ですか」と、肩を竦めつつ呟いて)
この後にも何軒か巡るがな、ひとまず一番近いところからだ。
(雑然とした店内に入ると勝手知ったるとばかりにさっさと目的の品がある場所まで進み、適当にいくつか補修材の入った袋を引き出して持てとばかりに相手へ突き出し。「荷物持ちに限界が来たら一旦教会に戻るからな、荷物が持ち切れなくなるか呪いの時間切れが来たら言ってくれ」と話す間も袋をひょいひょいと渡していき)
はいはい、分かりました……呪いの方はもう暫く大丈夫でしょうけど。
(突き出された袋を素直に受け取りつつ、呪いをかけられてから次の晩までの間のことを思い出し、不愉快そうに眉を顰めつつぼそりと。荷物持ちというからにはそれなりに大量の荷物を持たされることは覚悟していたものの、一軒目からこんなにもと少々表情引き攣らせて)
何だその顔は、何度も言うが恨むならばこれだけ買わねばならぬほど派手に破壊した己を恨め。
(ものの数分であらかじめ確かめておいただけの分を揃えると、懐から会計の為に財布を出しつつ店員の居る方を指差し。財布から紙幣に混じって突っ込まれたメモを出して確認をし、早くも次の店で買うものを考え始めており。「とはいえこの程度の買い物なら大したことはないだろう、悪魔様?」と話半分の状態ながら発破をかけ)
(返り討ちに遭うとは思わなかったのだと反論しに口を開きかけるも、逆に無様でしかないと気がつくと小さく舌打ちをして視線を逸らし。指さされた方向に視線を向けては、そちらへと足を向けつつ相手の言葉に対して「……は、当然です」と、眉を顰めたまま答えて)
(手早く運んでもらった品の会計を済ますと、大きな袋に買ったもの全てを詰めようとする店員を止め、別の袋に一部を分けて入れてもらい。小さい方を右手で持ち、大きな方を「気持ち程度だが軽くしてやったからな、もう二、三軒頑張ってくれ」と相手に渡し。店を出ながら足は既に次の店へ迷いなく向いており。ふと思い出した様に相手の服を再度掴んで)
次は二つ先の通りだ、はぐれるなよ。
(容赦なく全ての荷物を持たされるだろうと思っていた分相手の行動にやや戸惑い。何か嫌味の一つでもぶつけてやろうと思っていた気も削がれると荷物を受け取りつつ「はいはい……そんなことせずともこの程度の荷物ならば苦にもなりませんが」とせめてもの強がりを口にして。相手に続いて店を出、再び掴まれた服を見ては「逸れたりしませんよ、子供でもあるまいし」と呆れた様子で)
子供とは思っていないが、子供以上にタチ悪くふらふらしそうだろうお前。
(子供は他意無く迷子になるがこいつは自覚した上でどこかへ行きかねん、と判断し掴んだ服は依然離すことなく。荷物と服とで両手が塞がったままながらどうにか人を押し退け目的の店まで辿り着けば、今度は塗料の店為大して迷うこともなさそうだと歩みを進め)
……そんなことしませんよ、多分。
(その言葉に対して眉を顰め否定するも、その後視線をそらしては敢えて不安を煽るように一言付けたして。多くの人と肩がぶつかる感触に鬱陶しさを覚えつつも相手と同じように人々を押しのけながら相手についていき。辿り着いた店に並べられた塗料を物珍しそうに見て)
(悩む時間もなく白の塗料を複数手に取り、会計へ持っていこうとしてふと目に入った缶を笑いながらつつき。やや黒の混じったような暗い赤色に「見ろ、お前の目の色にそっくりだぞ」と楽しげに声を掛け、何を思ったかその缶も一つ持って会計に向かおうと)
(相手が塗料を手に取って居る間、退屈で仕方が無いとばかりに視線をぼんやりと棚に向けながら手に持った袋の持ち手部分を弄っており。しかし声を掛けられるとはっとした後、一体何を言っているのやらとそちらに視線を向けて。目に映った塗料の色に首を傾げると「……似てますかね……って、そんな色どこに使うんですか!?」と、その缶を手に取るのを見てぎょっとしつつ相手の後に続いて歩き出し)
(瞳の色に似ているとは言ったものの、瞳に限らず相手の存在そのものをよく象徴したような赤色を目を細めて見やり、「たまにはこういう必然では無い買い物も悪くない」と。白の塗料と共にさっさと支払いを済ませてしまい、袋を相手に渡しながら)
どこに使うかは決めていないが……まあ、良い色だろう?記念だと思えば良いんだ、記念だと。
……衝動買いを咎める気はありませんが、あまり荷物を増やさないでいただきたいものです。
(一度溜息を吐いてからじとりと睨むような視線を相手の背に向けつつ、上記。その後袋を受け取りつつ、使いどころを決めていないらしいことを聞くと眉を顰め。しかし先程自分の瞳のようだと言われたその色を良い色だと称されると、照れくさくも悪く無い気分であり。「全く、一体何の記念なのやら」と呆れたような笑みを浮かべ)
何の……ふむ、強いて言うのならお前と出会った記念、か?
(片手に持った荷物をくるくると回しつつ店を出て、荷物を増やすなとの苦言は聞かぬふり。ただ後半の言葉は拾い上げ、特に考えてもいなかった"記念"の内容を半ばその場のノリで口にして。言ってしまってから悪魔相手に何を記念することがある、と己の思考に首を傾げ「……いや、それはないか。すまん、忘れろ」と)
(相手に続いて店を出ては、相手が口にした記念の内容を理解するのに少々時間を要し。理解すると同時に相手に目を向けるが、その視線は困惑したようなドン引きしたようなものであり。その後に続けられた言葉にほっと胸を撫で下ろしては「……えぇ、それは無いでしょうね。驚きましたよ、この人正気かと」と乾いた笑みを洩らして)
うるさいな、特に何の気無しに言ってみただけだ、その目をやめろ。俺がこの色を気に入った、それで良いだろう?
(引きに引いた相手の視線に自分でも言ったことが大分おかしいと理解している為八つ当たり気味の睨みを寄越し、やや早口に話題をまとめ上げて終わらせようと。次の店へ足を向ける前に空を見上げて日の傾きを見て、しばらく考えた末に「……思いの外時間を食ったな。今日はもう戻るか」と午後からの修繕作業を考えるともう引き時だろうと結論付けて)
貴方が妙なことを言うから悪いんですよ。初めからそう言っていれば良かったんです。
(相手に睨まれるとこちらもムッとしたような表情を浮かべ、軽く鼻を鳴らしそっぽを向いて。相手の次の言葉が聞こえるとこちらも空を見上げて、もうそんなに経っていたのか、とぼんやりと考え。「……そうですね」と、特に異論もない為頷き。この後に待っている修繕作業のことを思い、小さく溜息を吐いて)
(/毎度毎度返信が遅くなってしまい申し訳ありません……!)
(相手の同意も得られたところで帰路へ足を向けて。道中は特段何も無かったものの、休養日とはいえ半日教会を無人にしていて大丈夫だったのだろうかと今更ながら憂慮しつつ帰還。恐る恐る扉を押し開くと朝と変化は無いようだったが、何となく程度に感じる障気に思わず舌打ちして)
半日空けた程度でこれだ、この地域本当に呪われてるんじゃあるまいな?
(/いえいえ、この時期は何かとお忙しいでしょうしね。戻ってきて下さったのでほっとしました)
……かもしれませんね。まぁ私の知ったことではありませんが。
(こちらも僅かに漂う瘴気を感じたのか、その源があると思われる方向をちらりと一瞥し。小さく鼻で笑いつつ、特に根拠もなく適当に相手の言葉に頷いてはさっさと教会の中に足を踏み入れ。手に持っていた荷物を一先ず床に下ろし、指示を仰ぐように相手を見)
(/今後も少し返信が遅くなる時期が続くかもしれません……近いうちに春休みに入るので、それからはもっとマシになると思います)
……久しいな、刹那主義の悪魔なら俺などのことはとうに忘れているかもしれんが。まあ、帰りがこれほど遅くなった俺が悪いんだ、お前を責める気は毛頭ない。恐らくはもう会えないとは思うが、願わくばお前をまたどこかで見かけられますよう。俺の所為で心労を掛けたりなど、してはいないとは分かっているんだがな。
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