語り手 2015-11-26 18:53:00 |
通報 |
う、嘘でしょ……?
(完全にからかわれているのは分かるのだが、今は正直それどころではない。部屋に出没する大量の幽霊を想像してしまい、小さく肩を震わせて消え入りそうな声で呟く。ほんの数日滞在していた父の家では遭遇することがなかったのもあり、まさか学生寮がそんなことになっているとは思いもしなかった。寝る時は絶対に灯りを消さないと心に決めていれば、意地の悪い笑みで見下ろされてようやく一連の自分の行動を客観的に理解して慌てて相手の腕を離し)
っ……み、見慣れてないから少し驚いただけよ!別に怖くなんてないわ!
(動揺しているのが丸分かりな様子で今更感溢れる台詞を述べれば、ふいと顔を背けて先ほどキャッチし損ねた鍵を拾い上げて視線を落とす。見た目は何の変哲もない鍵だが、これも魔法道具的なものなのだろうか。室内には入って来た扉以外に扉らしいものはなく、鍵が差し込めるような場所も見当たらないため大人しく相手の説明を待つことにして)
(慌てて離れていく相手を見ては、強がっていることが明らかだったので全く素直ではないなと、やれやれと言うように肩を竦めていき。今度暗がりで脅かしてみるかと、捻くれたことを思っていれば、視界の端で先ほど相手が取り損ねた鍵を拾っているのを捉えて。こちらが説明をすると言った手前、待たせるのもどうかと思い、手早く使い方を教えようと前へと歩き出し)
使い方は至ってシンプルだ。単にこの鍵を持ってこの肖像画に近付けば――このように自身の寮部屋へと繋がる扉が現れるので、持っている鍵を使ってその中に入れば良いだけだ。
(扉から入って真正面にある天使の肖像画に来れば鍵を取り出していき。すると、本棚と肖像画しかなかった目の前の風景が一変して木製のドアが現れる。恐らく、変容魔術の応用だろうと思いながら後ろにいるであろう相手へと簡単に説明をしていき)
と言うわけで、もう分からないことはないだろう? こちらはこれにて失礼するぞ。
(魔術学校は皆一斉に大ホールで食事を取らないといけないが、席は決められていないのでパートナー制と言えどそんな時まで一緒にいなくても良いだろうと考えていき。なら、今日はここから先は別行動を取れるので楽が出来るなと、ノエルは失礼なことを思いつつ相手の返答を待ち)
トピック検索 |