語り手 2015-11-26 18:53:00 |
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>20様
いえ!こちらこそ9時頃とこちらの都合の問題で朝に締め切ってしまって済みません…!参加希望だけでも嬉しかったですのでありがとうございました…!はい、またお会いする機会がありましたらその時は宜しくお願いします!
>19
(/この度はお選び下さりありがとうございます…!ご期待に沿えるように頑張らせて頂きますので、どうぞよろしくお願い致します!)
>22様
いえいえ!むしろ、こちらこそ宜しくお願いします…!
ちなみに当方のロル数ですが、場面によって長かったり中くらいだったりします。また小説ロルですので、もしそれらが苦手ででしたら変更しますのでご指摘下さいませ!
ありがとうございます…!
取り敢えず、用語集をまとめてきましたのでパパッと参考程度に目を通して頂ければと!全体的にハリ◯タ的なイメージです(( 何か質問とご要望があればお受け致します。
[用語]
・幻想世界
現代いわゆる人間世界の裏側にある世界。ヨーロッパの街並みが広がっており、魔術師と幻想生物が生きる。各地にある専用のゲートで世界の行き来が出来る。基本はパスポートが必要だが、入学許可証を貰った見習い魔術師は入学式と里帰りの時だけ特別に通して貰える。
・魔術学校
16歳から入学出来る魔術を学べる全寮制の学校。城みたいな外観で中は洋館風。大きいため学生寮や中庭、食堂などが入っており多機能。長期休み以外は実家に帰れない。一学年のクラスは1組と2組の二つクラスのみ。校長は女性。
・授業
魔術史(座学/社会/歴史)
幻想生物学(座学/理科/生物/実習)
魔術式(座学/数学?/暗記)
魔術薬(座学/理科実験)
自然魔術(座学/実技)
破壊・防御魔術(座学/実技)
回復・強化魔術(座学/保健/実習)
精神魔術(座学/倫理?/実習)
飛行魔術(体育/サドル付き箒/実技)
変容魔術(座学/実習)
召喚魔術(座学/実習)
創造魔術(美術/家庭科/実習)
・学生寮
魔術学校の中にあり、最北にある扉を開けた所にある渡り廊下で行ける。鍵を持って指定された壁の近くに行けば魔術で寮部屋の扉が現れる。二人一部屋。天蓋付きのベッドとソファーと机とロッキングチェアと洗面台が置かれている。風呂は共同なので寮部屋には無い。
・魔術街
魔術学校の足元にあるヨーロッパ風の街並み。中心には魔術学校がある。魔術街と魔術学校を守るように周りは巨大な城壁で囲まれている。魔術道具、教科書、ローブなど魔術に関する物やそれで作られた物が売られている。
・魔術
幻想世界に漂う魔素と体内の魔力を組み合わせ、魔器で魔術式を書き詠唱をすることによって発動する力。魔術の効果は書いた魔術式と発した詠唱に依存する。どちらかを少しでも間違うと失敗する。纏めると、魔素+魔力+魔術式+詠唱=魔術発動。何でも出来るようで何でもは出来ない。自然(火水氷風土木雷光闇)、破壊、防御、回復、強化、精神、召喚、変容、飛行、創造。
・新式魔術
現在の主流。宙に杖で魔術式(文字のみの短縮型)を書き詠唱することで魔術を発動させるタイプ。メリットは手間が掛からず分かりやすい。デメリットは不安定でやる人に左右され、また時間を置くことが出来ない。
・旧式魔術
過去の主流。地面にチョークで魔術式(円状の原形型)を書き詠唱をすることで魔術を発動させるタイプ。なお、使い魔を呼ぶ召喚魔術はこれではないと成功しない。メリットは予め地面に魔術式を仕込んでおけば時間を置くことが出来るし遠くから発動させることも出来る、罠に便利。デメリットは手間がかかる上に地面のを消されれば発動出来ない。
・魔術式
いわゆる魔方陣。新式魔術において書くのは文字のみの短縮型で、旧式魔術において書くのは円状の原形型。
・魔術道具
杖などの魔器やローブなどの魔装のこと。また、人間世界の道具に+αの便利能力が付いた物もある。動く新聞、喋る魔術書、歩く椅子、飛行用のサドルの付いた箒。
・魔器
魔術を使う上で欠かせない武器。新式魔術をする場合は杖。旧式魔術をする場合はチョーク。魔術街には専門の杖店が複数ある。僅か程度だが杖やチョークの材料によって効果が違う。
・魔装
魔術から身を守る為の防具。ローブやマントが主流。とんがり帽子は高等魔術師だけが被れる一級品。僅か程度だが杖やチョークの材料によって効果が違う。
・魔素
空気中にある見えない物質。幻想世界にしかない。
・魔力
生まれつき持っている者と持っていない者がいる。魔力=生命力な為、一度に使い過ぎると最悪の場合死に至る。時間を置けば自然回復する。
・使い魔
召喚魔術で呼んだ生物のこと。魔術式は旧式魔術でないと成功しない。手間がかかる魔術。一時契約のため魔力が切れれば消えてしまう。
・階級
見習い魔術師…魔術学校の生徒達。
魔術師…上記の卒業者。
中級魔術師…一定の成果を上げた者。
高等魔術師…とんがり帽子が被れるぐらい一流の魔術師。魔術学校の先生は必ずこの階級の者。
(いえいえ!ごちゃごちゃしてる部分もあって見にくいかとは思いますがありがとうございます。
見落としてました…!可能ですよ!珍しい物だと思うのであまり持っている人は少ないと思いますが!)
了解しました!ちなみに愚息ですが物語を進めやすくするためと、たぶん不快にさせてしまうかもしれませんので若干マイルドにしようと思います…!
では、絡みロルを投下しても大丈夫でしょうか?
(/了解致しました!無論ツンケンしていてもキャラと分かっていれば不快には思いませんので、主様の匙加減にお任せします…!
はい。お願いします!)
(ここは幻想世界、人間達が暮らす現実世界の裏側で、魔術師と幻想生物たちが生きる世界。ヨーロッパの街並みが広がる幻想世界の中心地には大きな『魔術学校』が建っており、そこは16歳から入学が許可されていた。見習い魔術師たちは皆ここで魔術を学び、卒業してから正式に魔術師を名乗ることが出来る。
16歳になったばかりのノエル・ラドクリフはその魔術学校の門を潜り、今年度の入学式に出ていた。彼の目的はただ一つ、この魔術学校であらゆる知識を学んで一流の魔術師になること。何故なら、自身を捨てて姿を消した両親にまで名の届くほどの一流の魔術師となり、己を捨てたことを後悔させてやろうと考えている為だ。つまりは学校生活や友人作りには興味など無く、支障が出ない程度に上手くやっておけば良いと彼はこの時まではそう思っていた。
しかし、シャンデリアと蝋燭が宙を漂うホールで行われていた入学式の後半のこと。とんがり帽子とローブを身に纏った若い女性の校長が出てきて「では、これより我が魔術学校の決まりによって、恒例のパートナー制の振り分けをしていく。パートナーはこの三年間の学校生活をしていく上で君たち生徒にとっては互いに欠かせない存在。その為、きちんと仲良くするように。授業や試験でも組むのだから仲良くしないと成績にも響いてしまうぞ。では、“センドリア(届け)”」そう言って、校長が杖を一振りすると新入生一人一人の元に手紙が飛んで行き)
パートナー制?そんなのは魔術学校の入学案内のどこにも書いていなかったぞ。
……全く、面倒な制度だな。扱いやすい奴なら良いが……。
(ぶつぶつと、それなりに整った顔からは想像も出来ないほどの辛辣な言葉を呟いた。ノエルは渋々受け取った手紙を開けて中の紙を見る。『α-14』ただその文字だけが書かれていた。
これだけで、どうやってこの烏合の衆からパートナーとやらを見つけ出せと? 微かに眉を顰めるが、しかし校長が「“チェンジャー(変化)”」と唱えた瞬間、その手紙は『白い鳩』へと変身する。一瞬驚いたものの手紙の裏に旧式魔術の魔術式が仕込まれていたのだろうとすぐに推測し、ノエルは飛び立とうとしていた白鳩を乱暴に片手で掴まえる。周囲を見れば蛙やら犬やら猫やらが暴れていて、どうやら人によって手紙が変身する生物は違うようだ。
すると、壇上にいる校長は快活に笑って「新入生諸君!魔術は凄いだろう?君達のパートナーはその生物達が導いてくれる。……さて、これで入学式は終わりだ。本日は授業も無いから学生寮に行くなり、街に行くなりしても良い。門限までには戻って来るようにな。では、解散!」嵐のようにそう言って校長はホールから姿を消す。残されたのは彼女の魔術に右往左往する新入生達。校長のイタズラには付き合いきれんと言った感じにノエルは白鳩を手放す。
そして、パートナーを見つけるよりも先にこの混乱するホールから出ようとして、獅子のレリーフがあしらわれた立派な出口の扉へと向かって行き)
(/ありがとうございます…!なるべくバランスよくしていきますね! / 最初ロルゆえに長くなってしまいましたが、無駄な部分はじゃんじゃん蹴って下さいませ…!)
えぇ……いくら2クラスしかないとは言え、効率悪すぎじゃない…?
(入学式も後半にさしかかった頃。パートナー制についての説明があったかと思えば途端に阿鼻叫喚と化したホールの様子を、ブリジットは立ち尽くしたまま呆然と眺めていた。普通班分けやパートナー分けといったものは席順に対応させておくべきものではないのだろうか。魔術師の考えることは分からないわ、なんて密かに溜め息を零せば「っと、待って待って!今行かれても追えないわよ!」と今にも飛び立とうとしていた白鳩を呼び止める。果たして言葉が伝わったのか白鳩はブリジットの肩の上に収まり、見失わずに済んだ事にホッと胸を撫で下ろした――その時。「退けッ!」と男の怒号が響き、近くに居た女子生徒が突き飛ばされて転倒する。しかし男子生徒は謝罪どころか舌打ちをしてこちらの方に向かってくる猫を追って走ってきており、それを見たブリジットは男子生徒とのすれ違いざまに足をかけて転倒させる。そして勢いよく床にダイブした男の前で仁王立ちになって指を突きつけ)
ちょっと!人を押し退けるだけじゃなく、突き飛ばしておいて謝罪もしないなんて何様のつもり!?
(二人の居る場所を中心に、あれほど騒がしかったホールが静まり返っていく。立ち上がった男子生徒は顔を真っ赤にして「うるせぇ!!」と叫ぶが、対するブリジットは片眉をひょいと上げて「なぁに?自分の非を指摘されて逆切れするの?……男の風上にも置けないわね、アナタ」とつまらなそうに言って腕を組むだけ。当人にいくらその気はなくとも容姿も相まって煽りでしかなく、熱くなった男は怒りに任せて拳を振り上げた。しかし肩から飛び立った白鳩と近くの出入り口の方から飛んで来た白鳩が男子生徒の顔の辺りを執拗に突っついたため、彼は顔を庇って動きを止める。暴力沙汰を回避したことで周囲の緊張した空気が和らいだころ、騒ぎを聞きつけた教師が駆けて来る音を聞きながら、ブリジットは未だ警戒するように男の周りを旋回している二羽の白鳩を見つめ)
同じ動物の人がパートナー、なのよね?……と言う事は近くに居るのかしら。
(/「出会いは最悪」との事でしたので、ノエルくんの期待を全力で裏切って扱いにくさMAXにさせて頂きました…!← こんなある意味問題児パートナーですが宜しくお願い致します!)
(廊下へと通じる扉に手を掛けようとした瞬間、騒音が一瞬にして静まり返り、一際目立つ女子の声がノエルの耳に届く。入学式早々に喧嘩かと、呆れたように後ろを振り返れば目に入ったのは顔を真っ赤にしている男子生徒と何やら注意をしている女子生徒。どちらが正しいのか間違っているのか、そんなのはどうでもいい。ああ言う連中は悪目立ちをする為、関わらないのがマシだ。あのパートナーになる生徒はさぞかし大変だろうなと鼻で笑い、ノエルは二人から視線を外そうとした。
だが、先ほど彼が放した白い鳩がその女子生徒に助太刀をする。しかもよく見れば彼女の肩にも同じような白い鳩が止まっていた。勘のいいノエルはすぐに察してしまい、悪い夢なら醒めてくれと言った感じに)
……冗談じゃない。あの扱いにくそうな奴がこれから三年間も組むパートナーなのか?
(くしゃりと困ったように黒い目を細め、一度だけ金色の髪をかく。成績優秀、品行方正で三年間を通して行こうと考えていたが、パートナーらしき人物が開始早々あの様子では自分まで教師に目を付けられそうだ。
けれど、起きてしまった問題は仕方ない。なら、教師が来て面倒くさいことになる前にここから去るまで。ノエルは周りが自ら道を空けてしまうぐらい威圧的にづかづかと彼女の元まで歩いて行くが。
しかし辿り着いた途端、その雰囲気を緩やかなものに変えて)
そこの君、ちょっと良いかい?その白い鳩は僕の手紙が変化したものなんだ。だから、僕と君はパートナーなんだけど……先生が来ればゆっくりと話すことが出来ないから少し場所を変えようか。
(にこりと優しげに微笑んで、人混み故に中々こちらまで進んで来れない教師を一瞥して目の前の彼女に告げる。
そして、くるりと振り返ると再び出口を目指してホールから出ようとし)
こっちだよ、付いて来て。
(/ありがとうございます…!こう言う娘さん大好きなので、むしろ大好物です! / いえいえ、こちらこそ初っ端から猫被ってますが、ホールを出た時にでも見破ってやって下さい(笑) / では、背後はこれにて失礼しますね! また、何かあれば遠慮なくお呼び下さい)
……で、アナタはいつまで座り込んでいるの?
(女性であるブリジットに手を上げようとしたことで周囲から咎める様な視線を向けられ、身動きが取れなくなった男子生徒をよそに、転倒した状態のままぽかんと事の成り行きを見つめていた女子生徒に歩み寄る。かけた言葉こそ厳しいが手を貸して立ち上がらせれば膝を少し擦りむいてしまっているようだったので「よければ使って」とティッシュと絆創膏を差し出し、女子生徒が戸惑いながらも受け取ったところで周囲にできた人だかりを割って現れた相手に声を掛けられ)
そう、アナタが…。でも私、その先生と話があるのだけど……って、ちょっと!?
(相手の言葉と戻って来た白い鳩が手紙に戻ってお互いの手に収まったのを見れば納得したように頷くも、続く言葉にはむしろ教師と話がしたいと言って人だかりの向こうに見えるとんがり帽子に視線を向ける。しかし相手は外に出る気のようで扉の方に向かって歩き始めてしまい、絶対数の少ない教師よりはこの広い校内ではぐれてしまった名前も知らない一生徒を探す方が大変だと判断して、小走りに相手の後を追ってホールを出て)
(/了解致しました!ではこちらも失礼しますので、何かあればお声掛けください…!)
(雑踏した入学式のホールから解放され、さながら城内の廊下のような学校内を歩いて行く。辿り着いたのは学校内にある中庭。近くに生徒や先生はおらず、二人っきりで話すのには好都合だ。周囲は壁に囲まれており中央には大樹が聳えている。四月特有の穏やかな気候に当てられつつもノエルは後ろを振り返って)
取り敢えず、自己紹介をしようか。僕はノエル・ラドクリフ。幻想世界の出身だよ。魔術の知識は沢山持っているから、分からないことがあったら遠慮せずに聞いておくれ。
良ければ君の自己紹介も聞きたいな。
(にこにこと笑顔のままで話す。これはいわゆる猫被り。扱いにくそうな相手でも大体は優しく接すれば大人しくなる。そう腹の中で真っ黒なことを考えて、ノエルは人当たりの良さそうな笑みを崩さずに相手の自己紹介を待ち)
(相手の背中を追って中庭へとたどり着くも、そのままにしてきてしまったホールの事が気がかりでちらちらと後ろを振り返る。あれだけ目撃者がいるのだから男子生徒が罪を逃れることは無いと思うが、どうせなら突き飛ばした女子生徒に謝罪するところまで見届けたかった。歩きながらそんなことを考えるも、ようやく立ち止まって振り返った相手に話しかけられれば一旦意識を目の前の人物に戻し)
……え?ああ、そうね。ブリジット・クロックワークよ。
出身は幻想世界だけど育ちは現代、先月まで向こうに居たわ。だから魔術に関しては何も知らないし、学校に関しても説明を聞く間もなく放り込まれたの。
(相手に倣って自己紹介をしつつ、母親の逝去から怒涛のように流れた時間を振り返って溜息を一つ。おかげで感傷に浸っている暇もないのは父親の気遣いなのだろうか。ありがた迷惑という言葉が浮かびかけるのを何とか振り払って、人当たりのいい笑顔を浮かべる相手の顔を見上げる。どこからどう見ても非の打ちどころのない好青年だが、それ故にどこか胡散臭い気がして仕方ない。加えてホールを後にした時の強引さが少しだけ引っかかっており、じっと見つめる事数秒、おもむろに口を開き)
――ねぇ、それって素なの?それとも演技なの?
へぇ、それじゃあ分からないことだらけで大変だろうね。なら、これからパートナーとして手助けするよ。逆に僕は人間世界のことを知らないから機会があれば教えて欲しいな。
(相手の自己紹介を聞いて、魔術初心者かと裏で思う。しかし変に知識を付けているよりかはマシな上に、人間世界の文化にも多少の興味がある。ある意味で当たりの部類に入るだろうと考え、ノエルは笑顔のまま上記を述べた。
完璧に相手を騙せている。むしろ、孤児院や親戚の家などで今まで騙せなかった奴などいない。そう己の演技力を自画自賛していたが。
しかし、ジッと見られていた相手に鋭い指摘を入れられ一瞬動揺しそうになるが、何事もなかったようにノエルは微笑みつつ)
……君って面白いこと聞くね。勿論、素だよ。
(くすくすと面白そうに笑う演技をして見せる。
少しヒヤリとしたもののバレるはずなどない。そう確信して、相手が勘違いだと認めるのを待ち)
……ふぅん、そう。やっぱり演技なんだ。
(愉快そうに笑っているさまはとても演技には見えないが、瞳を細めて薄らと笑みを浮かべたブリジットはほとんど確信を持った様子でそう言い切る。ただのクラスメイトとしてならばむしろ外面の方でいてくれたほうが付き合いやすいと思うが、相手とはこれから三年間パートナーとして一緒にやっていかなくてはならないのだ。被った仮面の裏を覗くように一歩、相手に向かって踏み込んで距離を詰め)
もしアナタが本当に何の演技もしていなかったら、素だなんて答えずに何のことか分からないってリアクションをするはずよ。……だって私、「それ」としか言ってないんだもの。
……にも関わらず「勿論素だよ」なんて主張するからには、ねぇ?思い当る節があるってことでしょう?
(にこり、と効果音が付きそうなほどに笑みを深めて相手を見上げる。とは言え別に好青年ぶりが演技であろうと本性がどうであろうと態度を変える訳ではなく、ブリジットはただ単に感じた違和感の正体が知りたかっただけのため話は終わったとばかりに詰めていた距離を戻して片手を差し出し)
――改めてよろしく、ノエル
(きょとんと一瞬だけ目を丸くする。現在のノエルの心情を代弁すると、見誤ったのただ一言。演技が上手いことは自負していた。実際にそれで成果を上げてきた。なら何故バレた? 若干心の中でイライラしつつもノエルはまだ笑顔のまま相手を見遣る。
もしやあの反吐が出るほど人から好かれそうな外面に、相手が誤魔化されなかったからこそ見破られたのか? 優しい、笑顔、柔らかい物腰、その要素があれば中身も見ずに良い人と判断して他人は気を許す。
そして、人と言うのは都合の良いことしか見ない故にこちらの本性に気が付かない。つまりは、己の演技力が落ちたのではなく今回は相手が悪かっただけか? むしろそう思わなければ説明がつかないと考えて、ノエルは溜め息を吐きたくなる。このまま外面を押し通しても何とかなりそうだが、さすがに止めておこう。一度疑われれば三年間も突き通せる保証は無い上に、逆に素の方が何かと便利かもしれない。
やがてノエルは顔を上げると、穏やかそうに微笑んでいた表情をガラリと皮肉的な笑みに変えて)
……はっ、どうやらただの無鉄砲な輩ではなかったようだな。
御名答、今さっきのは全部演技だよ。騙される馬鹿が多いからあの性格の方が色々と都合が良くてね。
(そうやって、人を食ったように鼻で笑い。相手の差し出してきた手を一応形式的に取って)
ーーでは、こちらこそ改めて宜しく。
ブリジット・クロックワーク。
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