匿名さん 2015-11-23 11:32:49 |
通報 |
(程なくして店の裏手に辿り着けば、裏口から入るのではなく室外機を足場に開いている二階の廊下まで飛び上がり、無理矢理ショートカットを実行して。廊下に着いた刹那、目の前の部屋から発砲音が複数回。すぐにドアの横へと移動して中を見れば、ハンドガンを持った男がこちらに向かって銃弾を放っていた。スナイパーと言えどもハンドガンも持っていたかと思いつつ。しかし、所詮今の相手は逃げ場の無い籠の中の鳥だ。ピンを外した閃光弾を室内に転がせば「ーーっ!?」と敵の息を呑むような声が瞬く間にフラッシュに包まれて。目と耳を一時的に奪われた相手は混乱し、無闇矢鱈に発砲をし始め。室内だから下手をすれば跳弾するのに、と他人事のように思って敵が弾を撃ち尽くすのを待ち。やがてガチャガチャと引いても弾が出なくなった瞬間、素早く近付いてその顔に回し蹴りを食らわせ床に叩き付け。念の為にスタンガンも押し付けておき。そしてもう一度、本当に気絶したかどうかの確認の為に蹴りを入れる。一連の動作が終わった後パトロールの為にと持ってきていた手錠を掛けて、そっと気絶している相手に一言囁くように呟き)
口実作りにご協力感謝。
(そう言って廊下にほうり投げ、ベランダから外の裏通りを見る。やはり、先ほど一時の相棒が薬物バイヤーと薬中に銃で挑発していたあの位置はこのベランダからだと死角になっていたかと、自身の計算が間違ってなかったことを確認して。そうして読み通りに最初の方では彼は撃たれず、自身が撃たれたわけで。けれど彼の性分から助けてくれるだろうと見込んでいて。しかし声での注意だけだと予想していたので、まさか体を張ってくれるまでとは思っておらず。ワザと撃たれそうになって死にかけた甲斐があったなとほくそ笑んで。とにかく“借りを(ワザと)作ってしまった”ことを口実に、次の約束を取り付けようと今から楽しみに考えて。まだ日が浅いのにこんなにも執着するのは我ながら気味が悪いなぁ、と思いながらもニコニコとしていて。とにもかくにも仕留めた敵を引き摺って裏口から出ると、この辺りにいるかなとキョロキョロして元の場所へと戻って行き、相手を探して)
(不意に此方への銃撃音が止み、程なくして発砲音がまた響くものの此方への攻撃ではなければ彼が到着したのだとわかり建物を見ていればベランダが明るく光ったのが見え、彼がまた閃光弾を使ったのだと察知すると程なくして銃撃の音は止み。おそらく彼が狙撃手を制圧したのだと理解すれば漸く力を抜いて壁に凭れ掛かり。先程気絶させた二人組を見張りながら負傷した左手に簡易的な止血を施して上からジャケットを羽織り、見た目に違和感がないことを確認して。どうせまた怪我をしたことが相手に露見すれば馬鹿にされることは不可避であると思った為であり。そうして暫くするとズルズルと言う何かを引きずるような音と共に相手の姿が見え軽く右手を上げれば壁に預けていた体重を引き起こして立ち上がり。彼が引っ張っているのは先程の狙撃手であったらしく、完全に気を失っておりこれで一応一件落着かと安堵の溜息を吐いて)
で、こいつらどうすんだ?俺ら2人じゃ3人も連れて帰れねぇぞ。
(/全然大丈夫ですよ!偶に此方も矛盾が生じてたりするのでお気になさらず…!)
ご苦労様、狼君。
(無傷故にケロッとしながら言う。続いて引き摺っていた敵を、気絶している最中の二人に向かって投げてまるでゴミ袋を積むかのように一箇所に纏め。ーーふと、足元に何やら微かに血痕のようなものがあることに気付き。敵の歯でも折ってしまったのだろうかと思うのの血は出ておらず。なら、彼だろうかと横を見るが、どこも怪我をしていないので訝しんでいると、相手から三人をどうするのかと問われ)
……うーん?そうだね、これは今からウチの部下を呼んで一緒に運んで貰うよ。月末だからみんな仲良く残業していると思うし。
君も頑張ったんだからこの中からどれか一つ持ってく?
(/ありがとうございます…!泣)
…いや、こんなの持って帰ったら説明が面倒だ。そっちで処理してくれ。別に手柄を立てる気はねぇしな。
(積み上げられた男達を見つつ幾らマフィアの管轄外とは言えパトロールの存在を知らないわけでもないだろうに屋外で堂々と取引するとは馬鹿だと思い。相手の言葉に返した返答は半分真実で半分嘘と言ったところか。持って帰ったところで何故パトロールの役でもないのに繁華街に足を出向いたのか聞かれるのが面倒であるのは本当のこと。ただ、隠したもう一つの理由は腕を負傷しているため持って帰れないのだ。右手のみで引きずって帰ることもできるが左手を使わない様子は余りに奇妙に見え、彼に即座に左腕の怪我が露見するであろう。そんな事を考えこの男達の処遇は完全に相手の組織に任せることに決め)
(/いえいえ!それでは背後は失礼致します!/蹴り可)
まあ、確かにそうだね。
(言い分通り今回の彼のパトロールは非公式であるが為、組織への説明など難しいだろう。それに迂闊に敵が繁華街で取り引きをしていた所を二人に押さえられたなどと口走ればバレてしまうし。とは言え、そこのところは後でしっかりと根回ししておくつもりだが。ーーそれにしてもどこか何かが引っ掛かる。もう一度、相手をジッと見て揺さ振りをかけるように言葉を付け加えて)
……ところでこっちは無傷だけどそっちは平気だった?周りの弾痕からして激しい銃撃戦をしていたようだしさ。
…見た通りだろ?全部このゴミ箱盾にしてたから平気だ。
(何とか理論の破綻のない言い訳ができたようだがそれでも尚何処か怪しんでいるような相手の様子に内心冷や汗をかき。揺さぶりをかけるような相手の言葉に両手を軽くあげて見せ無事を示すものの左手はズキンと大きく痛み。先ほど盾にしていたゴミ箱を指差しそこに弾痕が大量に残っているのを見せようとしたもののよくよく見ればゴミ箱に血痕が飛散しているのが見えてそれについての言い訳が思いつかず若干の間黙り込み誤魔化すように視線を逸らし)
まぁ、若干掠ったくらいだな。
へぇ、ドジっちゃったんだ。
(にこにことした顔でからかうように言うもののそれ以上弄りはせず。ある意味であの銃撃戦の原因を作ったのは自分とも言えるので、あまり冷やかすのもどうかと感じ。今は血が出てはいないので応急手当てはしたのだろうと察して。取り敢えず、念の為に血止めの薬を投げ渡し)
はい、血止めの薬だよ。ここはAtaraxiaからそれなりに距離があるから、万が一帰り道で傷が開いちゃった時にでも使ってよ。
あー…まぁな。…どーも。
どういう風の吹き回しだ…?
(てっきりかなり弄られるかと思っていたが何を思ったか想像した程の攻撃は無く。真逆この男が僅かでも良心を痛めているとは思えずまた何か考えているのではないかと考えていたがそれに加えて血止めの薬と言って薬を渡されればますます何を考えているのかと訝しむ様な瞳を相手に向けつつもぶっきらぼうに礼を言って受け取り。)
さあ?どうしてだろうね?
(にこっと食えない笑みをまた一つ。相手は訝しむが、正直に理由を言う気はない。それに、言ったら言ったで殴られそうだ。それをはぐらかすようにワザと話題を変え)
それにしても“今日は”ここでお別れだね。さすがに呼び付けた部下に見つかったらマズイし。
パトロールを手伝ってくれてありがとう。意外と狼君もやるね。
は、どうせロクな理由じゃねぇんだろ、お前の事だ。
(いけ好かない笑みを見せる相手をふんと鼻で笑いそれ以上は喋ろうとしない相手に追及してやろうかと思うもののそれを見透かしたように話題を逸らされ。確かにここで相手と会っていたのがバレると色々と面倒である。これで相手への貸しが返せるのならまぁ安いものではあるし、この時点では恩を売ったことも何かに利用できそうだと目論んでおり)
はん、ったりめーだろ。
今度こそ首洗って待ってろよ。お前が油断して呑気に笑ってる時にでも撃ってやるから。
それまでまたぼけっとして誰か他の奴にやられてんじゃねぇぞ。
そんなに吠える元気があるなら帰り道は大丈夫そうだね。
ーーあっ、そうそう。今日は“不覚にも”狼君に助けて貰っちゃったからさ。“君に借りを作るのは癪だし、何かあったら一個くらい出来そうなことは代わりにしてあげるよ”
(何だか元気な姿を見ていたらまた弄りたくなって軽くからかいを入れ。そして、昨日彼に言われた言葉をそっくりそのまま真似して返し。借りと言った口実は、相手と積極的に関わるのに便利だなぁと思いつつ。相変わらずにこにことしたまま読めない表情を見せて)
もし二日ぐらい連絡して来なかったら、逆に君の邪魔をしに行くからね。連絡を待ってるよ。ちなみに僕は明日と明後日がちょうど休みだから。
(そう言いつつ落とした帽子を拾い、穴があいてないことを確認して土を払うとそれを被り)
お前、その台詞…ったく、本当に相変わらず何考えてんのかわかんねぇ野郎だな。
まぁいい。十分使わせてもら…っては!?期間短か過ぎだろ…!
お前は休みだろうが俺は仕事なんだよ!し!ご!と!
(相手の言葉には聞き覚えがある、というより言い覚えがあり、自分が昨日言った台詞をそのまま返されていることに気づき。相手が自分から借りを返すと言い出すのは若干怪しく感じられ、今日の相手は実に奇妙だと思いながら訝しむような眼差しを向けつつも有効活用の方法を考えていたが、その後に提示された期間は余りに短く案の定相手の都合に完全に合わせられている上、連絡をしなくても来るというのだから本気でどうしようもなく、少なくとも自分のような下級構成員である自分が顔を知っているような相手が自分の所に来たりでもしたら乱闘が起きる事は目に見えており頭痛に頭を押さえて)
だって、また早く君に会いたいしね。弄るの楽しいから。
(頭を押さえている相手を見つつ、片手間にスマホで部下にメールを入れ。再びまだ頭を押さえている彼の様子を見て、たぶん連絡をしてくる確率は高いだろうと考えて。まあ、相手が連絡をして来なかったら下調べをして自分からちょっかいを出しに行こうと思い。明日か明後日が楽しみだと心の中でほくそ笑んで。すると、部下からはすぐに行きます!と言った内容のメールが返ってきたので、緩やかにひらひらと彼に手を振って)
それじゃあ、また明日か明後日ね。
俺は玩具じゃねぇんだけど!?お前完全に俺のことおちょくってんだろ!
ってか会うの決定かよ!…はあ…、ったく、俺の休みは何時になるんだか…
(何気ない顔でさらっと言った言葉に猛烈に講義するも馬耳東風とはまさしくこの事なのだろうと思うほどに相手の表情はピクリとも動かず。兎に角『Ataraxia』に来られては堪った物ではないため相手を何処かに呼び出す必要があり、そう考えるとただでさえ少ない自分の休みは完全に潰れたとさらに深く長いため息を吐いてはさっさと帰れと言わんばかりにしっしっと手で追い払うようなジェスチャーをして、この場の後処理は相手に任せる事にして自分は踵を返し『Ateraxia』本部の方向へと歩いて去ろうとし)
……ほんと弄り甲斐があるなぁ。
(帰路へと着く相手の背中を見送って上記をポツリと呟き。これでまだ会ってから二日目だというのだから笑えてしまう。自分は一目惚れなんてしない性格だしなぁと変なことを考えて。これはどちらかと言えば、子供が気に入ったオモチャを何が何でも手放さないような方の気持ちだろうと結論付けて。ーーやがて、迎えに来た部下と共に三人を回収すれば本日の仕事は終わりとなり。こうして、裏世界の夜は更けていき)
あー、やっぱ変な奴に手ぇ出さなきゃ良かった。絶対変なのに捕まってるよな、俺…。
(『Ataraxia』本部、自室へ漸く戻ってきた時には既に時計は午前三時を回っており。服を脱ぐと無造作に傷口に巻きつけた布が真っ赤に染まっているのを見て少し顔を顰めると先程渡された薬を飲み別の布を巻きなおす事にして。半ばぼやきながら机の上を片づけベッドの上に脱力しきって横になり一体これから相手をどう対処しようか迷っており。彼の言葉に恐らく嘘はない、すると二日連絡をしないと彼は此処に来てしまう。恐らく部屋も調べようと思えば調べられるだろう、事態を大事にしたくない自分としては嬉しくない事だ。となるとまた相手に連絡をしなければいけない。このループに何だか彼のペースにいつの間にか嵌められているような気がしてならないのだが難しいことを考えるのは苦手で途中で思考を止め。兎に角今日は眠ってしまおうと頭から布団を被ると直ぐに寝息を立て始めて)
(次の日の朝。Apatheiaの本部の側にある高層マンションの8階にて。朝食後のコーヒーを飲みながら今朝の新聞を読む。最近は仕事がデスマーチ気味だったので、家でゆっくりとするのは久し振りだ。しかし、偶にはこうしているのも良いがやはり自分としては仕事をしたり敵をねじ伏せたり現在お気に入りの彼をからかう方が楽しい。何にせよ、今回の自分は待つのみなので、それまでは大人しくしていようと思い、コーヒーを一口飲み新聞のページを捲っていき)
(翌朝目覚ましに起され眠たげな眼を擦りつつ渋々起き上がり適当に朝食を食べると黙々と溜まったデスクワークに取り組み。と、その中に何やら自分宛の手紙が紛れ込んでいるのに気づいて封を開けてみると送り主はなんと『Ataraxia』のボス本人。一体何日間机に埋もれて放置していたのかと思うとかなり顔面蒼白になり急いで目を通すとその内容は”パーティに潜入して闇オークションを検挙せよ”という直々の指令。狼は一応下級構成員の中では仕事の手際が良い事で名が通っている部分もある、そこを見込まれて頼まれたのだろうが感じんのパーティの日付は今日の夜になっている。気付くのがあと一日遅かったらと思うと全身の血の気が引いた。さて、パーティに紛れ込む為なのだろうがチケットが二枚中に入っており恐らく女性でも誘って怪しまれないようにしろという意図なのだろうが生憎と誘うような女性は記憶になく。さらに言えば昨日の負傷で若干太刀打ち出来る自信が無くどうしようかと迷っていたがふと昨日取り付けた彼との約束を思い出し、どうせ何かに使わなければならないのならとスマホを手に取って)
…あー、もしもし、朧か?俺だけど
(新聞を読み終えて、溜まりに溜まった文庫本を読んでいると着信音が鳴る。ソファーから体を起こして、サイドテーブルに置いてあるスマホを見れば画面には『狼君』の二文字。存外連絡をしてくるのが早かった。文庫本などには最早目もくれずパタンと閉じて。すぐに電話に出ると)
もしもし、おはよう狼君。僕で合ってるよ。
それでさっそくだけど用件は何かな?
トピック検索 |