匿名さん 2015-11-23 11:32:49 |
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(事も無さげに言う相手の瞳の奥に怒りの色を感じ、何も気付かなかった振りをして頷くものの自分も内心では彼に激しく同意であり。構成員達の命を奪ったこの男はそれこそそう簡単に**ると思わない方が良い。彼が何やら連絡を取っているように見えたが不意に禍々しい赤をしていた電気が元に戻り。どうやら何とか解除が間に合ったようだ。外部遠隔操作の技術は凄いと感心しつつエレベーターへ向かう為に非常口から出ようとすると不意に聞こえた相手の焦ったような声が。しかし爆弾の解除への安心感からかなり油断していた為に天井を仰ぎ見た時には反応が遅れ)
…は…?
(均衡の崩れた天井の大きな欠片が落下してくる。大きく横に飛びその大きな破片をは避けたものの不安定な足場に足を取られて捻挫した上に彼と逆方向に飛んだ為に大きな破片が視界と通路を塞ぎ非常口の方へと行けなくなり。これは困ったと内心で思いつつ爆弾のタイマーが解除されてなかったら死んでいるところであったと冷や汗をかき、破片の向こうの姿の見えない相手に声を掛け)
おい、先に行ってろ!下に回ってエレベーターで上に行くから!
分かった!待っているから気を付けてね。
(予想は的中して崩れたので一瞬冷や汗をかくが。視界は遮られているものの、瓦礫の向こうからは元気そうな声が聞こえてきて。安堵の息をつきつつも上記を述べれば、自身は非常口から通常通路に出る。
ーーだが、今か今かと待ち続けるも中々来ず。まさか、残っていた構成員と出くわしてないよねと心配していれば、不意にまたメールが届き。しかし、今度は朗報ではなく凶報で)
突然ブロックされた上に、ファイアーウォールが強化されて突破出来なくなった?時間は延長出来たけど結局は爆発をーー……ッ!?
(読み上げていれば、刹那『施設の爆破システムが再作動しました。停止することは出来ません。爆破まで後30分』と再び警告音が鳴り響き、周囲が真っ赤になる。確かにメール通りに時間は伸びているものの爆発すると言うこと自体は変わっていない。焦燥に駆られながらも続きのメールの文章を読んでいけば、車を走らせておいたから地上に出たらそれに乗れと書かれていた。ならば充分に間に合うはず。そう考えながらもどこか不安を抱えてエレベーターと彼が来るのを待ち)
(相手の声を聞いて安心して先ずは階下へと向かうものの足を捻挫したせいで上手く下れず痛みに顔を顰めながら一段ずつゆっくりと下り。漸くエレベーターに辿り着くと思った瞬間不意に警告音とあの禍々しい赤の光に辺りが包まれ。まさかとエレベーターのボタンを連打するものの電気システムが作動していないのかパネルは光ること無く、動いている気配もなく。だが、非常階段は岩で塞がれている。万事休すか。その場の壁に凭れかかり、自然に乾いた笑みが漏れ)
は…はは…マジかよ…
(もう一度試しにエレベーターを呼んでみるが、相変わらず反応はない。残り30分であの岩を退けることが出来るはずも無い。その場に座り込みスマホを開いて相手の電話番号に電話を掛けてみるものの繋がらず。相手はもう外に出れただろうか。きっと上のエレベーターの前で心配して待っているはずだ。そう思うと此処でじっとただ三十分の間死を待っているわけにもいかず。足を引きずってセキュリティルームを探し出し、中へと入ると誰もいない事を確認してモニターに触れ。爆弾に関する情報を検索していくと幾つかの項目が出てきて、その全てがオンになっており。コンピューターのハッキングの知識は最低限度しか持っていないがやるしかない。キーボードを叩くと次から次へと覚えているだけの解錠コードを打ち込んでいきつつ画面を睨み格闘していて。すると、爆弾の解錠こそ出来ないもののエレベーターの作動についてのプログラムを発見し、その作動の許可に成功し。後はエレベーターに乗るだけだが兎に角時間が無い。足を引き摺り一直線にエレベーターを目指し)
(彼からスマホの着信履歴は確認できたものの「もしもし」と話し掛けても電話はイカれているため反応は無い。メールを送ろうとも試みたが、文章を打っていれば途端に画面がブラックアウトしてしまい。こんな時に完全に壊れてしまったかと眉を顰めたくなり、相手の状況が分からないままで。
ーーそれにしても、かなり待っているのにエレベーターが一向に動かないのはさすがにおかしい。やはり、狼君自身に何か起きたかそれとも……と思いながら。ふと、エレベーターのボタンを押してみるがパネルが光ることは無く、動く気配も無い。先程のメールには書かれていなかったので気が付かなかったが、再度エレベーターまでやられていたとは。もしかして本部の方はエレベーターが動いていないことに気付いてないのかと考えつつメールを送ろうとしたが当然スマホは反応せず。仕方無しに、エレベーターの横に掛けられている階毎の案内を見てセキュリティールームを探すが、この階には無く一個下の階で。もしかしたら狼君は、エレベーターを動かす為にこの部屋に入っていて時間が掛かっているのかもしれないと仮説を立て。
ーー途端。微かな音を立ててエレベーターが復旧し、待つものの遅く。やっぱり何かあったなと確信すれば、エレベーターを呼び付けて下の階に降り。一旦、男を中に置いては地図を横目に見てセキュリティールームへの道順を走って行き。すぐに足を庇いながら移動している狼君を見つけては)
無事で良かった。
けど、少し時間が無いから失礼するね。
(そう言っては問答無用でガシッと彼を右脇に抱えてエレベーターまでUターンして運んで行き。すぐさま乗り込んでは一階のボタンを押し扉を閉めて)
これを復旧させてくれたのは狼君だよね?ありがとう、助かったよ。
…え、おい…!
(エレベーターの音が聞こえた気がして顔をあげれば相手の姿があり。驚いて何を“失礼”するのかと問う前に右脇に挟まれ運ばれれば不満の声こそ上げるものの動くのは動くのでまた恐ろしくじっとしており。エレベーターに着いて漸く解放されると軽く溜息を吐き非難するように相手を見て)
そうだけど…お前なぁ…俺がチビだからってもっとまともな運び方はねぇのかよ…恐怖しかねぇよ…
(いつ落ちるかわかったことではない恐怖と言ったら無い。しかし、彼が来て運んでくれなければ間に合ってなかったかもしれないというのもまた事実であり。彼には助けられてばかりだと思い礼を言わなければいけないのは此方だというのに正面から言おうとすると言えず。やがてチンという音を立ててエレベーターが地上へと辿り着けばエレベーターから出て一刻も早く建物から離れる為に歩き出して)
(まともな運び方と言っている相手に、脇に抱えるのは普通じゃなかったかと首を傾げ。他の運び方……と考えてみるもののある方法が思い付いて不覚にも笑ってしまいそうになるが、すぐに堪えて。けれど我慢出来ずに、くすくすと笑いつつ彼を見遣れば)
ごめんごめん。
“お姫様抱っこ”にすれば良かったね。
(そうにっこりと笑って言い。
ーーやがて、そんな軽口を叩き合っていればエレベーターが地上へと辿り着いたので男を担ぎ上げる。建物から離れる為に歩き出してしまう彼をすぐに呼び止めては。メールで書かれていた通り、組織が用意した車が近くにあったので乗るように促し。エンジンをかけて発車させ)
はぁ!?馬鹿かお前…おひ…っ!?
…何故おぶるという選択肢が出て来ない…
(相手の口から出た言葉にげんなりとした表情を隠し切れず前面に押し出し。脇に挟むというのもかなりであるが、お姫様抱っことは男にするものではないだろうと伝えようとするものの“姫”という言葉を口にするのすら躊躇われて口をパクパクとさせていたが一度大きく溜息を吐くと諦めて正当な解答を出し。呼び止められ、見れば一台の車が施設の脇に停められており、言われるがままにそれに乗り込むと間に合ったという安堵とともに背凭れに体を預け溜息を長く吐き出し)
…はぁ…今日は2回くらいガチで死ぬかと思ったぜ…疲れた…
(背負うと言う選択肢には頭に入っていたが、お姫様抱っこの方がからかえると思ったので敢えてそれを言っただけで。予想通りいい反応とツッコミをしてくれた相手を見てにこにこと微笑んで。
ーー地下施設から脱出し、そのまま車を走らせていれば彼が横で長い溜め息をついたので「お疲れ様」と労い。数十分後にやっと街に着けばドンッとした地震に似た衝撃が地面に走り)
今、爆発したのかな?
ほんと間に合って良かったよ。
(自分のツッコミを物ともせず却ってニコニコとしている相手を見て漸くからかわれたと気付き頭を抱え。更に疲労がどっと増したとき、鈍い振動を感じて今更ながらに恐ろしくなり。本気で今日は二回程死が見えた。後ろで気を失っている男を後でどうしてくれようかと思いつつも何処か落ち着きを無くし始め、それは拠点に近づくに連れて顕著になりあちらに視線を彷徨わせたりハンドルの動きをじっと見たり意味もなく自分の髪を弄ったりしていたが、本当にもうすぐで拠点についてしまうとなったときに漸く決心がついたのか、しかし相手の方は見ず、窓の外を見るようにして顔を背けながらぼそりと呟き)
…今日は、ありがとな、お前が居なかったら、きっと俺死んでたから。
(目一杯の感謝の気持ちを相手に伝えればやはりこういうのは性に合わないと思い前髪を掻き上げて暫く恥ずかしさに火照ってしまった顔は見せられないなと車窓から外を眺めており)
(まずはAtaraxiaの本部に行こうとハンドルを切り。自身は大した傷を受けていないが、狼君は拷問で受けた傷と足をやられているので早く手当てを受けて貰おうと、先に彼の組織に行こうと考えたわけで。車を走らせていれば、何やら助手席の彼が挙動不審になり始める。疑問符を浮かべるものの運転に集中し。もうすぐで目的地に到着と言うところで不意打ちに感謝の言葉を告げられ。きょとんと目を丸くしてしまい、どうしたのかと思うが。けれども嬉しいことには変わりなく)
うん、どう致しまして。
でも僕も狼君がいなければ脱出できなかったからおあいこだよ。こちらこそありがとう。
(そう微笑む。そして信号が赤になったので止めることが出来、横目に彼を見れば。先ほどから窓の外を見ていたものの、窓ガラスが反射してその表情が見えてしまい。ほんと狼君らしいなと微笑んだままで。敢えて指摘や揶揄いはせずに車を走らせていき、Ataraxiaの本部に到着し)
(相変わらず相手はさらっと返答をするなと思いつつ、何故自分は礼の一つが簡単に口に出せないのかと心から悩み。プライドや意地が先立ってしまうのは悪い癖だし、直したほうが良いのだとは思うがどうにも上手くいかないなと思いつつ。車が止まったのはAtaraxiaの本部で、報告より先に此方へ来た所を見ると彼が自分の怪我を気にしてくれたのだろうと直ぐにわかった。本当に今日は久し振りに満身創痍になったものだ。よくもまぁあんなに強く殴ってくれたものだと腫れた頬を摩りながら思いつつ。既に痛みは大分和らいでいたが捻挫の方が大分腫れており、この年になって捻挫というのも大分恥ずかしく、冷やしてさっさと治してしまおうと考え。車から降りて中に入ると取り敢えずは矢張報告を優先させたいと考え。だいぶ見苦しい格好にはなるが、また死傷者を出してしまった事も直ぐに謝らなければいけないのは必須であり、未だ伸びている男を見てぐっと唇を噛み締めて)
朧、先にボスに報告に行くぞ。
(足に気を使って歩いている相手を見遣り、背負ってあげようかと少し考えるがここはAtaraxiaの本部。敵と言えど彼の面子を潰すような真似は出来ないなと思い留まり。転びそうになった時に支えようと考えて、また本当は先に医務室に行って欲しかったものの報告の方が大事ということは自身も分かっていた為「了解」と同意するしかなく。あの男を担ぎ上げたままAtaraxiaのボスの部屋に向かい、部屋の中に入って行き)
(ボスの部屋へと入るとボスが此方を見て驚いたように目を丸くし。何か言いたげにしている相手を遮りばっと頭を下げて)
申し訳ありませんでした…!!また俺のせいで…援軍に来た人達に死傷者が出てしまって…
(ボスは少し瞳を瞬かせて此方を見ていたがゆっくりと椅子を回転させるとソファを指差し”座れ”とだけ告げて。一体何をどう怒られるのかとビクビクしていれば責任はとらなければいけないとぎゅっと拳を握り次の言葉を待っていたが、次に相手の口から出たのは”拠点を見つけたのはお前か?”という質問で。少し驚きつつ小さく頷き)
は、はい…
(するとボスは少し考え込むようにしてから”…そういう場合はきちんと誰かに報告してから行け。朧君がApatheiaに連絡を取り、そこからこっちに連絡が来たが、君が単騎潜入したと聞いて心配していたぞ。無謀は若者の特権だが年寄りの寿命を縮めないでくれ。”という説教の言葉を掛け。それから傷だらけの体を見ると顔を顰めて”随分酷い怪我だな。どういう経緯でそうなったんだ…”という言葉にやや恥ずかしくなりながら怪我の経緯と殲滅までの経緯を事細かに話すと納得したように頷き、”そうか、君の行動は決して褒められた事ではなかったが、拠点を見つけた洞察力、拷問に耐えた忍耐力、その状況でパートナーとともに無事帰還した事だけは胸を張っていい。さあ、落ち込んでないで次に活かしてくれ。キツい言い方をする様だがこの世界で死者は日に何百と出ている。引き摺ってばかりいれば身が滅びてしまう。”と後悔が自分の顔に出ていたのかボスにそう言われて下手に怒られるよりも心に来て小さく返事を返し。その後は直ぐに処置室へと行く様に言った後に、ボスは最後に朧を見て”うちの構成員が迷惑を掛けて済まないね。無事狼が帰ってきたのは殆ど君のお陰だろう。心から感謝する。”と告げて。まさかボスがApatheiaの構成員にそんな言葉を掛けるとは思っておらず瞳を瞬かせていればさぁと部屋を追い出され、意外な事もあるものだと自分を棚に上げて考えつつ)
(敢えて何も言わずに狼君とAtaraxiaのボスの会話に耳を傾けており。やはり、人の上に立つ方は言葉の飴と鞭の使い方をよく心得ているんだなと思い。ふと、Apatheiaのボスが言っていた悪口を思い出したが全く当てはまっていないと感じ、あの人はどうもここが関わると子供っぽくなるよなとも思う。そして最後にAtaraxiaのボスに感謝の言葉を述べられた為、少し驚きながらも微笑みを浮かべて)
私には過ぎたお言葉です。それに彼がいたからこそ、こうして自分も生きて帰って来れました。むしろ私がお礼を言わせて頂く立場です。ありがとうございました。
(そう一礼をする。そうすれば一通りの話は終わったのか、切り上げられて。もう一度、軽く一礼をして部屋から出て行き。不意にこの担ぎ上げている男はどうしようかと悩むものの。取り敢えず、Apatheiaのボスにも見てもらおうと思い後回しにして。狼君を医務室まで送れば)
ちゃんと療養するんだよ。割と腫れが酷いしさ。
じゃあ、僕はApatheiaのボスの所に報告に行ってくるね。
…悪いな、俺の方だけ付き合わせて。本当は俺もそっちに行かなきゃなんねぇのに。
(医務室に入り送ってくれた相手を振り返り申し訳なさそうに告げ。しかし、この状態で他の組織のボスに等到底会える筈もないので此処は引き下がり頼むことにして。言われて足を見ると確かにかなり腫れている。しかも患部が固まってきて熱を持っていてかなりズキズキと痛む、一体顔はどうなっているのかわからないが、口の端にはまだ乾いた血の跡があり、頬には床で擦った跡があり、医務担当の構成員に染みますよという警告と同時に消毒液のついた脱脂綿を押し付けられれば声にならない悲鳴を上げつつ大きなガーゼを貼ってもらい。足首の捻挫に関してはテーピングをぐるぐると巻いた上から氷袋で固定し。三日は安静にしていてくださいと朧に言われたことと同じことを言われ渋々と頷き部屋まで帰って)
ははっ、ほんと今日の狼君は素直だね。気にしなくて大丈夫だよ。
それじゃあ、お大事にね。明日お見舞いに来るよ。
(そう言って医務室を出れば車に乗り。Apatheiaの本部に帰って来て、この男を担ぎ上げたままボスの部屋へと入れば怪訝な顔をされたが。今までの経緯とスマホが壊れて連絡出来なかったことを話していき納得をして貰う。「それにしてもかなり怒ってるね朧」とApatheiaのボスに指摘され、いつもと同じ表情なのにと疑問符を浮かべていると「分かる人には分かる」と言われてしまう。
ーー取り敢えず、一通りの話は終えたのでこの男を扱いをどうするか尋ねたところ両組織で“丁寧”に取り扱うとのことで。やはり相当ボスも怒っていることが伺われ。気絶している男を引き渡せば任務は終わり。しかし、まだ街では残党狩りをしているとのことでそちらに出向いて行って。
ーー日は暮れていき、やがて夜になれば一旦引き上げとなり。さすがに疲れたので真っ直ぐ高層マンションへと帰って行き)
(/今晩は!次は数日から数週間ほど時間を飛ばしても大丈夫でしょうか?)
(部屋へと帰るとベッドに横になり、大きく長く溜息を吐き。怪我は男の勲章だというが、こんな勲章は個人的には要らない。もっと強くなりたいのにと拳を握り締め考えては仰向けから俯せになりぎゅっと枕を握り締め。朧を追い越したいのに依然助けられてばかりの自分が悔しい。焦る気持ちもまた存分にあり。自分の性格の向こう見ずな所が大いに災いしている感じはある。彼のように頭が切れたら、冷静に物事を考えられたら避けれたであろう失敗が何個もある。考えれば考える程自分の粗が際立ってくるようで、際限なく落ち込みそうになったものの、しかし、今はそれを考えるには余りにも疲弊し切っていた。うだうだとベッドの上でそんな事を考えていると布団を掛けるのも忘れていつの間にか眠ってしまい)
(/はい、大丈夫ですよ!!)
(急に冷え込んできた12月の今日この頃。あれから二週間が経ちResistanceは解体されたものの残党狩りは続いており、その為AtaraxiaとApatheiaの協定はまだ続いている状況だ。
ーー取り敢えず本日もいつも通りデスクワークに勤しんで、全ての仕事を片付け終えれば「朧さんって今週の土日どちらか空いていますか?」とあの合同集会でAtaraxiaの構成員と喧嘩をしていた新人の聖(ひじり)君が声を掛けてくる。何の用事だろうか?と思っていれば「社内で合コンがあるんですよ。クリスマスも近いですしね!」とチラシを見せながら言ってきて。すると偶々通りかかった同期の刃君が「……聖お前、朧先輩はフリーじゃないんだから誘ったら駄目だぞ」と呆れ気味に彼に言い「!?そうなの!刃それ昨日の時に言ってよ!す、済みませんでした!朧さん」と頭を下げられるが)
……いや、一応フリーだけどね。でも今は合コンとかは行かなーーーー。
(そこまで言葉を発した所で「え?何を言ってるんですか?」と刃君に真顔で遮られ。「取り敢えず朧先輩と大事な話があるから聖はあっちに行ってろよ。……で、朧先輩。今さっきのフリーってどういうことですか?あの時に確か好きな人に告白したんじゃないんですか?」と部屋は近くの会議室に変えたが小声で詰め寄られて「うん、お陰さまで成功したよ」と告げたが「いやいや告白だけで満足してどうするんですか朧先輩!」と鋭いツッコミが入り「貴方って人は本命には奥手になるタイプですか……!?」と何故か頭を抱えて驚愕し。「あ、相手のペースに合わせることが大切だと思うけど?好き合っていることは確かだから」と鍋奉行ならぬ恋愛奉行の刃君に告げるが「そんなことを言ってますと他の人に誰だかは分からないですけどその人を取られますよ?」とジト目気味に言われ。けれど「……朧先輩は良い人ですから、部下としては後悔とかして欲しくないんですよ。あの時は見てるこっちがキツかったですし」とも小声で言われる。「とは言え、これ以上他人がどうこう言う資格は無いですから。朧先輩、一旦失礼しますね」と一礼されて会議室から出て行き)
……刃君の言い分はごもっともだよな。
(そう呟いて。自分が今後どうしたいのかを考えながら。取り敢えず、今は昼食を取ろうと街へと出て行き)
(/ありがとうございます! 飛ばさせて頂きました!)
(月日が経ち、怪我は完全に完治したようだった。再び通常の任務をこなし始め、普通の日常に戻り始めたのを感じていた。部屋を出て廊下を資料を持って歩いていると不意に呼び止められ。振り向くといつにも増して真剣な表情をした龍が立っており、”お前に相談に乗って欲しい事がある。”というので一体どんな重要なことなのだろうかと真剣に何かと聞いたところ、普段涼しげな顔をしているというのに、今日は若干頬を赤らめ”実は…俺には付き合っている女性が居てな。つい数ヶ月前に付き合い始めたのだが、クリスマスを心待ちにしているように見えるのだ。一体クリスマスには何をしたら良いのだろうか…?俺には女性の気持ちが良くわからなくてな…。”等と告白してきたので思わず唖然としてしまい。こんな堅物を好きになる女性もいるのかと思う反面、この堅物は人を好きになることがあるのかなどと割と失礼な事を考えており)
…あー、俺もちょっとよくわかんないですけど、やっぱり一緒にケーキ食べたり、お食事に行ったり、イルミネーションとか見たり、手繋いで街歩いたり、プレゼントを交換したりとかするんじゃないですか…?参考にならなくてすみません…。
(しかしそれをよりによって自分に聞くのかと思い。何とかいくつか案を捻出すると龍は成程と頷き礼を行って去っていき。それから漸くクリスマスが近いということに気付き。去年まで全く縁のない行事だった為に癖で頭から消し去っていたが、今年はクリスマスと聞くとふわりと彼奴の顔が思い浮かび。それからそれを掻き消す様にひとりでぶんぶんと首を横に振る。無い無い。先程言った自分が言うのもなんだが、龍に教えた行動を取っている自分達を想像出来ない。仲良くケーキを食べて、プレゼントを交換?無い。そもそも男二人が手を繋いで歩いている光景はどうなのか。色々と考えてしまい変な事を考えるのではなかったと強制的に思考を中断し、気分転換に街へと出かけ、ちょうど昼時であった為外でご飯でも食べていこうかと街を散策していると、嫌な予感はしていたのだが案の定その姿を発見して)
げ…、朧…。
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