匿名 2015-11-16 12:45:04 |
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………
(微笑むだけの彼女は何故だか恐怖に見えてきて極力目を合わせないよう下を向いていて。)
え…?
(着いて降りてみれば自分とは無縁とも言える店。驚きを隠せず呆然としていれば手が引かれ、引かれるがままについて行って)
これから着てもらう服を選ぶから。
その服だとほら、色々困るし
(視線は良いとは言えないリアンの服に。お店の中へ、まずサイズが合いそうな服の辺りに…一つ二つ選びとって)
うーん、どれがいいかなー?
(リアンに合わせていく。試着はしないようでぽんぽん「いる」「いらない」と分けていって。 そうして服を選んでいる間も、店員は不思議そうに2人を眺めていて)
で、でも……はい。
(服を選ぶといい始めた彼女。奴隷としては服を選んで貰うのは嬉しい事なのだが、リアンにはまだ前の主人からのプレゼントであるワンピースを手離せないでいて口を開く。しかし奴隷に口答えなど出来る筈も無くそのまま口を閉じて頷き)
…ご主人様の好きな物を…。
(店員の視線がどうにもむず痒いもので早く終わって欲しいという思いからそんな言葉が出て)
……………
……その服、着てたい?
(ずっと着ているためかやはりよれよれ…しかし何となく乗り気でないのを感じ取り、目線を合わせる。着ていたいならそれもいい、服はそこそこにしておこうかなんて考え。)
(ただ、やはり先程からにこにこ。単純に楽しみなだけだが、変に深読みさせてしまうのかもしれない)
…っ……はい。
(目線が合えば彼女の綺麗な瞳。それに捉えられれば逸らす事も出来ずに見つめ合って。素直に言ってしまったら怒って手でもあげるだろうか、そんな事を考えながら正直にゆっくりと頷いて)
(あぁ、新しい服よりもこんなよれよれな服を着てたいなんて。と自分でもよく分かっていなくてそんな事を考えていて)
ん、そっかそっか。
お気に入りならそれもいっか…これお願い
(手を上げるか、と言われればそうではなく、単純に聞いてみた。お気に入りならそれも合うかとカゴに山積みだった服から適当に半分程戻して、レジへ。派手っぽい物から比較的落ち着いたものまで。)
よし、帰るよー
(普通は奴隷に持たせるべき服の紙袋を自分で持って馬車に向かう。馬車は今度こそ豪華な屋敷へ着いて)
……ありがとうございます。
(手を上げなかった。ただそれだけの事に不思議と驚きが溢れて、いつもと違うタイプの相手に違和感を感じながらも新鮮な気持ちもあって。そのままの服を許してくれた事、そして自分への服に対してのお礼を小さく述べて)
……
(やはり変わっている。そう心の中で思ったのは彼女が自ら服の袋を持って行ったからで、だからと言って自分は執事やメイドでは無いので自分から話しかけるわけもなくそのまま後を追うように馬車に乗り込み豪華な屋敷に着くまで外を眺めていて)
……よし!ただいまー!
ユキちゃん、マリアちゃんこの子をお風呂に入れてあげて。
(屋敷に入るとメイド2人が出迎える。恐らく少ない方…その2人に荷物を持たせたりはせず、リアンの風呂を命ずる。「これからの仕事の為に綺麗になってきなさい」なんてリアンに言い)
徹底的に綺麗にしてあげること…あ、服は大事に洗う事。着てたいって言ったら洗わないでお風呂の後着せてあげて
(全ては自分が気持ちよく寝るため。それにはリアンの気持ちも大事、故に服は少しデリケートに扱って)
仕事……
(仕事と言う彼女に俯く。奴隷の仕事なんて指折りする程も要らない種類なわけで考えられる仕事はなんとなく想像でき、大人しくユキとマリア二人のメイド達と一緒に風呂場へと向かって)
……ご主人様?
(風呂で丁寧に洗われたリアンは先程とはまるで別人で、主人の機嫌を損ねるのは如何なものかと思い手放せなかったよれよれの蒼いワンピースは同じ髪色の真っ白なシルクのワンピースへと変わっていて。メイド達に次に連れられたのは主人であるノエルの部屋。大きな扉を前にしてはメイドにどうぞと態々開けてもらい恐る恐る顔を覗かせながら遠慮気味に部屋に入って行って)
んー?いらっしゃーい、リアンちゃん
はぁー、疲れたぁ…ほら、おいで
(リアンが来た頃に丁度仕事の書き物が終わって、大きなダブルベッドにぼふんっと飛び込む。ふわふわの布団を暫しもふもふとしてからリアンを手招き。ベッドでする仕事と言われて想像するのは恐らく違う事…)
あ、買った服着てくれたんだー…気遣わなくていいんだよ?リアンちゃんの気分が良くないと意味ないんだから
(相変わらずのニコニコ笑顔…ではなく、少し悲しげな笑顔。外という緊張がない、殆ど素の気持ちが表れている…それでも、顔に張り付いた笑顔はなかなか崩れない。
そこまで深いところは分からずとも、「普段と違う」という事位は分かる筈。それが不安になるか安心になるかはわからない。)
……はい。
(ベットで寛ぎ手招きをする彼女。これから起こる事など想像するのは簡単で小さく頷いては大きなベットへと近付き主人の眼の前で立ち止まって)
私…が?…どうして?
(確信は無かったがこの服を着たら機嫌が良くなる、そう思った。しかしまったく予想は外れ、それに加えてどこか悲しげな彼女の笑顔。彼女の表情と言葉は自分に理解出来るものではなく困った顔をして首を傾げる。何故自分が気持ち良くないといけないのか、どうして彼女は喜ぶ顔をしていないのか、まったく分からない。)
もう、じれったいなぁ
ベッド、ふわふわだよ?おいでってば
(その笑顔は例えるなら猫に向ける笑顔。できるだけ安心させたい、あるいは単純に愛おしい…
リアンの手を引く、そこに特別の力がこもっている訳ではないものの奴隷という身分のリアンからすれば重い鎖のように感じられる……)
なんでって…ほら、リアンちゃんの気が乗らないと「抱き心地」悪くなるでしょ?
(「抱き心地」本当に抱くだけとは思わないだろう、なら今から「する」と宣言しているようなもの。乗り気になれる人間はそうそういない。)
大丈夫。ほら、笑って?
(笑ってほしい、嘘の笑顔はいらない。そんな考えで頭を撫でる。しかしそれはなかなか伝わる事もない、むしろ「笑え」と強制しているようなもの…)
…わっ……。
(手を引かれ体勢崩して落ちたのは肌を包み込みような柔らかいベット。思わず眠ってしまいそうなある意味悪魔の寝床に勝手に眠りにつかないように彼女の方に振り向いて、こんな事では先が思い遣られる。なんて思いながら。)
抱き心地……笑う…。
(頭の中で飛び交う二つの言葉。今まで言われたことが無かったのは"笑う"。奴隷である身である自分は笑顔という選択肢はない。むしろ笑うという状況は皆無に等しい。主人はこれからする事に抱き心地と笑顔を求めているというのか。そんな事自分には出来ない、と言える訳もなく苦手というかした事もあまりない笑顔というものを何となく表現し「こう…ですか?」しかしそれは口角だけが上がるという変な表情で。)
どう?気持ちいいでしょ?
リアンのために買い換えたんだよ?
(初めてか、本当に「笑う」それは見つけた物を親に見せる無邪気な子供のような、少し自慢するような笑み。ある種追い打ちのように、あまりに軽く暖かい掛け布団をかける。)
…まあまあ、かな。
今すぐにってのも無理な話かぁ…それはおいおい、ね?
(評価は「まあまあ」しかし機嫌を損ねた様子はなく、むしろリアンを慰めるように優しく頭を撫でて微笑む。先程と同じ、恐らく自然な笑み)
(どこか躊躇うようなリアンに、ゆっくり手を伸ばしていく…しかしその手は服にはかからず、ぐっと抱き締めるような形に。布団の中で身体と身体が密着する)
私の…ために?
(己の為に買ったと言う彼女。また初めて言われた言葉、奴隷として買われた筈なのにそんな風に扱われない。そしていつもなら体の震えが止まらない程恐ろしい物だった寝床のベットも今は全くなくもう眠る寸前まで追いやられていて)
…!……
(彼女を顔を伺うと機嫌は良いように見えた。機嫌を損ねている訳では無いが満足そうでもない。内心ホッとしながら彼女が伸ばしてきた腕にきゅっと目を閉じる。しかし自分の思っていたものとは違う暖かく柔らかい感触。驚きを隠せず思わず彼女を見上げるように顔を向けて)
うん、リアンちゃんのためが私のためになるしね
どう?気に入ってくれた?
(頬を優しく撫でる。不思議そうなのもまた可愛いと素直に微笑んで。 優しくする割には奴隷の証である首輪はつけたまま。)
あったかい…眠くなってきちゃった
ねえ…こうされるの、嫌?
(リアンの顔は丁度ノエルの胸元。物理的に柔らかい物がリアンに当たる形に。 驚いたリアンを安心させるように、優しく背中をさする。眠気からか少しとろんとした瞳で問う、これに嫌と答えればどうなるのか、それはノエルしか知らない。)
……。
(撫でられた頬が熱くなるのを感じてはノエルの顔が見れず思わず目を逸らす。彼女の思惑は正直言って理解し難いが気に入ったかと問われれば本心は嫌ではなく、何も言葉を発さないがひとつゆっくりと頷いて見せ)
…分からない…です…。
(背中をさすられ酷く優しい彼女に何処かで安心していて、ベットと布団と彼女で眠くならない筈が無くもう限界の様で曖昧な答えを出してから無意識に目を閉じ力なく頭が下がれば相変わらず柔らかい彼女の胸へと眠りに付き始めてしまって)
ん、そっか。なら良かった。
(心底嬉しそうな声。答えとしては充分満足。逸らした顔、その頰に頬ずりする。子供の柔らかい肌が心地よい。)
……後で色々教えないと、ね。
(眠ってしまったリアンの頭を撫でて、自らも瞳を閉じる。柔らかいリアンを抱いて、深い眠りへと。)
ーーこーらー、いつまで寝てるのー?
(寝ているリアンの頬っぺたをほどほどの力でむにっとつねる。もう窓の外は明るく、ノエルは下着のような格好から派手なドレスに着替えていて。)
…っ…。
(ここは暗い闇の中。上も下も全てが暗闇の世界、いつもの蒼いワンピースを着た自分だけぽつんと居る孤独な夢の中。其処に現れたのは一人の女性ノエル…しかしそれは一瞬にして消え去り次に現れたのは前の主人の姿で。)
ぁっ!……ご主人様?…
(はっとして目が覚める。先ほどの夢に少し息を荒くしながら次に感じたのは頬が引っ張られている感覚。その手の先を見れば今の主人、ノエルの姿。彼女の服装は自分にとって輝かしいもので目覚めたばかりもあってかやけに光に反射して目を強張らせて)
…んー?怖い夢見た?
(そんな相手の様子を敏感に感じとる。「安心していいよ」と抱きしめて頭を撫でる。そしていたずらに耳に息をふっと吹きかけて)
目は覚めた?落ち着いたらでいいから着替えて?
(見れば小さめのテーブルの上にはあのよれよれのワンピース。)
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