____甘い恋情に溶ける日々。〈非募集〉

…っ、真尋？
(漸く視線を合わせた相手に安堵したのも束の間、無言で此方を見ていたかと思えば同じ様に頬へ両手を添えてきた相手に不思議そうな視線遣り。特に抵抗もなくその様子を見ていたが、唐突に唇を食まれると突然の事に困惑しつつ小さく顎引いて呟き混じりに名前を呼び。此方の気をよそに理由を並べて強要してくる相手へつられて拗ねた様な表情浮かべると、人差し指で先程痕を付けた場所を指しながら訴えて)
わがまま言うな、お子ちゃまにはこれだけあれば満足だろッ。

…ん、何?
(満足したのか漸く機嫌も直ったようで、唇が離れた事で目を開けば不思議そうな表情でいる相手と視線が合い、口角を上げて小さく首を傾げ。折角子供扱いされているのだからこの状況を逆手に取らないわけには行かず、尚も不服げに眉を寄せて駄々をこねると、その口調に反し相手の耳元へ唇を寄せれば痛みの無いよう加減しつつ耳朶を甘噛みし)
やだ。こんなんじゃ足ンねェよ。

え、いや…機嫌直ったのか？
(再び視線が合った相手からは不機嫌さは感じられなくなっており、首を傾げる目の前の相手に呆気に取られつつ未だ頬に添えていた手をゆっくり下ろすと確認する様に問い掛け。尚も諦めずに駄々をこねる相手にいっその事折れてキスマークを一つ付けてやれば落ち着くのかと思案するが、耳朶への柔い刺激に身体小さく跳ねさせると此方が折れるまでちょっかいをかけられるのではと想像して半ば投げやりに返答し)
っ---分かったから離れろッ。…で、何処に付ければ満足するんだよ。

(/中途半端になってしまい申し訳御座いません…!!クリスマスの場面に飛ばさせて頂きますね!!それから、場面を進める上で大分普段より長くなってしまいました…申し訳御座いません!)

今年は猫と二人でやンだよ。悪いな。
(講義を終え相手の教室の前でその姿を待っている時、以前は当然のようにクリスマスを過ごしていた面々に声を掛けられるも軽い調子で流し、然程しつこく言い寄られる事も無ければ平然と見え透いた嘘を口実に断りを入れていて。しかしそこに言及してきたのは一人の女性、前までは周囲に恋人同士だと噂されるくらいには親密な身体のみの付き合いを続けていた仲なだけあって鋭く真相を問われれば苦々しく眉を寄せ。こうして彼女と並んでいるだけで大いに視線を集めている事に気付くと、彼女と相手との接触を懸念した上で人気の無い所に場所を移す事にし。それでも相手を待っている以上は構内から出る事は叶わず、無人の教室を選んで机に腰掛けると如何にも厄介だと言わんばかりに投げ遣りな視線を彼女へ向け。そんな事は意にも介さず大胆にも腕を絡められるが、然したる反応も示さず関わりは断ったはずだと些かきつい口調で告げ。それでも尚飄々と恋人と過ごすのか、などと問われれば無言を肯定の代わりとし、それを感じ取ったらしい彼女からの“どうせ遊びなのだろう”という種の甘やかな嫌みをただ無言で聞いていて。だが此方に何を言う意思も無いという事を悟ったのか、程無くして口を閉じた彼女から解放する事の交換条件として口付けを提示されると、暫しの煩悶の後相手の講義が終わってしまう可能性も考え渋々と承諾し。瞼を伏せた彼女の端整な面立ちを束の間見詰め、小さな溜め息の後そっと距離を詰めて)

----お前等、そこで何して…。
(クリスマスで浮かれ気分な友人達に囲まれ静かに受けろと軽く注意はさみながら真面目に講義を受けていたが、少し経ち漸く講義が終わるとぐぐ、と気怠げに伸びをし。そのまま筆記用具等を鞄にしまい友人達と一緒に教室を出るなり周りを見回して相手が来ていないか確認したも、此方には来ていないのか姿は無く。己より終わるのは早かったはずだが先に帰ってしまったのか何か用事でもできたのかと暫し考えれば、携帯を扱えない自分が連絡を入れる事は不可能な為諦めて友人達の後ろをゆっくり歩き出し。しかし少し進んだ所で友人達が何やら教室の扉の隙間から面白いものでも見つけたというような表情で中を覗き出した事に気付くと興味本位でその教室の前まで足を運び、やや呆れ半分で声を掛けつつ一体何があるのかと視線だけ隙間から覗かせたも目に飛び込んできたその光景にグッと言葉を飲み込み。己の見間違いでなければ明らかに相手と見知らぬ女性が口付けでもしそうな程の距離におり、ギュッと拳握り締めてその光景から思い切り顔背ければ己の様子を不思議に思った友人にどうしたのかと問われ。黙ったまま何でもないと首を横に振って見せると、今直ぐ乗り込んで阻止したいのは山々だがいきなり乗り込んだ所で己と相手が恋人だと知らない友人達を困惑させるだけで。それに相手がどういうつもりでその女性に口付けをしようとしているのかも分からず、じわじわと目元に溜まっていく涙を抑えて小さく深呼吸すると扉に手を掛けて勢い良く扉を開き、中にいる二人を一度だけ視界に入れ睨みつけてから友人達の腕を引いて何も言わずその場から足早に去り)

(/いえいえ、全然構いませんよ‼︎
長さも気にしないで下さい…！というか、此方も無駄に長くなってしまったうえに読みにくく申し訳ないです…。もし絡みにくければ遠慮せず申し付け下さいね！)

(いつの間にか教室の前に屯する人影があるなんて露知らず、要求に答えてさっさと相手を迎えに行かなければとその事ばかりを考えており、安易にも唇が触れそうな距離まで近付いた途端、急に感じた事も無いような罪悪感に襲われ思わず動きを止めてしまい。やはり今となっては口付けなどできそうにも無く、額への軽い物だけで誤魔化してしまおうかと思案した時、静まり返った室内に響いた音に咄嗟に扉の方へ顔を向け。目に入った相手の姿に正しく呼吸が止まるような感覚を覚えると、思考する前に体は弾かれたように動きだし机から下りれば背後から聞こえる彼女の声すらも意識に入らないまま相手の姿を追い。程無くして追い付いた相手の腕を周囲の目も憚らずに掴み)
っ、待てよ、…理玖、

(/ありがとうございます…!!読みにくいだなんて、今からもうわくわくしておりますよ!!何せ息子様のお涙には滅法弱いですから!!クリスマス、楽しみましょう!背後様にも素敵なクリスマスが訪れるよう願っております!!)

…っ、
(己の行動に驚いて言葉を掛けてくる友人を余所に今にも泣き出しそうな顔を見られるわけにもいかず顔俯かせていたが、ある程度歩を進めたところで不意に腕を掴まれると勢いが付いていたからか軽く重心崩しつつ立ち止まり。その反動で一粒涙が頬を伝うと慌てて友人達の腕を掴んでいた手を離して涙を拭い、頭上から聞こえてきた声に腕を掴んできたのは相手だと分かるが今は顔を合わせたくないという気持ちの方が強く。俯いたまま相手の手を払うと側で聞こえる友人達の不思議げな声とその他近くにいる学生のひそひそとした声に悪目立ちしているのが分かり、必死に堪えているのに何故か込み上げてくる涙を目元に溜めたままきつく唇結ぶと、一言も発さぬまま居心地の悪いその場から逃げる様に走り出し)

(/いやいや、そんな…！嫉妬と悲しみ拗らせて面倒臭くなってるだけですので、あれでしたら放ったらかしにしてもいいんですよ…⁉︎わわ、有難うございます‼︎はい、お互いにクリスマスが良い日になる事を願っています！)

(相手が俯いているために確認する事はできないが、何を言うでも無く声すら発しないのだから恐らく泣いているのだろうと思われ、こうなる事は少し考えれば分かったはずであるにも関わらず、考え無しに行動した数分前の自分自身を恨み。振り払われた手を再び掴む事すらできず、されるがまま手を離すも居たたまれなくなったのか走り出す相手の後を追って走り出し。ただでさえ連絡手段は無いのだから冷静さを欠いた相手が夜の街で迷ってしまってはならないと、理性的な部分が訴えるのに従い相手の姿を見失わないようできる限り距離を縮め)
理玖、待てって…!!

(大学を出た瞬間堰を切ったように溢れ出てきた涙で視界がぼやけてしまい、そのせいで道もよく分からず進んでいくと情けなくも漏れそうになる泣き声を口元に手の甲を当てて必死に抑え。しかし後を追ってきたのか後方から己の名前を呼ぶ声が聞こえれば、声を押し殺して走る息苦しさとどうせ完璧に逃げ切れはしないだろうという思いから段々スピードを落としていき。相手があの時女性に口付けをしたのかは別として、嫌なら最初から拒否出来たであろうものを何故触れる直前まで拒む事をしなかったのかという所がどうしても引っ掛かってしまい。やはり心変わりでもしたのかとグルグル考えて溢れ出る涙をそのままに相手へ振り返ると、目元腕で覆い隠しつつ思ってもない言葉が勝手に口から零れ出ており)
も…いい、別れるっ。さっきの人のとこ戻れよッ。

(漸く立ち止まった相手の後方、少し離れた所で此方も足を止め歩み寄ろうとするも、相手が発した言葉に反射的に両足が動かなくなってしまい。“別れる”の言葉は今までに無い現実味と衝撃を伴って耳元に響き、やけに指先が冷たく感じ。もし本当にそうなってしまったらと考えると呼吸さえ苦しくなる程で、何らかの弁明を試みるも結局自分がしようとした事は相手を裏切る事に他ならず。腕の下では余程泣き濡れているのであろう事が容易に想像でき、今すぐ腕の中に閉じ込めてしまう事ができたらと何度も歯痒さは押し寄せるが、今回ばかりは言葉を行動に代弁させる事はできず。そっと距離を詰めると事実を相手の様子を見ながら慎重に告げ)
理玖、…彼奴とは、理玖が思ってるような関係じゃねェよ。…けど、キスはしようとした。…悪い。

(この歳でこんなに泣いてしまうとは自分でも驚いており、同時に人目が気になってしまうと此処が人通りの少ない道で良かったと安堵し。大の男がこんな格好悪い姿を人前で晒す等事情を知らない人にとっては異様な光景でしかなく、その事に徐々に羞恥心が煽られてくるとそのまま地味に道の端にズレて小さく蹲り。その状態で相手から告げられる言葉を耳に入れるも、あの女性へ口付けをしようとした事を認める様な台詞に更に涙腺が緩み。微かに震える身体を抱き締めるようにしながら涙を止めようと頑張るが、悲しみなのか怒りなのか分からない複雑に混ざった感情のせいで上手く自分をコントロール出来ず、気付けば突き放すように相手へ言葉をぶつけていて)
っ…もういいってば、…俺に構うなよ！

…良くねェよ。帰れなくなンだろお前。
(相手の様子を見るに落ち着いて話をするにはまだ時間が掛かりそうで、道の端に蹲ってしまった相手に寄り添うようにして傍らに敢えて視線を外して佇み。夜風は冷たく、まだ冷静で居られる自分は平気にしても相手は早く帰らせなければ風邪を引いてしまいそうで。この状況にそぐわない取って付けたような理由を選んで言葉にしつつ、徐に相手の前にしゃがみ込むとマフラーを外し相手の首元に巻いてやり)

---お前は、…。
(側へよる人影を感じピクリと肩震わせると腕に顔を埋めるが、不意に首元に巻かれた温もりの残っているマフラーに微かに目見開けば頬に残っている涙を拭って目元だけ相手へ向け。確かに一人にされたらされたで帰り道が既に分からない事から迷子になるのは確実で、しかし今相手と2人というのも辛く視線落としてぼやける視界で地面見詰めながらゆっくり言葉発すと、本当は己の事をどう思っているのか、なんてつい聞いてしまいそうになり女々しいだけだと口噤むと気まずげに黙り込み)

(自分の気配に逐一反応を見せる相手を見ていると、こんな時でさえ加虐心を煽られる自らを最低な奴だと嘲りながらも相手の傍から離れる事はせず、ひたすらに相手が口を開くのを待っていて。そこに不意に視線が絡み漸く聞けた言葉は途中で途切れてしまい、内容を聞かずとも重要な意味を持つ物であると感じ取れば、無理矢理先を促す事もせずただ無言で再び相手が言葉を続けるのを待ち)

まひ、ろは…やっぱり、一人に、縛られたくない…か？
(恐らく此方が言葉を発すのを待っているのであろう相手に暫し無言貫くも、流石にこの状況での沈黙に耐えられなくなり。徐々に落ち着きを取り戻していく気持ちに小さく深呼吸して下げた視線を上げると、あの様子からして相手は他の人にもあんな感じなのかも知れないと有り得る可能性を頭の中で悶々と広げてしまい、再び涙が込み上げそうになるがマフラーの先を強く握り勇気を振り絞って口を開くとぽつりぽつりと小声で問い掛けつつ視線横に流し)

…そうだな。縛られンの嫌いだし、面倒なのも嫌いだから後腐れねェ彼奴とは気合ったし。
(的を得た相手の問いに一時沈黙するも、何処か気が抜けたように頷くと躊躇い無く肯定の言葉を口にし、相手が気にしているのであろう先程の女性との関係についても淡々と続け。あくまで彼女とはそんな関係性でしかなかったと伝えるつもりだったのだが、果たしてそれが上手く伝わったかは分からず。徐に相手の方へ手を伸ばすと涙によって頬や瞼に貼り付き乱れた髪を撫でるように優しく払い、露出させた頬にそっと触れ)
けど中途半端な気持ちで誰かの人生悪い方向に持ってく程薄情じゃねェからな、俺も。理玖の事好きンなった時もお前が俺から離れてくまでは責任取るつもりだったし、好きンなった時点でお前にならどんだけ縛られても良いって思ってた。…まぁ、実際俺の期待程縛っちゃくれねェけど。

(肯定の言葉と共に告げられる先程の女性の事を大人しく聞くも、縛られるのが嫌なのなら恋人という存在こそ鬱陶しいのではとネガティブに考えてしまい。止まり掛けていた涙がじわりと目元に浮かんでくると再び顔を腕に埋めようとしたが、ふと此方に手が伸びてきている事に気付くと体が強張り。相手の手が髪を撫でる様に払う様子を戸惑いがちに瞳細めて見るも、続けられた言葉を静かに聞けばつまり己は相手の中でどのような位置にいるのかと小首を傾げ。まだ気持ちの整理が追い付かないのか微かに瞳揺らしながらそっと相手視界に捉えると、泣き顔を隠す様に手の甲を目下に当てて)
そんな事言って---縛ったら、絶対…嫌になるだろ。

なんねェよ。理玖にされるなら縛られンのも痛い事もキスでも何でも、全部欲しい。
(相手から与えられて嫌な物など何一つ存在せず、ある意味被虐思考にも似た考えを持てる程に欲する気持ちは大きく。迷いもせず否定の言葉を口にすると、また相手にどマゾなどと言われ兼ねない台詞を平然と連ね、その間にも今まで感じた事の無いような切ない気持ちが胸中に募るのを感じており。元はと言えば相手の泣き顔見たさに消さないで居た女性らの連絡先も、今こんな状況では足枷にしかならず、思いの外躊躇い無く言葉を続け)
…なァ、理玖がそうしろってンならもう女とは誰とも話さねェし連絡先も全部消す。そンぐらい縛られたって嫌になンねェよ、俺。

っ、いい。そこまでしなくていいッ。…でも、今日みたいのは…その、--やだ。
(思っていたより迷いのない否定の言葉に相手の目を見遣れば、次ぐ台詞に普段なら悪態付いている所を今の状況では嬉しく感じてしまい、目元微かに緩めマフラーを軽く引っ張って口元を覆うと続けられる言葉を大人しく聞き。しかし己次第では女性達の連絡先を消す等と口にする相手に首を振ると、本音で言えば相手と親しい女性の連絡先を消して欲しいとは思うものの、多少嫉妬しようとも話す分は何か用事があるのかも知れないしただの雑談かも知れず。己一人のせいで相手の周りから人を遠ざける等出来すはずもなくそこまでする必要はないと告げると、続けて自分以外にあんな風に触ったりするのは嫌だと恥ずかし気に紡ぎつつまともに顔を見て言えないのか視線彷徨わせた挙げ句そっぽ向いて)

分かった。理玖以外にはしねェ。約束する。
(気を遣っているのか単に好まないのか、相も変わらず恋人同士ならば当然の我儘すら口にしない相手に一抹の落胆はあるものの、代わりにしては随分と控えめながら要求を聞けた事が何と無く嬉しく感じてしまい、柔らかな笑みを浮かべると頷いて了承し、相手の髪を指に絡ませるようにして優しく撫で。その間一瞬周囲に向けた視線で辺りに人影が無いのを確認すると、相手の髪を撫でていた手で前髪を僅かに払いそっと口付けして)