____甘い恋情に溶ける日々。〈非募集〉

別に、…今更気にしてなんか、ないし。
(暫しの沈黙は己にとって何処か重く感じてしまい、自分の所為で変な空気にしてしまったと申し訳なくなれば顔を軽く俯かせ。しかし不意に口を開いた相手から図星を指された事により肩を僅かに揺らすと、否定する事はないが素直に肯定するのも無理な様で結局可愛げなく曖昧に不機嫌さを滲ませた声色で返答し。加減したとはいえ甘噛みする猫みたいだと言われると面白くなく、己はそんな可愛いものではないと不服気に視線相手へ流せば指先から第二関節まで咥えて先程より強く噛み付いてみて)
…男に、可愛い言うな。

…まァ、言い訳しねェけど。付き合ったばっかの頃は今より理玖の事考えてなかったからな。お前素っ気ないし俺も欲求不満だったンだよ。
(相手が肯定しなくとも反応を見れば心情など筒抜けのような物で、困ったような笑みを漏らすとぽつりぽつりと言葉を連ね、無闇に偽りを述べる事も無く欲求不満の捌け口に女性と関係を絶たないでいた過去を打ち明け。再度立てられた歯は明らかに先程に増して力が籠っており僅かに眉を寄せるも、そんな反抗さえ愛しく感じてしまい未だに離させる事はしないまま仕返しとばかりに顎の下を擽ってやり)
ッてェな、あんま力入れんなよ。噛み千切る気か?

---今は…今も、その、欲求不満か？
(薄々気付いていたものの相手自身から打ち明けられるとやはり己の態度がそうさせていたのかと自嘲する様に表情歪め、背中にある手で相手の服を強く握るとあの時に振られなかっただけ良い方なのだと自分なりに思考しつつ少しだけ自信なさげに問い掛け。僅かに眉寄せる相手の様子に今度こそは痛がってくれたのかと満足し挑発する様に言葉紡いだも、仕返しのつもりか顎下を擽りだした相手に噛む力を緩めれば、擽ってくるその手首を掴んで顔を引き)
お望みなら、噛み千切ってやろうか？…っ、

お前今まで何聞いてたんだよ。さっき言っただろ、理玖じゃなきゃ満足できねェの。今欲しいのは理玖だけ。
(相手が自分を思い不安に揺れているという事があまりに心地良くこのまま泣かせてやりたい気持ちも芽生えはするのだが、そんな欲求を押し殺してしまえるくらいには当初よりも相手に惹かれているようで。どうも口にしてしまうと軽薄に聞こえる本音を、いつもより小さく感じる背を抱き締める腕に力を込める事で補いながら伝え。口ばかり達者な相手の挑発は、それはそれで背筋をぞくりと戦慄かせる艶があり、口角を吊り上げると掴まれた腕を引き寄せ、手首に唇を触れさせながら問い掛け)
随分過激だな。ンなに俺の事好き?

…お前が言うと、嘘くさい。
(本音なのか妙に分かりづらい相手の言葉に微かに眉寄せたが、腕に力が込められたのを感じると何故か先程までの不安が少しばかり和らぎ。ふ、と小さく笑み零し相手の肩にゆるりと頬を擦り寄せ上記の言葉と共に安堵の息漏らせば、いつか相手が己の元から離れていく事になろうとも今が良ければそれでいいかなんて自分なりに結論付けて。掴んだ腕を引き寄せた相手につられて身体が多少傾いたが何とか倒れ込まない様空いている手を床につくと、手首へ唇触れさせるその様子を眺めつつ自分の意思とは関係なく悪態が口を突いて出ており)
っ、…痛いの大好きな、どマゾの期待に応えようとしただけだし。

ッせェな。文句あンなら二度と言わねェ。
(今まさに自分でも自覚し苦々しく感じていた事を平然と指摘されると思わず眉間に皺が寄ってしまい、肩口に擦り寄せられる頬が愛しいと思う半面悔しさが勝って後頭部に添えた手でくしゃっと髪を乱してやりながら恨めしげに呟き。何やら心外な言葉を掛けられた気がするが、相手から与えられる物ならば痛みでも甘受を厭わない節があり、確かに頭ごなしな否定はできず。相も変わらず余裕と愛惜の滲んだ笑みを浮かべたまま手首を掴む手を離させると、指を絡めるようにして握り)
そりゃお気遣いどうも。ならそのどマゾの為に痕消えなくなるくらいやってくれよ。

ッちょ、…別に文句は言ってな、いだろ。
(唐突に髪を乱され驚きの声上げたも、続いた恨めしげな呟きを耳にすると相手でもそんなことを気にするんだという事に思わず小さく吹き出し。静かに肩震わせながら口元に手当てると声が漏れない様にと笑いを抑えるものの、返答する際どうしても唇が震えてしまい最後が不自然に途切れており。此方の言葉に否定する事なく寧ろ肯定するような言葉を発した相手に訝しげな視線投げ掛けたが、手首を掴んでいた手を離されたかと思えば流れる様に指を絡めて握られ。嫌がらせの為に自分で期待に応えるだのなんだの言ってしまったもののいざ求められると改めて痕を付ける等どうにもやりにくく、咄嗟に適当な理由を付けるとまた妙な事をさせられる前に回避しようと顔逸らし)
やっぱ、やめとく。…どマゾなら、放置プレイもお手の物だろ。

…何笑ってンだよ。
(こんな至近距離にいれば肩が震えている事など直ぐに分かってしまい、その上不自然に途切れた声で笑いを堪えているのだと分かれば、如何にも不機嫌そうな声色で問い掛け。顔を背ける事で無防備に露出した首筋に唇を付けると、微かな笑みを漏らしながら握った手の指先で相手の手の甲を撫でるように弄び。相手の返答は薄々予測できていたが、それであっさり引き下がってやる程聞き分けの良い性格もしておらず、意識的に潜めた睦言でも囁くような声で言葉を掛け)
待てはできッけどあんま得意じゃねェよ、俺。

…笑って、ないって。
(普段己が機嫌を損ねる事は度々あっても相手が不機嫌になるなんて事はあまりなく、その分普段の様子と比べて相手が可愛く見えてくると更に緩んでしまう表情を頑張って引き締めつつ説得力のない微かに震えた声で否定の言葉紡ぎ。首筋に感じる柔らかな唇の感触に拒絶等出来るわけもなく一瞬身体強張らせただけで大人しくすると、手の甲を指先で撫でる様に弄びだした相手にその微妙な擽ったさから逃れるよう手を離そうとクイクイと引っ張りだし。しかし睦言でも囁くように掛けられた言葉に一度動き止めれば、床についていた片手を相手の肩に置き軽く押しやり)
だから、一々変な言い方すんなっ…諦めも肝心だろッ。

笑いながら言われても説得力ねェな。
(言葉を選びながらの発言など過去に何度もあったわけではなく、それ相応の努力の結果だっただけあって笑われてしまうとなると不満を隠しきれず、相手の肩に額を押し付けながら呟き。肩を押されれば大人しく離れるものの、浮かべる笑みを消す事は無く相手の顔を覗き込むように首を傾げ何処と無く甘えるような口調で問い掛け)
諦めらんねェよ。理玖に痕付けて貰いてェし。なァ駄目?理玖。

ッはいはい、笑って悪かったな。
(額を押し付けてくるその重みがどうしても愛おしく、普段からこんな感じだったら可愛くて堪らないんだろうな、等と一人思考しつつあやす様に背中を撫でてやると小さく咳払いして上記を。距離は少しばかり離れたものの次は顔を覗き込み甘える様な口調で問い掛けられ、反射的に身体仰け反らせれば本気で嫌だというわけでもない為に困った様に眉を寄せ。そのまま視線斜め上へ向けて暫しどうするべきかと思案した後、ゆっくり相手へ視線戻すと呟く様な声量で問い掛け)
いや、ダメっていうか…。----何処に、付けて欲しいんだよ。

餓鬼扱いすんな。
(こうして背を撫でられているとまるで宥められているようで、実際何も変わりはしないもののそうと認めてしまうのは癪に障り低い声で呟いて。だがこれはこれで中々に心地良く、結局されるがまま相手に身を委ねており。どうやら此方の要求を飲んでくれるらしく、何処へと問い掛けられると服の袖口に指を引っ掛けて露出させ、首筋を晒すと期待を孕んだ眼差しを向け)
…此処。

…餓鬼っぽく見えたお前が悪い。
(子供扱いされて不満なのか低い声で呟かれた言葉に苦笑零したも、此方に身を委ねたままの相手に瞳細めると冗談含ませた声音で告げ。しかし何時までこんな風にベタベタ引っ付きあっていればいいのかと考えが過ると、小さく身を捩って顔を相手の方へと向けて。無防備に晒け出された相手の首筋に視線落として自身の体勢を整えれば、先程の様に噛み付いて噛み痕を付ける方がいいのか、それともキスマークの方がいいのかと頭悩ませつつ戸惑いがちに首筋へ顔を埋め。試しに唇触れさせると柔く甘噛みしながらどちらにしようかと緩く首唸らせ)

…調子乗ンなよ馬ァ鹿。
(いよいよ相手からの扱いに耐え兼ねたのか唐突に顔を上げると、此方を向く相手をそのままに至近距離で見詰め。何らかの報復をしてやろうと目論んでいたのだがそんな気も無くなってしまい、少し強めに額を合わせてやると稚拙な暴言を口にして。唇が触れ歯を立てられる感覚があったは良いものの、何やら躊躇うように甘噛みからは何の行動も無く、擽ったいような感触が心地良く目を伏せると笑みを漏らしながら呟き)
それ気持ち良い。

バカはお前もだろ、お子ちゃま真尋。
(唐突に顔を上げた相手に多少驚くも何故か視線を外せず見詰め返すと、不意に額を強めに合わせられた事に軽く目瞑り。だが聞こえてきた稚拙な暴言に可愛さ相まって再び笑いが込み上げてくれば、薄く瞼持ち上げつつからかい混じりに言葉紡ぎ。どうやら甘噛みを気に入ったらしく気持ち良い等と言われ、ならばその気持ち良さから一変して痛みを与えてみるのも面白そうだと普段なら思いもしない方向に思考が回ると、数回甘噛みした後に一呼吸置いて強く首筋に噛み付き窺うように横目で相手見遣り)

……ムカつく。
(相手の表情に笑みが浮かび、返された言葉がからかい混じりであるのを感じ取るとむすっと眉を寄せ、暫しの沈黙の後低い声で呟けば不貞腐れたように相手から顔を逸らしてしまい。断続的に与えられる甘噛みの感触を堪能しそこへ意識を向けていたのも束の間、唐突に痛みが走ると肩を跳ねさせ眉を寄せ。何と無く相手の意図を感じ取ると苦々しく表情を歪め、腹いせの意味もあってか相手の方へ首を傾げ軽く頭をぶつけてやり)
ッ、てェな…いきなり噛むなよ。

…ごめんって、拗ねるなよ。
(徐々に相手の機嫌を損ねている事は自覚しているものの普段とは逆の立場になった事からもっと見てたいという思いもあり、しかし不貞腐れたように顔を逸らしてしまった相手にやり過ぎたかと少しばかり反省すると、顔を覗き込みながら頬を摘んで。肩を跳ねさせた相手の反応に微かに目見開くが、苦々しく歪められた表情みれば悪戯が成功した子供の様な気分になり。噛み付くのをやめて噛み痕の付いた首筋見詰めると、軽くぶつけられた頭に片手を添えつつ顔を上げて煽る様に言葉投げ掛け)
誰かさんが付けて欲しいって言うから、痕付けただけだろ。何か不満でも？

拗ねてねェ。
(顔を覗き込まれると再度顔を逸らそうとするものの、頬を摘ままれてしまえばそれも叶わず、相手の手を振り払う事はせずに視線のみを他所へ向け。相手の言葉を聞くと徐に相手に噛み付かれた場所に触れるも、やはり指先の感触だけではそこに痕があるのかまでは分からず。ふぅん、と納得したように相槌を返したかと思えば不意に口角を上げ)
…これじゃ見えねェし、やっぱキスマークにして。

どう見たって拗ねてるだろ。…機嫌直せ、あほ。
(明らかに拗ねているであろう態度に困ったとばかりに苦笑漏らしたも、合わない視線に眉寄せると拗ねてないと否定する相手に上記述べつつ摘むのを止め、そのまま両手で両頬を挟むと少し強めに額同士をぶつけて。一人満足したところを不意に相手が口角を上げると嫌な予感がし、そしてその予感は的中したようで。途中から相手の反応を楽しんだとはいえ折角勇気を振り絞って痕を付けたというのに二度もする等此方の身が持たず、ふるふると首を横に振ると相手の要望を拒否し)
は、…---む、無理。見えるとか見えないとかどうでもいいだろ、俺はちゃんと付けたッ。

ッ、
(頬に触れられる感触があったかと思えば額をぶつけられる痛みに息を飲み、眉を寄せれば漸く相手へ視線を向け。暫し無言のまま相手を見詰めていたが、同様に頬に両手を添えると瞼を伏せて柔らかく相手の唇を食み。相手が拒否をするまでは想定内で、拗ねたように眉を寄せながら適当な理由を並べて強要り)
見えるのが良い。これ直ぐ消えちまうし、キスマークだったらそんな直ぐ消えねェだろ。付けて。