____甘い恋情に溶ける日々。〈非募集〉

言葉の代わりに行動で示してるつもりだけどな。
(服を掴む手を強引に引き剥がすと抵抗を許さぬうちに指を絡めて手を握り、漸く此方を見た相手の潤んだ瞳に吸い寄せられるように目尻に唇を寄せ。確かに相手の泣き顔見たさに言葉ばかりは軽薄なものだが、こんなにも纏わり付き甘ったるい雰囲気が重みを増すほど愛でているなんて他者との比較を知らない相手に言った所で無駄な事なのは分かりきっており。しかし相手の言葉があまりにも挑発的に聞こえたからか多少の意地悪をしたくなってしまい、額同士を合わせながら相手を見詰め)
良いのかよ、浮気なんかして。俺が居なくても耐えられんの?

…そんなの、他の奴にもやってるかもしれないし、この女ッたらし。
(服を握る手を離されたかと思えば抵抗する間も無く指を絡めて手を握られ、行動の速さに追い付けずにいると続けて目尻へ唇を寄せる相手に片目を軽く瞑り。他の人への相手の接し方をよく知らない為に納得出来ない様子で軽く悪態付くと、ふと額同士を合わせて来た相手に視線を合わせ。相手が浮気等考えるのも嫌な程して欲しくないのだが、無意識に口を突いて出てしまった事は仕方がなく。相手の問いに狼狽える様に言葉を濁せば、素直に耐えられないと口に出来ずに下記の様に返答し)
そ、それは…。…言わなくても分かるだろッ。

俺はお前の事束縛してやりてェくらいだけどな。此処に俺のモンって証拠でも付けて。
(節操が無いのは認めざるを得ないが今はそれ以上に相手を縛り付けたい欲望が勝るわけで、徐に相手の左手を取ると薬指の付け根に唇を触れさせ。否定以外は全て肯定と言っても過言ではない相手は口数の多い連中よりもよっぽど分かりやすく、天の邪鬼な所さえ愛しくて堪らなく胸が締め付けられ。ゆっくりと僅かな時間を惜しむように唇を重ねた後耳許へ直接吹き込むように囁いて)
…理玖が俺の事好きで堪んねェって?

っ、証拠なんかなくたって、俺はお前の……な、何でもない。
(左手の薬指の付け根に唇を触れさせる相手の様子を直視出来ずつい視線を横に逸らしてしまえば上記述べるも、自分で言っている事の恥ずかしさに途中で言葉を区切ると顔に熱が集まるのを感じつつ口元に手の甲を当てて首を振り。自分自身素直さのないこの性格を早く直さなければと思ってはいるが、幼い頃からこの調子の為中々素直に等なれず。重なる唇に小さく瞳揺らして一度瞬くと、吹き込む様に耳許で囁かれた事にぞわりと身体を震わせて反射的に背筋を伸ばし。図星を突かれた事に対し否定の言葉を紡ぎ)
ッそ、んなんじゃない…！

…何だよ、言えよ。
(恥ずかしそうに顔を赤らめる様は何度見たって見飽きない程魅力的で、口許に宛がわれた手の手首を掴むと離させるなり唇を寄せ。否定をするのは大方分かっての事なのだから今更落胆する訳もなく、それよりも背筋を伸ばす相手に気を良くしたのかするりと服の隙間から手を潜り込ませて前に回した手で擽るように腰骨辺りをなぞりつつ更に言葉を重ねて)
へェ、違うって事は嫌いなのかよ。

…だから、何でもないって
(離されてしまった手に顔を隠す事が出来なくなったと軽く顔俯かせると、唇を寄せてくる相手に僅かに後ろへ引きつつ己にとって勇気のいる台詞を改めて言う等出来る筈もなく。耳を覆う様に片手でガードしたのも束の間、次は服の隙間から手を滑り込ませた相手に驚いた様に微かに目見開き。腰骨辺りを擽る様になぞる指に思わず声が漏れれば、咄嗟にその手を掴んでやめろとでも言いたげに視線投げ)
だ、誰も嫌いとは、言ってな----！っん、…。

ふーん?
(あまり問い詰めると只でさえ普段通りに戻りつつある機嫌がまた悪くなってしまいそうで、それ以上は何も言わない代わりに俯く事で露出した色香漂う項に唇を触れさせ。素直に言わない事への報復でもあるかのように指先の動きを止める事はせず、向けられる視線を受け止めながらも気付かないふりをしてその手を徐々に上方へと移動させ。漏れ聞こえる僅かな声さえ艶を帯びて鼓膜を揺らし、相手の耳朶を唇で食みながら呟き)
大人しくなっちまって、かーわいい。

(無理に聞いては来ない相手に助かったと小さく息零すと、項に触れた柔らかな感触に擽ったげに目細め。わざとなのか相手が手の動きを止める事はなく、寧ろ上方へと徐々に移動させてきており。ぞくぞくとした妙な感覚から早く逃れたいが為に片手でその手の手首を掴んで止めようと必死に押しつつ、もう片方の手で相手の胸元の服を握り締めて堪え。漏れそうになる声を何とか抑えて身を捩れば、耳朶を食む相手へ余計な言葉も含めて訴えかけ)
う…るさい、いきなり何すんだ変態ッ。

…首輪付けてェ。
(ふと見れば相手がいつも身に付けているネックレスのチェーンが目に入り、相手の腰に回した腕に力を込めると更に此方へと抱き寄せ、肩に顎をのせては擦り寄るように首元に顔を埋めて呟き。相手からの中傷にもあっけらかんとして開き直り、尚も手を止める事はなく。意味を殆ど成さない抵抗も声を抑えているのであろう耐えるような声色も服を握る手も、全てが己の支配欲を煽る物にしかならず口許に笑みを湛えながら素肌の感触を楽しむように撫で、一方で首筋に唇を触れさせると痕が残らない程度に軽く吸い付き)
今更何言ってんだよ、変態なのは元々だろ。理玖の肌気持ちィし。

は…？くび、わ？
(先程からベタベタと引っ付いている事にあまりその雰囲気に慣れていないのか一人離れたそうに微かな抵抗をしていたが、己の意思とは裏腹に更に抱き寄せられてしまい。首元に顔を埋める相手の髪の擽ったさに僅かに吐息漏らせば、近くで呟かれた言葉にぱちりと目瞬かせて。早速開き直っている相手にはもう何を言っても無理な気さえしてき、今はそれよりも止まる事のない手を阻止する事を優先するべきだと考え。口で悪態付きながら上手く力の入らない手で相手を押しやるように抵抗すると、首筋に吸い付かれ小さく身体を震わせつつ仕返しだとばかりに目前の首筋に悪意を込めて歯を立て)
っもう、黙れド変態！…いい加減セクハラすんのやめろ

ん、…別に犬が着けてるようなやつじゃなくても良いけどネックレスくらいはなァ?
(明らかに此方の言葉を理解していなさそうな問い返しに小さく頷いて顔を上げると、相手の首元にあるネックレスに軽く人差し指を引っ掛けながら口角を上げて。唐突に首筋に顔を寄せられたかと思えばそこへ感じる鋭い痛みに眉を寄せるが、そんな微かな痛みよりも愛らしい抵抗に息が詰まる程充てられてしまい。大人しく撫でるのは止め手を下ろすものの相手の脇に両手を差し込んだかと思えば微かにその体を浮かせ、床に座ったまま胡座をかけば対面するようにそこへ相手を座らせ)
理玖が可愛い事すっから止まんなくなンだろ。大体俺だってこんな良いカラダじゃなきゃ触んねェし。

…ネックレスなら、もう着けてるけど？
(犬が着けている方を思い浮かべていたが、ネックレスでも良いらしく。しかしそれならばもう首に着けているし問題ないのではないかと、人差し指にネックレスを引っ掛けている相手へ首傾げて見せ。薄らと自分が付けた歯の痕を見詰めてこれで大人しくなったかと相手の様子を窺っていれば、己の思いが通じたのか漸く撫でる手が止まり。未だ相手の手に触れられた場所が熱を持っているが、一先ず安堵したかの様に一つ息を吐くと突然の浮遊感に咄嗟に相手の腕を掴み。そのまま対面する様に座らせられれば不思議そうに視線遣り)
何言ってんのお前ッ…。俺のカラダは普通だばか

ばァかそうじゃねェよ。首輪っつってんだろ。飾りじゃなくてお前が俺のモンっていう証拠じゃなきゃ意味ねェだろうが。
(やはり己の言葉は寸分も相手に伝わっていないらしく、不服げに眉を寄せると相手の額を弱々しく指先で弾いてやり。要は自分から相手に与えるものでなければ意味が無く、遠回しながらそれを説明して。無論相手の体の魅力なんてものは日頃触れ堪能している側からしか分からず、ほんの一部ではあるがそれを伝えてやりつつ然り気無く相手の胸元を開いていき)
俺からしてみれば普通じゃねェんだよ。感触も体温も触ってやった時のお前の反応も俺好みだし。

…女たらしのクセに、そういうの気にするんだ。変な奴。
(弱々しく指先で弾かれた額に手を当てて相手を見ると、普段本当に己を恋人として見ているのかと疑いたくなる程自分は色んな女性と関わっているくせにわざわざ証拠を求めてくる事に意外そうにし。まるで独占欲丸出しの言葉に相手にとっては独占欲等ではないのかもしれないが、内心少しばかり嬉しく感じると無意識に小さく笑み零し。聞いているだけで恥ずかしくなってくる相手の台詞に耳を塞ぎたくなるも、然り気無く胸元を開いているのに気付くなり焦りと戸惑いを表情に滲ませればバッと胸元の服を押さえて)
それは、お前の感覚が麻痺してるだけ----って、何してんだよ！

ん、そう。愛ゆえの誑しだからな。あと俺がやったネックレス見る度に俺の事思い出してる理玖はすげェ唆る。
(己が尚も女性に構う真意を知らない相手からすれば全く理解が及ばないであろう事を想定し、敢えて女誑しについても否定せず平然と頷き。それに加えて贈り物によって己を意識するようになるのであろう相手を想像するだけで堪らなくなってしまい、良からぬ笑みを浮かべながら呟き。相手の反応からまるで女性の如く裸体を見られるのに恥じらいを感じるらしいと勝手に解釈しては笑みを浮かべ、徐に首元に触れると先程相手に噛まれた場所に触れながら答え)
誰かさんに噛み痕付けられたから俺もキスマークの一つでも付けてやろうと思っただけだっての。ほら、痛くねェからこっち来いよ。

愛故の誑しってなんだよ。…そッ、…意味分かんないし
(女たらしについて否定をしない相手に少々悲しくなるも、良からぬ笑みを浮かべた相手の呟きを耳に入れるなりつい声を荒げそうになり。しかし、ふと何を一人反応しているのかと言葉を呑み込むとそっぽ向いて上記呟き。普通の男友達ならば恥ずかしがる必要もないのだが、恋人相手に平然としていられる程の度胸はなく。先程己の付けた噛み痕に触れる相手の仕草についつい見惚れてしまうも、キスマークを付ける等と聞こえると反射的に身体を後ろへ僅かに傾け。そのままふるふると首を横に振れば友人達の事を考えて拒否し)
いい。そんなの付けてたらからかわれるだろ。

分かンだろ、意味くらい。四六時中俺の事考えてろって言ってんだよ。
(何を言おうとしたのか汲み取る事は叶わないが言葉を飲み込む素振りさえいじらしく見えてしまう辺り思いの外重症なようで、相手の耳許へと口付けながら囁き掛け。退いた所で足の上に乗っている相手の移動範囲などたかが知れており、位置関係上相手を見上げるような形で視線を遣ると胸元の服を抑える相手の手首を緩く掴み)
ざァんねん。お前に拒否権はねェな。見えねェとこにしてやッから大人しく付けさせろ。

何で、俺が四六時中お前の事なんか考えてないといけないんだよ。
(色んな女性を普段から虜にしているのにも関わらず己の頭の中にまで四六時中存在していたい等と欲張りな発言をする相手に、既に四六時中相手の事を考えてしまっている等と言ってしまえば付け上がるのだろうと思案すれば視線横に流したままツンとした口調で。手首を緩く掴む相手に微かに肩を揺らすが、相手の言葉を聞くなり眉寄せると掴まれていない方の手で相手の胸元を押して距離を置こうとし)
…誰がッ、大人しく付けさせるか。大体、見えない場所ってどこだよ…。

俺が割りと四六時中お前の事考えてるからだよ。
(好きな相手に四六時中想われていたいと言うのは至って普通の考え方なのではないかと思うものの、問われれば本心を返し。とは言え相手の様子からするとすんなりとは信じてくれそうになく。冬場に差し掛かった今見えない場所など幾らでもあるわけで、衣服の上から人差し指で相手の鎖骨辺りに触れるとそのまま胸元へと滑らせ)
此処。

真尋が言うと、嘘っぽくしか聞こえない。
(先程の電話の事もあり相手が己の事を四六時中考えているという事はとても考えにくく、例え本心で言ったとしても相手が己の事だけを考えている何て事は万が一にも無いだろうという結論にしか行き着かず、軽く自身の首元に手当てつつ上記告げ。唐突に鎖骨辺りに触れた相手に何をするのかと目瞬かせながら見ていたが、胸元へ滑るその指にふるりと微かに肩揺らせば包み込む様にして人差し指を両手で握り)
そんなトコ…服捲んないと付けれないだろっ。