匿名 2015-11-06 22:45:40 ID:e01d81725 |
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ー幻想世界ー
透き通った青空に煌びやかな草木が一面に生える世界に私は居た。
「ここは……どこ……」
私は白い丈の長いワンピース一枚と裸足だった。
「誰か……居ませんか?」
私はちょっぴり寂しくなり呼びかけてみた。
「気がついたんだね……アリス」
誰一人居なかった筈の私の後ろに大人びた女の子が、私の名前のようなものを口にした。
「……誰?」
「僕はア……イラ、アイラだよ!」
「アイラちゃん?」
「そう! アイラ! あっ呼び捨てで良いからねー堅っ苦しいのイヤだし。」
「うん……わかった、よろしくねアイラ。」キラキラと笑う可愛らしい女の子は私の手を取り握手した。
「僕はだいたいここにいるから……また会おうね!」
「えっ……まっ待っ――」
次の瞬間光が弾け飛び目の前が真っ白に塗り潰された。
「アリスさーん! アリスさーん! 此処は何処か分かりますか?」
誰かが私を呼んでいる。ゆっくりと睫毛を揺らしながらまぶたを起こした。
「ん…………ど……こ?」
「アリスさん! 先生アリスさんが目を覚ましました!」
「それは本当か! ……意識は若干朦朧としているが有るな。アリスさん、私が誰か分かりますか?」
そう聞いてきたのは白衣を着た若い男性。
「だ……れぇ……?」
「徐々に意識ははっきりしてきている、か。アリスさん、此処は病院です。あなたは一週間前に血を流して倒れて居たのですよ。」
「……倒れて……た?」
「そうです。脳に異常はなかったですが……もしかしたら記憶が無くなっている可能性が有ります。アリスさん、あなたのフルネームは分かりますか?」
「私は……アリス。名字…………あれ……分からない。」
「…………そうですか。あなたの名字は天月と言います。天月アリスさんですよ。」
「あまつ……き…アリス。」
記憶を失ったアリスは知らない穴の中へ落ちていく。
その先にあるものは始めに戻るだけ
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