闇を纏う付喪神（非募集）

い、いえ…そのような事初めてです故緊張してしまいまする（気恥ずかしいのと嬉しさが入り交じり頬をほんのりと染めてそう言い）

大丈夫よ、ちょっと捻くれた子や性格に難がある子がいるけれど皆良い子達ばかりだから。（ふわりと相手の緊張を解す様に柔らかい笑みを浮かべて）

そ、そうですか。私も早く馴染めるように頑張りまする（そう言うと相手の笑顔につられて微笑み）

焦る事は無いわ、ゆっくり貴方のペースで頑張りなさい。（焦って気持ちばかり先走ってしまったらろくでもないが起こるのは目に見えているためそうならないように事前に忠告して）

私のペースでですね、分かりました（そう言うとまだ余っていた団子を口に入れて）

ええ、誰しも己に合ったペースがあるんだからそれを乱すことはあまりしないほうがいいわ。（相手の言葉に返事を返してから相手の動作に釣られるように団子を口に入れ、きちんと咀嚼したのち飲み込みこんで）

ふむ…確かにそうですね（そう言うと茶を飲んでひと息付き）

さ、食べ終わったら次はお風呂に入らないとね。（いつまでも相手に小汚い格好をさせいるわけにはいかないため残っていたお茶を飲み干して小さく息を吐いた後、相手を促して）

はい、そうですね（そう言うと頷いて）

ごちそうさま、お代はここにおいて置くわ。（頷いた相手を確認してから静かに立ち上がるついでに懐に仕舞ってあった財布から御代を自身が座っていた近くの場所へおくと財布を懐に仕舞いながら茶屋から離れようとして）

ごちそうさまでした（そう言うと立ち上がりついていき）

お風呂は一人で入れる？流石に私がついていくわけにはいかないし…。（何でも教えたいのは山々だがお風呂までついていくわけにはいかずに少し困ったような表情を浮かべて）

ええ、周りを見ればなんとかなりまする（そう言うと微笑み）

そう、役に立てなくて申し訳ないわ。（性別だけはどうしようもないため申し訳ないといわんばかりの表情で謝罪を述べると先ほど茶屋の店員に銭湯の場所を聞いていたため目的地へと向かって歩いていて）

謝らなくても良いですよ、性別だけは仕方ないです故（そう言うと自身も主のあとを追っていき）

そう言ってくれると気持ちが楽になるわ。（目的地へ向かって歩きながらも何か目ぼしい物はないのかとさりげなく視線だけで確認をしていて）

早くこの毛を綺麗にしてぬしさまにすいてほしいです（歩きながらそう言うと｢私の髪はサラサラのもふもふなのです｣と自慢げに言って）

ふふ、そうみたいね、触ったから分かるけれど貴方の髪質は羨ましいわ。（自慢げで述べる相手に己の髪質はさらさらと指どおりはいいが動物のようなもふもふ感はないため素直に羨ましいと述べて）

狐ゆえ、もふもふなのでしょうか？（不思議そうにそう言うと首を傾げて）

それを私に聞かれても、困るわ。（本人でも分からないことを他人が知っているはずもないため困ったように眉を下げて）

それもそうですね（そう言うと苦笑して）

あ、着いたわ。（ほどなくして目的地である銭湯へと到着し入り口付近で足を止めてから持っていた袋の中から相手の分の着物を取り出すと相手に差し出して）

ありがとうございます、それでは行ってきまする（そう言うと着物を受け取り目新しいため、キョロキョロとしながら銭湯に入っていき）

…大丈夫かしら…。（まだこの世界に慣れていない相手を一人きりにさせるのは不安なのか不安げな表情でぽつりと呟くと己も銭湯へと入ってゆき番頭に二人分の料金を支払い、こっそりと相手の着物に忍ばせておいたお金の入った小銭入れの存在を思い出しながら女用の方に進んでゆき）

おお、これはまたすごいものじゃ…（更衣室に入っていくと見たことのない棚、所謂ロッカーを見てどう使うのか分からずにパカパカとしていると他の客のがふと目に入り何となく理解したのか着物をどうにかして脱ぎ始め）

何もトラブルを起こさないといいけれど。（更衣室へ進み、手馴れた動作でロッカーを操作し服を脱ぎながらも思うのは相手のことばかりで、脱ぎ終わるとロッカーの鍵をなくさぬよう手首に巻きつけてから浴場へと向かい）

現世はよく分からんのぉ…まぁ良い（何とかロッカーに着物を入れ込み、小銭入れにも気づいたのかロッカーに貼られていた使い方を見てその通りにし、手首にかけると浴場に入っていき）

ふぅ、やっぱりお風呂は良いわねぇ。（シャワーで体を温めてある程度体を洗ってからお風呂に浸かり体の芯から温められる感覚に表情は自然と柔らかくのんびりしとした様子でいて）

これは気持ちがいいのぅ（他の客の見様見真似で何とか汗を流し、浴槽につかるとほっこりとした表情でそう言い）

…っと、あまり浸かりすぎると逆上せちゃうわ。（長湯したくなる心地よさだがあまり湯に浸かっていると逆上せることを知っているため逆上せない程度で浴槽を出ると今度は本格的に体のいたるところを隅から隅まで丁寧に洗うと最後に髪をこれまた丁寧に洗ってから再び浴槽に浸かって）

ふわぁ…眠くなってくるもんじゃな（大きなあくびを一つすると気に入ったのかして頬を緩めながら浸かっていて）

…うー、ちょっと浸かりすぎちゃった…。（しばらくして浴槽から上がると軽い眩暈を引き起こし若干覚束ない足取りで脱衣場まで戻ってきてタオルを体に巻きつけた状態で水を飲んでから椅子へと座り体を休めていて）

うぅ…なんだかふらふらするのぉ（つかりすぎて逆上せたのか浴場から出ると椅子に座って髪をタオルで乾かして）

…もう、大丈夫かな…？（しばらく休んでいれば大分ましになったのか髪をドライヤーで丁寧に乾かしてから櫛で髪を整えるとロッカーのほうへ向かい手首にまきつけていた鍵でロッカーを開けると買ったばかりの着物へ着替えて風呂に入る前に着ていた物は袋へ畳んでから仕舞うと番頭がいるスペースへ戻って来て）

おお、これはまた雅じゃ（新しい着物を着ると鏡に写しそう嬉しそうに述べ、着物を簡易に畳むと満足げに更衣所を出て）

あ、お帰り。（番頭と会話をしながらコーヒー牛乳を二人分購入していたら相手が戻ってきたのでお帰りと出迎えながら購入したばかりのコーヒー牛乳を相手に差し出して）

ただいま戻りました（そう微笑むとコーヒー牛乳を受け取り首を傾げて）

お風呂上りは水分補給が必要だから飲んで？（首をかしげている相手に近くにあった長椅子に腰掛けると瓶の蓋を開けて一口飲んで）

こーひー…？（ビンを見るとそう書かれていたので何だろうと思いつつも主の行動を真似して蓋を開け一口飲み）

珈琲というのはコーヒー豆を焙煎し挽いた粉末から、湯または水で成分を抽出した飲み物のことで普通は苦いんだけれどこれに関しては甘いから飲みやすいと思うわ。（珈琲に疑問を抱いている相手に飲み込んだあと説明して）

ふむ、そんなものがあるのですね（そう言い｢確かにとても甘いです｣と目を輝かせ）

珈琲を単体で飲もうとすると苦いから砂糖や牛乳でその苦さを緩和するの。その苦さが美味しいっていう人もいるけれど。（飲みながら答えつつ相手の着物姿を改めて見やると「着物、似合っているわ。」とにっこりと微笑みながら褒めて）

ありがとうございます、ぬしさまもお似合いですよ（似合うと褒められ嬉しそうに微笑むと主の着物姿を見てそう言い）

ふふ、改めていわれるとちょっと照れくさいわね。（着物が似合うと言われて照れくささがあるのかぽりとあいているほうの手で頬を掻くような仕草をして）

ふふ、本当のことです故（そう微笑むとコーヒー牛乳を一気に飲んで）

さて、貴方の髪を梳かないとね。（珈琲牛乳をこちらも一気に飲み干すと懐にしまってあった櫛を取り出して）

おお、やっとぬしさまに梳いてもらえまする（そう嬉しそうに言うと梳きやすいようにしゃがんで）

わ、ほんとうに狐を触っているみたいな触り心地ね。（髪を梳く為に相手の髪に触れると前に触れたときより髪質は相手の言うとおりの状態になっており櫛で髪を梳きながらもついついもふもふと撫でたりし弄んでいて）

ふふ、そうでしょう？（主に髪を梳いてもらっていることが嬉しいのかそう嬉しそうに言って）

いつまでも触っていたくなるわね、これは。（元々動物が好きなのか触り心地のよい髪を櫛で梳き終わっても引き続き弄んでいて）

いつまでもさわっていいですよ？私も嬉しいです（弄んでいる感覚が心地よく目を閉じてそう言えば）