アブ 2015-09-26 23:05:36 |
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ぐぬぬ、楽しそう……
(聞き耳を立てなくても筒抜けの会話にジェラシーを感じ、我慢できずにカーテンの隙間からそーっと様子を覗き込むと、自分の友人キヨが相手に手当てされていて、「仕事をするアブ先生カッコいい」とか思いながら、自分も手当てをされたくなり、カーテンを再び閉めると、ベッドの横にあった窓から外へと抜け出し)
・・・よしっ、と。一応ガーゼ当てときますから。
(貼り終えれば立ち上がり、何時もやんちゃをする目の前の青年を見詰めて「あんまり無茶しちゃダメですよ。先生に会いたいのはわかりますけど!」てへっとウインクしつつ星マークを飛ばせば“キモい”と一蹴。トホホ、と泣き真似をしながらもよく頑張りました、という言葉と共に頭を撫で、時計を見れば相手を追い返す様に。ピシャン、と扉閉めればふぅ、と溜息、そして相手の元へ。「レトやーん?いい子にしてますかっ・・・て、あるぇ?」
っし、頑張って怪我するぞー!!
(上履きのまま校庭へと出れば「そういえばどうやって怪我をしよう?」と頭を悩ませるも、取りあえず走っていれば転けるかなと、別学年の体育へ乱入し、一緒にハードル走をし)
・・・?レトやん?かくれんぼですか?
(きょろきょろと辺り見回すも相手の姿は無く、首を捻って布団を捲ってみたり、ベッドの下を確認。窓が開いている事から、もう授業に行ったのか、と思わず残念そうな溜息。ハッと気付けば頬を少し赤くして口元を抑え、“何残念がってんだ、俺・・・”と落胆して。
うわっ!?
けこたー!けどいってぇ……
(普通にハードル走をしていたんではなかなか転ばないため、周りの生徒が危ないと口々に止めるなか「だーいじょうぶ、大丈夫!」と100メートルの間に十個以上ハードルを置きまくり走ると、見事に転ぶことに成功したが、思ったより痛いと苦笑しながら、保健室へと向かいドアを開き)
アブ先生ー、ただいまー!!
?おかえりー…って、レト、えええ!?
(相手を見ればボロボロの姿。授業に出ていたと思っていた相手が怪我しまくりで帰って来て。「ちょっ、えっ?す、すぐに座って!骨は?折れてないか!?」思わず敬語が取れて、相手に手を貸しながら座らせ。
骨?
んー、どうだろ?折れてるかも。
(促されるままに椅子に座り、相手があまりに必死に対応してくれるため、嬉しい反面申し訳なさも込み上げてくるが、骨は折れてないかと聞かれれば、思わず悪戯心が疼いて曖昧に答え)
はァっ!?何やってんだよバカ!!
(あまりの動揺に口調も荒くなり、慎重に相手の足に触れて確かめて。押すのは不味い、折れていたら・・・とにかく冷やすべき処は冷やし、擦り傷を先に処置しておこうと冷静な頭脳で判断すれば氷袋取り出して“とりあえず痛い処これで冷やして”と相手に預け、消毒液とガーゼを取り出し擦り傷や切り傷といった軽傷を治療しつつ「・・・動かせる?折れてたら動かせないからな・・・」と相手の表情等を伺いつつ。
そ、そんなに真剣に見なくてもいいのよ?自業自得だし……
(相手の珍しく荒げた声にビクッと肩を跳ねさせると、恐る恐る思わず本音が漏れてそう言えば、動かせるかと聞かれ、素直に足を元気アピールするかのように氷袋が床に落ちるほど大きく動かしてみて、骨が折れていないことを証明し)
ほら!もうこんなに元気だし、へーきへーき!!
万が一があるから、ダメ。安静にしてなさい。一応病院行こう。
(相手をひょいっと姫抱きすれば学校の駐車場へ。自分の車の助手席に乗せ、「少し学校に連絡を入れておくから、此処で待ってなさい。・・・親には連絡する?」ドアを開けたまま、しゃがみこんで下から覗く様に尋ねる。
ぅわっ!?へ?
あれ?いや、ちょっ…!?
(身体がふわりと持ち上がったかと思えば、相手にお姫様だっこされているという状況把握するとボンッと一気に顔を真っ赤にさせ暴れるも、いとも簡単に助手席へと下ろされれば、下から覗きこむ相手の優しさにきゅんとしながら、「親にはいいかな…」と答え)
分かった。いい子にしてなさい。
(相手の頭をぽんぽん、と撫でては白衣を翻して職員室へ向かう。念のため車のドアを締めて外からロック。これでやんちゃな相手でも逃げられない、と手が焼けるなぁと苦笑。職員室へ着けば親友であり同僚であるコジマ先生に「ごめん、コジマさん、香坂レトルトが怪我しちゃって・・・病院に連れて行くからさ、連絡お願い出来るかな・・・?」と子犬の様な表情をわざとらしく出せば人の良い親友は快く引き受けてくれて、“ありがと、”とにこり微笑めば自分のデスクに白衣を脱いで掛け、椅子に掛けてあったスーツのジャケットを羽織れば駐車場へまた戻り。
ちょ、監禁っ
(車の鍵を外から閉められれば、「流石はアブ先生、俺のことが分かってる!」と苦笑しながらも、白衣を風に靡かせながら立ち去る相手の背中羨ましそうに見つめ「俺も早く大人になりたい」とぽつり。先程の反省から大人しく車に座って待っていたが、なにか面白いものはないかとダッシュボードなどを漁り)
こーら。何やってるんですかねー?レトやん?手も縛っといた方が良いですかね?
(にこぉっ、と貼り付けた様な笑みを浮かべて冗談に聞こえない台詞を口にしつつ、運転席へ乗り込み。相手を抑えつける様にシートベルトをさせて、車を発進させつつ、「あぁ、私が居なくて寂しくってそんな悪戯してるんですか?かわいーですねぇ。」何て口角をにやにやと上げつつ相手をからかい。
あー、ははは……
(一見笑いながら冗談めかして「縛る」と言う相手だが、目が笑っていない事に気が付くと取り合えず相手に合わせて愛想笑いで答え、大人しくダッシュボードから手を離すと、負けじとこちらもカマを掛け)
アブ先生こそ、彼女がいなくて、さみし~から、エロ本を車の中に隠してるんですかー?
何言ってるんですかー。みんなのスーパーアイドルアブさんが、そんなもの持ってたら全世界の私のファンが悲しむでしょー?
(はっはっは、と独特なあの笑い声をあげながらハンドルを切り、赤信号で停車すれば顔は前を向いたまま、視線も信号へ真っ直ぐ向けながら「・・・というのは冗談ですよ。可愛いハニーがいますからね。」とまるで今日はいい天気ですね、とでも言うようにさらりと答え。
え、アブ先生ハニーなんていたんですか?なんて物好きな……
(「ハニー」という言葉に胸がズキンと痛むも、相手は前を向いたままのため真意は確かめられず、今まで相手の回りに女の影なんてあっただろうかと考えを巡らすも口では平然と「ハニー」の事を変人呼ばわりして)
うーん。まぁねぇ。・・・ほら、ココ。
(赤信号が青に変わる前に相手の頬を手で支え、頬にキスをして。離れる瞬間に一瞬優しく微笑むも、すぐにハンドルを握って発進させ。「さて、と。そろそろ病院ですからねー。」にこにこと機嫌良さ気に駐車場へ駐車させ。
………、は!?わっ!?ええっ!?
(アブ先生のハニーとはどんな人なんだろう、やはり大人の色香溢れる女性なのだろうかと悶々と考えていたところ、頬に手の温もりと唇の柔らかさ感じ、何が起こったのかわからず暫く放心状態になるも、ハッと我に変えるとキスをされた頬を手のひらで押さえ、真っ赤になりながら前の景色と運転する相手の顔を交互に見てあからさまに混乱し)
ぷっ、く、はははっ…!慌てる顔も、可愛いですね、ハニー?
(相手の慌てる様子が可愛らしく、また珍しいものだと思い、つい笑ってしまえば気をとりなおしてお得意の低音イケボで相手の耳元へ唇寄せて囁き、“ほら、降りますよー?”と声を掛ければ先に降り、助手席側に回れば扉開けて相手を再び抱き抱え。
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