hal 2015-09-13 00:28:31 |
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▽ 少女と化け物
( 小説ロル/少女視点/心理描写、情景描写多め )
どうしたの?
( 足下に擦り寄ってきた狐たちの様子がおかしい。見知らぬものへの怯えと興味、2つの感情が混じり合いどうすべきか分からないと言いたげなその表情は、この子たちが自分と初めて出会った時に似ていた。彼らと出会ったのは何年前のことだったか。正確な年数は分からないが、この狐たちは私がこの森に来てから随分長い間側に居続けてくれている。懐くまでは1つ1つの動作をする度、一斉に視線を寄越されたものだ。出会った頃のことをしみじみと思い出しながら上記を尋ねると狐たちは顔を見合わせた後、皆同じ方向へと視線を向けた。おそらく其方に何かがあるということなのだろう。ゆっくりと足を踏み出せば道案内をするかのように一斉に狐たちが動き出す。それに従って歩き続けること数分、春になると見事な花を咲かせる桜の木の下にその人は居た。人、と表現すべきではないのかもしれない。人間が着る衣服を身に付けてはいるものの、木に身体を預けて眠っている姿はどこからどう見ても大きな狼だった。私にとっても狐にとっても狼は危険な存在だ。けれど、何故だかその狼から遠ざかろうとは思わなかった。それは狐たちも同じらしく、怪我を負っているのであろう血の滲んだ右肩と腹を赤い舌で控えめに舐めている。流石にこの大きな身体を住処まで運ぶのは難しい…となれば、ここで治療するしかない。薬草と水と綺麗な布、それから何が必要だろうか。土や木の根に足を取られ転びそうになりながら、必死に考えを巡らせ急いで来た道を引き返して行き )
: 小説ロル楽しい。イメージは森で暮らす少女と怪我を負い森に迷い込んだ化け物の出会い。少女は森の神様の元へ人身御供に出された生贄、化け物は元人間…という無駄な裏設定があったりします。
▽ 幸薄少年の朝
( 進行形ロル/日常 )
……何これ。
( 爽やかとも沈んだとも言いにくい、何とも微妙な空が広がる朝。若干焦げてしまった食を食べ、アイロンをかけたはずなのに何故か皺が出来てしまっている制服を身につけて玄関の扉を開けると小さな2つの瞳と目が合い。ドアノブを掴んだままフリーズしていたものの、ハッと我に返りしゃがみ込みながらまじまじとその瞳の持ち主、ダンボールに入った真っ白な子猫を見つめて。ダンボールをよく見てみれば『拾ってください』と文字が書かれていることが分かり、深く溜め息をつき大人しくしている子猫の頭を一撫でし。何故飼い主が道端でもなく空き地でもなく、わざわざこのアパートのこの部屋の前を選んで捨てたのかは分からないが、このまま放置するわけにもいかずダンボールごと子猫を抱き上げて。「…一緒に暮らすか」 不思議そうにキョロキョロと頭を動かす子猫にそう話しかけると、その言葉に小さな鳴き声で返事をする小動物に早くも愛着がわき始め。部屋の中に入れた途端、元気よく走り出す姿に自然と笑みがこぼれ、帰りに餌を買ってきてやろうと考えながら、この後子猫の爪によって変わり果てた姿になる部屋をいつもより少しだけ幸せな気分で出て行き )
: どの餌を買えば良いのか分からずに迷いに迷った挙げ句、店員さんおすすめという名の高めの商品を買わされ、家に帰るとシーツやカーテンや壁がボロボロになった部屋とご飯を強請る子猫が待っている…という後日談。
▽ 某イカゲーでの1コマ
( 版権/進行形ロル/短ロル/戦闘? )
っ!……危なかった。
( 敵を壁際まで追い込み2、3発当てれば倒せると思ったその瞬間、横の通路から加勢しにきた敵のインクが頬を掠めて。間一髪で後ろに避けそのまま安全な所まで一気に下がっては、息を整えるため一度インクの中に潜り消費していたタンクを回復させ。インクが満タンになった頃、丁度後ろから追い越して行った見方を追うように再び前線へと飛び出して )
: 某イカゲー楽しい。一緒に戦ってくれたツッコミの方々、フェスお疲れさまでした。
▽ 幽霊とお別れ
( 小説ロルっぽいけどロルですらない何か/幽霊視点 )
なんて顔してんだ、折角の門出に。
( うるさい、アンタの分も泣いてやってるんだから文句言うな。体中の水分を全て瞳から出し切ってしまうのではないかと此方が心配になる程、とめどなく涙を流し続ける其奴はそう言って、また新たに瞳から流れた雫を手で拭った。その様子に苦笑し、自身の透けた手を其奴の頭の上に持っていく。本当なら撫でてやりたいのだが、この身体では触れることすら叶わない。俺の動作にまた感極まったのか、目の前の少女は再び顔を歪めた。嗚呼、これでは成仏しようにもできないのではないだろうか。こんな状態の此奴を置いていけば、確実に未練が残ってしまう。そんな考えが頭に浮かんだ時だった。元々透けていた身体が、更に薄くなっていく。自分でコントロールもできないまま瞬く間に自分という存在が消えていく感覚に、焦りと少しの恐怖を覚えた。そんな中、声が聞こえた。この数ヶ月共に過ごした彼女の声だった。ふと笑みが零れ、そのまま意識が遠のいていく。恐怖とは程遠い、このまま起きたらまた騒がしい朝がやってくるのではないかと思えるような、そんな安らかな眠りだった。 )
「 お墓参りなんて行ってやらないから、さっさと生まれ変わって会いに来い、ばーか! 」
: 小説ロルというか、書いてる内に小説のような何かになってしまった…。最初とか最後とか見せ場の部分だけ一気に書いて、それで満足してしまう派の人間です。
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