トピ主 2015-09-06 03:10:26 |
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多くの人間で溢れかえる夕方の駅前。下校途中の学生、仕事終わりのサラリーマン、夜遊びに出かける若者…。極有り触れた情景の中に異色の人間が一人。真っ白のマスクに真っ白の手袋を身に付けた青年。彼の足はごった返す人混みを避けるように細い路地へと進んで行く。そして、其処で彼が見つけたのはもう一人の異色。真っ黒のマスクに真っ黒の手袋を身に付けた青年であった。そして、その奇妙な空間で白は黒へと歩み寄り、ただ一つだけ言葉を吐く。
──貴方、もしかして潔癖症ですか?
声を掛けられた対象は驚く様子もなく小さく頷いた。青年は白いマスクの下で口角を上げると、真っ直ぐに相手を見つめた。其処で白が黒に解き放った二つ目の言葉はとても初対面の人間に発するモノではなかった。
───お互いの潔癖症を克服する為に、俺の家で一緒に暮らしませんか。
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潔癖症×潔癖症。
普通のようで何処かズレた二人の共同生活の物語。
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