主 2015-08-30 22:06:01 |
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うわ。
(手が扉をすり抜けカメラを浮かされると、その非現実的な光景に驚きの声を漏らして信じざるを得ないようで)
でもこんなに見えちゃってて良いのかな、しかも普通に会話できてるし。
(とはいえ普通の人間と同じようにコミュニケーションを取れているため今ひとつ実感が湧かず)
…私だって、一応人だ。(カメラを片手に む、と不満げに眉を寄せて
その辺もある程度は自由だしな…それに、信じてないやつには絶対見えない。(今まで来た肝試しの連中も本気で自分を探しに来たわけではないと分かっており、僅かに口元を綻ばせて人差し指を突きつけ
確かにそうだけど、イメージ的にはもっとこう、声にならない唸り声みたいな…。
(自分の中の幽霊像をイメージして顎に指をあてながら)
あはは、結局俺は幽霊を信じてたってことね。
(口ではいないと言いつつも、今こうなっているということは自分が霊の類を信じているということを証明しているようなもので、深層心理を覗かれた気持ちになって照れ臭そうに笑い)
貞〇とかか?あんなんにはなりたくないな。(うえ、と嫌そうな表情で頭を振って
そういうこと。本当はとっとと成仏出来れば楽なんだろうけどなー(腰に手を当ててため息を一つ。すっかりこの状態に順応し笑っている相手に釣られてふっと笑みを浮かべて
そんなところだ。なんだ、興味あるのか?(オレンジの目をすうっと細めて少し首をかしげる。
…まぁぶっちゃけあんまり覚えてないんだけどな。(両手を少し上げてお手上げポーズを取りながら自嘲するように笑って
あるある。
(こんな機会はめったに無いため好奇心からこくこくと首を縦に振り)
覚えてないの!?君、この家の住人って言ってたけど、一人で住んでた訳じゃないよね?
(怨念の内容を忘れていることに驚きつつ、こんな大きなお屋敷に一人でというのも不自然な気がして他の家族がいるのか問い)
お前も変わったやつだなぁ(呆れたというよりは単純に感心したような声でため息のようにこぼして
いや、覚えてないのは死んだ時のこと。家族は引っ越していったんじゃないか?気がついたら1人でここにいた。(なんのためらいも感傷も無くさらりとそう言って
だって幽霊と会話できるなんてそう無いじゃない!今まで霊感0よ俺。
(相手の言葉を褒め言葉と受け取り胸を張って)
死んでからそれほど経ってない筈なのに死んだ時のことを覚えてないって何かおかしいね。
(ふむと腕を組みその不自然さについて考え始め)
まぁわざわざこんなとこ来ない限り会うこともないだろうしな(周りをぐるりと見渡して肩をすくめ
いや、おかしくもない。死因は間違いなく他殺だからな。腹に結構な数の傷あるけど…見たいか?(セーラーの裾をちょっと持って見せてからかうようにニヤリと笑い
他殺!?一体誰に…!?
(一人でいることからてっきり自殺だと思い込んでおり、明らかになった新たな事実に驚愕し)
い、いや遠慮しておきます。
(相手の笑みに少し胸が高鳴ったのは気の所為だろうか。もし傷が無いのなら、是非!と即答する場面だが、耐性の無いものを自ら見ようという気にはならずやんわりと断り)
さぁ…夜寝てる時だったから顔は見てないな。(少し考えた後に困ったように眉を寄せて
そうか?まぁ見たら卒倒しそうだしな…ってうわ。(ぺたぺたと自分の腹を服に手を入れて触っていると一瞬目が見開かれ、手を出してみると指先付近が真っ赤に染まっており
寝込みを襲うなんて酷い!他には何もされなかった!?
(無抵抗の人間を一方的に殺めた犯人に対し感情を剥き出しにして)
ってうわーそういうの苦手だからそういうトリック的なやつまじでやめてください。
(生々しいそれが本物であろうとは思っていないが、妙にリアルなために早口で上記述べながら目を逸らし)
んー…分からん。とりあえずめった刺しだったのは分かるけど(ちらりと腹部を見て
…ま、そのせいで家からは出られないし昼間に出てこられないのはめんどい。(心底面倒そうにため息をついて
うわーごめんねーとりあえずトリックじゃねーよー(完全な棒読みでポケットからハンカチを取り出して手を拭う
(/すみません更新しないで見てたらうっかりあげてしまいました)
めんどいって…そこまでされて何でそんな感じでいられるのさ!
(冷静な相手の口調に温度差を感じて必死になり)
取り敢えず…殺されたのはいつ頃なの?
(ポケットの携帯を取り出せば、何か分かるかもと当時のことを聞き始め)
んー…呪いたいわけでもないから、いい。(10年も1人で暮らすうちにどうでもよくなったのか肩をすくめて
確か…18歳の春だったな。(ふむ、と顎に手を当てて懐かしそうに目を細めて
そりゃあ誰を呪って良いかも分からないもんな…。18か、今から何年前か分かる?
(若くして命を奪われたことに同情しつつ、どれくらい前の事件だったのかを問い)
まぁな。…えーと、十一年前だな。(近くのカレンダーを見てそう答えれば、不思議そうに首をかしげて
てか、なんでこんな事聞くんだ?(今更犯人が見つかるとも思えず、館からも出られない地縛霊となった今、こんなことをして意味があるのだろうかと思いつつ相手にゆっくりと近寄り
11年前ね、んーいやちょっとね…。
(11年前といえば自分はまだ子供、ニュースなんかには全く興味もなかった頃だ。ぼんやりとした返答を返しながらスマホの検索画面に"11年前 少女殺人事件 お屋敷"と入力し)
にしても不思議なケータイ電話だな。調べ物も出来るとは。(珍しげにちょんちょんとスマホをつついて
…だが、多分体は見つかってないだろうな。(しかしすぐにスマホへの興味を失ったのか窓から外を覗いたり近くの引き出しを開けてみたりしてふらふらと遊んでいる
あった…!こんな事件聞いたこともないよ。犯人は見つかってなくて、未解決事件になってるみたい…。
寧ろ自殺とさえ疑われてるよ。
(口調とは裏腹に落ち着きのない行動をとる相手を横目に検索を続け。すると今まで自分が知らなかった身近な事件の記事が見つかり、その概要を読み上げて)
…そうか。(相手の言葉を聞いた瞬間ぴたりと動きを止めて複雑そうな表情で頷く
…うん…ん、なるほど。(世間に自分の死がどのように捉えられているのかを知り、困惑しつつも静かに受け入れて
おかしいとは思ってたんだ。ちゃんと葬式が挙げられてるならここに留まる理由も無い。やっぱり、見つかってないんだな…私。(どちらかというと失踪のような扱いになっていることを感じ取り、未だに遺体も見つかっていないのだろうと呟く
何か思い当たることがあったりするの?誰かに恨みを買ってたとか…。
(あまりにヒントの少ない謎にこちらとしてはお手上げ状態で。今更自分に何ができるとも思っていないが、殺され方が何か釈然としないため当時のことを尋ね)
いや、何も。強盗とかじゃないか?家は見ての通りだし。誘拐されかけたことあるくらいだしな。(相手に背を向けてひとりで住むには少々だだっ広すぎる屋敷をぐるりと見渡す
だからまぁ、未練があるとすれば…あ。(はたと思いついたように止まってぽんと手を叩き
君可愛いからね。でも単なる強盗だとしたらわざわざ眠っている人を殺さないと思うんだけどなぁ、起きていたのなら別だけど。(腕を組んで考える素振りを見せながらうーむと唸り声を漏らし)
おっ?(何か閃いたようにも感じられる声に反応して顔を上げ)
はぁ!?何言って…あ、あぁ。そうだな。うん。(一瞬とんでもない発言が聞こえた気がしてびっくりしたように振り向くも、考え事をしている様子を見てグッと飲み込み頷いて
いや、私の未練って。まだ見つかってないことなんじゃないかと。(身体 を表すように ぱ、と両手を広げて見せ
当時大掛かりな捜索を行っても見つからなかったんだ、残念だけど10年も経っている今じゃ…。
(見つけてあげたいのは山々だが、これから探してもまるで可能性が感じられず眉を下げ)
そうか…そうだよな。(若干落ち込んだような素振りを見せたものの、すぐにふっと短く息を吐いて取り直し
まぁ、仕方が無い。犯人の事も、身体のことも…今更言っても詮無いことだ。(自らを納得させるように頷いて
で、でもさ!こういうホラーゲ…こういう時って結構近くに手掛かりがあったりするかもじゃん!諦めるのはまだ早いって!
(根拠も何もなく、励ましの意を込めてそう述べながら相手の肩に手を置こうとするも実体がない為すり抜けて)
…そうだな、ダメでもともと。やるだけやってみるか。(少し俯いて考えこみ。長い間、無意識に探すのを拒んでいた自分を探すことを決め、丁度自分の肩をすり抜けていった相手の後頭部に柔らかな笑みを向けて
よし、早速行くか。(しゅるんと壁をすり抜けて別の部屋へ移動していった様子
うん、早速…ってちょ待っ!
(やる気を取り戻した相手の言葉に頷き、後を追おうとするも生身の自分では壁に衝突し)
もー、そういうとこ気使えよなぁ…。
(ぶつぶつ文句言いながら何処に繋がっているかわからない部屋を目指して歩き始め)
とりあえずどこ探すー……って、あ。(パッと振り向いた所で誰もいないことに気がついて苦笑する。しかし先に来てしまった手前戻っていくのも決まりが悪く、そのまま部屋をちょこちょこと探索しだして
お、これ、懐かしいなー。(1人でぶつぶつ呟きながら本をめくっている
っ…!
(とある部屋の扉を開けば相手の姿が視界に入る。打ち解けたとはいえいきなり幽霊が目に映ればビクッと肩を跳ね上げて。)
ちょっと壁抜けはチートだよ!
(八つ当たりのごとく上記述べながらずけずけと歩み寄って行き)
あ、あぁ。ごめん。(荒っぽい足音を立てながら近づいてくる相手に驚きつつ、床にぺったり座った状態で見上げて
久し振りに見てみると身体がある方がやっぱいいけどたまに不便だな。(薄らと透ける自分と違いしっかりとした質量を持つ相手をじっと見つめて感慨深げに呟いて
その能力…色々と便利そうだなぁ。しかも姿も消せるとなると…。
(相手の言葉にこくりと頷く。何が、とは言わないが邪なことを考えているのはその表情から明確であり)
それはどうしたの?
(座り込む相手を見下ろしたまま手に持っている?本を指差して)
…なぁ、なんか妙なこと考えてないか?(ぼかした言い方ではあるものの思うところがあるようで、じとりと相手を睨め上げ
ん、これか?いつだったか、兄さんがくれたんだ。(本にふっと視線を落とすと懐かしそうに表紙を撫でるような素振りを見せて
夏目漱石の「こころ」生前何度も読んだもんだ。(ひょいと本を浮かせて相手に渡すと立ち上がり ぐっ と伸びをして
いや、ただ便利だなぁと思っただけだ、よ…?
(まるで自分の考えを見透かされているかのような視線に苦笑して誤魔化し)
へぇ、意外と文学少女だったのか。俺には縁のない読み物だな。(手に取ったそれをぺらぺらとめくりながらそういうと、すぐに本を閉じて)
…なら、いいんだ。(視線を流しまだ疑わしげな様子を残しつつも深く突っ込んで聞き出そうとはせずに
まぁな、面白いから読んでみるといい。私は主人公と友人「K」そして「お嬢さん」の三角関係部分が特に好きだな。(夕焼け色の目を少し見開き輝かせながら相手の持っている本について語る
また機会があればね。
(相手の表情からも本が好きだということがひしひしと伝わり、こくりと頷くと本をそっと傍に置いて)
ていうかお兄さんいたんだ。
(本の内容よりもそちらに気がいき、さりげなく話題をすり替えて)
ん?あぁ…兄弟じゃないんだけどな、よくバス停で会う人でさ、気がついたら仲良くなってた。(一瞬怪訝そうな表情をしたがすぐに納得したように頷いて、本を棚に戻しながら口元に笑みを浮かべてそう話し
如月さん だったかな、一人っ子の私にとっては本当の兄さんのようだった。(窓の外を見やり、遠い面影を追うように目を細めて
おやおや、もしかして恋してたのかな?
(どうやら自分にも幽霊をからかえるくらいには余裕が出てきたようで、透け透けの脇腹に肘を打ちながらにやにやと笑みを浮かべ)
ばか、そんなんじゃないって(にやつく相手をバシバシと叩いてみるものの当然透けてしまって互いにこんがらがったような状態に
ふざけてないで探すぞ、とりあえず天井裏とか……下は任せた!(誤魔化すように早足で屋根裏に登っていったかと思えば天井から にゅ、と頭だけ出して
ふぁーい。
(おふざけも程々に間の抜けた返事をすれば彼女が天井に消えていったのを見送って捜索開始。まずは棚の近くの箪笥でも開けてみようか。)
へぇー、ここはあの子の部屋なのか。
(どうやら部屋の中は当時のままらしく、箪笥から彼女の私服だと思われるものを手に取れば、上から見られているとも知らずにそれを広げながら独り言を口にして。それを戻せば一つ下の段に手を掛けて開けようとし)
おっと、そこは有料だなぁ。(何か怪しい行動がないか少し見張っていれば、着られることも捨てられることもなく埃を被っていた服を眺められなんともいえない気分になり。すると別の段を開けようとしていることが分かり、ふわりと背中に張り付くと背後からわざと驚かすようにして囁く
……!?
(本当に驚いた時は声が出なくなるとはよく言ったもので、言いようのない悪寒が身体に伝わり、耳元への声も相まってビクビクッと肩を震わせて)
…いちいち変な脅かし方するのやめてくれるかな…?
(一度大きく息を吐けば、正面を向いたまま自分に取り憑いている、というより貼り付いている彼女に言葉をかけ)
うん、初めは無意識だったんだが。…反応がいいと楽しいもんだなぁ?世の脅かしに出てくるお化けたちの気持ちが分かった。(背中に張り付いたまま足をばたつかせなにやら嬉しそうにクスクスと笑って
ま、そこは開けないことを勧める。乙女のタンスの下段はうっかり覗くもんじゃないだろ?(ニヤニヤと笑いながら少し遠回しな言い方で警告を発しておいて
取り憑かれるってこんな感じなのか、あまり気分の良いものではないな…。
(自分の反応で相手を調子付かせてしまうのは何と無く分かるものの、だからといって驚きを制御できるわけでもなく、どうしたものやらと小さく溜息)
はっ、そういうことか!ぐぬぬ、仕方ない…。
(相手のヒントで漸く意図を理解して、開けたい気持ちをぐっと抑えて立ち上がる。それにしても質量が無いというのにこの背中に感じる重量感や気怠さはどうにかならないものか)
開けたら中から生首が出てくるかもなー。…ほう、実際に影響はあるのか?思い込みのせいもあるのか。(冗談なのか自分でやろうと企んでいるのか曖昧な言葉を発し。ポルターガイスト以外で何かに干渉できる物があるのかと新たな疑問が生まれ、とりあえずぺったり張り付いていた肩から離れて様子を見てみる
うーん、両方かな。あ、でもでももしかしたら本当にここに遺体が隠されてたり…!開けてみる価値はあるかも?
(確かに思い込みの所為もあるだろうが、実際に影響があるのも事実だろう。その証拠に今はだいぶ肩が軽い。そんな彼女の言葉を良いように解釈して再度提案してみる)
なるほどなー…って待て待てんなわけあるかい。(思わず手をツッコミの形にしてブンブン振る。
あったとしてもそんなとこから腕とか足とか出てくるの想像したくないわー(出てきたとしたら犯人は相当なバカか鈍感か変態だろうと見知らぬ犯人に散々な言いようで。
…まぁ、確認だけしてみるか。(開けよう、と手を出したあたりでちらっと相手の方を伺い見て
おぉー…。
(物珍しい幽霊のノリツッコミに感嘆の声を漏らす。それにしても何故バラバラ死体を前提に考えているのだろうか。)
うん…!…ん、開けないの?
(相手の言葉に元気に同意、大きな期待と一抹の不安を抱えて、気持ち前傾姿勢で箪笥に目を凝らし。途中で動作を止める彼女に小首傾げて問いかけて)
…チッ。(舌打ちを一つ打つが思わずツッコミを入れてしまったことが今更恥ずかしくなっての照れ隠しであることは明白で
いや…そんな露骨にじっくり見られても、困る。(確認作業とはいえ一応自分のものであることに違いはなく、明らかに別の期待があると思われる様子に小さな引き出しを引くことが躊躇われ
あ、そうだ。……ん、何もなかった。(引き出しに近寄ると五センチほど開けて中を覗きすぐに閉め、落ち着いて異常は見られなかった旨を伝えて
えっ…?いや全然!そんなやましい気持ちなんて全然!
(どうやら無意識でがっつりと見る姿勢になっていたようで
、慌ててぶんぶんと手を振りながら前傾していた姿勢を戻し)
嘘つけ!そんなちょっとじゃ何も見えなかろう!
(明らかにその場凌ぎの行動、何もなかったと断定するには狭すぎる隙間での確認作業に、今度はこちらがつっこみを入れ)
うぐっ……だったら、まぁ、私の自尊心の保護のために後ろでも向いていてくれ。(見事に突っ込み返されてしまい苦い表情をする。しかし一応相手は男で、あったばかりであることを思えば人として譲れない部分もあり。しぶしぶ後ろを向いて欲しいと頼み
…仕方ない、今回だけだぞー。
(どうやら幽霊にも自尊心はあるらしい。ここから食い下がるのも男として情けなく感じ、表向きは潔く後ろを振り向くが、その上からの口調からは無意識の未練が上乗せされており)
わかったわかった。(一応は要求を受け入れられたことに安堵するが、生身の他の人間でも同じことをするのだろうかと一抹の疑惑と不安感を覚えつつタンスの引き出しを開ける
…うん?(がさりと音を立てながらタンスの中から何かを取り出した様子
うん…?
(腕を組みながらドアと向き合う。音だけでも相手が箪笥を開けたことが分かるものの振り返ることはせず。と思いきや相手のイレギュラーな反応に反応して普通に振り返り)
うわぁぁぁ振り向くなよ!!!(思わずばしんっと引き出しを閉めて
あ、えー…これが、あった。(タンスを背にしどろもどろになりながら白い封筒を出して見せる。そして端の方をピリピリ破り、中の紙を取り出して広げると中には
…なんだこれ?(広げられた紙には翼の生えた黒いトカゲのような何かが描かれているだけで
あ、ごめん。
(他意はなかったため相手に対してやけに冷静に謝罪の言葉を述べ)
…なんだそれ?
(相手の持つ封筒に興味を抱きながら封が切られるのを待つ。そして紙に描かれた何かを見て相手とほぼ同時に同じような反応を示し)
君面白い趣味してるな。
(出てきた場所が場所なためまずは相手の私物を疑い始め)
あ、いや。こっちこそ。(日本人の性か、なんとなくこちらも会釈しながら謝り
全く分からん…って私じゃないぞ。(心外だ、というように眉を寄せて相手を睨むと、ふとなにかに気がついたように他の引き出しを開けだして。すると他の引き出しからも封筒が見つかり
なんだなんだ?やっぱり君のじゃないのか。
(まるで思い出したかのように引き出しを開け始めるのを見て、そこから同じような封筒が発見されるとますます相手のものである可能性が感じられる。一つだけ気がかりな点を除いては)
いや、単にここだけじゃなくてほかの所にもあるんじゃないかと思ってな?(正直全く見覚えのない封筒が入っていることには不気味さを感じずにはいられないが、まるでヒントのように置かれた封筒について考える方に意識が向いていて
翼の生えたトカゲに角の生えた馬に燃えてる鳥に…なんなんだこれは。(お世辞にも上手いとはいえない絵に苦戦している様子
にしても、ここまでぴたりと封筒の在り処を当てるとは…。
(見る所々に用意されていたかのように置かれている封筒を見て、相手の能力に感心し)
さっぱり分からん。事件とは関係無いんじゃねーの?
(もはや考えることすら放棄している状態で、こんな絵から何かが分かるとは到底考えられず)
勘だ、勘。(すべての引き出しを開けてから五枚ほど揃えられた封筒とその中の妙な絵を床に並べて首をかしげる
かもなー。もしかしたらただのイタズラかもしれ…(そうなると普通に引き出しを開けられたりしていたことになると気が付き固まって
…ちょっと待てよ?部屋主でも知らないものが箪笥に入ってるって…。
(相手の硬直する時間で自分もその違和感に気付き、恐る恐る言葉を紡いで)
怖い怖い怖い!
(それを考えれば言いようのない狂気と恐怖を感じ、相手が幽霊だとか関係なく腕にしがみ付き)
いや待て、ちょ、掴めてないって。てかほんとになんで…(必死にしがみつこうとしてくる相手をいなしながら不思議そうに俯き考えこみ
とりあえず、一旦これは置いておこう。考えても思いつきそうにないというか、なんか触りたくない。(五枚の封筒と絵をまとめて机の隅へ押しやり
こんな手掛かりを警察が見逃すはずがない。でもその後誰かが侵入したとすれば君が気付くだろうし…。
(仕方なく腕を掴む雰囲気で妥協しつつ、隅に追いやられる絵を見ながら何やら考えを口にして)
思ったんだけど、幽霊って眠るの?
(相手に気付かれず屋敷に侵入する隙を作ることができるのかふと気になり問いかけ)
眠る…というと違うが、さっき言ったろう?夜に殺されたから日没から夜明けまでしか出てこられないんだよ。昼間に来てたら普通に会うことなくお前は帰ってたな(おそらく覚えていないだろうと思い肩をすくめて説明して、ある意味こうして会ったのもこいつにとっては不運だったろうなと考えて
ん?待てよ、今何時だ。(ふとこの暗い時間帯にわざわざやってきた相手に現在の時刻を問いかけて
そんなこと言ってたっけ…?なるほど、じゃあ誰かが下着の上に封筒を置いて去ることなんて容易にできるわけだ。
(はて、と首を傾げるもすぐに考えるのをやめ、相手が不在中の犯行が可能であることを明るみにし)
えーっと…4時。…4時!?
(手元のスマホで時間を確認。深夜に来た筈なのだが、気付けば大分時間が経っていたようで、その感覚の差に自分でも驚き)
あっさりそんなこと言うな憑き殺すぞ(その手の話題には強くないのか橙の眼を爛々と光らせて怒るものの、死人特有の青白い頬に薄らと朱が差しており
…ってことは、後2時間弱か。(腕を組んで少し向こうを向きながらぼそりとそう返して
事実を述べたまでだよっ、そんな変な殺し方しないで。
(実際見てはいないのだがきっとそういうことなのだろうと想像し、怒る相手に両手を向けてどうどうと落ち着かせ)
そうか…。君、名前は?
(タイムリミットが2時間だと分かれば何故か名残惜しい気持ちが沸き起こり、それを誤魔化すように今更ながら少女に名前を問い)
私の名前は。(十年の時を経て話した人物には何度も調子を狂わされっぱなしで。しばらく憮然とした表情で窓を見ていたが、相手の方にゆっくり向き直り口を開く
…事件の概要はこうだったな。「当時十八歳だった田上瑠衣さんが刃物により刺殺されていた。地元の警察による捜査が行われたが犯人は特定されず、迷宮入りした事件である。」(表情を曇らせると静かに俯き淡々と携帯で見つかった事件の記事を読み上げ
君がその、田上瑠衣さんなんだね。俺は宇野智春。
(事件の概要は先程読んだが、今の相手の言葉で彼女がその本人であると確信し、一度名前を復唱した後自分の名を述べる)
あの…瑠衣さん、いや、瑠衣ちゃんが良かったらなんだけどさ、また此処に来ても良いかな?
(自己紹介も済んだところで、相手に少し近付いて本題に入る。先程追い返そうとした感じからするとあまり良く思われていないことは何と無く察しているが、駄目元で問いかけて)
あ、そうじゃなくて、その……。
(パッと顔を上げると何か言いたげに手を出すも、思い直したように手を引っ込め
…ちゃんとかは、やめろ。瑠衣でいい。それから、別に来ても追い出しはしない。
(ぼそりと上記呟いてから、初めのように相手を拒絶することは無いと告げて。ふいに思いついたようにすいと指先を動かせば台所から一枚のカードが
改めて、ようこそ侵入者。謎が解けるまでゆっくりしていけ。(どこか挑戦するような笑みを浮かべてパンケーキに刺さっていたカードを差し出す
おぉ本当か、良かった!
(案外あっさりと許可が下りればぐっと拳を握ってガッツポーズ)
あっ、これは…!あの美味しそうなパンケーキ、食べそびれた…!
(どこからか飛んでくる見覚えのあるカード。差し出されたそれを受け取れば、これが何処にあったか思い出し、ついでにパンケーキの記憶も蘇り)
随分怪しんでたみたいだったからな、片付けちまった。食べてたらゲームオーバーだったかもしれないと思えば、まぁいいじゃないか。(もっともそれもおどかすための一つの策だったことを思えば怪しまれたのは正解だったとクスクス笑って
気が向いたらまた出してやるよ…じゃ、また今夜。(ひらりと手をふると同時に窓から日が差してその光に溶けるように幽霊の姿は消える
…ん?ちょっ、待って今夜は行けn…。
(光と共に消えていく幻想的な光景にしばし見惚れていたが、何か勘違いをしている彼女の誤解を解こうと口を開くも時すでに遅し。彼女には後日改めて謝罪するとしよう)
すっかり遅くなってしまった、瑠衣ちゃん怒ってるかな…。
(色々と立て込んで中々時間が取れずそれからちょうど一週間後の夜、再び屋敷の前に現れる。ギィと不気味な音を鳴らして開く扉に慣れるにはまだ期間が必要なようで、少しビビりながら屋敷に足を踏み入れて
…よぉ。(恐る恐るといった様子で歩く相手を見つけるやいなや、ぬっと血塗れの顔をライトで下から照らしながら現れて
久し振りだな、七日ぶりってとこか?(来訪を喜んでいるのか反応を楽しんでいるのかニヤニヤと笑いながら相手の周りをクルクル回り
ふぁっ…!?
(ただでさえ薄暗く怯えているところにダメ押しの一撃が。例のごとく声を上げながら腰を抜かして尻餅をつき)
…いや、だからさ。別に一々驚かさなくても良いっての。
(あまりの情けなさに自分で笑けてきて、手を額に当てながら軽快に周囲を回る相手に先日も述べた一言を)
いやーもはや恒例行事かと。(ことある事に脅かしてやろうと思っているのが伺えるいい笑顔で親指を立てて
にしても遅かったな、待ちくたびれすぎて消滅するところだった。(くぁ、とあくびをしながら腕を組んで座り込む相手を見下ろして
そんなに待ってくれてたの?いやぁこう見えても何気に忙しくてさ。
(幽霊にとっちゃ成仏できるのは良いことではないのだろうか、とはいえ待ってくれていたことには嬉しさと申し訳なさが入り混じり、あははと笑いながら頭をかいて)
…まあ冗談だ、本当は来るかどうか半々だと思ってたしな。(組んでいた腕を解いてライトを相手に渡し、伏目がちに髪を手櫛ですいて
んで、何かあったのか?それとも暇なのか?(あくまで地縛霊であり、屋敷からは出られない制約がある。外からの情報は知っておきたいと壁に背をもたせかけるような仕草をしながら首をかしげ
なんだ、信用されてないなぁ俺。
(渡されたライトで相手を照らしつつ苦笑を浮かべて述べ)
あの後ちょっと親に聞いて見たんだけど、当時は結構話題になってたみたいだね。此処に集まったギャラリーも少なくなかったとか。
(特に用といった用は無いのだが、あれから親と話した内容を思い出せば、床から立ち上がりながら報告し)
仕方が無いだろ、お前には外の広い世界がある。(バツが悪そうにそっぽを向いてぶっきらぼうに呟く
なるほどな、そんな感じだったのか。(真面目に話を聞きながらもどこか他人事のような雰囲気で頷いており
さて、今日はどうする?(立ち上がった様子を見て廊下を先に歩き出しながら問いかけて
まぁ、そんな感じの話だけで肝心なことは何も分からなかったけど。
(早々に収穫0ということを明かしながら肩を竦め)
どうするって、前の続き以外に何かすることでもあるの?
(あくまで事件の真相を追求するために此処に来ているわけで、遊びに来た、というのも何か違う気がするし、相手の後に続いて歩きながら困惑した表情を浮かべ)
ん、そうだな。じゃあ次は客間にでも行ってみるか。(近くにあった部屋に今度はドアを開けて入る。広い部屋の中にはソファとローテーブル、いくつかの本棚があるだけで
パッと見手がかりはなさそう…けどまぁ何か使えるものくらいはあるかもな。(ほとんど空の本棚を眺めながらなにかないかと所々漁ったりしている
それにしても広い家…瑠衣ちゃんってかなりのお嬢様だったんじゃないの?
(部屋に入った途端高級感漂う部屋に感動し、ふかふかのソファにぼふんと腰掛け。真面目に手掛かりを探す彼女の方を向きながら茶々を入れて)
はは、そうかもな。でもお嬢様なんてガラじゃないだろ?(使われていなかっただけありホコリっぽい棚に顔をしかめながら、後ろでくつろぐ客の言葉にクックッと喉で笑って
…あー…。(一通り棚を漁った所でいくつかの物をポケットにしまうとくるりと振り向いて肩をすくめ
ま、まぁ何というか、その口調さえどうにかなれば…。
(恐らく自分でも分かっているのだろうが、つっこんで良い部分なのかと少々戸惑い、苦笑を交えてその勇ましい口調について指摘して)
何かみっかったー?
(さっきのやる気は何処へやら、完全にソファでくつろぐ客と化し、間延びした声で問いかけて)
らしくしてみようか?そうだな…(顎に指を添えて考え
「ごきげんよう、お会い出来て光栄ですワ。」(一昔前の少女漫画を読んでいた世代らしいお嬢様言葉でセーラー服の裾をちょこんとつまんでお辞儀をしてみせて
いいえ、何もございませんでしたことヨ(もはや遊んでいるようなおかしな言葉使いでお手上げポーズをとり
……。
(もはや絶句の一言に尽きる。さっきまでとのギャップがありすぎる故にこれじゃない感が物凄く、何とも言えない表情でジトっと目を細め)
そ、そうでございまするか…。
(相手に便乗して同じような口調で返すもやはりこれじゃない感が)
…そんな顔すんなよ…その、うん。ふざけすぎた。(若干苦笑いをすると腕を組んだ通常状態に戻り、どこか悟ったような顔で頷いており
真面目にやりゃできないこともないんだけどなー…気持ち悪くてどうにも無理だ。(はぁ、とため息をついて頭を振って
でもお嬢様だったらそういう言葉使いとかに関しては親に厳しく指摘されるもんじゃないの?
(今の発言から、どうもこの男らしい口調が素であるらしいと察し、生前の家族の反応がどうだったのかを問い)
もちろんうるさく言われたと思う。でもまぁ、すぐ諦めたんだろ。(やれやれ、というように首をかしげて
…ここにはもう何もなさそうだし、次行くか。(両手をぽんと合わせて話を打ち切り忙しなく次の部屋へ移動していく
ふーん。まぁでも、俺は見た目とのギャップがあって逆に可愛いと思う。
(あまり触れられたくない話題だったのか、それを察してこれ以上話を広げようとはせず)
そうだな、俺なんもしてないけど。
(言われなくても分かっていることを述べ、ソファから腰を上げて相手の後ろを歩いて行き)
…そう。(逃げるような速さが少し緩み、聞こえるか聞こえないかほどの小さな声で返事を返して
こことか、どうだろう。(着いたのは書庫らしく、沢山の本や紙の束が残されている狭い棚の間をスルスルと移動していく
こんなのすぐに見失っちゃうよ…!
(相手が棚の隙間を通る度に自分は遠回りしなくてはならなく、とうとう相手を見失うとたくさんの棚に囲まれた場所で立ち尽くし)
ほら、なに迷子になってるんだ。(どこから持ってきたのかランタンを片手に立ち尽くす相手の近くまでやってきて
棚は多いが大して広くない、とりあえず窓から反対に歩けば出られるぞ。(指差した先には小さめの窓がいくつも並んでおり、薄く月明かりが差し込んでいる。対して反対側は屋敷側だからか窓が無く闇に覆われており
ごめん助かった。
(大して広くはないが迷路のように入り組んだ書庫に困惑していると光と共に救いの手が。いい加減棚を通り抜けてくるのはやめてほしいが)
なるほど…ん?
(言われた通り窓から反対方向に歩を進めていると、途中で気になる空間を発見し、そちらに向けて方向を変えて進み)
こうしてるとお前も幽霊のようだな?(ぼんやりと灯りに浮かぶ顔がどこか現実離れして見えて、なぜか嬉しそうに笑う
どこいくんだ?(何かに気を取られた様子の相手の後ろを少し離れたところからひょこひょことついて行って
(暫く進むと小さな空間に出て、そこには月明かりに照らされた一つの本棚があり。その中の一際使い込まれた風に見える本を手に取ると、適当なページを開き)
なんだろうこれ。日記…?
(そこに書かれていたのは誰かが書いた文字。見ようによっては誰かの日記のようにも見え、首を傾げながら相手に向けて本を開き)
何だそれ?……っ!(細く繊細そうな字の並ぶ日記帳のようなものに目を落とした次の瞬間慌てて手をパンッとたたむような仕草をしてそれを閉じさせ
…読んだか?(開かないようにするためか手のひらを合わせたまま本に落とした視線を合わせず静かに問いかけて
い、いや…。
(直接触れられてはないものの、自らの手に相手の力が加わる感覚がすると同時に本が勝手に閉じており目をぱちくりさせて。日記のほんの一部分しか読んでいないことと、相手の反応から読んではいけないものだと察知して首を横に振り)
ここで一旦本編から離れるな。
このトピもこれで200レスを達成した。
一時は無くなりかけてどうなることかと思ったが、こうやって毎日会いに来てくれて嬉しいよ。これからもよろしくな、トモハル。
ちなみに、今の時点でも私に関する謎解きやヒントは結構出てる。物だけじゃなく会話とかにもちりばめてるからな。「この時の台詞はそうだったのか…!」みたくなるように努力していくから、ぜひともガンガン解いていってくれ。
挨拶終わり!では、本編に戻るぞ。
あ…ごめん、怒ってるわけじゃ無いんだ。ただ…その、人の日記なんて読んだらその人に悪いだろ?だからー…まぁ、やめとこう、な。(相変わらず視線を合わせないまま歯切れの悪い言葉遣いで説得し
あ、やっぱり日記だったんだ。てことは瑠衣ちゃんはこれが誰のか知ってるの?
(あたかもその日記が他人のものであるかのように述べているが実際はどうか分からず、真意を確かめるためそれとなく疑問を投げかけ)
(/こちらこそお相手ありがとう。足りない頭で謎解き頑張ります。)
あ。(明らかにしくじったといった様子で小さく舌打ちをして、しばし迷ったあと曖昧に頷いて
…書いた奴はもういないんだ。(迷子のようにどうすれば良いのか分からない不安と焦りを滲ませる。そのまま日記帳を持っていってしまうが古いものだったからか一ページひらりと床に落ちて。幽霊は気が付かず廊下へ
それってどういう…おーい。…ん?
(これ以上聞かれたくないのか、まるで逃げるように去って行く相手に声を掛けるも、聞く耳持たずといった感じで姿を消してしまい。床に落ちた紙に気付くとそれを拾い上げ)
んー読めない。
(読んでみようとするも細い字に加え暗さで文字が見えづらく、彼女の持つランタンを求めて後を追って行き)
…。(廊下で待っていたのか出てきた相手にランタンを渡し、自分は暗がりに溶け込むように佇んでいて
《日記の切れ端》
『1/18 今日のピアノの稽古は、お父様が見にいらしていたのにあまり上手く行きませんでした。緊張すると指が回らなくなってしまいます、お父様は落胆したご様子でした。
自分の性格が好きになれません。もっと竹を割ったようにさっぱりとした、毎日失敗に怯えなくて済むような性格になりたいです。』
えっ。
(まるで自分が切れ端を拾ったことを知ってるかのようにランタンを差し出され、困惑しながらもそれを受け取り、相手に背を向けて隠れるように紙に光をあて)
うーむ…。
(見たところ女の子の日記のようだが、この繊細さと口調からして彼女の線は無さそうだ。)
さ、いこっか。
(疑問を残したまま何事もなかったように振り返ると、元の方向へ歩き始め)
…ん。(相手が紙を読んでいる間も殆ど存在感なくその場に立っており、声をかけられてからも後ろから灯りを避けるように付いてきて
次、どこいくんだ。(音も無く滑るようについてきながら、広い廊下に響かないどこか曖昧で淡い声で話しかける
…あれ、どうかした?
(相手の先程までよりもワントーン下の声色に足を止め、暗がりの中の声の方向に振り返り)
うーん、じゃあ次は瑠衣ちゃんのご両親の部屋にでも案内してもらおうかな。
(案内してもらうには先導してもらうしかなく、次の目的地を述べながらランタンを差し出して)
何も……分かった。(なぜここまで敏感にこちらの反応に気づくのだろう。ゆるりと首を振ってランタンを受け取ると次の部屋へと滑り出ていく
…なぁ、全部まとまって、解決したら、お前はどうするんだ?(前を向いて移動しながらまま問いかける。尋ねるのにもためらっているような響きがある。
…それは…その時になってみないことには分からないよ。まだ謎は深そうだしね!
(全てが解決すれば彼女がいなくなってしまうのではないか。何と無くそんな気がするも、当然そんなこと口にできるはずもなく、暗闇の中でできる限りの笑顔を作りながら曖昧な返事を返してしまい)
…そうだよな。うん、おかしなことを聞いた。(一瞬思い詰めたように目元に影を落としたものの、ふと思い直したように顔を上げて微笑み
よし、次行くぞ。(先程の妙な態度が嘘だったように強気な彼女に戻り、ランタンを振り回しながら歩いていく
ちょ、危ないよ!
(あからさまに様子が変わったことには驚いたが、良い方向に変化してくれたようで一先ず安心しつつ後からついて行き)
さて、ここだな。(キィ、と金属質な音を響かせてドアを開けるとシンプルかつ整頓された部屋があり。締め切られたカーテンを開ければちょうど月明かりが入り少し明るくなる
私自身、あまり入ったことはないんだ。(物珍しげに辺りを見回しながら少し楽しげに話して
へぇ、瑠衣ちゃんのご両親ってどんな人だったの?
(先程までとはまた違った空間の空気を感じながら部屋の中をまわりつつ、興味本位で彼女の両親について問い)
そうだな…父は厳しくて、いつも完璧な娘を求めていたな。期待に応えきれない事も多くて、色々と心苦しかった。反対に母は優しかったけど気弱でね。私がしっかりしないとって子供心に思ったものよ。(後ろ手に指を組み、窓の外で煌々と光る月を見上げながらまるで独白のように応えて
厳格なお父さんと優しいお母さん、まさに良いとこのお嬢さんって感じだね。
(ふむふむと微笑ましげな笑みを浮かべて相槌をうちつつ家族の情報を整理していき、続けざまに「他に家族は?」と問いかけて)
やめてくれよ気色悪い。(うわぁ、と声を上げながらわざとらしく肩を両腕で抱くようにして擦り
兄弟は居なかった。家事は母とたまに手伝いの人が掃除に来る位で…本当に無駄な広さだ。(うんざりしたようにため息をついて
えっ、てことは…。
(薄々勘付いてはいたが、先程の日記はやはり彼女の書いたものなのだろう。それを言おうとするも、日記はみていないティであることを思い出して言葉を切り)
てことは、瑠衣ちゃん家事とかやったこと無いんじゃ…!
(特に言う予定もなかった言葉を咄嗟に口にして)
…い、いやそんなことは無い!誰もいない日は軽い昼食を作ることくらいは出来たし、その…お菓子も作ってたからな。(バッと顔を上げると手を勢いよく振って否定して。しかし後者は明らかに似合わないことを自覚しているようでセリフはどんどん尻すぼみになり
例えばパンケーキとかー?
(意外にも意地を張る相手を健気に思いつつ、お菓子という言葉に反応して、若干にやけながらからかうように)
あぁー、なんかお腹減ってきたなぁー。
(続けてわざとらしく声をあげながらお腹をさすり)
ニヤニヤすんなっ!私でも一番ちゃんとできるのがそれなんだよ!!(誤解を解くつもりが更にからかわれる結果になり、ムキになって眉間に皺を寄せつつ言い募り
…全く。仕方が無いから、しゃーなしの、渋々で、作ってやる。(腕を組み仁王立ち状態になり宣言すると、床をすり抜けキッチンへ降りていく
ちょっ、拗ねるなってー。
(相手のせめてもの抵抗か、下へすり抜けて行くのを見て焦りながら声をかける。何せ来た道をほぼ覚えていない)
もーったくー。
(文句を言いながらも両親の部屋を出て、再び闇に包まれた廊下を歩き出し)
出来るだけゆーっくり来い、迷子も可だ。(キッチンにて1人呟きながらポルターガイストを器用に操りながらパンケーキ作りに取り掛かって
さて、焼けるのとお前が来るのはどちらが早いかな。(青い火がぼんやり辺りを照らす中、先程の日記をそっと広げてパラパラと捲ってからすぐに閉じて
はぁ…やっとたどり着いた…。
(暗闇の中手当たり次第に歩き回り15分後、ようやく台所に立つ相手の姿を捉えればとぼとぼと歩み寄って行き)
はーい宇野選手ただいまゴールイーン。宇野選手、今のお気持ちは?(ぐったりとした相手を発見するとカンテラ片手に出てきて布巾を旗代わりにパタパタ振り回し、泡立て器をマイク代わりに差し出し
そうですね、見覚えのある部屋があったので気晴らしに一番下の棚を開けてやりましたよ。今は清々しい気持ちで一杯です。
(全てにおいてからかわれているのを感じ、爽やかな笑みを浮かべながらではあるが恨みのこもったブラックな嘘を淡々と述べ)
はあぁ!?お前、何してんだよ!(死人らしい青白い肌をさっと顔を朱色に染め上げると泡立て器で相手をボンボン叩き
せっかく焼いて待ってたのに。(恨めしげに皿を飛ばせばパイ投げのごとく2枚重ねのパンケーキを相手の顔に投げつけて
ち、ちがっ…!嘘だよジョークぅぶ…!
(顔を豹変させる相手にまずいと感じ、咄嗟に誤解を解こうとするも時既に遅し。真っ直ぐ飛んできたパンケーキを避けることもできず、よくあるバラエティ番組のごとく顔面に貼り付き、掌を相手に向けたままピタッと動きが止まり)
…。(勢いとはいえやってしまった、という思いと嘘だと言う相手の言葉にこちらもピタリと動きを止めて。数秒の気まずい間が流れる
…うん、その、悪い。(静かにパンケーキを引きはがすとテーブルの皿に戻して向かい側の椅子に座り
いや、こちらこそ…。
(元はと言えば自分の発言によって起こったことなので自業自得といえば自業自得。顔面にクリームがべったりと付いたまま向かい合うように座り)
タオル、使えよ。(ひょいと白いタオルを投げて寄越して、気まずそうに頬杖をついて相手を眺めて
…追加焼くからちょっと待ってろ。(早口でそう述べればランタンを残してそのままキッチンへと消えてゆき
ご迷惑おかけします…。
(気まずさが伝染しているのか、タオルを受け取るとおずおずと顔を拭きはじめ。再びキッチンへと戻っていく相手に申し訳なさそうに言葉を返し)
待たせたな、あったかいうちに食え。(しばらく経ってキッチンから戻ればコトンとパンケーキの乗った皿を前に置いて
多分そんなに食べた気はしないと思うけどな。(また向かいの席に座って相手を眺めて
うわぁ美味しそう、頂きます!
(目の前に置かれたケーキを見て目を輝かせ、ぱちんと手を合わせて声を出すと、早速フォークで一口)
んー美味い!美味しいよ瑠衣ちゃん!
(パンケーキなるものはあまり食べたことは無かったが、その美味しさに自然と笑みが零れ、ぐっと拳を握って目の前の相手に美味しさを訴えて)
本当?なら良かった。(普段の強気な姿とは似ずまるで別人のように柔らかくふわりと笑む
…。(にこにこと何か言うことも無く食べ進める相手を眺めている。
瑠衣ちゃんも食べる?…っていうか、食べれる?
(食べているのをただ見られているというのも恥ずかしいもので、一切れフォークに刺して相手に向けて差し出すも、そもそもの疑問が生じて苦笑を浮かべながら)
わたしは……。(ん、と首をかしげて困ったような顔で笑ってからふと気がついたように首を振って
いや、無理だな。体が無い以上、食べ物も飲み物も要らない。(ひらひらと手を振って相手の手を押し戻す仕草だけしてみせて
うーん、そっか。
(少し残念ではあるが、何と無く分かっていたことではあるため素直に手を引いてそのまま口の中に入れ。)
ごめん、すぐ食べるから。
(見ているだけ、ましてや味覚を共有できないともなると退屈だろうと食べる速度を早め)
いや、気にするな。どちらにしてもそろそろ夜明けだ。(ちらりと窓の外を見やれば薄墨色の空が見えていて、それならゆっくり食べて欲しいと言い
ちなみに…次はいつ来るんだ?(今回のようなすれ違いは避けたく、消滅する前に聞いて置くことにし
んーそうだなぁ…。また1週間くらい空くかもしれないけど…。
(もぐもぐと口を動かしながら考えるが、絶対に明日とも断定することができず、保険として1週間空けた日付を伝え)
瑠衣ちゃんはいつ会いたい?
(相手の意見も反映させようとする気持ちと、若干からかいも交えながら口角を上げて問いかけ)
そうかー。まぁ何年レベルでぼっちだし今更グダグダ言わん。(数時間前の様子が何だったのかというレベルで頷きながら軽く応えて
そうだなー…あ、なら水曜日。水曜に来てくれ。(何を考えたのか突然四日後の日付を指定して
…?分かった、できるだけその日に来るようにするよ。
(何故相手がそこまで水曜日に拘るのかは謎だが、何か意味ありげなようにも感じ、こくりと頷いて承諾すると残りのパンケーキを平らげて)
ん、じゃあな。(パンケーキを食べ終えるのを見届けると満足げに頷き、ひらりと手を振ったかと思えば朝日に透けて消えてゆく。座っていた椅子の上には紙切れが一枚残されている。
もうそんな時間か…。
ん、何だこれ?
(挨拶と共に消えていく相手を見て現在の時刻に気付く。やはり少しの寂しさを覚えながら自分も帰ろうと席を立てば、相手の座っていた場所の紙切れに気付き。それを手に取るも意図が分からず首を傾げて上着のポケットにしまいこむと、そのまま歩を進めて屋敷を後にして)
『2/6(水)今朝は如月さんにくっきーを渡しました。美味しいと言って笑う姿が本当に素敵で、わたしも作りがいがあるというものです。でも、少し指を切ってしまったのは内緒。』
ーーーーーーーーーー
案外寝てるも起きてるも自分次第ってのは楽なもんだな、時間があっという間だ。(誰も来ない四日間をひとりで過ごすのも退屈だと判断し、現れている時間を減らした結果気がつけば約束の日になっており
ここに来るのも3回目か…。よし。
(日を指定されると案外予定は空けられるもので、水曜日の晩に再び屋敷の前に現れる。3回目ともなるともう何をされても驚かないという強い意思を持って屋敷の中へ)
瑠ー衣ーちゃーん、遊びーましょー。
(中へ入ると、まるで小学生低学年ばりの掛け声を静かな館内に響かせて)
はーあぁーいー…?(声が聞こえた途端に嬉々として、敢えて正面でなく真後ろに立って貞子ばりのお返事を返して相手の反応を確かめる
うん、ちゃんと来たんだな。(先ほどの行動から一転して通常の雰囲気に戻り、日記帳を片手に不敵に笑って
…っ!
う、うん。瑠衣ちゃんに会いたくて!
(構えていたとしてもいきなり真後ろから声がかかると反射的に思い切り後ろを振り向き。取り繕えないくらいびびった後だが平静を装いつつ誤魔化しの言葉を返し)
そ、そんな事言っても何もでないからな。(ふっとかっこつけたように笑いながらも、とってつけたようなセリフと仕草で照れているのは察することが出来るレベルで。
ほら、とっとと行くぞ!(どこへ行くとも決まらないうちからくるりと背を向けあてもなく歩き出す
ちょっとどこいくのさっ。
(可愛いなぁなんて内心思うも口に出せば逆に怒られそうなため心に留め。いきなり歩き出す相手に声を掛けながら後ろへ続き)
…そういえば、前に箪笥から出てきた変な封筒…何だったんだろうな。(だいぶ前にひと悶着あった箪笥から発見された絵のことを思い出して、なにかヒントにならないだろうかと呟いて
翼の生えたトカゲ、角の生えた馬、燃えてる鳥…だっけ?前も言ったけど、さっぱりわからん。別に意味は無いんじゃない?
(一つ一つ思い出しながら口にしても答えらしい答えは思い浮かばず。もはや考えることを放棄しているかのように笑いながらお手上げと小さく手を上げて)
だよなぁ、そんな生き物存在するはずがないし…考えすぎか。さて、今日はどこ行くかな。(こちらも訳が分からないと言うようにふるふると首を振って、さばさばとした彼女らしくとりあえずはいつもの探索の方へ話を切り替えようと手を叩く。
まだ何処か行ってないところで気になる場所ってある?
(この広い屋敷だから全て探索できたとは思えないが、暗いやら入り組んでるやらでいまだ屋敷の全貌が掴めておらず、探索場所を相手に任せて)
そうだな…使っていなかった部屋もいくつかあるから、そこも当たってみるか。そっちの方が隠しやすそうでもあるしな。(何がとは言わないものの、探してみて損は無いだろうと敢えて使われず物置と化している部屋に案内して。
にしても箱ばっかだな。(何が入っているのか、何も入っていないのかも分からない大小様々な箱が積み上げられており。箱タワーの間をすり抜けながら呆れたように呟いて)
これだけあるとどこから探して良いか分からないね。
(例によって箱を悠々とすり抜けて行く相手に対して自分は間を縫うように進み、これらを一つづつ見ていくとなると気の遠くなるような思いが生じて苦笑を浮かべ)
あ、そうだ。(何か思いついたと言うようにニヤリと笑うと、大きい箱と手のひらサイズの小箱を床に置いてから同じく床にちょんと座って
大きいつづらと小さいつづら、どっちがいい?(ただ探し回るのも退屈だろうと思い。おむすびころりんのネズミよろしく、箱を大仰に手で指してたずねる
ん?大きいつづらに決まってるじゃん。
(いきなり何をしだしたかと思えば自分の目の前にはいつの間にか二つの箱が置かれていて。特に何の考えも無しに己の物欲だけに身を委ねた結果大きな箱を指差して)
そこで大きい箱選ぶとは…お前勇者だな。(勇気がある無い以前に、そもそも話を知らないのだろうかなどと思いながら。呆れ半分、感心半分でため息をついて
さて、開けゴマー…って。すごいなこれ。(虫はともかくとしてさすがに化物が出ることは無いだろうと軽い気持ちで箱を開けると、中には大量の古びた布と裁縫箱が一つ入っている。
…裁縫セット?
(何かいけない選択でもしただろうか、溜息を吐く相手の反応に若干の不安を感じながら箱が開かれるのを待ち。開かれた箱を覗き込むと、これまた自分にとっては縁のない家庭用道具で、見るからにそれだろうと感じながらも拍子抜けした声で問い)
なんでこんなところに?(不思議そうに古い裁縫箱を眺めているものの、開けたり持ち上げてみることはせず。なにやら気まずげにちらりと相手の反応を伺い見る
と、りあえず。仕舞っておくか。(布の入った箱ごと引き寄せて蓋を閉めようとして
ちなみにそっちには何が入ってたの?
(見る限りごく普通の裁縫道具であり、中身に関しては関心を示さず、興味は小さな箱へと移っておりそれを指差しながら尋ね)
ん?こっちはー(どちらにすると聞いたものの、本人も中身を知らないらしく。大きさからしても大したものは入っていないだろうと推測しつつぱかりと箱を開けてみて
…なんだ、薬か。(どうやら薬箱だったらしく、大小様々に包装もカラフルな薬が詰められている。しかし当然ながら使用期限は切れているようで、使えるものはなさそうに見える。
うーん…何で日常で使いそうなものがこんなところにしまわれてるんだろう?
(裁縫箱、薬箱と一見何の変哲もないように感じるが、それらが何故こんな場所にあるのか素朴な疑問を抱き)
もっともな疑問だな。(こくりと頷いて箱を元に戻すと、ほとんど何もしていないにもかかわらず休憩とばかりにその辺に座り込ん(?)で。ひょいと相手を見上げる。
なぁ、もしも、自分のどうしてもやりたいことがあったらお前はどうする?(突然、少し首を傾げながら、相手の疑問にも箱の中身にも全く関係の無い話をはじめる
…?やりたいことがあったら、やれば良いじゃん。
(相手の質問の意図するところが全く掴めず、しかし自分にとっては考えるまでもなく答えのすぐに出るような問いに少し困惑気味に返答し)
なら更に質問。どうしてもやりたいことをした結果、自分の存在すら危うくなるとしたら?それでもやるのか?(あっさりと答えてみせる相手をあくまで真剣な眼差しで捉えながら、質問を重ねて
それってどういう意味?さっきから瑠衣ちゃん何言ってるの?
(簡単だった質問はある一つの条件が増えただけでより難解なものとなり、たまらず質問に答えるでもなく早々にその意図を探ろうとし)
聞いてみたくなっただけだ、ちょっと意地の悪い質問だったな。(両手をひらりと上げてからかったことを詫びるかのように笑って。ふわりと浮き上がると、次の箱を開けるべく別の箱タワーへと移っていき
時々俺の理解に及ばないことを言うよなぁ、これだから文学少女ってのは…。
(結局お茶を濁される形で終わってしまい、肩を竦めてぶつくさ言いながらついていき)
さーてさて、次は何が出るかなっと。(ガタガタと不安定に揺れる箱たちを器用に操りながら、中身のありそうなダンボールや木箱をより分けていく
…?なんか通っ…うわぁぁ!?(突然、屋敷中に響き渡るほどの悲鳴を上げると唯一ここにいる人間の後ろに隠れて
うわぁぁっ!何!?
(静寂から一変して館内に突然の叫び声が響き渡れば、自分もつられて叫び声を上げながら反射的に防御の姿勢をとり)
ね…ねずみが…(さっきまで漁っていた箱タワーの方を恐る恐るといった様子で指さしながら、相変わらず人の後ろに隠れており。
あいつら齧るから嫌なんだよ…(ふるりと無い体を震わせて、恐怖と嫌悪の入り交じった表情で向こう側をひたすらに凝視している。
ネズミ…?なんだ、お化けでも出たのかと思ったじゃないか。
(相手の恐怖の対象を知り安堵と呆れの入り混じった溜息を吐き)
しかし瑠衣ちゃん、「きゃーっ!」とかじゃなくて「うわーっ!」て叫ぶんだね、何というか…。
(先程の勇ましい叫び声を思い出せば何やら物言いたげな瞳で相手を見るも、皆までは言わず)
…お化けがお化け怖がってどうするんだよ(取り付くような姿勢になっていた背後からようやく出てきてもそりと呟く。
逆に私がキャーキャー言ってたら気持ち悪いだろ。(物言いたげな様子を察知するも、じとりとした視線で見上げるだけで
気持ち悪いなんてことは無いけど…。
(確かに少しギャップを感じるかもしれないがそれはそれで良いかもしれないなどと思案しつつ)
でも齧るったってどこぞのロボットみたいに物理的に齧られるわけじゃないから別に良いんじゃないの?
(アニメか漫画のネズミが嫌いなキャラクターを引き合いに出しながら)
え?齧られるだろ、手とか足とか。(逆に訝しげな顔で至極当然のように言ってのけて、手や足をひょこひょこ動かしてみせる
って…そんな訳ないな。(はたと動きを止めると、さっきとまるで真逆の事を言って首を振る。それからそっと箱タワーの方へ浮いていき、ねずみがいないかどうかを確かめている
ふむ…。あ、瑠衣ちゃん足元にねずみが!
(恐る恐るといった相手の様子を見ていると良からぬことを企んで。自分も箱の方を見に行く振りをして相手に近付くと、突然少し大袈裟に声を上げながら相手の足元を指差して)
っいやあぁぁぁぁ!!!(相手の言葉が耳に届くやいなや、足元を確認する事もせずに、ねずみを耳から殺すような悲鳴を上げて逃げ去っていく。あまりに慌てたからか、紙切れを一枚落としてゆき
あはは、嘘々…って瑠衣ちゃん!?
(ドッキリ大成功とばかりにネタばらしをしようとするも先程とはまた違った叫び声にかき消され)
おーい瑠衣ちゃーん、一人にしないでー。
(急いで後を追おうとするが、相手の落とした紙切れに気付き。それを拾い上げると相手の去って行った方向に向けて歩き出し)
『2/20最近なぜか体調が良くありません。趣味の裁縫もお菓子作りもする気にならず、ひたすらに体が重く感じます。明日お医者様に来て頂くそうなので、今日は早く休むことにしましょう、おやすみなさい。』
―――――――――――――――――――――
…。(大して遠くに行く元気もなかったのか、隣の忘れられたような小部屋に隠れており。自分を呼ぶ声にすぐに我にかえって、出てこなくてはと立ち上がる
うーむこれは…。
(あの勢いだとまぁまぁ遠くまで行ってるだろうと錯覚し、さらりと相手のいる部屋を通り過ぎて。中々見当たらないためふと立ち止まっては手に握られている紙に目を通し、案の定首を傾げ)
突然逃げてごめんな、どうにもねずみは苦手で……って、ん?(壁を通り抜けて元の部屋に戻るものの返事は無く。誰もいない部屋をキョロキョロと見回し、おそらく自分を探しに出てしまったのだろうと見当をつけてため息をつく。
とりあえず…ここで待つか。(ある程度探索したら戻るだろうと考え、すれ違いを防ぐためにもここで待つことに
あ、瑠衣ちゃん戻ってたんだ。
(結局その後も見当たらず、諦めて元の場所に戻ってみると相手の姿を見つけ。何となく右手の紙を隠すようにポケットに入れると相手の方へ寄っていき)
おお、ごめんな。(戻ってきたところを見ればやはり待っていて正解だったようだと一安心し、少し疲れたような相手に片手をあげて応える
とりあえずさぁ…別の部屋行かないか?(ドタバタしていたせいか恐怖も薄れているもののあまりこの部屋に留まっていたい訳もなく。ちょっと困ったような顔をしながら提案して
うん、分かった。まだ気になる場所はあるの?
(それほどまでにネズミが嫌いなのだと再確認できる提案に、ほんのりと笑みを浮かべながら頷いて。今いる部屋を出ながら次の行き先を問い)
いや…これといって思いつかなくてな。(まだ気になっているのか、しきりに後ろを気にしながら相手の問いに眉を下げて答え
これまでの所で気になったところはないか?(自分では思いつかなくとも、他の人間ならばあるいは別の答えが得られないかとぎゃくに問いを返して
今夜の12時でリセだ。
もしここに来るのが難しくなってしまったんなら、辞めてくれて一向に構わない。リアルの方が当然優先すべきだからな。
でも、せっかくこうして毎日毎日飽きもしないで話してきたんだ。一言挨拶してくれても罰は当たらんと思うぞ?
最後まで待ってる。
…あれ、あいつは?(周りを見回してもさっきまでそこにいたはずの人は見当たらず。しばらく名前を呼びながら探し回るもののどこにもいないと分かり、足を止める。
また、10年後だな。(寂しげにそう呟くと、窓から差し込む朝日の中に消えていく。彼女がいた所には薄汚れた日記帳だけが残されていた。
Bad end ?
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