主 2015-08-30 22:06:01 |
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もうそんな時間か…。
ん、何だこれ?
(挨拶と共に消えていく相手を見て現在の時刻に気付く。やはり少しの寂しさを覚えながら自分も帰ろうと席を立てば、相手の座っていた場所の紙切れに気付き。それを手に取るも意図が分からず首を傾げて上着のポケットにしまいこむと、そのまま歩を進めて屋敷を後にして)
『2/6(水)今朝は如月さんにくっきーを渡しました。美味しいと言って笑う姿が本当に素敵で、わたしも作りがいがあるというものです。でも、少し指を切ってしまったのは内緒。』
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案外寝てるも起きてるも自分次第ってのは楽なもんだな、時間があっという間だ。(誰も来ない四日間をひとりで過ごすのも退屈だと判断し、現れている時間を減らした結果気がつけば約束の日になっており
ここに来るのも3回目か…。よし。
(日を指定されると案外予定は空けられるもので、水曜日の晩に再び屋敷の前に現れる。3回目ともなるともう何をされても驚かないという強い意思を持って屋敷の中へ)
瑠ー衣ーちゃーん、遊びーましょー。
(中へ入ると、まるで小学生低学年ばりの掛け声を静かな館内に響かせて)
はーあぁーいー…?(声が聞こえた途端に嬉々として、敢えて正面でなく真後ろに立って貞子ばりのお返事を返して相手の反応を確かめる
うん、ちゃんと来たんだな。(先ほどの行動から一転して通常の雰囲気に戻り、日記帳を片手に不敵に笑って
…っ!
う、うん。瑠衣ちゃんに会いたくて!
(構えていたとしてもいきなり真後ろから声がかかると反射的に思い切り後ろを振り向き。取り繕えないくらいびびった後だが平静を装いつつ誤魔化しの言葉を返し)
そ、そんな事言っても何もでないからな。(ふっとかっこつけたように笑いながらも、とってつけたようなセリフと仕草で照れているのは察することが出来るレベルで。
ほら、とっとと行くぞ!(どこへ行くとも決まらないうちからくるりと背を向けあてもなく歩き出す
ちょっとどこいくのさっ。
(可愛いなぁなんて内心思うも口に出せば逆に怒られそうなため心に留め。いきなり歩き出す相手に声を掛けながら後ろへ続き)
…そういえば、前に箪笥から出てきた変な封筒…何だったんだろうな。(だいぶ前にひと悶着あった箪笥から発見された絵のことを思い出して、なにかヒントにならないだろうかと呟いて
翼の生えたトカゲ、角の生えた馬、燃えてる鳥…だっけ?前も言ったけど、さっぱりわからん。別に意味は無いんじゃない?
(一つ一つ思い出しながら口にしても答えらしい答えは思い浮かばず。もはや考えることを放棄しているかのように笑いながらお手上げと小さく手を上げて)
だよなぁ、そんな生き物存在するはずがないし…考えすぎか。さて、今日はどこ行くかな。(こちらも訳が分からないと言うようにふるふると首を振って、さばさばとした彼女らしくとりあえずはいつもの探索の方へ話を切り替えようと手を叩く。
まだ何処か行ってないところで気になる場所ってある?
(この広い屋敷だから全て探索できたとは思えないが、暗いやら入り組んでるやらでいまだ屋敷の全貌が掴めておらず、探索場所を相手に任せて)
そうだな…使っていなかった部屋もいくつかあるから、そこも当たってみるか。そっちの方が隠しやすそうでもあるしな。(何がとは言わないものの、探してみて損は無いだろうと敢えて使われず物置と化している部屋に案内して。
にしても箱ばっかだな。(何が入っているのか、何も入っていないのかも分からない大小様々な箱が積み上げられており。箱タワーの間をすり抜けながら呆れたように呟いて)
これだけあるとどこから探して良いか分からないね。
(例によって箱を悠々とすり抜けて行く相手に対して自分は間を縫うように進み、これらを一つづつ見ていくとなると気の遠くなるような思いが生じて苦笑を浮かべ)
あ、そうだ。(何か思いついたと言うようにニヤリと笑うと、大きい箱と手のひらサイズの小箱を床に置いてから同じく床にちょんと座って
大きいつづらと小さいつづら、どっちがいい?(ただ探し回るのも退屈だろうと思い。おむすびころりんのネズミよろしく、箱を大仰に手で指してたずねる
ん?大きいつづらに決まってるじゃん。
(いきなり何をしだしたかと思えば自分の目の前にはいつの間にか二つの箱が置かれていて。特に何の考えも無しに己の物欲だけに身を委ねた結果大きな箱を指差して)
そこで大きい箱選ぶとは…お前勇者だな。(勇気がある無い以前に、そもそも話を知らないのだろうかなどと思いながら。呆れ半分、感心半分でため息をついて
さて、開けゴマー…って。すごいなこれ。(虫はともかくとしてさすがに化物が出ることは無いだろうと軽い気持ちで箱を開けると、中には大量の古びた布と裁縫箱が一つ入っている。
…裁縫セット?
(何かいけない選択でもしただろうか、溜息を吐く相手の反応に若干の不安を感じながら箱が開かれるのを待ち。開かれた箱を覗き込むと、これまた自分にとっては縁のない家庭用道具で、見るからにそれだろうと感じながらも拍子抜けした声で問い)
なんでこんなところに?(不思議そうに古い裁縫箱を眺めているものの、開けたり持ち上げてみることはせず。なにやら気まずげにちらりと相手の反応を伺い見る
と、りあえず。仕舞っておくか。(布の入った箱ごと引き寄せて蓋を閉めようとして
ちなみにそっちには何が入ってたの?
(見る限りごく普通の裁縫道具であり、中身に関しては関心を示さず、興味は小さな箱へと移っておりそれを指差しながら尋ね)
ん?こっちはー(どちらにすると聞いたものの、本人も中身を知らないらしく。大きさからしても大したものは入っていないだろうと推測しつつぱかりと箱を開けてみて
…なんだ、薬か。(どうやら薬箱だったらしく、大小様々に包装もカラフルな薬が詰められている。しかし当然ながら使用期限は切れているようで、使えるものはなさそうに見える。
うーん…何で日常で使いそうなものがこんなところにしまわれてるんだろう?
(裁縫箱、薬箱と一見何の変哲もないように感じるが、それらが何故こんな場所にあるのか素朴な疑問を抱き)
もっともな疑問だな。(こくりと頷いて箱を元に戻すと、ほとんど何もしていないにもかかわらず休憩とばかりにその辺に座り込ん(?)で。ひょいと相手を見上げる。
なぁ、もしも、自分のどうしてもやりたいことがあったらお前はどうする?(突然、少し首を傾げながら、相手の疑問にも箱の中身にも全く関係の無い話をはじめる
…?やりたいことがあったら、やれば良いじゃん。
(相手の質問の意図するところが全く掴めず、しかし自分にとっては考えるまでもなく答えのすぐに出るような問いに少し困惑気味に返答し)
なら更に質問。どうしてもやりたいことをした結果、自分の存在すら危うくなるとしたら?それでもやるのか?(あっさりと答えてみせる相手をあくまで真剣な眼差しで捉えながら、質問を重ねて
それってどういう意味?さっきから瑠衣ちゃん何言ってるの?
(簡単だった質問はある一つの条件が増えただけでより難解なものとなり、たまらず質問に答えるでもなく早々にその意図を探ろうとし)
聞いてみたくなっただけだ、ちょっと意地の悪い質問だったな。(両手をひらりと上げてからかったことを詫びるかのように笑って。ふわりと浮き上がると、次の箱を開けるべく別の箱タワーへと移っていき
時々俺の理解に及ばないことを言うよなぁ、これだから文学少女ってのは…。
(結局お茶を濁される形で終わってしまい、肩を竦めてぶつくさ言いながらついていき)
さーてさて、次は何が出るかなっと。(ガタガタと不安定に揺れる箱たちを器用に操りながら、中身のありそうなダンボールや木箱をより分けていく
…?なんか通っ…うわぁぁ!?(突然、屋敷中に響き渡るほどの悲鳴を上げると唯一ここにいる人間の後ろに隠れて
うわぁぁっ!何!?
(静寂から一変して館内に突然の叫び声が響き渡れば、自分もつられて叫び声を上げながら反射的に防御の姿勢をとり)
ね…ねずみが…(さっきまで漁っていた箱タワーの方を恐る恐るといった様子で指さしながら、相変わらず人の後ろに隠れており。
あいつら齧るから嫌なんだよ…(ふるりと無い体を震わせて、恐怖と嫌悪の入り交じった表情で向こう側をひたすらに凝視している。
ネズミ…?なんだ、お化けでも出たのかと思ったじゃないか。
(相手の恐怖の対象を知り安堵と呆れの入り混じった溜息を吐き)
しかし瑠衣ちゃん、「きゃーっ!」とかじゃなくて「うわーっ!」て叫ぶんだね、何というか…。
(先程の勇ましい叫び声を思い出せば何やら物言いたげな瞳で相手を見るも、皆までは言わず)
…お化けがお化け怖がってどうするんだよ(取り付くような姿勢になっていた背後からようやく出てきてもそりと呟く。
逆に私がキャーキャー言ってたら気持ち悪いだろ。(物言いたげな様子を察知するも、じとりとした視線で見上げるだけで
気持ち悪いなんてことは無いけど…。
(確かに少しギャップを感じるかもしれないがそれはそれで良いかもしれないなどと思案しつつ)
でも齧るったってどこぞのロボットみたいに物理的に齧られるわけじゃないから別に良いんじゃないの?
(アニメか漫画のネズミが嫌いなキャラクターを引き合いに出しながら)
え?齧られるだろ、手とか足とか。(逆に訝しげな顔で至極当然のように言ってのけて、手や足をひょこひょこ動かしてみせる
って…そんな訳ないな。(はたと動きを止めると、さっきとまるで真逆の事を言って首を振る。それからそっと箱タワーの方へ浮いていき、ねずみがいないかどうかを確かめている
ふむ…。あ、瑠衣ちゃん足元にねずみが!
(恐る恐るといった相手の様子を見ていると良からぬことを企んで。自分も箱の方を見に行く振りをして相手に近付くと、突然少し大袈裟に声を上げながら相手の足元を指差して)
っいやあぁぁぁぁ!!!(相手の言葉が耳に届くやいなや、足元を確認する事もせずに、ねずみを耳から殺すような悲鳴を上げて逃げ去っていく。あまりに慌てたからか、紙切れを一枚落としてゆき
あはは、嘘々…って瑠衣ちゃん!?
(ドッキリ大成功とばかりにネタばらしをしようとするも先程とはまた違った叫び声にかき消され)
おーい瑠衣ちゃーん、一人にしないでー。
(急いで後を追おうとするが、相手の落とした紙切れに気付き。それを拾い上げると相手の去って行った方向に向けて歩き出し)
『2/20最近なぜか体調が良くありません。趣味の裁縫もお菓子作りもする気にならず、ひたすらに体が重く感じます。明日お医者様に来て頂くそうなので、今日は早く休むことにしましょう、おやすみなさい。』
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…。(大して遠くに行く元気もなかったのか、隣の忘れられたような小部屋に隠れており。自分を呼ぶ声にすぐに我にかえって、出てこなくてはと立ち上がる
うーむこれは…。
(あの勢いだとまぁまぁ遠くまで行ってるだろうと錯覚し、さらりと相手のいる部屋を通り過ぎて。中々見当たらないためふと立ち止まっては手に握られている紙に目を通し、案の定首を傾げ)
突然逃げてごめんな、どうにもねずみは苦手で……って、ん?(壁を通り抜けて元の部屋に戻るものの返事は無く。誰もいない部屋をキョロキョロと見回し、おそらく自分を探しに出てしまったのだろうと見当をつけてため息をつく。
とりあえず…ここで待つか。(ある程度探索したら戻るだろうと考え、すれ違いを防ぐためにもここで待つことに
あ、瑠衣ちゃん戻ってたんだ。
(結局その後も見当たらず、諦めて元の場所に戻ってみると相手の姿を見つけ。何となく右手の紙を隠すようにポケットに入れると相手の方へ寄っていき)
おお、ごめんな。(戻ってきたところを見ればやはり待っていて正解だったようだと一安心し、少し疲れたような相手に片手をあげて応える
とりあえずさぁ…別の部屋行かないか?(ドタバタしていたせいか恐怖も薄れているもののあまりこの部屋に留まっていたい訳もなく。ちょっと困ったような顔をしながら提案して
うん、分かった。まだ気になる場所はあるの?
(それほどまでにネズミが嫌いなのだと再確認できる提案に、ほんのりと笑みを浮かべながら頷いて。今いる部屋を出ながら次の行き先を問い)
いや…これといって思いつかなくてな。(まだ気になっているのか、しきりに後ろを気にしながら相手の問いに眉を下げて答え
これまでの所で気になったところはないか?(自分では思いつかなくとも、他の人間ならばあるいは別の答えが得られないかとぎゃくに問いを返して
今夜の12時でリセだ。
もしここに来るのが難しくなってしまったんなら、辞めてくれて一向に構わない。リアルの方が当然優先すべきだからな。
でも、せっかくこうして毎日毎日飽きもしないで話してきたんだ。一言挨拶してくれても罰は当たらんと思うぞ?
最後まで待ってる。
…あれ、あいつは?(周りを見回してもさっきまでそこにいたはずの人は見当たらず。しばらく名前を呼びながら探し回るもののどこにもいないと分かり、足を止める。
また、10年後だな。(寂しげにそう呟くと、窓から差し込む朝日の中に消えていく。彼女がいた所には薄汚れた日記帳だけが残されていた。
Bad end ?
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