主 2015-08-30 22:06:01 |
通報 |
こんなの絶対罰が当たるだろ…。
(幼い頃から友人たちの間ではよく噂になっていたが、結局は外観を見るだけに留まっていた町外れの洋館。19になった今再び仲間内でその話が話題に上がるようになり、見事に大ハズレクジを引いてしまった自分が単身乗り込むことに。懐中電灯とハンディカムを手に緊張の面持ちで不気味な扉を開けば、館内へと足を踏み入れて)
んー…。(自室のベッドの上で眠そうにあくびをして、ドアの方をゆるりと見やる。少し眉間にシワを寄せてため息をつく
久し振りのオキャクサマか、また肝試しだろーけど。(面倒くさそうに立ち上がり、ドアどころか壁をすり抜けて偵察するべく廊下へと出ていく
中途半端に撮ってもあいつらのことだからどうせまた行かされるだろうし…。こうなったら徹底的に調べあげて幽霊なんていないことを証明してやる。
(恐怖心からか一人なのに無意識で饒舌になり、自分を奮い立たせながら薄暗い館内を照らしつつエントランスを歩き)
しかし無駄に広いな、どこから行けば良いのやら。
…なるほど。よくある…だがドンマイな話だな。(天井付近をふわふわと浮きながら
しっかし居ないとか普通に断言されてんのな(放っておけば勝手に屋敷を探索し出ていってくれそうなものの複雑な気分で呟いて
よし、取り敢えず近い場所から虱潰しに回るか。
(1回辺りを見回し部屋の数を確認すれば、下手にバラけて探索するよりも順番に行くほうが効率的だろうと考え入り口から一番近い通路を進んでいき)
勝手に人の家に入り込みやがって…(はぁ、と思わず大きくため息をつくと、聞かれていないかと慌てて口を抑える
!、そうだ。(何を思ったか玄関の鍵をかけて橙色に光る目をニヤリと細め、ふわふわと侵入者の後を上からついていく
…っ!!!
(突然の物音にびくっと肩を跳ね上げ、嫌な予感がして急いで扉前まで走り。がちゃがちゃと扉を開けようとしても鍵が掛けられているようでビクともせず)
くそっ、まさかこんなことが…!
(映画や小説ではおなじみといった光景だが自分が被害に遭うとは思ってもみなかった。ガンと拳を扉に叩きつけて、脱出の手がかりを探るべく先程までの道を引き返し)
…よしよし。(鍵をセーラー服のポケットにしまい、袖で口元を隠しながらくすくすと笑う
今日は機嫌がいいからな、歓迎しよう。(慌てふためく侵入者をちらりと見て、一番奥のキッチンの方へと溶けるように消えていく
ここは…台所か…
(足を進めると辿り着いたのは割と変哲のないキッチン、だか先程のこともあってか妙におどろおどろしさを感じるのは気のせいだろうか。どちらにしろもう後戻りはできないためハンディカムを回しながら付近を探索し)
ん、こんなもんか。([ようこそ侵入者、これでも食べてゆっくりしていけ]と書かれたカードを苺のジャムがどろりとかかったパンケーキの中央に刺してその場に放置し再び消えて
ん…?ちょ、何だこの見え見えの罠は。お、おい!だ、誰かいるのか…!?
(あからさまに注目を向けるように置かれたパンケーキ。そしてメッセージに気付くもこんなところでゲームオーバーを迎える訳にはいかず。周囲を見渡しながら声を張り上げるも室内には虚しく自分の声が響き)
別になんも入ってないっての(当然の反応に肩をすくめてついと指を振れば、追加で紅茶と銀のティースプーンが現れる
分かるかなぁ?(棚の上に音もなく腰掛けると相手の言動を静かに観察している
うわ吃驚した…!何なんだよもう…。
(ポルターガイストというよりはどこか人為的なものを感じる嫌がらせに近い現象、しかし物音一つ一つに一々びくびくしてる自分にイライラが募っていき。結局紅茶にもケーキにも触れることもせず足早にキッチンを後にして)
んー、やり過ぎたか?(つまらなさそうに頬杖をついて足早にキッチンを後にする後ろ姿を眺めて
…てか、撮れば良かったのに。(棚から降りて皿を片付けながらふと立ち止まり気がついたように呟く
次は…トイレと風呂か。こんなことしててほんとに外の出られるのかな。
(廊下を進んでいくとトイレと風呂がある場所へとたどり着く。しかしこのままではほんとに洒落にならないと考えたのか不意にポケットからスマホを取り出し外界げ向けてSOSを出そうとし)
?なんだあの黒い奴は。(十年以上前の人間としてはスマホが物珍しく、ひょいと後ろから拝借してくるくる回しと眺めてみる
…携帯電話か?あーそりゃ悪いことを…あ。(人の電話に触ってしまったことに気がつき返そうと思った矢先に、うっかり姿を消しておくのを忘れていたことに思い当たって固まる
ひっ…!?
(携帯が自分の手元から離れていく、と思うと同時に青白い手のようなものも見えてしまい、声にならない悲鳴をあげて硬直してしまい、ビデオカメラを構えて恐る恐る後ろを振り向き)
で…出たあああぁぁぁ!!
(そのカメラは確実に人型の何かの姿を捉え、絶叫しながら反対方向へ全力疾走し)
あ、ちょっ、待てよ!!(逃走していく背に向かって声をかけるも届いているかは不明で。残された黒い携帯電話らしきものを側に浮かせたまま立ち尽くす
…あー調子狂うな…(黒髪をくるくると弄りながら何度目か分からないため息をついて
っはぁ…はぁ…まじで死んだかと思った…。
(携帯を失ったのは痛いがまだ命は失っていないため良しとする。無我夢中で走ったためいつの間にか良く分からない部屋に辿り着き、壁に背を預けて荒くなった息を整え)
トピック検索 |