ふりーたー 2015-08-25 14:27:28 |
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有難う。じゃお相手つとめさせて頂くよ。俺お前のロル好きなんだ。勉強になる。此方こそ駄目な所とか遠慮無く指摘してな。じゃよろしく。
別れ話は是非お前からして貰いたい。あと、この同棲している部屋は元はどちらかが住んでいた部屋に一方が転がり込んできたという設定だろうか。それとも二人で借りに行ったのか。それ次第で話の進め方変わるかな、って思って。まあ俺はどちらでも構わないし、何かお前の考える展開があれば教えてほしい。
(パチリと目を開ければ辺りは既に明るくなっており朝だと感じて。綺麗に掛かった毛布を見れば恋人が直してくれたのだと理解し僅かにホッとしたような感情が湧き上がり。ゆっくりと身体を起こせば豪快な欠伸を一つ。やはりソファーで寝ると身体が痛むと大きく伸びをして風呂へと立ち。_暫くして濡れたままの髪をタオルで拭きながらリビングへと戻ると窓の外、ベランダから立ち昇る煙が目に入ってきて。寝室へと目線を向け抜け殻になったベッドを見ればぼんやりとした頭でもベランダにいるのは彼だと理解し。幾らか気まずさもあるのだがこのままじゃいけないと決心したようにベランダの扉を開け己も外へ出て。「おはよ。やっぱ朝は冷える様になってきたな。」まだ日中は暑さが残るとはいえこの時間は肌寒さを感じる。風呂上りの自分には特に寒さを感じた様で濡れた髪を拭いていたタオルを肩へと掛け腕を摩り、作った様な明るさで声をかければ、「寒くねーの?」何時からいたのであろう相手に顔を向けて。)
了解。俺からね。
あー、全然考えてなかった。俺がひとりで住むならワンルーム借りるだろうから俺の部屋じゃないな。付き合って、互いの部屋を行き来するようになってでも駅(大学)に近いとかそんな理由できみの部屋に居ることが多くなって、俺の荷物とかも増えた頃に俺が自分ちの更新しなかった、って、じゃあここに居れば、みたいな、どう? で、付き合い始めて2年半〜3年、同棲し始めて1年くらい、かな。家賃は勿論折半。
( 気がつくと指先の煙草からは幾らも吸わずにただただ灰が伸びていて、手を持ち上げると音も立てずに白と黒が混じった粉のようにほろりと落ちる。傍らに置いてある欠けた陶器の灰皿に無駄にした煙草を押し付け、二本目に火をつけて吐き出す。路地を不貞腐れた顔の猫が歩いているのを見つめる。遠くの自動車の音やこれから様々なガスに汚染されていく予感の空気、朝は好きだ。安っぽい幸せを肺に溜めて、上を向くと忘れていた背後の気配が急に戻ってくる。 )
……寒いなら出て来なきゃいいべや、
( 引き戸の開く音、シャンプーの匂い、恋人の声。突然現実に引き戻されたようで、少し驚く。起きたのも風呂を使ったのも、気がつかなかった。今更気を遣っているのか、彼の態度に嫌気がさして、まだほんの少し未練の残る煙草を灰皿に捨てて部屋へ戻る。「俺もう行くから」それだけ言い残して。と言っても未だスウェットに寝起きのままの顔。真っ直ぐ入った洗面所で素早く顔を洗って髪を整え、寝室に戻れば洋服を選ぶのは簡単。ポケットに必要最低限のもの、煙草スマホ財布キーケース、を詰めて、玄関でヘルメットを引っ掛ける。お気に入りのスニーカーに足を入れれば恋人が居るのを無視するみたいにきちんと玄関の鍵を掛けて。 )
分かった。また質問あったら聞くから、追加の展開や設定あったら教えてほしい。
…悪い。
(肌に感じる気温よりも冷たく感じる相手の言葉に咄嗟に引き攣った笑顔を作り、吸いかけの煙草を捨て部屋へと戻っていく背中に謝罪の言葉を投げかけて。相手から出る言葉に小さく返事をすればソファへと腰を落とし出掛ける支度をする音をぼんやりと聞いていて。今日は朝から仕事なのだろうか、それともただ出て行ってしまうだけなのだろうか、悪い方向に考えてしまう思考にこめかみを押さえて。玄関で音がすればハッと顔を上げ急いで相手の元に向かうも無情にも玄関の扉は音を立てて閉められ鍵を掛ける音がして。「いってらっしゃい。」相手の耳には届かない見送りの言葉を零せば額に手を当て大きく溜息を吐く。正直、息が詰まる。いつからこんな風になってしまったのだろう。もう元には戻れないのだろうか。気を張っていた力が抜け脱力感に襲われて。今日は大学をサボってしまおうか、しかしこの部屋に一人で居るのも辛い。重い身体に鞭を打ちのろのろと支度を始めて。このままの状態を続けるのは精神的に参ってしまう、今日は真っ直ぐ帰って相手ときちんと話をしよう。そう決心すれば支度を済ませ玄関へ向かい先程締められた鍵を開けて扉を開き再び鍵を掛け大学へと向かって)
お疲れっす、
( 昼過ぎ、シフトを終えて裏に停めた原付に乗る前に表の灰皿のそばで煙草に火をつけ、入れ替わりで出勤してくる店員や同じく上がりの店員と軽い挨拶を交わす。ぱたぱたと数人辞めてしまって、その所為でヘルプで入っている朝からのシフト。いつもの深夜シフトと違い、忙しさに身を委ねていればいつの間にか時間が過ぎていた。早く学校が終わったのか、笑い合いながら自転車を停めて店に入る二人組の女子高校生を横目で見遣り、煙草の火を消す。欠伸をしながら裏手に回り、ヘルメットを被ってバイクに跨りエンジンを掛ける。これからどうしようか。パチンコでもして時間を潰そうか。取り敢えず、と通りへ滑り出し最近流行りの軽の後ろを走りながら思い直す。今日みたいな日はたぶん当たらない。読みさしの小説が数冊あるのを思い出す。左折を、二回。家の方向へ向き直り、十分程走れば家に着く。バイクを停めて猫背で階段を上がり、 部屋の鍵を開けるのに何故か手間取りメットを被ったままの耳元から跳ね出る毛束を弾くように避けて。 )
ごめん、今日は用事があるんだ。
(夕方、最後の講義が終われば食事や遊びの誘いをしてくる友人達に申し訳なさそうな笑みを浮かべ全ての申し出を断って。実際、今日は急いで帰ると朝から決めていた為一日中上の空だった。緊張で胃が気持ち悪い、教室を出た所で顔を歪め小さく溜息を吐き。帰らなきゃ、話し合わなくてはならない。自分で決めた事なのに家へと向かう足取りは重く。少し寄り道しようかな、と街中を歩きながら思う。そんな中ふと目に入ったケーキ屋の前で足を止め、今まで喧嘩した日はここのケーキを買って帰ってたな、なんてそう遠くない過去の思い出に浸り。甘いの嫌いなんだけど、そんな会話も愛おしかった。望みは薄いけど賭けてみるか、軽い気持ちでケーキ屋へ入ればショーケースに並ぶ綺麗なケーキに目移りするも注文する物は既に決まっており。店員さんに小さく御礼を言い苺のショートケーキが入った箱をぶら下げ家迄の道を歩く。今までの喧嘩と今回のが一緒だとは思ってはいない。ただ、何かに縋りたかった。ぼんやりと物思いにふけっていればあっという間に自宅へと着いていて。キリリと痛む胃を気にしつつもゆっくりと鍵穴に鍵を差し込みゆっくりと回し扉を開け、「ただいま」と帰ってきているであろう相手へと帰宅を告げて。)
( ベッド裏に積まれた本や雑誌は殆ど自分の物だ。危ういバランスを保って低くも聳えているそれを倒さないよう一冊ずつ除けて目当ての小説を探す。確か買ってすぐ読み始めたのだが時間が無かったか何かでほんの最初の方だけしか読めずに閉じてそのままになっていたはず。淡々とした文体のハードボイルド風の小説、の姉妹編。比較的短いセンテンスが多く、重い内容とは裏腹にすらすらと読み易く引き込まれてしまう。暫く、コーヒーを淹れようと思っていたのを忘れてベッドを背凭れにして床に座り込んでいた。物語も終盤に差し掛かるところ。かちゃりと鍵の開く音と重たい扉が開かれる音を合図に、固まった腕や首を伸ばす。 )
早いな、
( 自分と違い人望の厚い彼だから今日も帰りが遅いと思っていた。声を張るのは嫌いで、寝室から、かろうじて聞こえるくらいの声量で一言だけ返す。ここまで読み進めてしまった小説を閉じるのは難しく、今度はベッドに寝転がり、先ほど折り目を付けたページからまた読み始めて。 )
うん、ケーキ買ってきたんだ。一緒に食べない?いや、食べよう。士朗。
(寝室から聞こえてくる小さな返事。何と言ったかまでは聞き取れなかったが返してくれただけでも今は嬉しい。リビングへと入り机の上に買ってきたケーキの箱を置き。寝室へと顔を出し最初は疑問系で、しかし断られるのを見越したのか彼にしては強めに強調する様に誘いを。恋人の名前を久しく呼んだ気がする。返事を待つ間、緊張からか嫌な汗が背中を伝って。しかし相手の注意は小説へと向けられている、これは暫く動かないな。と今迄の経験から推測すれば小さく溜息を吐き無意識の内に入っていた肩の力を抜き「お茶、入れとくね。」と言い残せばキッチンへと戻りお湯を沸かそうとやかんを火にかけて。)
無断でずっと返信してなくて申し訳ない、
ちょっと立て込んでて、まだもう少し、余裕がなさそう……。もし待っててくれてるんなら一言くれたら嬉しいな。時間が出来たらちゃんと返すから。ごめんなあ。
正直俺と相性合わなかったのかなって思ってたから返信きて嬉しいよ。俺はちゃんと待ってるから安心して。ゆっくりでいいからさ、無理だけはしないように。
すっかり遅くなっちゃってごめん。またこんなふうに暫く空けたりとかあるかもしれんけど、まったり付き合ってくれな。
……ごめん、ちょい待って。
( 顔を覗かせた彼の方を一瞥するでもなく、視線は活字を追うのを止めない。それでも彼が己の名前を呼んだその空気の振動が、ピリリと痛くて重い気がする。恐らくもう5分やそこらで読み終わってしまう、物語のクライマックス。ケーキだなんて、いつも甘いもので誤魔化したがる彼の。彼なりの気遣いと修復方法だけど、そもそも今って喧嘩してないんじゃない。彼の所為にするにはわがまますぎるけれど、脳みそが余計な思考を始めるから、もうすぐ読み終わって大好きな達成感と解放感と後味を手に入れることが出来るのに、集中できない。中途半端な句点、その先はもう知らない。たっぷり吸い込んだ後のため息と共に本を閉じ、心なし怠い身体を起こしてリビングへと足を進め。 )
俺も遅くなる事あるだろうし、気にしないで。最初に士朗言ってたもんな。ゆっくり、長く付き合えたら嬉しいよ。
早かったな。珈琲と紅茶、どっちがいい。
(静かな気配に目を向ければ意外そうに眉を上げ。沸騰の合図に火を消し慣れた手つきで戸棚の中から珈琲と紅茶のパックを探しつつ相手に問い掛け。久々になる相手との会話、先程から心臓は煩く、しかし平然を装い手際よく先程買ったケーキを皿に移せばリビングのテーブルに二つ置いて。「今日も講義疲れたな。士朗は、バイト朝からって珍しいんじゃない?」先程から気不味い空気に耐えきれなくなったのかキッチンへと戻りながらヘラヘラと得意の笑顔を浮かべ一人口を動かして。何時から沈黙が辛くなったのだろう、一緒に居るだけで心地良かったあの空気はどこに行ったのだろう。そんな事を思えば再び胸が締め付けられ僅かに笑顔を引き攣らせ )
紅茶飲めない。珈琲砂糖無し牛乳たっぷり。
( 紅茶が苦手なの、知らないのか。偏食気味なのは重々自覚してるけど、そろそろ大方覚えてくれているのだと思っていた、ひとりよがり。寝起きみたいな低いトーンで、珈琲は道民さながらのイントネーションで、そう答えながら横切り、ソファに腰を下ろす。暫く彼の寝床になっていた所為で、なんだか生温い彼の匂いがする。目の前に置かれたケーキから漂う甘ったるい匂いと混ざって、鼻腔の奥がくすぐったいような気がして鼻を擦り、台所から話を振ってくる彼を仰ぎ見る。愛想笑いだって、それくらい分かるよ。内心でそう呟いては、「もうちょいしたらシフト戻るけどね」と燻んでいるのに透き通りそうなほど頼りない色味の、捩れて重力に逆らう毛先を押さえつけるように手のひらで撫でながら答えて、ひとつ大きな欠伸。)
あ、あぁ。そうだったよな、うん。
(此方の質問への相手の返事は己の額から冷や汗を流させるもので、思わず上擦った声で返事を返せば自分しか使っていないからか減らない紅茶のパックを棚へと戻し珈琲パックを二人分準備して。お揃いの珈琲カップへとお湯を注ぎ彼の注文する物を作りながら、聞こえてきた彼の言葉に顔を上げて。「また行くのか?大変だな…。無理、しないでね」彼の睡眠時間を奪ってまで俺達に有意義な時間を過ごす事が出来るのだろうか、そう思っては遠慮がちに心配の言葉を掛ければ珈琲カップを二つ手に持ちリビングへと運び自分と相手の分の珈琲をテーブルへと置いて。ソファに座る彼の対面に座る勇気はない、相手の斜め横、地べたに座れば淹れたての珈琲に口を付けて。)
遅れてごめんな、待っててくれてありがとう。
ああや、違くて、暫く朝だけ……、
(勘違いを招く言い方をしてしまったと己の言葉の足りなさに苦笑を漏らす。明確に何が原因だったとか、そんなのは覚えていないけれど。きっと自分たちがこんなふうになってしまった一つの要因として、自分の口の悪さや素っ気なさは、あるかも、しれないな、なんて、思わなくもない。けど。何かを振り落すように少し頭を振り、彼を目で追いながら答える。彼好みのと、俺好みの二種類の珈琲を持ってきた彼は誤魔化しきれない距離の取り方で斜めに座って、此方からは少々見下ろす形になる。すぐにカップに口をつける彼を目線だけで見ながら、そんな態度を取られてこっちだって落ち着かない、と無意識に片方の尻を浮かしてジーンズの後ろポケットを探っている右手に気づけば小さく舌打ち。煙草なら寝室だ。吸うにしてもベランダか換気扇の下、なのだけれども。尻と右手を元の位置に戻して、未だ珈琲にもケーキにも手をつけず、「無理してんの比奈だべ。俺に気遣いすぎ。てか隣来ないの」と抑揚のあまり無い何でもないようなトーンで、いつもの仏頂面でそう言えば二人掛けソファの余ったスペースと床に座る彼を交互に見遣り)
俺もいっつも遅いから。
今回も進展なくてごめん。あと勝手に呼び方決めたけど嫌じゃない? 要望とかあったら言ってなー
そっか。じゃあ久々に夕飯、一緒に食べられるな。
(彼の訂正を聞き思わず自然に緩まる頬。手に持つカップを置けば、夕飯何にしようかなーと落ちつかない様子でそわそわと一人口を動かしていれば、聞こえてきた彼の声にピクリと肩を弾ませゆっくりと彼へと視線を合わせて。「そんなんじゃないよ、うん。じゃあ隣行こうかな。」いつものすっかり染み付いてしまった気を遣う様な作った笑顔で早口に言葉を返せば彼の隣、結局距離は空いたままなのだが、腰を下せば元いた位置から珈琲とケーキを引き寄せ落ちつかないように再び珈琲を啜り。カップを戻せば一つ溜息を吐き、やっと決心した様に俯いたままゆっくりと口を開く。「士郎はさ、俺と一緒にいて楽しい?…俺の事、好き?」普段なら間違いなく口にする事のない相手の気持ちを確認する様な問い。しかし今の様なすれ違いの生活が続き自信が無くなっている様で。)
いや、可愛い呼び方ありがとう。久々にロル書いたから分かりにくい所もあるかも、ごめんな。
……その顔かわいくねえよ?(久しぶりに嬉しそうな顔をさせてあげられたと思ったのに。怯えているようにも見える彼の態度が気に入らなくて、彼にそうさせている自分が嫌で、ずり落ちるように大きく背凭れに体重を預け、頬杖をついて、自嘲と呆れのため息と共にそう言ってやる。作り笑いなんてしたって、どこまでが本当でどこからが偽りだとか、探る気もないし。決して広くないソファなのに、目いっぱい距離を取って端に座るから、茶化して距離を詰める気にもならなくて、舌打ちは寸でで飲み込んで、不機嫌に顔ごと逸らす。と。隣からぽつり問いかけられて、頬杖を外して彼のほうを向く。行き場を無くした手は肘置きに落ち着かせて。「うん、好き。でも今は楽しくねえな」と、俯いた彼の形の良い高等部の丸みを見つめながら、きっぱりと答える。たぶん、もっと良い答え方とか、正解とか、知ってるけど、言わない。嘘をつくのは外側だけでいい。もういい。だから。直後、正面に向き直って、もうきっとぬるくなり始めている珈琲牛乳の淡い色にぼうっと焦点を合わせて、「離れたほうがいいんじゃない、俺ら。そーゆうこと言わせんのダルいし。……今日友達と飲むから」半ば一方的に切り捨てた言い方だけど、これでいい。結局一度も珈琲にもケーキにも手をつけないままで、彼の返答を待たずに立ち上がり寝室へと向かい)
待ってた。大丈夫、いつも通りきれいなロルだから。
やっと進展……させてみたけどまた返しづらいレスだなーごめん。好きなように返したって。
何、急に…俺は元々可愛くないし。
(隣から溜息と共に放たれる言葉に緩みきった頬が固まる。また何か、気に触る様な事をしてしまったのだろうか。隣で背凭れに体重を掛ける彼と共にソファがギシっと音を立てる。先程までの笑顔は消え小さな反抗心から不満気に唇を尖らせる様に呟くも、その声量は今にも消え入りそうに小さくて。ついに言った。言ってしまった。すれ違いの日々をこれ以上送るのはやめたいと珍しく己から行動を起こしての事だ。後悔はしてない、けど。俯き彼の答えを待つ。聞こえてきた久しぶりの好きという言葉に胸がギュッと締め付けられる。少しだけ光が見えた気がしたが、次に放たれた言葉に俯いたまま顔を上げる事が出来なかった。そして続けられる絶望的な言葉に、広くなったソファ。「ごめん!…俺が悪かった。ごめん。嫌なとことか駄目なとことか全部直すからっ。離れるなんて、言うな、言わないで。」寝室へと向かう彼の背中。思わず後を追い掛け後ろから相手の腕を掴む。つらつらと思いを縋るように言葉を一方的に投げかける。泣いたらまたさらに面倒くさいって思われる。彼の顔を見るのが怖くて俯いたまま無意識に腕を掴む力は強まっていて。)
ありがとう。俺も本当に面倒臭い奴だな、うん。進展ありがと。お言葉に甘えて好きなように掻き回させてもらったから後は…よろしく。
(予想はしていた。背後から慌てて立ち上がった気配と、ばたばた言う足音。廊下に出る前に強く腕を引かれる。反射的に何か言おうと開いた口は音を発さないまま、肩越しに振り返って彼が己を引き留めるために発する言葉を聞く。折角買ってきたケーキも、注文通りに淹れた珈琲も無下にされて、怒らないんだなあ。なんて、妙なことを思う。彼に捕まれた腕が痛い。彼が俯いていても、此方からはほんの少し見上げる格好になる。ただ、表情までは見えないけれど。何が悪いとか、誰が悪いとか、そういうことじゃない。そんなふうに言われたって罪悪感を感じるどころかお互い様でした、ってすぐ和解できるものでもない。好きな気持ちだけじゃどうにもならないことってある)
や、……そういうこと言われんのダルいって。痛いから手、放してくれる?
(意図したよりもはるかに相手を容易くあしらうような、冷静な、声。正直なところ、半ば意識的に冷たい態度を取っていたけれど、本当に面倒臭く感じてきている。そもそもこういう人間関係の縺れとか拗れとかが面倒臭くって、だから友人の輪は狭いし。彼のことは好きだ、俗にいう倦怠期とかいうのも自分にとってはたぶんごく普通の日常と変わりなくて、相手側の心境の問題だからそれが自分にも影響するっていう、それだけ。言い様によれば責任転嫁、だけど。とりあえず今夜は外で飲もう、実は既に約束があったわけではないけど有言実行、そう決めて気だるげに少し首を傾いで彼のリアクションを待ち)
シナリオを決めないでやり取りするのも楽しいね、これからどうなることやら……。
ごめん、嫌だ。離したくないし、離れたくない。士朗が面倒臭いの嫌いなのも知ってる。でもごめん。俺士朗がいないと…。
(掴んだ腕の先から聞こえるのは極めて冷静な、冷たくとも取れる声。怠そうな態度に一瞬掴んだ手の力が緩むもまたギュッと握り直す。俯いたままなのは彼の冷めた表情を見るのが怖いから。俯いたまま、しっかりとした強い口調で彼の言葉を突っ返す。視線は手の先、彼の腕。今ここで手を離せば彼は直ぐにでも家を出るだろう。そしたらきっと、もう元には戻れない気がして。自分にしては珍しく強情に、我儘言ってるなと頭の片隅で感じつつも掴んだ手の力は緩まる事はなく。しかしこの状況も、己の我儘も彼にとってはウザイ、ダルい、面倒くさいだけなのだろう。俗にいう倦怠期を迎えていたのは否定出来ない。己の気持ちも付き合い始めより小さくなってたのは事実なのだから。でも今互いの気持ちの大きさは明らかに違っているのを嫌でも感じてしまう。鼻の奥がツンとする。でもここで泣いたらきっと彼は今度こそ本当に呆れかえってしまうだろう。絶対涙を零すまいと誓ったのは良いものの、所詮は生理現象。とりあえず相手に見られぬよう深く深く俯向くも声は震えていて。結果的にはヘタリとしゃがみ込み先程まで腕を掴んでいた手は彼の掌を両手で握り込んでいて。)
士朗、本当に遅れてごめん。何ヶ月経っただろう。もう俺の事なんか忘れてるかも。ごめんな。もし、また続けてくれるならレス返してください。もうこんな奴とはおさらばしたいなら放置してくれてていいから。本当、ごめんな。
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