Russian Blue 2015-08-18 22:00:45 |
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ん、…ねぇ、喧嘩売ってんのかなぁ?、…そうやって油断してたらどうなるかって感じなんだけど、
( 察しの良い相手の事、こうまで言えば己の意図など容易く伝わるだろうと思っていた為か、相手の返し言葉には先程嫌でも突き付けられた"弟のような者"という印象が強く残り。かわいい、等の言葉も今己の頭頂を撫でるその動作も己の望むものでは無く、"一人の男として見て欲しい"なんて叶わぬ儚い思いが有る此方としては不満が募ってしまうのは当然で。とは言え恋する相手から撫でられる事は中々良いもので、悔しくも緩く目を細めてしまうも思わずその不満が表へと出れば相手の脇腹辺りをぽすぽすと軽く殴りながら二重の意味を込めた言葉を吐き。此方の恋心が実る事は果たして有るのだろうか、半ば諦め気味になる心情とは裏腹に瞳へと相手の姿が写ればそんな気持ちも上回る様に相手への好意が募ってしまい。多少心苦しいこの恋も己が望んでしまった事、悪いものでは無いと再度感じる事が出来れば殴っていた手を離し相手の撫でる手を柔く払えば、思いにすくりと立ち上がり両手を広げ、)
_ま、いーよ。一緒に寝たいって事にしといて、…それは良いからさ、ね、布団運ぶの手伝ってあげる、
はいはい、ごめんねぇ?じゃあ案内するから着いてきて。
(軽く此方の横腹に衝撃を繰り返す相手は仕返しをはかる"弟"のようなそれにしか見えず、こうして相手を弟として見ることで自分の中の恋情に揺れていた気持ちが静まるのが感じられて。相手はどこか不服そうだけれど、それでもきっと同性から気味の悪い恋心を向けられるよりは弟という庇護対象として見られる方が絶対に良いはず、そう思うことで恋心を抱いてしまった今の自分と相手の距離感を自らの中で定めるとどこか安心したように吐息を漏らし。それから緩く払われてしまった手をひらひらと振りながら悪びれた様子などまるでない言葉で謝罪を口にすると相手に続いて立ち上がり。布団は普段両親が各々使う部屋でも自分の部屋でもない、物置となった空き部屋の収納にしまってありそこへと案内すべく相手を先導すると暗かった部屋に電気をつけ目的の収納へと歩み寄っていき。圧縮袋に入っていた敷布団と掛け布団を袋から取り出しちょいちょいと手招きで相手を呼ぶとふんわりとした軽い羽毛の掛け布団の方を相手に掲げて渡して。)
――はい、くまくんはこっちねぇ。俺の部屋は斜め向かいの一番玄関に近い部屋だから、これ持って先行ってて。
、はーい。…んじゃ、先に行ってるねぇ、
( 此方がいくら不満な態度を取って居ても笑みを崩さぬ相手を見ている内、どんな不快な行動も相手からしてみれば弟の可愛らしい行動の一環として見えるのかなんて好都合な考えが脳内に浮かび。それならそれで此の儘この"弟"を上手く利用し相手に接近出来るのでは無いかと思考を巡らせれば、相手に顔が見えぬ事を良い事に.にたりと口角を上げ。そんな考えを巡らしつつ居れば物置へと到着し、己の家の物置とは全くと違うその小綺麗さに感心する様きょろきょろと辺りを見渡していれば柔らかな掛け布団を渡され。重い敷き布団を此方に預けないと言った相手のさりげない優しさに惚れ心が揺らいでしまえば思わず頬が緩むも、布団で顔を隠す事により誤魔化せばくるりと向きを変え、相手に指示された通りに足を進め。_てっきり部屋中例の彼のグッズだの何だので埋め尽くされて居ると思って居た為か、雑誌こそ積み上げられているものの基本的シンプルなその部屋に調子を良くしてしまい。同時に普段相手が寝て居るで有ろうベッドへと視線が向かって仕舞えばそちらへと足が進んでいき、相手の気配がない事が幸いか.溢れる欲にその身が動かされれば、そろりとその布団へと顔を埋め[_セっちゃんが何時も寝てる所…]等、聞かれてはあからさまに誤解を招くような言葉を零し、)
_
――…ちょっとぉ、布団敷くまでくらい寝るの我慢してよねぇ。ていうか、くまくん夜は活動的になるんじゃなかったの?そんなんじゃ昼間と変わらないじゃない。
(相手が部屋を移動した後そのまま敷布団の他に必要なシーツや枕なども探し出してから、それらを抱えて相手を追い自室へと向かい。相手と同じ部屋で寝る、などという半拷問じみた状況が刻々と迫る現状に思わずごくりと唾を飲み下してから扉を開け部屋に入れば何故だか自分の布団に顔を埋める相手がいて、これが異性ならばその好意を疑うこともあっただろうが相手は同性、ましてや自分の自惚れで自滅してしまわぬようにと好意の可能性を端から外して考えてしまっているためかその行動の理由を"眠たかったから"という相手らしいと思えるものに仮定して。布団を敷くまで眠気が我慢できず先に敷かれていたベッドの布団に手が伸びたと考えればそれらしい、そう自らに言い聞かせるようにして相手の行為に無駄な期待を抱かぬ様にすれば少々呆れたような声色で相手に話しながら部屋の空いたスペースに敷布団を下ろして。顔を埋めた相手の頭目掛けて持ってきた枕を投げ、仕方なしとばかりに敷布団にシーツを掛け始めれば無駄な期待はしないと自分の中で割り切ったにも関わらず先程の光景のせいで脳裏に過る思春期らしい、相手が自分の布団に横たわって、なんて恋情を刺激する妄想を軽く頭を振ることで振り払おうとして。)
…、んー…、だってさぁ、目の前にこーんな寝心地の良さそうなベッドが有ったらそりゃ寝たくもなるよねー…って話。
( 布団を運ぶだけの作業、そう時間掛からずに相手は戻ってくる事など頭では分かっているものの、先程から恋心伝わらぬもどかしさからヤケ気味な所が有ってか中々顔を上げられず。いっそ此の儘寝てしまいたいとも思ってしまうも当然眠気など感じているわけでは無く、ふて腐れた様に動かずにいればやはり時間経たずに相手の気配を察知し。側から見れば恋抱く相手の布団に顔を埋めている光景等、あからさまに怪しい物、相手の意識が有れば動揺してしまうのでは無いかと布団越しに一瞬ばかり焦りの念を見せるも、相手から出た問いは眠気から寄る行動なのかと言うもので。心奥底ではあり得ないと理解しているも勝手に夢物語を抱いてしまう己に嫌悪感を抱き始めていれば頭部へと小さな衝撃を感じ。こんな調子の相手に何が伝わるか等もどかしさを感じて仕舞えば、最もな理由をつけつつ当てられた枕を胸に抱いては早々に相手の布団へと潜り込み。ついでに弟として見られて居るのならこの様な言動も気に障りはしないだろう、ヤケ気味に言葉を放ち)
__いーよ、もうそんな事言うセっちゃん何か知らないから。返して欲しけりゃ自分で取りに来なよね、
ッ、信じらんない!普通他人のベッドに勝手に潜り込む?あんまり駄々こねる弟は、お兄ちゃんも嫌なんだけどぉ。
(思春期らしい妄想に内情を引っ掻き回される感覚に耐えながら相手の布団の支度をしてやっているというのに相手は何が不服か、自分の布団に潜り込んでしまったその布団の膨らみに思わず人の気も知らないでと理不尽な文句を零しそうになってしまい。そんな言葉を飲み込みはしたもののこのままいつまでも布団の中に居られては此方の理性にも限界というものがあって、あくまで布団に勝手に入ったことを叱る形で相手の行為に非難の声を上げるとその傍まで歩み寄っていき。いつも自分が寝ている布団、その中に居る相手は風呂上がりで更に言えば自分の寝間着を着ていて、健全な青少年には聊か刺激の強い状況に堪える様に唇を噛み締めてから布団の膨らんだ山に手を添えると、あまり強引に起こすのもそれはそれで寝間着が乱れたりだとか、更なる自分への試練を増やしてしまいそうな気配がするためかあくまで揺り起こす様な柔らかな対応で相手を引き出そうと図り。)
…、別にセっちゃんの理想の弟になるつもりは無いし、そもそも俺ら同い年じゃん。"対等に"も見てくれないセっちゃんにこの布団を与える資格は無いんだけど、
( 案の定本気で気に障っている声色では無いものの、やはり兄.弟.として見ているのだろうその言葉には不満は募るばかりで。そう酷くも無くゆらゆらと揺さぶられる布団の中、本気で食い付いてこない相手を見計らってか、様子を伺うように顔だけを出して見せれば募る気持ちを次々と口にしていき。取り方によっては"恋の対象"として聞こえるこの言い方を躊躇する程己の欲は弱いものでは無く、言い終えた後にしまったかと不安が過るもどうせ己など同じユニットないしは弟としか見れていない相手の事、勘ぐられ伝わるとは思えず。口では認めて貰えないから布団は渡せないとは言ったものの、理由は一つだけなどでは無く。相手の普段使用している布団に寝間着、一体感.と言えば聞こえは優しいただ己の欲望を満たしたいが為に離れ難い面も大きく有り。微かに香る相手の香りに虚しさこそ感じるものの、それこそ手放し違いもので、煽る様に残した言葉に沿うように布団を握る力を強くすれば相手の反抗を待ち、)
…対等から勝手に外れたの、くまくんの方でしょ。同い年なのに俺のこと"お兄ちゃん"にしたのも、全部くまくんが好きでやったことじゃない。
(お兄ちゃんなんて言葉で相手との距離感を計る自分に相手は鬱憤を抱いていたのかもしれない、不意にやってきた相手の反発は奔放な相手ならばあり得ると推測出来たものでそれ自体は大して心を動かすものではなかったが、そんな彼が放った言葉に揺さぶっていた手を止めると小さな声を漏らして。彼が言う"対等"はきっと同い年にも拘わらず弟扱いをする自分への不満からだろう、しかしそれならば先に対等であった同級生という立場から自ら転げた相手こそ此方からすれば対等であった関係を崩した張本人、そんな彼から対等に見ろなどと言われるのは相手の留年を知った時の苦い感覚が込み上げてくるようで酷く不快で。そっとベッドから腰を浮かせ立ち上がるとそのまま相手用に敷いた布団の元まで戻り、残りの支度を済ませると何だか重苦しくなった空気を軽いものに変えようとするように声を上げ。あくまで相手との距離を測り間違えないための、相手が不服とする"お兄ちゃん"としての姿勢は崩さないまま、気に入りの後輩達に笑いかけるような綺麗な笑顔で相手の籠る布団を見つめて。)
かわいく駄々こねるのもいいけど、寝るならちゃんと歯磨きしなきゃでしょ?吸血鬼のくせに虫歯なんて格好つかないんじゃないのぉ?
'…その"対等"はどうでも良かったんだけど、'…そうだね、勝手に離脱したのは俺だしそのせいでユニットの責任も全部押し付けたのも俺だよ、…我が儘ばっかなのは悪いと思ってるって、
( 勿論相手がとる"対等"とは学年差の事で有るのだろう、まさか恋対象等取られない事は百も承知で有ったにしろ、突き付けられる現実は重いもので。布団の中故に聞こえずらいだろう相手に聞こえない程の声の大きさでそんな心の悲痛さを零し、気持ちの切り替えをする様に一呼吸整えれば大人しく布団を剥ぎ取り。留年した事に関しては己として特に気にしてなどいなかった、だが相手にとっては大きく影響して居たのだろう。王さまと称するあの彼も、留年により活動をろくにと出来なかった自分も居なかった頃、相手がどんな気持ちで"Knights"と言うユニットを守っていたのか、想像こそ付かないものの相手には嫌な思いでしかないその事柄に触れてしまったのには反省の念を抱くしかなく。それに加え疲労の大きい相手に己の勝手な恋心から我が儘ばかりをぶつけた事に学年問わず年ながらの気持ちを持てば先程とは全くと違う表情で相手を見据え。そんな中、この様な重い空気を打破しようとしてくれて居るのだろう、未だに"兄"としての顔を向けてくれる相手にそっと笑みを向ければ先程相手にされた行動と同じくその頭を緩くと撫でてやり、風呂場と同じく備え付けられた洗面台へと向かう様に相手を促し、)
_ふふ、その吸血鬼にわざわざ歯を磨かせるとか、噛まれる準備満々じゃん。良いよー、後で存分に可愛がってあげるから、
…くまくんのくせに生意気ぃ。噛ませる気はないけど、弟に歯磨きさせてあげるのもお兄ちゃんの務めだしねぇ。なんならお兄ちゃんが歯磨きやってあげようか?なぁんて、ね。
(相手に嫌がられようが拗ねられようが、その彼との関係を守るためお兄ちゃんという距離感だけは崩さないと決めたものの、それが原因で相手が布団に籠ってしまったというのにそこから出すためにまたそのキーワードを使ってしまったのは聊かまずかっただろうか、などと後から気になってしまい。しかし相手もそれに意固地になるほど頑固でもなかったのだろう、先程の仕返しのつもりか頭に触れた相手の手に何だかくすぐったい思いを抱きながらふと小さく吹き出すと口角をつり上げながら言葉を返してやり。本当は弟だなんて綺麗な関係に納めることの出来ない感情を相手に隠す後ろめたさが未だに付きまとうものの、ただでさえ執着心が強く相手に固執しやすい己が相手にこの恋心を知られてしまったら、その時こそユニットとしての"対等"すらも崩れてしまうような気がして、自ら線を引くように繰り返す"お兄ちゃん"の言葉で思いを心に押し留めるとからかうように相手の鼻先をちょんと指で触りながら歯磨きをしてやる、なんて冗談を漏らし。それから漸く部屋の扉に手を掛けると風呂の脱衣所と併設された洗面所へと歩みを進め出して。)
、…あ、それ良いじゃん。俺は動かなくても済むしセっちゃんはどうしてもやりたい"お兄ちゃん"が出来るし、一挙両得〜、
( またもからかう様な口調と鼻先に触れる指の感覚に、昼間吸血と称し噛み付いた様にまた噛み付いてやろうかと獰猛な気が過るも、そこは一つ抑え。弟として振舞うことは己自身本当に弟と言うことも有ってか苦でこそないものの、やはり恋情有ってからか素直に転ずる事も難しく。洗面台へと向かう中何度も"お兄ちゃん"等繰り返す相手に、今更ながら何故相手はこうも兄を称したいのかが疑問となるも問うに問えず。何より普段から執着する例の彼に対してもその様に振舞う事を多々見てきている為、性分なのかと思っていた節があり。だいぶその態度にも慣れてきてはきたものの、やはり"対等"と認めて貰いたい気持ちが消える事も無いのか、態とらしく相手のからかい案に乗っかって見せれば急かすようにその背を押してみて。_暫くし洗面台へと着いた頃、此方は完全にと逆上せきっていた為に記憶は曖昧で有るも、着替えさせられるなど平気でそんな大胆行動を取った相手や自分の様子が思い返されれば、そんな過去もまるで下心なしの面倒を見る見られるの兄弟.の様に思えてしまい、表にこそ出ないもののまた不満を募らせればそっと相手の背中へと視線を戻し、)
くまくんねぇ…マイペースなのはくまくんの売りだと思うけど、そこまで誰にでも世話焼いてもらってたらそのうち勘違いしたファンとかに刺されても知らないよ?
(自分の背中を押すようにして後をついてくる相手の返答は此方としてはただのからかいの一つだったため一瞬困惑してしまい、言葉にやや困ったものの相手がその行為で自分を"お兄ちゃん"として見てくれるのならそれもいいかと溜息交じりに頷き。しかしながらいくら面倒くさがりの相手らしい返事にしてもこうも誰にでも身を任せてしまう態度は聊か心配になるもので顔を傾かせることでちらりと相手の方に視線を向けるとそんな無防備とも言える様子を少々咎めて。そうこうしているうちに洗面所へと到着すれば一度相手から離れ、戸棚の中にあった予備の歯ブラシを取り出して相手の方に差し出して。とは言えもしかすると先程の相手の返答自体からかった自分への仕返しに過ぎなかった可能性も十分にあり、歯ブラシを翳しながらにいとどこか悪戯っぽく笑みを浮かべると緩く首を傾げながら言葉を続けて。)
…で、どうするの?ほんとにお兄ちゃんが歯磨いてあげればいい?今なら冗談でしたーって言えば、お兄ちゃんも無理強いはしないんだけどぉ。
あのねぇ…、俺だって誰にでも此処まで気は許してないんだけど。一応世話焼かせる人間位は見極めてるしー…、あーあ、じゃあ良いよ自分で磨くからー、
( 正直歯を磨かれる等、朝の意識が朦朧状態でない限り手伝いを任せた事は無かった為か、口では都合良くお願いを言ってみたものの本気にはして居なく。ただ相手が余りにも"お兄ちゃん"を意識させたがるその態度が気に食わなかた故に発した言葉であり、そんな言葉を半信半疑であれ飲み込んだ相手から指摘されたのは普段からの態度で有り。確かに己は誰にでも気を緩みがちで世話焼かせな面も有る、それは面倒臭がりで態々表情を取り繕う、等と言った事が億劫な己特有の普段の態度で有り、何も誰にでも気を許しているわけでは無い。ましてや此処まで世話を焼かせるのは幼馴染や実の兄、加えて恋心抱く目の前の相手位で有り。何処か相手を"お兄ちゃん"などでは無く"特別な人"と言う括りに入れている事をほのめかす様に語尾を小さくしつつも述べれば、それを誤魔化すように相手が手に持つブラシを取りつつ一つ溜息をつき、)
_はぁ、…セっちゃんの性分は分かるけど、あんまり兄面して余裕こいてるとさ、俺が年寄りの吸血鬼だって事忘れちゃって後で痛い目見るんじゃない?気をつけてよねー、
…それ、くまくんこそって感じなんだけどぉ。相手がお兄ちゃんだからって油断してると、そのうち痛い目見るかもよ?まあ、可愛い弟に痛い目見せるほどお兄ちゃんも意地悪じゃないけどねぇ。
(相手を見極めているなんて言っておいて自分に世話を焼かせるだけの距離感を許している時点で、相手の見極めは間違っていると思えてしまい。彼の肉親である本当の兄や幼馴染の彼はいいとして、下心を隠しこうして傍に身を置く自分などに気を許すなど餌を目の前にちらつかせているような危険な状態、それも知らず言葉を続ける相手に思わず呆れたように眉尻を下げながらため息をつくと自分の歯ブラシに手を伸ばして。思えばよく自分に油断するななどといったニュアンスの忠告を口にする相手に僅かな違和感を感じるものの、お兄ちゃんだからと特定の人物に世話を焼く自分を危ぶんでのものだろうと自己完結させてしまえばこちらこそとばかりに反論を口にしてから歯ブラシを口にくわえ歯磨きを始めて。)
俺が痛い目に会うとかそれこそ無いと思うけど、…ま、いいや。油断してる人間が食い尽くされた時の顔って堪んないし、
( 自らを兄だと称しながら危険人物などと立てる相手に、大した事をされるなど更々思っていないのか、やや小馬鹿にする様にあり得ないと断言すれば、同じ様に手に持った歯ブラシを口内へと突っ込みだらだらと磨き始め。日々抱いている純粋に綺麗な尊敬、信頼などの言葉を抑え圧倒的に感じる恋と言う欲望を持つ此方からしてみれば、相手の"意地悪"などせいぜい己を咎める様な小さな仕置きくらいなのだろうと思い。だが此方は最も重く決して綺麗、とは言い切れない下心なる欲で有り。そんな気持ちも相手には知り得てる筈はないだろう、先程の警告でさえ軽く流してしまうようなその様子にやれやれと首を振れば、'人間'などと此方を吸血鬼と崇めている故の表現を使いつつその欲から出る言葉を零しては鏡越しに口角を上げ。同時に突如歯を磨く自体の行為に億劫さを感じれば相手の肩へとぽすり頭を乗せ[…めんどい、]等愚痴をこぼしつつ尚だらけた手つきで歯を磨いて行き、)
ほぉら、自分で磨くって言ったんだからちゃんとやりなよぉ。吸血鬼の前にくまくんアイドルなんだから、虫歯のアイドルなんて格好悪いでしょ?
(歯を磨き始めてからそれ程経ってもいないはずだというのに早速だれてきた様子の相手に苦笑を漏らすと肩に乗せられた丸い頭をぽんぽんと宥める様に撫でてやり、鏡越しにその表情を窺いながら緩い手つきを咎める様に声を掛けて。アイドルとして弛まぬ努力を積み重ねることで今の自分を保つ自分、そもそもやる気のないだらけた態度すらファンの女の子たちに悲鳴を上げさせる要因となる相手とは本質が違うのだろう、それをこんな小さなことで見せつけられたようで少しだけ困ったような表情を浮かべると肩の相手を起こし先に口をゆすいでしまい。それからまだ少しだけ湿っていた髪が先程から気になっていたのか、不意に洗面所に置いてあったドライヤーを手に取ると残りの水気を飛ばすように髪を乾かし始め。ある程度消音気味のドライヤーではあるもののやはりそれなりの騒音がしてしまい、その中で相手に少々張った声で呼びかけを口にし。)
くまくんもまだ髪少し濡れてるでしょお?口ゆすいだら乾かしてあげるからねぇ。
…自慢じゃないけど、この方今まで虫歯にはなった事無いんだよねぇ。身体もわりと丈夫だし、寝る子は育つって言うの?セっちゃんにも見習って欲しい欲しいんだけど、
( 普段から何事にも無頓着気味、行動一つにしても中々動かない極度なマイペースぶりを発揮している己としてはこの歯磨き一つ面倒な動作としか思えないのだろう。相手に催促される様に柔く叩かれるリズムに合わせるように口元をあぐあぐと動かせば気力無し、と言った雰囲気で。そんな中で尚繰り返すように指摘をされれば、全く心に止める様子も無く反抗を口にし。序でに普段から体型維持等と言いろくに食事も取らずと言ったモデルとしての相手の顔を思えば、改善しろとは言わないものの相手の身を案じる様な台詞を口にし。_相手から肩を外され一体制を起こされたのち、半乾き状態だったのだろうかドライヤーの音が響けば仕方無しと加えていたブラシを抜き口を濯ぎ。軽い騒音の中聞こえる相手の声に[ん、…丁重に扱ってねぇ、]等偉そうにもそんな台詞を返しては共に相手の目の前へと移動し膝立ちとなれば乾かされるのを待ち、)
…ふふ、お人形扱うみたいに優しく丁寧にしてあげるから。
(自分の髪も相手と布団の準備やらで動き回っているうちに大分乾いてしまっていたようでさほど時間は掛からず、此方がやりやすいように気遣ってか膝立ちになった状態で待っていてくれた相手の髪にそっと指を梳くように通しながらドライヤーの騒音で相手まで届くかどうか、そんな小さな声で呟きを漏らして。過去執着心を寄せていた遊木を人形のように、と望んだ時期もあったがその後の夢ノ咲学院で起きた革命を経て今では少し考えも変わってきていて、しかしそれでもお人形のようにと言葉を漏らしてしまったのは弟のように扱うことで恋情を曝け出してしまわないと決めた相手をお人形のような綺麗で自分の手で汚せない存在だと思っているからなのだろう。相手の柔らかな髪に触れその水気を乾かしながら、これだけ触れ合っていても性が同じというだけで酷く遠い距離にある様に感じる相手の存在に少しだけ僅かに胸が痛むと、乾かし終わったことでドライヤーを止め傍の棚に戻して。目の前で大人しく自分に身を委ねている相手、これは"お兄ちゃん"という線引きの中の行為だと自分に言い聞かせながら相手とこうして自宅で過ごす程じわじわと胸に溜まっていた暗い感情をそっといなすように相手の頭を抱える様に緩く抱くと、自分と同じシャンプーの香りのする髪に僅かに頬を寄せてからすぐ何事もなかったかのように笑って体を離していき。)
…はぁい、おしまい。何だかほんとに弟の髪でも乾かしてるみたいで、なかなか楽しかったよぉ?
あー…、?人形とか、吸血鬼の俺とは無縁だけどねぇー…。…_っ、
( 心地良い温風と相手の柔らかな手つきが心地良いのか目を細めていれば、髪越しとは言え触れられている.と言った事には変わりなく近い様で遠いその距離感に同じように切なさを抱き。夜の冴えた感覚では相手の呟きなど当然耳に入っているのか、曖昧に口元を動かしつつ"人形"などと言った妙なワードに緩く感想を加え。思い返せば相手の"人形"の様というのは、以前から固執する幼馴染と同ユニットの彼を例える際に良く口にしていた言葉で有り、そんな苦い過去を思い出しては同じように自分に向かい使ってくる辺り、代替わりとされている様に感じてしまい。相手は一体何を思ってそんな事を発言するのか、台所での意味有りげな台詞も聞こえぬフリこそして居たが脳内には無論焼きついており。恋心からの錯乱だろう、相手が自分に向けている好意などあくまで"弟のよう"または"代替わり"。それ以外に向ける感情何て無いのは分かっている、分かっていてもそう捉えたいと言う気持ちが勝ればドライヤーを仕舞い込む相手を鏡越しに儚げに見つめ。_として居たのも束の間、ふと己の頭部へと頬を寄せる相手が引き金となったのか、何事も無く笑む相手の腕を掴んでは己の胸へと引き寄せていて。抱き締める様な体制になった時、今更ながらこの行為に大きな後悔が沸くも、既に引くに引けずとなってしまっており。相手には何を言われるだろう、弟として見ている彼なら若しかしたらこの状況もソレ関連で纏めてくれるかもしれない、そんな甘く切ない考えが脳内を占めれば唯緊張から速まった鼓動の音だけが耳につく中、ただ相手の言葉に反応出来るよう脳内で考えをまとめており、)
ッ、…くまくん、それはだめだよ…。…お兄ちゃんでも、そういうのはだめ。
(少しだけ漏れ出してしまった恋心という欲からの"お兄ちゃん"などという言い訳がぎりぎり効くかどうか、そんな緩やかな抱擁は一瞬ではあったものの痛んでいた胸を温かく癒す反面後から自己嫌悪の念がやってくるような行為で。その一瞬で相手を自分の欲で汚してしまった気さえしてしまいどうにも顔が合わせづらい、そう思っていた矢先不意に視界がぶれたかと思えば先程触れたばかりの温かさに今度は自身が包まれているを感じて。頬が相手の胸板に押し付けられる感触、何だか早まっているような印象を抱く鼓動の音、髪に微かに感じる相手の吐息の熱さ、その全てにはっと気づかされると強い拒絶を露わにするように相手の胸板を突き放して。これも先程の自分の抱擁への仕返しか何かのつもりなのだろうか、質が悪いと思ってしまうような相手の行為に顔を俯かせると小さな声で呟くように言葉を漏らして。先に勝手に恋心を抱いて相手を穢したのは自分、それでも相手の純粋なからかいであってもそんな恋心を揺らす様な事をされれば身勝手だと自覚していても傷ついてしまい。それでもそんな思いを表情に出すなんて自ら相手との関係にひびを入れるに等しいこと、だからこそ昔からお得意だった人形のような、それでも少しだけ傷心の色が覗いてしまうような笑みで相手を見ると先に立ち上がり相手に手を貸すように片手を差し伸べて。)
…もう、お兄ちゃんに悪戯するなんて悪い子だねぇ?でもそういうのは好きになった女の子とかにやってあげなきゃ、お兄ちゃんにやっても意味ないでしょお?
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