(　虹を曳く白刃/非募集　)

…お誉めに預かり至極光栄に思います。弟たちのこととなるとどうにも頬が緩んでしまって仕方ありませんからなあ。三日月殿、このことはどうか御内密に。
(日々10振りもの弟達に囲まれて幸先が桜吹雪のように桃色に色付いていく世界に対して人の身を賜った事については後悔はしていない。弟達に締まりのない笑顔を浮かべて居ては示しがつかないと言った矜持は保っているものの実際に兄弟と話していると違う世界観も聞けたり中にはまだ幼い見た目の短刀は絵本の結末や道中の物語を頑張って読み聞かせてくれるなど幸せに満ちた記憶に塗り替えられつつある。こんな姿を見られてしまっては次に恐れることは弟達に知られること、口元に人差し指を立てて当てながら眉を八の字に下げて秘密の共有をしようと試み。脳裡に浮かんだ動物を敢えて口にはせずとも一度当て嵌まると自覚するともう最後、その動物のように相手の頭部分の何とも無かった癖毛が別の獣の耳に見えて仕方なく。一度笑いを口元の奥に潜ませて片腕に心地の良い大人しい動物を器用に抱えたまま促すと間もなくして添えられるあたたかな温もりに眦を細めるものの相手の言葉に妙な引っ掛かりを感じてきょとん、とした視線を向け。)相変わらず、ですか…。