主 2015-08-16 23:03:34 |
通報 |
ぁ…あぅ……っ
(近づいてきた相手の顔にどうしていいかわからず、顔赤らめたまま視線泳がせ、無意識にぎゅっと目を瞑るも、立ち上がった相手の笑みにからかわれた事を知り、若干涙目になりながら立ち上がり、「黎我のばか……っ」と拗ねたように軽く睨みつけ、)
馬鹿で結構。ほら、早く来ないと置いて行くぞ?
(くす、と笑いつつ袖で口元を隠して。睨みつける相手に、「そんなに口付けが欲しいならご褒美としてやろう。」と相手の頭の上に優しく手を置き、“せいぜい俺の為に頑張ってくれよ?”と妖艶に笑って見せて、火車を降り、森の中を歩き始め。
あ…っ待って…っ!
(置いて行くと言われれば慌てて相手に駆け寄り。流石に口づけなんかしてくれないか、と思いながら目伏せていれば、褒美にくれると言う相手にばっと顔上げ、その妖艶な笑みにぞくぞくしつつも相手を追い、)
ふむ、そろそろか。庵、俺から離れるな。
(素直に付いてくる相手が可愛いのか、含み笑いをしているが巧妙に隠し、森を抜ければ町へ。自分が目立つ為に相手にも危害が及ぶかもしれないと考え、上記述べ、相手の手をすくい取って指を絡めて手を繋ぎ。
っ! わか、った……。
(手繋がれれば驚いたのかビクリと肩震わせ、次いで相手の言葉にこくんと頷き。バクバクと鳴る心臓や上がる体温を相手に気づかれやしないかと不安になりつつ俯くも、相手の手はしっかりと握っていて、)
?どうした?・・・手が嫌だったか?
(分かっているにもかかわらず、にやにやとした笑みを浮かべたいがそんな事はせず、胸の内にしまって、心配そうに俯いた相手を覗き込み、“手を繋ぐのが嫌だったのか”とゆっくり指を離して。
や…っ! 嫌、じゃない……っ!
(相手が自分をからかっている事にも気づかず、手が離されると思えば咄嗟に声あげ、よりいっそう相手の手を強く握り、)
!・・・ふふ、可愛いな、お前。
(まさかそんなに嫌がるとは思っていなかったので強く握られた手に驚くが、相手の可愛らしい様子に軽くちゅ、と額に口付けを落として笑えば、ふと顔を上げて「・・・着いたな、旅館だ。」と暖簾を潜り。
っ! もう…っ!
(額に口づけられればビクリと肩震わせ、繋がれていない方の手で額押さえつつ、恥ずかしいのか顔赤らめ軽く相手を睨みつけ。着いたと言われれば前方に顔を向け相手に続き、)
ふふ・・・。あぁ、女将、部屋を借りたいんだが。・・・そうだな、2日程。なるべく人通りの無い部屋で頼む。・・・こういう関係なんで、な・・・。
(くすくすと愉快げに笑えば迎えに出た旅館の女将に言いつけ、“こういう関係”と言いながら相手の手を引いて腰を抱き。深い意味は無いのだが、騒がしい部屋が嫌な為、そうして。
れ…っ黎我……っ!?
(相手にされるがまま引き寄せられ、つい相手の胸に手をついてしまい、近すぎる距離と相手の言葉に、口実だとわかってはいても動転してしまい上擦った声あげ。しかし相手と女将が話しているのを見れば、独占欲と敵意が湧き上がり、相手には見えないよう相手の胸元に顔うずめつつ、女将をきつく睨みつけ、)
では、案内頼む。・・・庵、行くぞ。
(可愛らしい相手の反応につい頬を緩め。久々に恋人以外の者を腕に抱くな、と考えながらも女将に案内を頼んで相手に腕を組ませて足を進め。暫くして着いた部屋は山々に囲まれ、露天風呂に木々が写っていて何とも絶景。ほぅ、と感嘆の息を吐き目を細めれば“俺が妖狐の長と気付いたか、食えない女将だ。”と女将に不敵な笑みを浮かべて「・・・有難う、とでも言っておこう」と一応礼を言って下がらせ。
……ん。
(常より少し低い声で頷けば、女将を睨みつけたまま相手の胸元ぎゅっと握り、相手の歩調に合わせて進み。部屋に着けば、温泉好きの性が刺激され思わず見入ってしまうも、相手が女将に話しかけたのに気づき再び女将を睨みつけ、女将が部屋を出ていくまで殺気にも近い敵意向け、)
・・・どうした、あの女が気に食わなかったか?
(ふと相手を見れば女将を睨んでいる為、相手の頬を優しく撫でながら尋ねつつ、相手を抱きかかえて座敷へ座れば、相手を自分の膝に乗せ、「風呂も良いが・・・まずは少し同伴者の話を聞こうじゃないか。」と述べてどうやら相手とお喋りがしたいらしく、楽しそうにぴくぴく、と狐耳を動かして。
……だって…黎我は――
(僕のもの、と言いかけて口をハッと噤み、「何でもないっ」と首振って。相手の膝に乗せられれば顔真っ赤にして慌てるも、相手の言葉を聞いて「話…?」と何を話せばいいかわからず首傾げ、)
・・・?そうか、
(相手はあまり女将が好きでないらしい。ならばあまり会わせないようにするか、と考えつつ。「あぁ。詮索するつもりじゃないから、答えたくなければ答えなくていい。お前は何処から来たんだ?・・・家族は?」と鋭い目つきに変わりつつも不敵な笑みは絶やさずに相手を安心させる様に肩を抱いて。
あ、うん……。
どこから…は、覚えてない……。家族もいないよ。
物心っていうのかな? …が、ついた時には独りだったから……。
(答えたくなければ答えなくていいと言われ頷くも、大好きな相手からの質問になるべく嘘はつきたくなくて、包み隠さず答え。肩を抱く相手の手の温もりに身体の力抜き、)
そうか・・・。寂しくは、なかったのか?
(ふと相手の答えに目を細め、ぎゅうっと相手を力強く抱き締めて。「俺と同じだな。俺もずっと一人だった。」と自嘲するような笑みを浮かべ、相手の頭をポンポン、と優しく撫でて。
(/遅くなりました・・・!!上げ有難う御座います!!!
ううん……ずっと独りだったから…何とも思わなかった。
(相手の問いに首振り答え、抱きしめられれば相手の胸元をおずおずと握り、「知ってる……見てた、から……」と呟き、微かに笑み浮かべ、)
(/いえいえっ、大丈夫ですよー)
トピック検索 |