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XX年、当時高校生だった男の子は、学校の習いで米国に一ヶ月間留学することになりました。
留学するにあたってのルールは“ 非行・恋愛は絶対厳禁 ”。バレれば即帰国。
成績も優秀だった彼は授業を詰まらなく感じ、あまり留学生活を楽しんでいませんでした。そんなとき、ホームステイ先から抜けだしてぶらりと散歩をしているとそこで出会ったのは───同い年か、或いは幾つか年下の男の子。
綺麗な金髪に蒼い瞳を持つ彼に、一瞬にして心を奪われた高校生は、絶対厳禁とまで言われた言い付けを破って恋をします。高校生は男の子に日本語を教え、二人は友人として頻繁に遊ぶように。ダメだと分かっていながらも柔らかく笑む微笑みと、大人びた雰囲気を持ちながらも時折見せる子供らしい一面に話せば話すほど想いは募るばかり。
────そして一ヶ月間の秘密の恋を終え、帰国前日。
高校生は男の子に「 ずっと好きだった 」、と告白します。男の子は少しだけ驚いたように瞳を丸くすると、数秒経ってからとても嬉しそうに頬を緩めました。そして、小指を繋ぐとまだ拙い発音の日本語でゆっくりと言葉を紡ぎました。
「 ……ぼくも、君が好きだった。想い出をありがとう、今度はぼくが迎えに行くね。 」
あれから8年の月日が経ったある日、高校卒業後はサラリーマンとして働く元・高校生の元へ、一人の外国人が訪ねてくる───
( レス禁止! )