主 2015-08-14 22:50:33 |
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(分かりました!ではさっそくロルを回します!)
これくらいで良かったか…ちょっと重かったか?
―――――……ん?ここは……所長室?
(本を詰めた髪袋を持って研究所の廊下を歩いて。少し重かったかなと苦笑しながら歩いていると、
一室から話し声が聞こえ。そこは所長室で、何やら不穏な空気を感じたため息をひそめてドアに耳をつけて)
あぁ…あいつか、確か――――「野々宮 智乃」だったな。
(扉の外に聞き耳をたてる者がいるとはまったく気付かずに、大きな声で、どうやら電話中らしく)
…あれは、失敗作だからな。元々は、人間なんだが。ウチの研究員に反抗的なヤツがいて、そいつの娘を利用したんだが、まったく親子揃って使えない。
親?あぁ、母親は他界してるし、父親はとっくの昔に処分させたからな、問題ない。
…なんだ、欲しいのか?
それ相当の金を払えばくれてやらんこともない。
失敗作とはいえ、タダではやらん。
まぁ、今はデータを集めてるから渡せんが、考えておけよ。
(所長が電話を切れば、辺りは静けさを取り戻し、カタカタとキーボードを叩く音だけが響き)
(/かなり所長ゲスくなりましたが…!すぐに売られちゃうとかはないので、安心してくださいませ!)
あいつ?誰のこt―――えっ……
野々宮…智乃?野々宮……
(所長の言葉に耳をすませば、聞き覚えのある名前を耳にし。
確か知り合いにそんな苗字の人物がいたような気がするが、思い出せず復唱し)
……クソ所長め……
(失敗作の下りを聞くと、怒りのせいか拳を強く握り顔をゆがめて)
―――!?売ら……れる?チノが?
(誰と話しているかは分からなかったが、所長の発言で茫然とし。
話が終わってもしばらくその場に立ち尽くしていたが、見つかるのはまずいと思い
何くわぬ顔で檻へ行けばチノに話かけ)
……! 樹、おはよ!
―――それ、本?
(檻に来る前の相手に何があったかは知るよしもなく、
紙袋に視線を移せば、耳をぴくりと動かし、
きらきらと期待の眼差しで相手を見て)
(/了解いたしました!
今日は夜遅くまでお付き合い、ありがとうございました!)
―――――……っああ、そうだ。今開ける。
(考え事をしていたせいで、チノへの返答が一瞬遅れて。
その間をごまかすかのようにさっさと檻のカギを開けて紙袋を中へ入れて)
――…?樹、?
(相手の一瞬の遅れに、気が付いて、きょとんとして、不思議そうに見つめるが
カギが開けられ紙袋が中に入れられれば、注意はそちらに移り。
ドアの方にとたとたと歩けば、懐かしい本の匂いに思わず、紙袋に抱き付いて、中をあさり)
(めっちゃ遅れてすみませんでした!)
……ほら、本持って来たぞ。
絵がいっぱいのやつだ。
(チノの問いかけに何も答えず、チノの興味が本へ映ったのをいいことに話を逸らして。
袋から本を数冊出せば、チノの前に重ねておいて)
…すごい、いっぱい!
(本への喜びのせいで、答えてもらえなかったことには気がつかず、
重ねられた本を、愛おしそうになでて、ここにたくさんの「外の世界のこと」があるのだと思うと、笑みがこぼれ)
(/大丈夫ですよー!)
好きな本読んでいいからな。
何か分かんないことがあったら、遠慮なく言え。
(本を愛おしそうに撫でながら笑みをこぼすチノを見て、無意識のうちのこちらも微笑み。
チノが静かになれば、さっきの事について考える時間も出来るだろうと予想し)
ん、わかった!
(元気よく返事をして、たくさんの本の中から『世界の絶景』という本の表紙が気に入ったので引き抜き。
ペラペラとページをめくって、手をとめたページには、夕焼けをバックにした山の写真があり)
…きれい!チノ、これ好き。
(本を相手に向けて、写真を見せれば、へらっと笑って)
夕焼けか……フッ、そうだな。
こんなとこじゃ、夕日も見れないしな。
(写真を開いて見せてくる相手のしぐさがなんとも子供らしい、と笑みをこぼせば、
チノの言葉に自分の感想を述べて。
一方で、やはり「野々宮」と言う苗字に心当たりがあり記憶を探っていて)
うん、いつか樹とみてみたい!
……あれ、チノ見たことあったっけ
(相手が笑顔になったのを見て、また嬉しくなり。
また樹に喜んでもらおうと、次のページをめくり、
ふと疑問が浮かぶが、深くは気にしないで、好きな写真を探す手はとめず)
……――っ、そうか。ありがとな。
(チノが見てみたいと思うのは不思議なことではないが、
「自分」と見てみたいと言ってくれたことが妙に気恥ずかしく。それでも大人の余裕と言うやつで微笑んで)
……ありがと?
(何かありがとうと言われることをしたかと自らの行動を辿るが思い当たるものはなく。
微笑む相手に、んーと考えながら、また本に目を移し
「これも好き!」と言って、次に見つけたのは、エメラルドグリーンの海と白い砂浜の写真で)
おっ、海か……海はオレも好きだぞ。
透き通ってて、夏は冷たくて気持ちいい。
(相手が笑顔で見せてくる写真を見て、それが海や砂浜だと分かると、
自分も好きだと言うことを言って微笑み)
…海いいなあ。ここも一緒にいこ!
(相手の言葉に海や砂浜を想像するだけでますます楽しくなり。
自分は檻の中でどこにもいけないというのに想像だけが膨らんで)
外って、とってもきれい。
――…樹は、外の世界好き?
(ぺらぺらと本をめくる手を突然ぴたりと止めて、思いついたように檻の向こう側の相手を見つめ、
綺麗なものばかり映る写真だけではなく、樹の言葉で外のことが知りたくて)
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