幻の学院生 2015-07-31 19:10:44 |
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別に俺はいつでも来れるから大丈夫だぞ。絢瀬が楽しんでくれれば連れてきた甲斐があったってもんだ。俺に遠慮はしなくていいから行きたい場所があったらどんどん言ってくれ
(自分はいつでもここに来ることはできるし、言ってしまえば先々週の休日来ているためわざわざ今やらなくても構わないもので。すると自分たちのもとに先程まで外掃除をしていた店員さんがやってきて『まさか早川くんにこんな美人な彼女さんが出来るとはねぇ』とまるで近所のおばさんのような感じで相手と自分を交互に見ながら呟くと「だから違うって言ってるじゃないですか……。中学の同級生で、友達ですよ」と、勘違いされる相手に失礼だと思いながら溜め息混じりに店員の言うことを首を左右に振りつつ否定して)
そう?でもやっぱり私一人楽しんでばかりじゃ悪い気がするわ…
(こういった場所に来る頻度など、そういったことを考えれば相手の言い分に納得してしまいそうになったが、それでもやはりせっかく一緒に遊びに来ているのだから自分ばかり一人が楽しくてもそれでは二人一緒の意味があまり無いのではないかという気持ちもあって申し訳なさげに苦笑浮かべ頬を軽く掻いて。そんな会話の途中で彼の知り合いなのだろうか、ここの従業員らしき人物が此方へと近付いてきて突然自分と相手を見比べて突拍子もないようなことを言い出し、あまりにも急なことに驚くあまり目を丸くしてしまったが、目の前で否定的な反応をしている相手を見ていると何となく悪戯心が芽生えてしまうと「って、いつも彼は言うのだけど…ふふふ、照れちゃってるのかしら。まあ、こういうところも可愛いのだけど」相手の言葉に続けて知らない人が聞けば意味深にしか聞こえない発言をしてみせながらも、敢えて二人の関係に関する言及を自らすることはせず
お、おい!お前なにいってんの!?あ、いや、えっと、今のはただの悪ふざけで決して変な意味じゃ―!
(きっと相手も否定してくれるだろうと思っていたらまさかの予想を大きく裏切られ、否定するどころかむしろ意味深な言葉を口にする相手の姿に驚いて思わず聞き返してしまい、そんな姿を見て店員はますます楽しそうな表情を浮かべると『こんな美人さん、絶対に手放すんじゃないよ?じゃあ早川くんをよろしくね』と、自分の弁解が言い終わる前に最後に相手に小さく頭を下げるとそのままその場を立ち去ってしまい。これでは絶対勘違いされるだろうし、今更弁解しても無駄な状況に大きく溜め息をついて「ったく、絢瀬は変に悪戯好きなところあるよな……。あの人に変な勘違いされちゃったけど俺は知らないぞ?」と折角自分は本当のことを言おうと思ったのに相手の一言のせいで決定的に勘違いを与えることになってしまい、普段のクールな性格とは別に案外悪戯好きな一面を持つ相手にジトッとした視線を向けて述べ)
ごめんなさい、少し悪乗りし過ぎてしまったわね。一応ストレートな表現は控えたつもりだったのだけど
(ちょっとした悪戯心による小芝居のせいで見知らぬ人物に自分たちの関係についてあらぬ誤解を受けてしまうことにまでなってしまえば、しまったなと言わんばかりに苦笑を浮かべ反省しているかに見えたが、すぐに何食わぬ顔で相手へと向き直っては軽く肩を竦めては舌をチロッと出して悪戯っぽくパチンとウインクをしてみせつつ、勘違いはされてしまったがそれでも自分は決して恋人であるともそうでないともどちらとも言ってはいないつもりなのだがと悪びれた様子もなくそんなことを言ってのける始末で
はぁ、あの人はこういう話が大好きなんだよ……。この間なんか、俺と同じようにここによく来る女の人と話をしてただけでからかわれたからな……。ったく、こちとら色恋沙汰とは無縁だっつの…
(言葉では謝っているがその表情を見れば明らかに反省していないことが伝わってきて、これまた相手らしさを感じ呆れて溜め息をつき、先ほどのやり取りによってこの間あった出来事を思い出してしまい、その時もまるで中学生のようなノリであの店員にからかわれたことは精神的にも疲れた出来事であり、そのことをつぶやきながら自分の現状と比べて再び溜め息をついて)
ふーん…早川くん寂しいのねぇ…駄目よ、若いんだからもっと積極的に行かなくちゃ
(以前にも似たようなことがあり、からかわれたことを溜め息混じりに話すも現実には異性との関わりが希薄であることを嘆くように呟くのを聞けば、相手ならその気になればモテそうなのになと短い付き合いながらもお世辞とか抜きにしてそう感じていて、だからこそこんなことでは駄目だとばかりにやれやれと軽く肩を竦めてみせては、相手の胸元をトントンとノックをするように叩き上目で不敵に笑いかけては少し年寄りくさいかなと、そんな風に感じながらもそう軽いノリで言ってのけて
うるせぇ、お前と年一緒だっつの。大体そういう絢瀬だって……あー……お前の場合その容姿なら男の方から勝手に寄ってくるだろうな。中学の頃にも絢瀬が好きだっていう男子は普通にいたわけだし……
(まるで年寄りのように自分に笑いかけてくる相手を不機嫌っぽく一蹴し、今度は自分ではなく相手のことを少し考えてみて。相手の場合スクールアイドルということもあり人気があるのは間違いないだろうし、更に綺麗な容姿もしているためスクールアイドルをやっていなくてもきっとモテていただろう。中学の頃にも相手のことが好きだっていう男子はそこそこいて相談役にもなった程で、改めて自分と相手の生きる世界の違いに溜め息をついて「仮に絢瀬に彼氏が出来るとしたら絶対格好良いやつなんだろうなぁ。まぁ俺には縁がない話だけど、絢瀬の場合はナンパとかされる可能性があるわけだからな。頑張れ!」相手の肩の上にポンっと手を置くと自分に関わりのないことだからって無駄にキリッとした表情で親指を突き立てながら述べて)
…ええ、まあ、そうね確かに男の人に声をかけられることは少なくないわ、向けられてる視線とかも気づいてなかったわけじゃない。でも、生憎ね私にだって選ぶ権利はあるわ
(率直に言ってモテる。その事実を否定することはなく、自分が異性から向けられている視線の意味も全て承知の上だということもあっさりと認めてしまい、その上で自分の心を揺り動かすような出会いが中々ないのだということを淡々とした口調で語っては軽く毒づいて肩を竦めて「なんて、少し自惚れ過ぎかしらね」言ってから流石に少し性格が悪いなと我ながらかるく自己嫌悪に陥ってしまい、昔から自信家でついつい上から目線の物言いになってしまうのは自分の悪いところだとわかっているのだが、昔よりはマシになったとはいえなかなか染み付いた癖というのは抜けないものだなと考えて苦笑を浮かべて
いや、別に自惚れなんかじゃないだろ。絢瀬は容姿が良い上に性格だって良い……そんなんモテて当然だっての。それに絢瀬は人の中身もちゃんと見れるやつだから変な男に騙される心配もないし……。まぁとにかく、出会いなんてこれからもたくさんあるわけだし一人くらい良い男いるだろ? それに引き換え俺は……ったく、神様は本当に不平等だぜ……なんか突然可愛い子が告白してこないかな……
(少しばかり上から目線な言葉だが否定するところなど一つもなく、むしろその通りであり首を左右に振って相手が言ったことに対して自分の考えを述べて。例え付き合い事態が短いものだとしても相手の人となりはそこそこ把握しているつもりだし、真面目でしっかりしている相手が好きになる男性なんてあまり想像することが出来ずに苦笑を浮かべて。最初のほうこそいい感じの言葉を言っていたのだが最後の方にはもうただの現実逃避が始まってしまいフラフラっとなりながら出口の方へと歩くと不意に相手の方に振り向き「それは冗談として……。ま、もしも彼氏が出来たらぜひ教えてくれよ?どんなやつなのか興味あるからな。……それじゃ、とりあえず外出てから次行く場所決めるか!」小さく笑みを浮かべるとそう言いながら先に外に出て行って)
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