幻の学院生 2015-07-31 19:10:44 |
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……そっか、充実しているようで良かったよ。中学の時の絢瀬はいつもつまらなそうにしてたからな。あんな姿はもう見たくない
(幸せそうに笑いながら自信たっぷりに話す姿を見ていたらなんだかこっちも嬉しくなってきて、つられるように自分も笑みを笑みを浮かべて。もし相手が中学生の時も今のような雰囲気だったならきっと人気も出ていただろうし、自分ももしかしたら相手と仲良くなれたのかもしれないなどと昔のことを思い出していると、今度は逆にこちらの学校のことを聞かれて少しの間考えると「……詳しいな。音ノ木から近い○○高校に通ってるよ。小さくはない学校だけど、絢瀬みたいになにか部活をやっているわけでもないし友達も大勢いるわけでもない。充実しているかと聞かれれば……どうだろうな」今自分が通っている学校は、単純に制服が格好良いからというだけで選んだ学校で。相手が幸せそうに学校のことを話す姿は自分からしたらとても羨ましいもので、それに対して自分は特になにもせずに同じような毎日を送っていて、しかし高校自体はつまらないものではないためなんとなく苦笑を浮かべつつ話して)
それはいけないわ。せっかく三年しかない高校生活、確かにもう終わりは近いけれど、今からでも遅くないわ。何か楽しいこと、見つけましょ?
(どうも充実をしているとは言い難い高校生活を送っているという自己評価を下す相手に対し決してそのことを哀れむでも同情するでもなく、ただただこのままでは勿体無いと力強くそう断言をしては具体的にどうすればいいのかそこまではわからないながらも、それでも今からでも何か出来ることがあるのではないかと、そんな風に提案をしてはパチンとウインクをし
楽しいこと……ねぇ。
(やりたいことはあるかと聞かれても特にないと答えるし、将来の夢だって具体的にも決まっているわけでもない自分が今から楽しいことを見つけることなど不可能に近いことなのだが、相手に言われてとりあえず今までの高校生活を振り返ってみて。しかし振り返ってみても今からなにかをやろうとは到底思えずきっと自分はこれからも同じような毎日を送っていくのだろう。他人から見ればつまらない生活をしているかもしれないが、これはこれで結構悪くない日常だと思っていて「……難しいな。まぁ俺は俺で絢瀬のことを応援してるよ。絢瀬絵里を応援する、これはこれで一つの楽しいことでもあると思うぞ」絢瀬絵里という一人の少女を応援したい気持ちは本当のことだし、知り合いが頑張っている姿を見るのは自分的には凄く楽しいことで、残り少なくなったコーヒーを飲みながら述べて)
そう、それじゃあ私は応援してくれる早川くんや他の人たちに喜びを与えられる最高のスクールアイドルになるためにもっと努力しないといけないわね
(スクールアイドルとして応援されること、期待をされることは自分自身何よりの励みになり、喜びを感じることでもあり、こうして身近な人にとっても自分の活躍が希望となりえるという事実を実感し、一人でもより多くの人にこの感動を与えられるようもっと頑張らなくてはならないなと強い使命感を感じ、同時にそれがラブライブ優勝という悲願の達成に繋がっていくことだろうと確信していて、そんな話しをしているうちに自身のテーブルへと先ほど注文したチョコレートケーキとコーヒーが運ばれてくれば早速フォークを使って一口に切り分けてケーキを口へと運び、ゆっくり咀嚼して飲み込んで「…ハラショー!」よほどケーキの味が自分の好みの味だったようで瞳を無邪気な子供のように輝かせ、感嘆の声をあげ
へぇ……なんだ、絢瀬もそういう子供っぽい一面があったんだな
(いつもはクールで大人っぽい印象を与える相手も、ケーキを食べて子供のように瞳を輝かせている姿は今まで見たことがないもので、また新しい一面を知ることが出来たと思いニヤッとした笑みを浮かべからかうように述べて。しかし馬鹿にしているのではなく、むしろファンとして色々な姿を見ることが出来て嬉しい限りであり、相手と知り合いであることに改めて感謝すると「思ったんだけど、俺は今絢瀬と二人っきりなんだよな。これ、お前のファンにでも見られたら俺刺されない?今日無事に帰れるかな……」自分からしたら中学の知り合いと一緒にいるという感覚なのだが、絢瀬絵里というスクールアイドルのファンから見たらきっと変な風に思われてしまうのではないかと思い、不安そうに周りを見渡して)
……刺される、は大袈裟かもしれないけれど確かにファンの目から見たら面白くない状況ではあるのかしら?
(相手本人としてはからかったつもりはないのかもしれないが、それでもやはり笑い方を見れば面白がられている気がしてならず、照れ臭さを誤魔化すように少しばかり不満そうな表情浮かべ相手を睨んでいたが、ふと心配そうに呟く相手の言葉を聞き入れれば少し考えを巡らした後、今のこの状況を客観的に見れば確かにアイドルである己がいくら友人とはいえ公の場でこうして異性と一緒にいるというのは周りも見ていていい気はしないかもしれないなとそう判断を下し、しかしかといって現状では今更どうすることも出来ないというのもまた事実でありどうしたものかと少しばかり思いに耽るような表情を浮かべ
……まぁいいか、俺はただ知り合いと一緒にいるだけだから何もおかしくない。でも絢瀬が嫌なら俺はすぐにでも帰るぞ?仮に変な噂とかになったら申し訳ないからな
(確かに相手のファンから見たら面白くない状況ではあるが、自分は別に知らない人からなにを思われようと気にしないため一瞬不安になったもののすぐにいつも通りに戻って。しかし自分だけでなく、相手にまで影響を与えてしまうとしたらそれは絶対に回避しなくてはいけないことであり、そう考えると先ほど無くなったはずの不安な気持ちがまた少し出てきて苦笑混じりに述べて。それと同時に、自分と同じ歳でありながら相手は平凡な自分とはまったく違う場所に立っているのだと改めて理解し、こういうのを正に高嶺の花だと言うのだなと実感して)
それを言うなら私も友達と一緒に居るだけだもの、何も気にする必要も後ろめたさもないわ
(今のこの状況が自分たちの活動に悪影響を与えてしまうなんてことは考えもせず、むしろこんな些細なことがマイナスとなってしまうなんてことは認めたくなんてなく、まるで意地でも張るように自分だって相手と同じ気持ちであり、こうして友人と会って話しをすることの何が悪いというのかとでも言いたげな様子で追い返すつもりも帰るつもりもないとハッキリ告げて
お、おう……そっか。なんかあれだな、女子から友達って言われたの初めてだから変な感じするぜ
(これまではあえて知り合いという当たり障りない言葉を使用してきたのに、サラッと女子から初めて友達と言われたことに恥ずかしさを感じて若干視線を逸らしつつ平然を装って返事を返して。子供の時から女子とは事務的な会話したことしかなく、高校生になった今では最早会話なんて全然しなくなり男友達からは彼女との惚気話しか聞いていないため余計に新鮮さを感じて)
私はもう勝手にそう思っていたのだけど友達は不満かしら?
(こちらからの友達という言葉に対し、表向きは平静を装っている風だが、それでいてどこか煮え切らないような、そんな何とも言えない相手の複雑な心境のようなものを直感的に感じ取ってしまえば、これまでにお互いの関係について何の言及もして来なかったそんな中で、急に一方的な友達呼ばわりというのは相手としては面白くなかったのかもしれないと内心で失敗したなと僅かに頭を悩ませつつも口調は軽く、自身にとって相手がどのような存在なのかをありのままに話しては机に頬杖つきつつ首を傾げて見せて
いやいや、決して嫌ってわけじゃないぞ?単純に驚いたってだけだ。不満なんかじゃないぞ、俺も絢瀬のことは友達だって思ってる。まぁなんだ……コホン、その、友達だって言ってくれてありがとな
(不満なんてものは一切感じておらず、もしチャラチャラした男で遊ぶような女子だったら当然嫌なのだが相手のように真面目でしっかりとした女子相手に友達だと言われて不満に思うわけがなく、変な勘違いを与えてしまったかもしれないと慌てて弁解し、まだ恥ずかしさが若干残っているためすんなりとお礼を言うことができず、一度咳払いをして心を落ち着かせたのだが対して意味もなく結局どもった感じになてしまい)
それならいいのだけど…それにしても、今のってお礼を言うほどのことかしら?
(己の不安とは裏腹にどうやら嫌われている訳ではないようだということがわかって一安心すれば小さく一息ついて、今までにこうしてこのような些細なことでお礼を言われたことなど無かったため、友人認定されたことがそこまで嬉しいことなのだろうかとクスクス笑いを浮かべて緩く首を傾げ
うるせぇ、こっちからしたら大きな事なんだよ。女友達が全然いないことで有名なこの早川駆を舐めんなっての
(クスクスと笑われてしまったことが更に恥ずかしくてフイっと一度視線を逸らすと、今度は開き直って無駄に胸を張りながらドヤ顔で悲しいことを述べて。中学三年間クラスが一緒だった女の子と今頃友達になるというなんとも珍しいことが起きたわけがそれでも自分的には十分嬉しい事で。コーヒーのおかわりを頼もうとした時携帯電話にメールの着信が入り確認すると友人からで「っと、結構話し込んじゃったな。ちょっと友達から呼び出しが入ったから行ってくるわ。今日は色々ありがとな、ライブがある時とかはぜひ教えてくれよ?」内容は分からないが結構大切な話があるらしく来てくれということで、仕方がなく了承すると相手に別れの挨拶をすると会計をするためにレジに向かおうとして)
あっ、ちょっと待って
(何やら友人との予定が入ったとのことで別れの挨拶もそこそこに今にも帰ろうと席を立ってレジへ向かう相手に続いて立ち上がり、そのまま手首を掴まえて引き止めては自身の鞄の中からノートを取り出して開き、そのページに手早く自分の携帯番号とアドレスを書いてそのままページを破って彼の手に握らせて「早川くん、忘れ物よ。お互い連絡先を知らなくちゃライブの日程を教えるも何もないんじゃないかしら?」片目を閉じた状態で悪戯っぽい笑みを浮かべ、そっと連絡先の書かれたページを握らせた手を離しては緩く首を傾げつつ上記述べ
あ、ああ……。確かに大事なものを忘れていたな。ありがとな、ぜひ登録しておくよ。俺の連絡先はレアだぞ?
(言われてみれば確かにそうで、連絡先も知らないのにどうやってライブの日程を教えてもらうのだろうと今になって思って。相手の悪戯っぽい笑みに再びドキッとさせられ、自分の女子に対する体性のなさに呆れつつも連絡先を受け取ると今度はこちらがしょうもないことをドヤ顔で言うとレジに向かい「えっと、二人分払っちゃうんでそれで会計お願いします。とりあえず今日のお礼ってことで、ここは俺に払わせてくれ」お礼と言える程でもないが、せめてものお礼として相手の真似をしてかなり不格好なウインクをすると二人分の代金を払って)
…ありがとう、ごちそうさま
(そこまではいくらなんでも申し訳ないからと断ろうとするも相手の行動は自分よりも一足早く、支払いを既に済ませてしまった相手に仕方がないと小さく息を吐いて、それでも感謝をしていることには変わりがないため僅かに表情ゆるませては彼へと感謝の言葉を告げた去り際に「そうそう、さっきの連絡先だけど好きな時に気軽に連絡してきていいのよ?待ってるわ」思い出したように連絡先を交換した名目はなんであれそんなもの関係なく連絡してくれても大丈夫と遠慮したりしないよう先に念のため伝えておき、次こそその場から去っていき
さて、と。今日はなにするかな……
(あれから数日が経ち今日は休日、両親は仕事、妹は部活で学校に行っているため今家にいるのは自分一人であり遊ぶ予定もなく言ってしまえばかなり暇で。何気なく携帯電話を手に取り登録している連絡先を見てみると絢瀬絵里という名前が目に入り、ふと手を止めて。連絡でもしようと思ったのだが向こうは部活中で忙しいかもしれないし、もしかしたら迷惑かもしれないという女友達の無さがここにきて裏目に出てしまい「どうする彼女いない歴イコール年齢の早川駆……」などと意味の分からないことをブツブツとつぶやきながら迷っていて)
…あれから連絡の一つもくれないなんて…もう、こっちからしちゃおうかしら
(今日は全体練習もなく、休日ということもあって特に予定もない己はふと連絡先を渡して、その後お互いに登録をしあう為に連絡をとったのを最後に電話どころかメールですら全く音沙汰のない電話帳に登録された相手の名前見て軽く恨み言を呟いて、去り際に告げたいつでも好きな時に連絡してくれて大丈夫という此方の言葉は意味がなかったみたいだなと小さく溜め息を零しては、待っているよりも此方から行動してしまえと相手の携帯番号へと電話をかけて
しゃあない、ここは腹を決めて……。うぉっ!?びっくりした……、すげぇな。こっちは迷ってるのに普通に電話かけてきたぞあいつ
(いつまでも悩んでいても仕方がないため腹を決めていざ電話をかけようとした寸前に電話がかかってきたため驚きながらも画面に映る名前を見てみると今丁度電話をかけようとしていた相手の名前で、こっちは散々悩んでいたのに普通に電話をかけてきたことに改めて自分のヘタレ具合を自覚しつつ電話に出ると「はいもしもーし」といつもの軽い調子で応答して)
おはよう、早川くん
(もしかしたら実はあまり干渉して欲しくないとか考えているのだろうかと少しだけ後ろ向きなことも考えてしまっていたため、意外にもあっさりと電話が繋がったことに拍子抜けしてしまい、更に電話口から彼らしい軽く間延びした声が聞こえてくれば、多少感じていた不安がきえるのと同時に相手のあまりの呑気さに思わずイラッとしてしまい、とりあえず最初はこちらも相手の調子に合わせて明るく爽やかな感じで挨拶をして「…せっかく連絡してねって言っておいたのに全然連絡をくれないのはどういう了見かしら?」その後すぐに声のトーンを落としては、まるで相手を威圧するように言い放ち
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