─── 2015-07-28 02:53:52 |
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少女の朝
あの子は俺よりも早くに起き、まずは朝食の準備に取り掛かっているらしい。感情を失ったとあの子はそう言うが、俺が見ている分にはそうは思えない。表情はないが、とても楽しそうに料理をしている。
準備に一旦の区切りが付いたら、目覚ましでも起きることのない俺を起こしに来てくれていた──らしい。らしい、というのは俺にその時の記憶が残っていないからだ。朝はとても弱く、寝起きは特に酷い。
俺が顔を洗っている内にあの子は手早くテーブルに料理の数々を並べ、すぐ食べられるようにと朝食の準備を完全に終らせていた。
朝食を終えた後、ダラダラと過ごす俺とは対照的にあの子は家事に取り組む。やはり、何かに取り組む時の彼女は少しだけ表情が和らいでいるような気がする。
まあ──仕事をしない俺を怒っている時が一番感情的なのかもしれないけれど。
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