少女 2015-07-25 20:41:25 |
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(/はいっす、それでは適当に始めますねー。)
今日からこのクラスの副担任を務めさせて頂く大城です、よろしくお願いします。
(チャイムと同時に担任となる教師の後ろを歩き教室へと入る。騒がしかった教室内も見知らぬ男性が入ってきた事ですぐに静かになり、自分に視線が集まる中隣の教師に促されるとクラスを見渡しながら自己紹介をして。)
(/はい!ありがとうございます…!拙い文章ですがお付き合い下さると嬉しいです…!)
……大城…先生……
(後ろから3番目、窓際の席で外の景色を眺めていると教室のドアが開き担任と見慣れない一人の男性が現れる。肩肘をつき顎を乗せたまま無表情で見つめ、彼の自己紹介を聞くと独り言のように名前を繰り返し)
(/こちらこそよろしくお願いしますね!)
……えーっと…担当教科は主に現代文で………。
(色々と喋ることは考えていたものの結局緊張から簡素な自己紹介に終わり、後は担任の教師にお任せ。そんな折偶然一人の女子生徒と目が合って。凄くつまらなそうな目で自分を見ている彼女に対し、実際つまらない自己紹介をしてしまったために苦笑しながら小さく会釈する他なく。)
(/はい!それではしばらくこちらは失礼させていただきますね!)
…新人の先生……………っ……!?……
(特に深い興味があるというわけでもなくきつく当たるわけでもなくただ何も考えずぼーっとしたまま彼を見ているとふいに目が合ってしまいどきんと心臓がなる。向こうからは絵に描いたような苦笑いと小さな会釈が見られたためこちらも会釈ぐらいは返さなければと思い、首を下げかけたが自分ではないのでは、と思い小さく後ろを振り返ると少し恥ずかしそうに俯き)
…それでは、早く皆さんと仲良くなれるよう頑張っていきますね。
(なんと会釈を返されるどころか俯くことで視線を逸らされてしまい幸先の悪いスタートを感じるも、そう落ち込んでいる暇もなく。担任の話が終われば丁度HR終了の鐘がなり、締めの言葉の後に礼をすると1限目担当の教師と入れ替わるべく教室を後にして。)
……目、逸らしちゃった……あ、謝ろう……!
(あれは自分に向けての会釈で良かったのか、そうであるならこちらからも会釈を返さなければ失礼ではないか、挙げ句の果てに目線すら逸らしてしまい…と色々考え込んでいるうちに挨拶は終了し顔を上げると礼をし終わり教室を出て行くところだった。自分ではないという勘違いはひとまず置いておき、失礼な態度を誤りに行かなくてはと教室を飛び出し)
………せ、先生……大城、先生……!
…ん?あれ、君は…。ど、どうしたの?
(一仕事を終えた気になって教室を出て職員室の方向へ歩いていると後方から勢い良く扉が開く音が聞こえ思わず振り返り。そこに立っていたのは先程無表情を貫いていた女子生徒であり、何故この段階で自分に用があるのか疑問を抱いたまま何事かと歩み寄り、問いかけて。)
……ぁ………えっと……っ………
(追いかけたはいいものの何を言えばよいか全く分からず勢いで呼び止めてしまったため言葉にならず。顔は伏せたまま口を動かしちらっと相手の顔を見るとただただ不思議そうにこちらを見るだけでまたも申し訳ない気持ちになり。言わねばと思い切って顔を上げたが相手の顔を見つめたままやはり声は出ず顔学校直するばかりでなく瞳も潤んでしまい)
あーっと…お、お名前は?
(血相変えて教室から飛び出て来た時の表情は、今度は此方の様子を伺いつつ瞳を潤ませる表情へと変貌している。ベテランの教師ならこの子の言いたいことが分かるとでも言うのだろうか、初日からこの仕事の難しさの片鱗を見た気がする。とにかく流石に此方もたじろいでしまい、冷や汗をかきながら彼女を落ち着かせるために出てきた苦し紛れの言葉が名前を聞くだなんて、教師失格では無いだろうか)
………名前…?……あ、相野……小春……
(たじろいでいるこちらに気を遣ってくれたのであろうか、名前を聞かれ一瞬驚きもするが名前くらいなら今の自分でも十分答えられるだろうと心の中では思うが実際声に出してみると敬語もろくに使えずかたことな日本語に聞こえたのではないだろうか、不安になりまた下を向いてしまいスカートの裾をぎゅっと握りしめ)
相野さんね、了解。先生この学校のこと全然知らないからさ、また色々と教えてくれると嬉しいな。
(恐らく初対面の自分に対して緊張してしまっているのだろう、名前はきちんと聞き取れたためうんうんと頷きながら復唱して。今にも泣き出すのではと心配になる彼女をここのままにして会話を切ってしまい更に嫌われるのはごめんだと、自分のことを先生なんて呼び方しながら何とかして緊張をを解こうとし。)
……は、はい…わかりました。………これからよろしくお願いします、先生。
(自分の不甲斐なさに落ち込みながらも相手の優しい声と言葉にだんだんと安心し、やっと真っ直ぐ相手を見ることができ握り締めていた裾を離し。安心するとともに今までの慌てぶりを反省し落ち着きを取り戻すと普段の優等生の顔になり深々とお辞儀をし。)
うん、こちらこそよろしくね。いやーしかし改めて先生って言われるとやっぱ実感するねー。
(取り敢えず相手が落ち着いた様子を見せたことに安心し、つられるようにお辞儀して。先生なのだからそう呼ばれるのは当然であるが、初めてその言葉で呼ばれると実際生徒を持ったことをしみじみと感じ、照れ臭そうに頭を掻き。)
…ふふっ…先生は先生ですよ…?…大城先生。
(相手の照れくさそうな表情とセリフに右手を口元に置きながら小さく笑って。口角を上げながら首を傾け問いかけるように述べるともう一度しっかりと呼びなおすように名前を口にし。)
まぁそうだね、ありがとう。ところで俺に何か用があるんじゃなかったの?
(相手の笑顔が初めて垣間見えたことが自分にも安心感を与え。程良く緊張が解けたであろうところで当初の本題に戻り、自分を呼び止めた理由を問いかけて。)
あぁ、えっと……あの、さっきは……その……
(安らいだ空気は一瞬で相手の問いかけにおろおろと焦り始め緊張感がまた戻ってきて手には汗が滲み。つっかえながらもひたすら何か話そうと忙しなく口を動かすものの肝心の言葉が出ず。)
ん?俺なにかしたかな?
(さっきと言えども皆に挨拶をしたくらいでその他の心当たりは全くなく、首を傾げて考えて。このまま彼女の言葉が出てくるのを待っているのも逆にプレッシャーを与えてしまうだけにも思えてくるが、自分が何かしでかした可能性もあるため続きの言葉を待ち。)
……あ……いえ、別に大したことは………
(嘘をついているようには見えない相手の表情にやはり自分の勝手な勘違いであったのか、と安心する反面少し寂しさが募り徐々に声が小さくなって最後は消えるかのように小さな声になり。恥ずかしさからか、誤魔化すように眉を下げてふわりと笑ってみせ。)
そう?なら良いんだけど。また何かあったら声掛けてよ、それじゃあ一限目頑張って。
(これ以上詮索するのも相手を追い込むだけだと早々に切り上げ。時計を見ると、丁度1限目が始まろうとしている時間に差し掛かっており、ぽんと肩に手を置き笑顔で上記述べればその場を後にして。)
はい…!……わ…もうこんな時間…失礼します。
(あっさりとした反応に救われ少し安堵した表情を見せ。相手が立ち去るのを見ては背後から上記を述べまたもう一度深々とお辞儀をし、見送ると先ほど手を置かれた自身の肩を触り顔を赤らめるが時計を見て焦り自身もその場を後にし)
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