鴉烏 2015-07-21 21:37:55 ID:84cfec727 |
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プロローグ
春。出会いの春。
他の人間にとって、始まりであり終わりの春。
自分にとってな季節等何も関係ない。
暑いか寒いか、ただそれだけの違いだ。
周りの人間も、この世界でどんな事が起きようと、自分には関係ない。ただひたすら、何の問題も起こさず、親の言う通りに生きるだけだ。
「_助けて!」
そんな俺が、雨の様に桜の花びらが降り注ぐ道で一人の少女に出会った。
そう_これが全ての始まりだったのだ
「ー助けて!」
歩いて行った先で少女が数人の男か女か分からない人間に襲われていたら、普通の人間は驚くだろう。だが、俺は動じない。無駄な事はしない。どんな状況であろうと、何と言われようと、俺は動じない。ただただ、平凡に今を暮らす。これまでも、これからも。それが俺の人生であり、俺の役目だ。
「お願い!助けて!」
何と言われようと、俺はどうじない。少女とその周りの人間達を無視して、目的地に歩き続ける。
『たすけてあげてね』
刹那、ゾクッという悪寒とともに、頭に声が響く。そして、少女が襲われている様子に似た、記憶の中にあった映像が頭の中にうつしだされる。
「(思いだすなッ思い出すなッ思い出すなッ!!)」
その場に立ち止まり頭を抑え、必死にその映像と声をかきけそうとする。自分にとってこんな記憶は必要ないのだ。
『そらクンは優しいから…』
余分なものをかきけしたはずの頭に、とぎれとぎれの声が響く。その声に怯え、頭を抑えながら地面に膝をつく。
『また…僕みたいな人に頼られると思う…だから…その時は…』
「(やめろッ!もう…やめてくれ…)」
『たすけてあげてね』
「あ…ああ…」
力が抜け、地面に座りこむ。
「助けて!お願い!」
自分のすぐ隣で聞こえた声は、放心状態だった自分にとってはずいぶん遠くからの声に聞こえた。しかし、その声は、自分を現実に引き戻すのには充分だった。
「くっ…畜生…助ければ…」
地面に手をつき、フラフラしながら立ち上がりながらそう呟く。
「助ければいいんだろぉッ!!」
少女を襲っている人間に向かって全力の拳を繰り出す。こんな事をしたら、いけないと分かっていた。こんな事をしても敵わないと分かっていた。ただ、頭の中にこんな言葉を並べおわる前に、体が動いていた。
「チッ!」
「ぐほぉっ!」
繰り出した拳が届く前に相手の振り向きざまの拳をくらい、空気の塊をはきだして後ろに軽く吹っ飛ぶ。
「くっそおぉぉぉ!」
体制をたてなおし、拳を強く握る、が。
「えっ!?」
「何!?」
その瞬間、地震が起きる。ゆっくりだがかなり揺れは大きい。
「クッ!」
「危ねぇ!!」
「キャアアアアアアアア!」
少女の近くの桜の大木が倒れる。周囲の人間はその場から飛び退いたが、少女は尻餅をついていて、大木をよけれそうにないため、とっさに少女の上に覆い被さるように四つん這いになる。
「くそっ!」
大木が倒れてくる。全力で横に転がればかわせるだろうが、それでは少女が危ない。少女を抱えて大木をよけるほどの時間もないので、そのまま四つん這いで大木を受けることにする。
「がはっ!」
倒れてきた大木を予想以上に重く、意識が薄くなって行く_
一体俺は何をしていたのだろうか。今日は確か_4月7日くらいだった気がする。新しい学校に行こうとして、それで_
「っつうかここどこだよ!」
何か揺れている感覚がしたので目を開けた。そして全てを思いだし、今自分の置かれている状況を理解する。
「やっと起きた…」
ちょこんと座っている少女に話しかけられる。
しかし敵はよっぽど脱出されない自信があるのか、何の拘束も見張りも無しに俺達を放置している。そしてこの揺れから察するに、トラックの荷台あたりであろう。部屋の上には今にも落ちそうな裸電球がユラユラと揺れている。先程少女を襲っていた人間全員はこの車に乗れないだろうから、二人がこのトラックに乗り、残りは別の乗用車などに乗っているのであろう。つまり、このトラックにいるのは俺達と油断している敵二人ということになる。なんとか荷台さえ壊せれば逃げられるだろうが、まず無理だろう。この少女が役にたたないかな_なんて事を思いつつ、少女の方を見る、
続きはよ(バンバン
( ´ ▽ ` )ノ
面白いねww軽いノリで読んでたらのめり込んでたww
こんなに才能あるなら携帯小説サイトに投稿したらいいのに*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
少女はなにかわけありっぽいね…てか名前気になるwww
「そういや、捕まっちまったのに、なんでそんなに落ち着いてるんだ?」
「二人だから…怖くないの!」
「そうか。」
少女の様子を見るに怪我は無さそうだ。自分の背中の痛みが消えた訳ではないが。
「で、なんで襲われてたんだ?」
「…」
少女は問いかけに答えず、首を横にふった。
「う~む…」
考えていると、勢いよく壁が開けて光が入ってくる。
<ほのぼーんさん、コメントありがとうございます!少女の名前は、後々分かります!>
「抵抗せず外に出ろ!」
スーツ、それともまた違う何かの制服の様なものを着た女が叫ぶ。
「あーはいはい。出ます出ます。」
両手を上げ、降参のポーズをとる。
「うぅ…」
少女の方を見るが、目はうるんでいて、小さく震えている。
「大丈夫だ。一人じゃない。」
外の方を向いたまま、小さく少女にそう言う。
「…うん」
少女は震える手をつき立ち上がり、俺の後ろにくっつき、俺の手を握ってくる。
「早くしろ!」
少女の手を握ったまま、ゆっくりと外に出る。
「うわぁ…」
外の景色に言葉を失う。前にはいかにも未来らしい感じのする巨大なビルや建物が立ち並んでいた。
「ほう…君が例の特殊個体(スペシャル)か。そしてそっちのお前は…地震発生系能力(クエイクスキル)の持ち主、それもなかなか強い能力等級(スキルレベル)ときいていたが…本当か?」
「え…ええと…ええっ!?」
対応に困り冷や汗をかいていると、いきなり地面が揺れはじめる。先程ととても似ていて、ゆっくりだがとてもおおきかった。
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