一期一振 2015-07-17 23:48:17 |
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((また何かご希望があればお呼びつけください!
ではここらで背後はドロンしますね
…誰かいらっしゃるのですか?
(慣れない体を動かすのは酷なもの、ふらついた足元では歩くことすら困難で。ふと部屋の外の気配に気がついては助かったと安堵し、声をかけて。果たして気配の持ち主はどんな人物であろうか。己を呼んだ主か、それともまた別の人物か。少しの期待と不安を胸に襖が開かれるのを待って)
……。あ、あの、わたしが此処の本丸の主…審神者です。ど、どうかよろしくお願いいたします!
(戸一枚を隔てた先から穏やかな声音が聞こえ思わず肩を揺らしゆっくりと襖を開ければ相手の姿が見え、その美しさに話す事も忘れ息を飲み。暫しの後慌てて居住まいを直せば両手を体の前で揃えぺこりと頭を深く下げ吃りつつもやっとの事で自己紹介を終えて、相手の様子を伺うようにそろり顔を上げ)
主殿、ですか?私は一期一振、粟田口藤四郎吉光の手による唯一の太刀です
(開かれた襖から見えるのは自分より幾分か小さい主人の姿。ふわりと笑みを浮かべながら自身の紹介をし、ゆるりと一礼して。「藤四郎…私の弟たちはもう居ますか?」自分がここに呼ばれたということは兄弟たちも集まっている可能性があると考えては会わせていただけませんかと小首を傾げて)
存じております、吉光さんの鍛えた生涯最高の太刀…。ようこそお越しくださいました、歓迎いたします。
(相手の優雅な一挙一動をまじまじと感嘆したように見つめれば相手の笑顔につられるように微笑み、藤四郎達の事を聞かれれば相手以外の粟田口派の刀は既に揃っているのだと漏らし。ちらり薄暗くなった外を見て「もうすぐ夕餉ですから、広間に集まっているでしょう。貴方もどうぞ。此処の皆さんに紹介しなくてはなりませんし」と廊下を歩き出そうとすれば未だ人の身体に慣れていないだろう相手に手を貸すかどうか尋ね)
堅苦しいのはお止めくだされ、貴女は私の主様でしょう?
(神と呼ばれる存在とはいえ相手は己の主人で身分は上、敬語になる必要はないと諭して。弟が揃っていると知れば表情をぱぁっと綻ばせ「そうなのですか…いつも騒がしいでしょうが可愛い弟たちです、どうかこれからもよろしくお願い致しますね。あの…私に縁のある方…とか、いらっしゃるのでしょうか?」兄であるプライドがあるのか慣れつつある故に大丈夫である旨を伝え、ふと頭を過ぎった不安を口にして)
ですが何となく緊張してしまって…わかりました、貴方がそう言うなら善処します、
(片言と言葉を選ぶようにゆっくりと話せば癖なのか外す気がないのか敬語はそのままで、弟をよろしく頼むという相手らしい言葉にはしっかりと何度も頷き肯定を示し、縁のある人、という問いには「えっと…皇室御物の方なら平野くんを始め皆さんお揃いです。三日月さんは…未だ来てないですが」と説明すれば眉を下げ頬をかき、)
緊張などせずとも大丈夫ですよ、兄だと思ってくだされ
(簡単な動きには慣れてきたのかスッと相手に手を伸ばし、頭に手を乗せてはそっと撫でて。相手が肯定の意を示してくれたことに笑みを浮かべて一礼することで感謝を述べ、縁の人物について聞けば「三日月…殿…。ご存知でしょうが私は焼身となりました。一部の記憶が抜け落ちたためにどう接していいのかが分からなくて…」名を聞いても思い出せない人物がいるのか軽く頭を押さえて)
あ、兄…わたし、ずっと兄が欲しかったんです。それでは、色々と御迷惑をおかけするかもしれませんが…頼りにしていますね
(兄だと言われ頭を撫でられればだらしなく口元をゆるめるも段々と頬を紅潮させきょろきょろと視線を泳がせ。気を紛らわせるように弟達も相手が来たと分かれば喜ぶだろうと付け加えて。相手の過去を思い返せば広間へと向かっていた足を止め「そうでした…ごめんなさい。三日月さんは一期さんの前の主の…奥様の刀だったと聞いています」と申し訳なさそうにし俯いしまい)
世話焼きな性分故、迷惑だなんて思いません。貴女の力になれるよう精一杯の努力をいたしますので
(自分に妹がいたならきっとこんな感じであっただろうかと頬を赤く染める相手を愛おしげに見つめて。くすりと笑みを零せばそれは楽しみですなと心の内を正直に述べ。最後に見た炎の記憶だけは忘れていないのにと昇進に浸っていた所、足を止める相手に気が付いて「あ、主殿…謝らないでください。秀吉とねね殿は覚えているのです。ただ…三日月殿だけが思い出せなくて」相手にそのような表情をさせてしまった自分に不甲斐なさを感じて)
ふふ、さすが粟田口派の長兄…頼もしいですね。それじゃあわたしも貴方に見合った主になれるよう精進しないと、
(相手の優しい穏やかな目線に気づけば頬の熱は冷めることがなく、恥ずかしさを滲ませて呟けばぐっと両の拳を握りきゅっと唇を噛み締めて。鯰尾や骨喰同様記憶がないのは辛い事だろうと考えればどうにかして励まそうとその場でうんうん唸り考え。ぱっと顔を上げると「思い出せないのは辛いかもしれませんが…此処で、皆と新たに楽しい思い出をたくさん作って頂ければ、と思います」と泣きそうな笑顔を浮かべ)
主殿は謙遜し過ぎですぞ、此処に来たばかりの私の方が精進しなければならないというのに
(相手が恥ずかしがっているのは一目見れば分かってしまうが少しからかってみたくなって熱でもあるのですか、と首を傾げては額を合わせようと顔を近づけて。記憶のあるものにとって忘れられるというのがいかに悲しいことであるか、しかし相手の言葉は尤もで「…そうですな、過去にも色々ありましたが…大切なのは今、ですよね」と片膝をついては相手の手を取って)
うぐ、じゃあわたしは、あなた方に変に堅苦しくしちゃわないように精進します…
(収まる事を知らない顔の熱を冷まそうと手扇でぱたぱたと頬のあたりを仰げば近づいてくる相手の端正な顔に耐えきれなくなったのか相手の頬を両手で包むようにすればすこし距離をとり。唇を噛み締めて「貴方方からすれば一瞬の時間かもしれませんが、折角人の体を得た事ですし、どうか楽しんでください。」とにっこり微笑めばかなり様になっている相手の行動にぼぼぼ、と耳まで赤くして)
ふふ、それが賢明ですな。もっとも、それは精進せずとも大丈夫な気がしますが
(からかいが過ぎたのか、距離を取られてしまえばすみませんとくすり笑みを零しながら近づけた顔をゆっくりと離していって。唇を噛み締める相手を見ては切れてしまいますと頬を撫でることで咎め「一時で済ませるわけにはいきませんな。私が楽しむからには貴女も一緒でなければなりません」相手の手を握ったままそっと立ち上がれば弟たちが待っていますと広間へ案内してもらうよう促して)
うーん、皆さん見た目が大人なので…のどうしても短刀君達と同じようには接せなくて…
(それに皆かっこいいし、と聞こえないくらいの音量で付け足せば頬に感じた手袋の感触にびくりと肩を揺らし。「それは…へへ。そうですね、一緒に。…まずはご飯です、今日はわたしもお手伝いしたんですよ!」と握られた手をきゅっと握り返せば頬を緩ませ相手の手を引くように前を走り、広間へと繋がる障子を開けて)
これでも私は年下の方ですよ?
(平安から今の時代までで考えればちょうど中間あたりの年齢、それでも相手より数段年上であることには変わりなくて。「主殿はえらいですな。夕餉の手伝いをするとは」と感心したように述べ、広間の障子が開かれれば緊張感からきりりと表情と気を引き締めて)
それでも何百年と生きているのですから、わたしからすれば一期さんもおじいちゃんですよ?
(今までのお返しと少しからかうように言ってみせれば手を繋いだまま多くの刀剣が集合していた広間に入りいつもの場所に来、その隣の座布団へと誘導するように相手の手を引いて。先程とはうって変わってしっかりした口調で相手の事を紹介すれば号令をかけて座り、食事に口をつけ始め。そういえば食べる事は初めてだったと隣にいる相手の様子を伺うようにちらりと顔を横に向け)
な…!?それは…否めませんな
(ぐっと言葉を詰まらせ、人間からすれば十分に年寄りなのだろうと納得しては眉を下げて笑み。広間に入る際ぺこりと一礼し、誘導されるままに座布団に正座すれば初めて見る”料理”というものにほぅ、と感嘆を漏らし。周りに集まってきた弟たちに箸の使い方を教わりながら初めて食べ物を口にし、味覚の中の”美味しい”を理解すれば「主殿、人の身体というものは…いいですな」と相手の視線に気が付けば幸せそうな笑みを向けて)
よかった、そう言って頂けると嬉しいです!
(弟達と再会し、囲まれてわいわいと賑やかな様子を見れば微笑ましそうに口角を上げ、ひとつひとつの料理名を指差して説明し。幸せそうな笑みを向けられればほんのり頬を染めて「へへ。お箸、上手ですね」と安心したように息をつき。はっと思い出したように顔を上げれば「まだやる事が残ってるのでわたしはこれで。今日は弟達とゆっくりしてくださいね。…そうだ、明日は近侍をお願いしてもいいですか?」と立ち上がりながら問いかけ)
主殿には感謝申し上げる。えっ…もう近侍を?
(鍛刀されたばかりなのに近侍を任される、嬉しく思う前に驚いてしまって。弟たちからはいち兄すごーい、などと歓声が上がるが自分には早すぎるのではと考え込むような仕草を見せて。暫く考えた後「私でよければ、是非」とこくりと頷けば近侍を承諾して。一通り食事が済めばぱちんと手を合わせ、周りを見渡せば食事を済ませて退屈したであろう弟たちが騒ぎ始めていて。他の刀剣に迷惑がかからないように部屋で遊んであげるからと事態を収拾して)
来たばかりですみませんが、色々知ってもらうのにその方が早いかな…と思って
(部隊とのコミュニケーションの取り方、此処の本丸の一日の動き等を知るには近侍として近くに居てもらった方がいいのだと考えればそう付け加え、よろしくお願いしますと改まって頭を下げて。それまで近侍をしてもらっていた長谷部にもその旨を伝えれば相手の方に向き直り、「お部屋は粟田口派の皆と一緒ですから、今夜は久しぶりに兄弟水入らずでどうぞごゆっくり」とにこり笑い兄を慕って集まってくる弟達の頭をふわりと撫で、食器を片付けるため厨房へと向かい)
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