名無しさん 2015-07-03 15:45:19 |
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【プロローグ】
『…ひっく。…うー……グスッ』
『…あれ?君どうしたの?お母さんやお父さんは??』
『…いないよー……何処にもいない……』
『んー…迷子になっちゃったのかな?じゃあ、お母さんお父さんが迎えに来るまでお話を1つしてあげよう』
『おはなし?』
『そう。これは僕が気に入ってる物語の内の1だよ。むかーしむかし……』
二人の双子の兄妹がおりました。
兄は気が弱く、何をされても仕返しも何かを言うことを出来ませんでした。
妹の方は頭が良く、自分の芯と言うものを持っている心優しく強い娘でした。
そんな二人は今年で15歳。高校生になります。そんな何処にでもいる普通の兄妹には1つの秘密がありました。
ーーそれは『力』を持っていることです。
え?誰にでも力はあるって?……違いますよ。二人の力は世界をも揺るがす事が出来る強大なる『力』ーー所謂サイキックに似たようなものです。
しかし、その力は兄にしか受け継がれませんでした。幼い頃、兄は期待を一身に受け大切に大切に育てられましたが、一方、妹の方は全く能力が受け継がれ無かった為『失敗作』や『一族の汚点』と罵られて育てられませんでした。そんな彼女の唯一の安らげる場所は兄と二人っきりの時だけです。兄は妹を守る為にいつも努力を惜しまず妹の悪口を言う輩を無くす為に一番上の人物になろうと幼いながらも考えていたのです。しかし、そんな二人に悪夢の日が訪れました。兄はその時に妹の記憶と両親を失いました。それからと言うもの兄は『力』を使わなくなりました。何故なら彼は後悔をしているからです。自分のせいで両親と妹の記憶を失ったのですから。一方妹の方は両親は自分達が生まれて直ぐに死んだと聞かされ育ちました。周囲の人間も二人を哀れに思い真実を伝えませんでしたが二人を敬遠する様になりました。そして兄は気が弱い少年に、その兄を見て育った妹は心を強く持ち兄を守る事を決めました。
これはそんな二人の普通が普通じゃ無くなったお話ーー
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