母と娘の魔女修行

ぐ、グリフィン....こ、これ？これにハーピーの羽をこうして...エコーの涙？...これか...よしっ！我、魔を集め法に基づき道具を精錬する者なり！
(レシピに書かれている材料を何とか集め、大きく息を吸ってはっきりとした発音で呪文を述べ)

上出来！！
(ボンっと煙が出るものの、煙が晴れれば弓矢というよりボーガンとガントレットが合体したような魔法道具が精錬されていて)

はぁ...はぁ...
(特に何か運動をしていたわけではないが、気が張って呼吸も浅くなっていたのか息切れのような状態になり)

魔法耐性の手袋の上にエアーシューターをつけてと・・・
(相手が息切れするのを見て相手の利き腕に魔法道具をつけさせると「疾れ」で羽根から弓へ変わり、「放て」で風の矢を撃って、「戻れ」で羽根の姿に戻ると操作方法を教えて上げて)

これ、ハーピーの羽が一つしかないし、一発勝負って事だよね？
(呼吸を整えて装備してもらった魔法道具を見つめ、構えてみて「うーん、練習が必要かな？」考えてみたらこのような飛び道具は使ったことがなく訓練が必要なのではと思い)

一発勝負じゃないわよ？飛ばすのは貴女の風属性の魔力を弓矢にして飛ばせるわ、今の貴女の魔力量だと連射するなら五本までね、五本撃つと3分間は撃てないと思ったほつが良いわよ？
(相手にエアーシューターの機能について説明すると「あと、貫通力と威力を五本分を一つにまとめて放つことも出来るからね」と伝えて)

やっぱり魔力をいかに上手く使うかが鍵になるのか...
（一見役に立ちそうなこの武器も魔力がないとろくに扱えないことを知り、あまり考えなしに使うことは出来ないとため息をついて「あ、お母さん。今回のこととは関係ないんだけどちょっと質問いいかな？」こんな時にとは思ったがどうしても聞きたくて質問し）

ん？なぁに？
(相手に質問があると言われて首を傾げて)

ローレンと契約して私はローレンの魔法を使えるようになったわけだけど、10年しか契約できないんだよね？だったら10年経ったら私はローレンの魔法を使えなくなっちゃうの？
（10年経ったら彼女との縁が切れてしまうのでもし使えなくなるのならあまり頼りきる事は出来ないと思い）

いいえ、契約した魔女と魔物の信頼関係が最高になると、一つだけ形見として魔物の魔法が使えるわ・・・火蜥蜴の髪、真っ赤に燃え盛る火焔の髪なり
(十年前契約したサラマンダーと撮った写真を相手に見せるとサラマンダーの炎魔法の一つ、「ファイアーヘアー」という魔法が今でも使えるのだと実際に発動して説明して)

本当！？じゃあ頑張ってローレンと仲良くなるね！
(契約が切れたらそれですべてが終わると思っていて、それはとても寂しいことだと思ったので母の言葉を聞いて飛び上がって喜んで)

ハイドとの関係も最高なんだからきっとしのんなら大丈夫よ？
(先ほどまでゴドムと遊んでいたハイドだが、遊び疲れてしのんの元へやってくると「疲れたから一緒に寝るにゃ、明日は我輩も一緒に戦うから精進するようににゃ？」と相手の膝の上でで寝てしまい「そろそろ私たちも寝よっか？」と寝室に向かって)

はーい
(母の言葉に返事をするとハイドを抱き上げて母について寝室へ向かい)

「しのんちゃんはとっても可愛らしい」
「いや、スカーレットはとても美人だ」
(寝室ではゴドムとローレンが寝転がりながら契約者自慢をして談笑してると「あんたたちもそろそろ寝なさい」といって全員にスリープをかければ横になって眠りはじめて)

......ん、うーん
(一度目が覚めたが体を起こす気にはなれずしばらく布団の中でごろごろしていると再び眠くなりうつらうつらし始めて)

ほら、しのん、起きなさい
(そして翌朝、朝食を用意して相手を起こすと魔物たちはもう食べたわよと伝えて)

はっ！うーん…おはよう
（二度寝をしたからか体がダルく、一つ大きな欠伸をしてから身支度をし食卓へと急ぎ）

学校終わったらすぐにゴドムと魔法戦するからね？
(相手の前へ朝食を出すと今日の日程を説明して)

う、うん...
（決して忘れていたわけではなかったし、嫌なわけでもなかったのだがやはり実践は避けられないのかと憂鬱な気持ちになって食事のスピードがゆっくりとなり）

早く食べないと遅刻するわよ？
(時計を指差しながらゆっくり食べる相手を急かして)