母と娘の魔女修行

さぁ、元気出して買い物行こう？
(車から降りれば相手と手を繋ぎホームセンターの中に入って「今日、買う物は竹ボウキ、和紙、分厚いノートがいるわ」と買い物リストを読みあげて)

ホウキ！空飛べるの？やったあ！
(ホウキという言葉に母のお話の後半部分は全く頭に入らず、ただただ空が飛べると喜び、母の手を離れて飛び跳ね)

あとはマッチと園芸肥料と・・・って、お店の中ではしゃがないの！！
(買い物リストに書いてある物を買い物籠に入れながら相手に注意して「そんなに嬉しいなら先に竹ボウキ選んできなさいよ、出来るだけ真っ直ぐの奴が良いわよ？」と相手にアドバイスすれば竹ボウキのコーナーを指差して)

はーい！
(走りながら売り場に行って、商品を見て回るもどれも同じに見えてしまい、母を呼ぼうとしたが自分のホウキなのだからと思い直して、母に言われたようにまっすぐなホウキを選んで「お母さん、これはどうかな？」と商品を持っていき、別の商品を見ていた母に見せて)

(/大変申し訳ないのですが、今日はこれで失礼します。またよろしくお願いします)

ふむふむ・・・・うん、これなら大丈夫よ！！
(相手が持ってきた竹ボウキを片手で振り回したりすれば、満足そうな顔で相手に微笑んで「しおんは箒を見る目があるね！！えらいえらい！！」と相手の頭を撫でて褒めてあげれば、そのままレジで買い物を済まして)
(/楽しかったです、また明日、よろしくお願いします)

え、本当に！？
（まさか褒められるとは思っていなかったので顔がほころんで、「これでかっこよく空飛べるようになるのかな～」と夜の空を飛び回っている自分の姿をうっとり想像しながらレジで会計をしている母親について行って）

そうね、箒の飛行訓練は移動にも便利だし魔力のコントロールにも最適だし、一番初めに覚えよっか？
(会計を済ませて車に荷物を乗せれば、次はペットショップに向かって車を走らせて)

嘘！本当に！やったあ
（母の提案に飛び上がって喜ぶものの急に不安げな表情を浮かべ「ねえお母さん、私って...魔力あるの？」血が繋がっていない事が途端に気になりだして憂鬱な気分で車に乗り込んで）

魔女の血族以外の人間にも魔力は備わってるんだけど、私たちと比べるとかなり少ないのよね、だけど、安心して、その為にもペットショップに来たんだからさ
(心配する相手を見て真面目な顔で答えるとペットショップに着いてしまえば「今日はあなたの使い魔を買うわよ！！」と車から降りて相手にピースして)

使い魔？私トイプードルがいい！
（自分の魔力が母とは違い少ないという言葉にやはりショックだったが、使い魔という言葉が出てきて意味は分からなかったがペットショップに行けるということでどうしても諦めきれずに）

う〜ん、犬はちょっとね、使い魔に最適なのはネズミ、猫、梟なんだけど梟は売ってないわね
(その他に使い魔に最適であるこうもりやカエルなどがいるが、あまり女の子向けではないので言うのはやめといて「出来るだけ長生きするように子猫の方が良いかもね」と相手に説明して)

その中なら猫がいい！ネズミなんて絶対嫌！
（ネズミのイメージは最悪だったがハムスターならと思い立ち、しかし長生きする方がいいとの事なのでやはり猫がいいという結論に至り）

ふふふ、それじゃあ好きな猫選んでおいで？
(相手が猫を選んでる間に自分はキャットフードなどを買いに行くと言って)

待って、お母さん！種類はどんなのがいいの？オスの方がいいの？それともメスの方がいい？
（使い魔の重要さなどはまだ理解できなかったが選ぶ上で失敗は出来ないことだけは分かったので先輩でもあり師匠にもなる母の意見を聞こうと思い呼び止め）

そうね、あなたと共に生きてくれると自ら歩み寄ってくれる子かしらね？ガラス越しじゃなくて猫と触れ合えるコーナーとかで探すと良いかもね
(相手に少しだけ助言すれば、相手に手を振って買い物に行ってしまって)

あっ！うーん、困ったな
（仕方なく売り場に行って、触れ合いコーナーの子猫を眺めているとゲージの奥の方にいた子猫が自分を見るなり近づいてきて、「みゃお」と鳴きその場に座って自分を見つめてきたので「待ってて！ちょっとだけ待ってて！」と猫に言って大声で母を呼んで）

ん？もう決まったの？どんな子？
(相手に大声で呼ばれればどんな猫かと不思議そうに首を傾げて相手の元へやってきて)

この子！この座ってる子なんだけど、どうかなあ？
（こっちだと手招きして母を呼び、指をさして先程の猫のことを伝えて）

可愛いにゃんこだね、さてさて魔力はどうかな？
(相手が指差す猫を抱きかかえるとお店の人に見つからないように辺りを見回してから何やら懐から体温計のような物を取り出して猫に咥えさせれば「魔力８６！？猫にしてはかなり高い魔力よ？この子に決める？」と相手に聞いて)

いいの！？本当に？
（母の反応を見て自分の見立ては間違っていなかったと自信を持ち母に抱きつきながら）