3年間付き合っていた恋人に別れを告げられたあの日、相手の前では平然を装っていた訳だけど、本心は他のヤツのもとに行くなって、引き止めたくて、縋りたくて、仕方なかった。
その夜、残酷に突きつけられた現実から逃げるように、とあるバーに駆け込んだ。
むせ返るような煙の匂いと、男女の絡みと、酒と。とにかく無我夢中だった。アイツの匂いを消し去りたくて、必死だった。
そして、いつしか意識が遠のいて、気がつけば天井を仰いでいたワケで。
見慣れない景色。
静かな空間。
ベッドの上。
ふと、顔を右横に向けるとそこには、見知らぬ男の寝顔。
止まる思考。
昨晩、一体何があったのか、全く思い出せない。
「………ゆ、夢、だよな?」
>>1ストーリー
>>2PF