フェリシアーノ・ヴァルガス 2015-06-20 16:58:50 |
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……かくご
(なんだか魔物に捧げる生け贄みたいだね、と思って苦笑いしかけ、そっか魔物って俺の事かとまた泣きそうな顔をして)
俺は、ダニエルに我慢とか、何かに耐えるような思いは、させたくないよ…
あ、あれ!?
(相手の様子が変わったのを見て何か口を滑らせてしまったかと焦り)
お、お前にもいっぱい我慢させたからな!うん...
俺の我慢なんて…
(自分の我慢は、相手がいたからどうってことなくて、でも相手の我慢は自分に癒せるか不安で)
とにかく俺、もうダニエルに触るの、怖いよ……
(本当はいくらでも触り足りないし、何度でも触ってほしい、しかし、やはりどう考えても相手の迷惑にしかならなくて)
そんな....
(何やら拒絶された気がして目を見開いて泣きそうになって、元はと言えば自分のせいでこんな事になったのに勝手なものだとは思ったが、その後相手の頬に触れようと手を伸ばして)
(俯いたままの視界の隅に何かが見えて、びくりと肩を震わせてぎゅっと目を閉じて)
……っ
(一瞬、相手の手をはたき落としそうになったが、それだけはぐっとこらえて)
(体を震わせ目を閉じた相手を見て血の気が引いていって)
........いたっ!
(胸の辺りに痛みが走りうずくまった後)
ご、ごめん...ちょっと...休む
(冷や汗を流しながら立ち上がり寝室へ向かい)
ヴェっ!?
(立ち上がって歩き始めてしまった相手にはっと顔をあげ)
ねえ、どうしたの…!?
(立ち上がってあとを追いかけて)
はあ...はあ...
(胸の辺りを押さえながら一歩一歩寝室へと向かい、いつもより遠く感じたその場所にようやくたどり着き、布団に潜り込んで痛みが増した胸を押さえ丸くなると手や体がどんどん縮んでいって)
ねえ、ダニエルっ、大丈夫…、!?
(相手のあとに続いて部屋に入り、相手が潜り込んだ布団にすがり付くように駆け寄ると、相手の異変に気付いて目を見張り)
ダニ、エル……?
はあ...はあ...
(痛みも収まってようやく目を開けると自分の目の前にあった手を見て)
元に...戻ったんだな。はははっ!良かったな、フェリシアーノ!
(自分を心配して来てくれた相手に向かって言い放ち)
は、良かった…、て、なにが
(相手の変化とその言動に頭がついていかず、逆に恐怖さえ覚えて数歩後退りして)
だって、流石にこの子供の体相手にお前がさっきまで言ってた『気持ち』とやらは抱かないだろう?
(体中の汗を手で拭いながら優しく微笑んで相手を見て)
もう悩まなくていいんだ
う、ん…、そうだね……
(それは自信がないなと青い顔をしながら目をそらし、それと同時に、今までの自分の悩みはひょっとして、相手に違う意味で圧力を与えていたのではないかと思い、急に申し訳なくなって)
ごめん、ね……
じゃあ抱っこしてくれ。リビングまで連れていってくれ
(まだ歩ける自信がなくて、それと何となく抱っこしてほしくなったので)
別に謝る事はないぞ...ん、顔色が悪いぞ?
(さあ早くといった感じで腕を差し出していたが、相手の顔色の変化に気付き心配そうな表情を浮かべ)
(まだ混乱した気持ちではあったが、一度長く息を吐いて、乱暴に目元の涙を擦り)
もー、ダニエル甘えん坊さんだねぇー
(仕方ないなぁと笑いながらそっと相手を抱き抱えて)
(そのまま相手の首に腕を回して)
やっと触れられた...ってさっきも抱き締めてたな、そういえば
(してやったり、といった表情を浮かべ)
ヴェ、はいはい
子供はノーカンだよー
(妙に自慢気な表情をする相手をさらりとかわし、リビングに向かって歩き始め)
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