フェリシアーノ・ヴァルガス 2015-06-20 16:58:50 |
通報 |
“それ以上の事”…、しちゃいけないの?
俺はいつでもしたいのに……
“それ以上の事”、ダニエルはやっぱり、嫌、だった……?
(相手の言い分を聞いてはみたが、やはり納得がいかなくて、やはり相手は、あの一回の“それ以上の事”が嫌だったのか、と悲しそうに俯いて)
違う!その、もっと大切にしていきたいっていうか...遊びや冗談の延長でしたくないんだ
(自分の言葉が足りないせいで相手が落ち込んでいるのでおろおろしながら相手に説明し)
最初は遊びや冗談かもしれないけど…!
それでも俺、ダニエルとの事、大切にしてるつもりなんだけどね
(できる限り相手の意思を確認し、意見を聞き入れ、我慢もして…、それでも信じてもらえないのだろうねと自嘲的に笑って見せるが、頭のどこかで、それは相手が誠実に自分を愛してくれるのを良いことに、自分の欲にまみれた愛を押し付けているだけなのだと理解していて)
わ、分かる!それはよく分かるんだ!ちゃんとオレを気遣ってくれてたの...知ってる。たださっきのようなことは....
(心の中で何度も何度も相手に謝りながらも自分の意志を話さないとと少し声が大きくなって)
(大きくなってきた声と圧力に、耐えきれなくなったのと相手の言葉をこれ以上聞くのが辛くなって、勢いをつけて立ち上がり)
ごめん、ちょっと一人にして
(相手から逃げることになるということも理解していたが、自分の気持ちを落ち着けたいとも思い、一言だけ残して歩き出そうとして)
あ...
(相手が立ち去ろうとしたので反射的に手を伸ばし、じゅうぶん届く距離であったが何故か相手の腕を掴むことが出来ず引っ込めてしまい、ただ今にも泣きそうな顔をしながら見送ることしか出来ず)
はあ...
(一度大きく息を吐き、自分の考えは古いのだろうか自分なりに相手を大切に思ってきたつもりだったが、本当に大事に思っていたならもっと相手の意見や考え方を尊重すべきではなかったかと自問自答を繰り返し)
これでは何も変わってない...
(自分の理想や考えが一番で、それ何よりも相手の為になると信じて疑わず相手に押し付けていたところが昔からあったと今思い出し)
オレ、本当にアイツの側にいていいのかな...
(最後嗚咽が混じるようになりそのままうずくまり)
(ふらふらと歩いて迷い込んだのは家の裏手の森で、時折木の根に躓きながら進んでいたが、ついにぺたりと膝をついてしまって)
俺、俺………、死んだら良いのに
(相手からの言葉掛けはあくまで優しいが、全て完全にこちらの我が儘であり、相手は悪くない、寧ろ相手にこちらの欲を押し付けていて、これでは相手の心と身体を使って自慰をしていると思われてもおかしくなくて、嫌われるのは本当に恐ろしいことだが、それでもこの欲をどうしたら良いのかわからず)
俺、やっぱりダニエルのそばにいちゃいけないんだ……
(ひとしきり泣いた後相手の事が心配になって探しに行くことにし)
まさか...外に出たのか?
(泣いて腫れた目を見られるのは多少恥ずかしいものがあったがそんな事も言ってられないと外に出て、出たのはいいがどこにいるのか全く見当もつかず、街へ出るのも良かったが、相手を捜しながらとなると此方が迷うことも考えられたので、聞こえる範囲にいてくれたらという願いながら近所迷惑の事も考えず)
フェリシアーノ!どこだー!
(大声で叫んで)
(どこか遠くから名前を呼ぶ相手の声が聞こえるも、今は立ち上がる気力も声を返す体力もなく、それどころか相手に会える精神状態でもなく)
ほんとーにわがままだなぁ…
(このままでは相手が探しに来てしまう、また大切な人に心配をかけてしまった、本当に自分はどうしようもない人間で)
……あ、そっか
(自分は人間ではなく一つの国で、だから自殺、例えばこの森をもう少しいったところにある崖から飛び降りたりしたら、罪もない自分の国民たちを見殺しにすることで、祖国祖国と慕ってくれた可愛い子供たちに対する最大の裏切りで、もちろんそんなことをする事はできず、そもそも国が恋をして自殺まで考えるほど乱心してよいはずがなくて)
(何度か大声で相手の名を呼んだが全く反応がなく、叫び疲れて黙り込んでしまい、外に出る際の相手の状態を考えればそんな遠くへは行っていないはずだと辺りを見回して)
あそこは...
(少しかすれ気味の声でつぶやいたその先には森があって、そこに相手がいるかどうかも分からないのに探しに行くのもどうかと思ったが、しばらく探していなかったら諦めればよいと開き直りそちらに向かって歩き出し)
(巨木の根本でいつの間にか横になり、目を閉じていて、このまま全ての感情をなくせたら良い等と考えるも、耳に聞こえるのは大好きな相手の声で)
ダニエル……
(1000年想い続けた相手の事を、忘れたくないと思い目を閉じたまま涙がこぼれて)
(少し声を出しすぎたとのどを押さえながら、相手を探し回るが全く見つからず、いないのかと諦めかけたとき目の前に大きな木があるのを見つけもしやと思いそちらの方へ歩いていき)
(目標に向かって歩いていると顔は隠れていたがすぐに相手だと分かり慌てて駆け出して)
フェリシ...ゴホッ!....見つけた
(かすれて少し聞き取りにくい声で、相手にちゃんと伝わったかどうかは分からなかったがそう言って)
ごめ...ちょっと...声が....ちゃんと...聞こえてるか?
ダニエル……!
(掠れて噎せる相手の声を聞いて、はっと起き上がって、相手の姿を見ると何かを思い出したかのように顔を背け)
よかった、さあ帰ろう
(無事に相手を見つけ無事な顔を見ることが出来た事で安堵し、顔を背けられたこともきにならずに相手に向かって手をさしのべて)
(相手がなかなか手を伸してくれないのとその後の相手の言葉に首を傾げながら)
.....何?
(声の調節が難しかったので少々キツい感じに聞こえてしまったかと少し眉をひそめ)
トピック検索 |