フェリシアーノ・ヴァルガス 2015-06-20 16:58:50 |
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…やっぱり、
(想像と全く同じ答えだ、と寂しそうに微笑んで)
それじゃあ、そうやって過ごそうよ、うん、俺もそういうのしたかった!
(だから夜は夜の時間で、この昼間の時間を二人で語らい休む時間にしたかったのだという種明かしはしないでおくことにして)
うん…
(ああ、相手は嘘を吐いている、悲しいかなそれが分かってしまい申し訳無さそうに目を閉じると、部屋の扉がノックされ、自分を呼んでいる声がして)
ごめん、ちょっと行ってくるよ?
(相手と繋いでいた手を離し、ベッドから離れ相手の頭を軽く撫でた後扉に向かい)
うん…、すぐ戻って?
(相手を見送り目を閉じて、ずっと願っていたことが叶わないのは確かに残念だが、相手と一緒にいられるなら大丈夫だと言い聞かせ)
期待しすぎ、だって、言ったじゃん…
(迎えに来たのはカタリーナで、自分をローザの部屋へ通すとそのまま退室し)
あの…
(これを、と渡されたのは四角い小さな袋で首を傾げていると避妊具ですと教えられ使い方も丁寧に教えてくれて)
あの、これ…いらない
(相手に返そうとすると眉をひそめられ)
ごめん、そういうの、今回無さそう…
(そう言うと堰を切ったように涙がぽろぽろ流れ、相手の性欲の強さがツラいこと、期待に応えられない自分が、ツラいと思ってしまう自分が何よりも情けないと泣きながらローザに訴え)
…おそいな
(時計を確認していたわけではないからどれ程時間がたったのかわからないが、そう呟くと本当に長い時間がたったように感じて、ベッドに横たわったまま唇を噛み)
ダニエルは悪くない、悪いのは、俺…
(これも呟くとネガティブな感情は更にエスカレートして)
昔は…こんな事なかったのに…
(そこでローザが再び眉をひそめたのを見て、涙を拭き自分の正体を、流石に過去の自分の所業までは話さなかったが、自分も国の化身であったこと訳あって消えてしまっていたが数百年の時を経て再び戻れ、相手と再び過ごせるようになったこと、それは何より嬉しかったけれど会えなかった時間は余りに長くよくすれ違ってしまうこと、話しているうちに再び涙があふれてきて)
というわけだったんだ…
悪いのは、俺、
(悪いのは俺悪いのは俺悪いのは俺悪いのは俺悪いのは俺悪いのは俺悪いのは俺悪いのは俺)
こんな身体、いらない…
(相手を困らせるだけの厄介なものなど、無くなってしまえばいい、無くすべきだ、そう考えてふらりと起き上がって)
(顔を覆って泣いていると、そうだったのですかと一言、その後一呼吸置いて、そのすれ違いはきっと必要なものです、どうか存分に向き合って、ぶつかってください)
…うん
(そして返そうとしていたそれを相手に返し、これは持っていてください、パートナーを大事にする男の必需品ですと言われそれもまた頷き)
(男であっても女になっても、相手を悩ませるならばそれは罪で、罪に与えなければいけないのは罰で、そう考えて部屋を見渡したとき、目についたのは相手の机で、立ち上がって引き出しをいくつか開け、見つけたペーパーナイフで左の手首を傷つけ)
(これから大切な人の元に戻るのでしょう、泣いてはダメです、男が泣けば女は不安がります、これからはなるべく泣かないように、と涙を拭いてくれて)
じゃあ、帰る…
(相手に礼を言い部屋を出て)
(手首に走った痛みと赤い筋で我に帰り、慌ててペーパーナイフをもとの場所に隠し)
やっちゃった…
(自傷衝動も最近は押さえられていたと思ったが油断していたと、手首を押さえながらベッドに戻り、傷は幸いながら薄皮がきれた程度で派手な出血もない事を確認してため息をついて)
(部屋の前まで来ると、自室として使っているこの部屋も今いるのは相手一人なので一応ノックをし)
フェリシアーノ、入るぞ?
(相手の反応を確認しようと様子をうかがい)
(相手を誤魔化しきらなければと考えていると、間もなくノックの音と相手の声が聞こえ、扉を振り返って)
うん、おかえり…
(小さく微笑みを見せて)
遅かったね…
(切ったことは絶対隠さなければと左腕を何となく死角に置いて)
あれ、ダニエル、大丈夫…?
(相手の顔を見ると心なしか目元が赤くなっているように見えて声をかけ)
…そっか、
(横になる相手を見て、自分も隣に、先ほどと同じようにベッドに寝転び)
用事、なんだったの?
(相手と二人でいることが久し振りすぎてかえって新鮮で相手の目が閉じられたのを確認しこちらもゆっくり目を閉じて相手と共にいる時間を全身で感じ)
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