フェリシアーノ・ヴァルガス 2015-06-20 16:58:50 |
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あ、そうそう、このぬいぐるみね…
(ソファーに座ってぬいぐるみを手にして、優しい目でそれを見つめてから、相手を見上げて)
俺からダニエルへのプレゼント
(ぬいぐるみを差し出して微笑み)
(何やら険しい表情で手に取ったぬいぐるみを見ていたがやがてぬいぐるみの額にキスをして)
ありがとう、大切にする
(笑顔でそう言った後再びテーブルに置いて)
何でもない、早くクッキーを食べたい
(このぬいぐるみを見たときに自分が思ったこと、沸き上がってきた感情を早く忘れたくて相手に早く食べようと促し)
えっ…、うん……
(性急な相手の様子に、更に不安そうな表情で「どうぞ?」と言ってから)
ねえ、ダニエル、何かあった?
俺、なにか間違えた?
(やはり気になると、相手に向き合って)
(クッキーを一つ摘んで口に入れた後に相手からそう問われ、しばらく相手をじっと見た後)
何もないし、お前は何も間違えてないよ...
(頭を撫でながら笑顔で)
ヴェ、うん…、ありがと
(自分にとっては突然話を振られて、少々戸惑いながら上の空でお礼を言い、「いただきます」とそれを一つ摘まんで)
(様子のおかしい相手を見て)
ある所に、男がいたんだ...
(上手く説明できるか分からなかったが、唐突に語り出し)
その男には何年も何年も好きだった人がいたが一度離れ離になってしまった。しかしどういう偶然か長い年月を経て二人は再開した。男が好きな相手はすっかり成長していたが、男と同じ気持ちで男と共にいてくれた。男はとても幸せだった、これ以上の幸せを望むのは罪なのではないかというぐらいに...
(一端話をやめて、紅茶を飲んで)
(手に感触がありそちらに目をやると相手の手が重ねられていて、それに気付きふっと笑ったあと)
ある日二人は買い物に行った。そこで男はショーウィンドウに飾られた...人形を見付けた。その瞬間男の思考は過去へと飛んだ。『小さくて可愛らしいところがあの子にそっくり』『あの子にあげたらきっと喜ぶ』その時目の前にやってきたのは成長した相手の姿だった。男は以前に相手に「今の君が好き」と言っていたのに一時でも過去の相手に思いを馳せてしまったことを心から恥じ、申し訳なさでいっぱいになった
(いきなりこんな話をして相手は困っていないだろうかと頭によぎったが、そこから相手を気遣う余裕まではなく)
……
(相手の話は耳を通して頭と胸に響くようで、そこから生まれた思いはもやもやと、頭を混乱させるには充分で)
(相手の反応を見ながらやはり難しい話をし過ぎたかもしれないと思い趣向を変えて)
ここからは少し質問なんだが、答えはないから気楽に考えてほしいし、別に考えなくてもいいんだが...男にとって相手との過去の思い出は、相手を傷つけたり泣かせたりばかりで本当はこんなことをしたくなかったのにうまく伝わらない、そんな歯痒くてもどかしくて、またそれとは別件で私生活も結構ツラくて、今の方が明らかに幸せな日々を送っているにも関わらず、その過去を懐かしんだり過去に戻ってしまうのはどうしてだと思う?
(少し熱っぽく語りすぎたと何となく気まずくなって顔を背けて紅茶を飲み)
(それまでとは違い、はっきりと意思をもって首を横に振り)
忘れないよ…
(その顔は、僅に眉を潜めて何が我慢するような、厳しい表情で)
何だか恥ずかしいなあ...
(クッキーを口に入れまた困ったよう笑って)
ん、どうした?
(相手が険しい表情でいるので疑問に思って)
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