フェリシアーノ・ヴァルガス 2015-06-20 16:58:50 |
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うん……、ありがと
(本当は、本よりも俺を見て、などと言いたかったが、さすがにそれは相手に悪い気がして、ここまで来てもらっただけでも嬉しいと思うことにして、控え目ながら礼を言って)
ん……
(頭を撫でられて目を閉じ、そのままふと思い立って布団の端から片手を出して)
ね…、手、握っててほしいな……?
(手を握ってくれたのが嬉しくて幸せな気持ちになるが、直後に聞こえた呟きに目を開き)
はいっ、握手ー!
ありがと、ダニエル
(頭に浮かんだのは“束縛”という言葉で、それは自分の中ではよくない位置にあり、まさに自分が束縛する側になりつつあるのだと急に自覚して、自分で“握っていて”と言ったのに、自分から手を離して反対側へ寝返りをうち)
ちょっと寝るね、お休みー
え?あ、ああおやすみ...
(相手の行動を不審に思ったが相手が寝てしまったため真意を聞くことも出来ず結局また本を読むことにし)
(寝返りをうち、布団を深く被った状態でぎゅっと目を瞑ったはいいが、すぐには寝付いてはおらず、恐ろしくも思える自分の考えと意思と欲に震えていて。彼の第二の人生を、自分などが独占していて良いのかと考えるうちに、ゆっくりと眠りに落ち)
(本を読みながらもちらちら相手の様子を見て寝苦しくはないのだろうかとも思ったが、安易に触れて起こすのも申し訳ないので敢えてこのままにして)
んっ……
(鼻にかかった寝息を漏らしながらもそもそと正面の位置に戻ってきて、やはり暑かったのかぱさりと無意識のうちに勢いよく上半身の布団を剥いで、はだけた汗ばむ胸元を露出させ、半開きの唇から熱のこもった吐息をこぼして)
(本を読んでいるとバサバサ聞こえてきたのでびっくりして)
......少し無防備過ぎるだろう
(何故か顔を赤くしながら胸元の汗を拭き取ってやり布団を整えて)
ん?どんな夢見てるんだ...
(突然謝られ何事だと思ったら寝言で、相手の夢の中でも自分は相手に怒ったり苛めたりしているのではとも思ったが、相手の様子を見る限り魘されてはいないようなので判断することが出来ずに困惑し)
(暫くしてゆっくりと目を開け、首を動かして相手を見つけて、やはり大切な人を見るのは嬉しいもので、緩く微笑んで「おはよう」とかすれた声で挨拶し)
(相手の挨拶が聞こえてくるので振り向くと)
おはよう、調子はどうだ?
(相手の笑顔に釣られこちらも笑顔になって)
(具合を聞かれて少し考えてから)
もう大丈夫だよ…、ダニエルのお陰だね、ありがと
(よいしょ、と自力で起き上がろうとして)
……、ありがと
(差し出された腕に一瞬戸惑うが、何よりも純粋に相手が自分を気遣ってくれる事が嬉しくて、ありがたくその腕に助けられることにして)
......?
(何故か一瞬躊躇されたような気がしたが気のせいだと思うことにして)
何か食べるか?あと歩けるようなら今じゃなくてもいいからシャワーを浴びてこい。汗だくで顔も...涙でぐしょぐしょだ
(すごい顔と言わんばかりに笑いながら)
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