フェリシアーノ・ヴァルガス 2015-06-20 16:58:50 |
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え…、ダニエル……
(いつも強くて滅多なことでは驚かないイメージがあった相手が泣き出してしまったのを見て、茫然と目を見開いて)
ちがうよ、リンゴ好きだよ、ただ、やっぱり、一人で食べるの…しんどくて、
(相手の涙に動揺して、掠れた声だが夢中で食べなかった理由を言って)
……泣かないで、お願いダニエル…、泣かないで…
(熱で震える手を相手の頬に伸ばして涙を拭いて)
(しばらく泣いていたが、自分の頬に自分の手ではない何かが触れたことに気が付いて目を開けると相手の震える手が自分に頬に添えられていることに気が付いて)
も、もう泣いてない!
(しばらく呆けていたが我に返り恥ずかしくなって涙を拭いて)
食べられないんだったら、それをこっちに...
(相手の膝の上の物を取ろうとし)
(結局、どうして相手が泣き始めたのか、肝心な部分は頭もボーッとしていてよくわからなかったが、取り敢えず泣き止んでくれたことに安堵して、微かに笑みを見せ)
うん、お願い……
(皿を渡して、やはり起きているのが辛かったのか相手の肩にもたれ掛かって脱力し)
はい.....
(食べさせたのはいいがこの角度からの相手を見て全体的に紅潮した相手の顔や気だるげな眼差しに今更ながらドキドキしてきて、顔を背けて必死に相手が病人であると言い聞かせ)
ん……っ
(口のなかに入れられた冷たくて甘いものを、ゆっくりと飲み込んで、と同時にじわりとあたたかい気持ちが胸の辺りに広がるのを感じて自然と微笑み)
ダニエル…、ありがとう
(あれも嬉しいこれも嬉しいと伝えたかったが今の体力では叶わず、きゅっと相手の胸の辺りの服を掴んで相手を見上げて微笑みながら礼を言うことで伝えたくて)
そ、そうか...役に立てたみたいでよかった
(相手の顔を直視できずに)
ま、まだ食べられそうか?もう無理なら薬を飲んで早く寝ろ...あ、しまった
(水分が必要だと思いジュースは持ってきたが、薬に必要な水を持ってくるのを忘れたことに気付いたがとりあえず相手の意向を聞いてからにして)
んー、リンゴはもう、いいや…
ねえ、それより……
(顔を背ける相手を不審がって、ゆっくりと腕を伸ばして後頭部に置くと、力は入らないが重力を借りてこちらを向かせて視線を合わせて)
さっきから、どうして、こっち見てくれないの…?
(熱の影響で売るんだ瞳を不満げに歪めて見上げて)
い、意味はない...もういいならちょっと待ってろ
(相手の手を無理やりどかせて)
水を持ってくるからおとなしくしておけ。あとは...氷もだな
(ついでにリンゴの皿を持って部屋を出ようとして)
むー……
(ベッドから立ち上がって皿を持ちこちらに背を向けた相手に、不満から不安へと感情が移り変わり、思わず「まって」と弱々しく声をかけ)
(返ってきた優しい声と瞳に、泣きたいような気持ちになって顔を歪めながら)
一人はイヤ、置いていかないで…
(どうしてこんなに胸の辺りが重いのか、珍しく素直になって言葉にしたら少しだけ軽くなったが、今度は別の意味で泣きたくなって、これは既視感、昔見た風景だと気づくのにそれほど時間はかからず)
……だって、そう言って、ダニエル戻ってこなかった…
(歩き出した相手に届くことのない声量しか出せず、涙をこぼしながら俯いて)
(相手の声は届かなかったのか結局このまま部屋を出てしまい、キッチンに行って水をくんで少し足早に戻って)
フェリシアーノ、薬の時間だ
(ドアを開けて部屋に入って)
(相手が部屋に戻ると、涙に濡れた顔をあげて安心したような表情を見せるも、相手の口から出た“薬”と言うワードを聞いて恐怖に顔を歪めて)
俺…、薬、いらない……
(とても良い笑顔で近付いてくる相手にもなにか怖いものを感じて、こちらも笑みを引きつらせながらなるべく距離をとろうと動くも、身体に力が入らず)
お、俺苦いの嫌だよぉ…
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