フェリシアーノ・ヴァルガス 2015-06-20 16:58:50 |
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いや、何でもない。引きとめて悪かった
(相手が何処かへ行こうとしているときに服を掴んでしまい申し訳なく思い服をはなして)
(椅子を片付け相手について行って、寝室までは入らずに部屋の前で座って待っていて、何故だか相手から離れることが出来なくて)
何してるの?
(よそ行き用に着替えて、寝室からでると相手が床に座り込んでいるのに出くわして、一応足を込止めてやり)
俺、外でかけてくるから
帰りは遅くなるかもだけど
あ、あの...オレのこと嫌いになったか?嫌になったか?
(このままよりもいっそ言ってくれた方がいいと勇気を出して聞いてみて、相手の答えによっては死の宣告に等しいものになるのだが覚悟を決めて)
さあ?
嫌い、にはなってないんじゃない?
(嫌いになったわけではなくではなく今までのものが積み重なってもやもやして、曖昧な内容でありながら目をそらしてはっきりと言って)
そうか...いってらっしゃい、気を付けて
(相手の発言の意図はよく分からなかったが、相手が出掛けている間に自分なりに何とか考えてみようと思い、手を振って相手を見送って)
(うなだれている相手を、今までで一番冷たい目で見つめて)
じゃ、ちょっとベッラたちと遊んでくるねー
子供がいるってわかると面倒だから、連れては帰らないけど
(今までにないくらい冷たく笑って、見送ってくれる相手の前を通りすぎて)
ああ、いってらっしゃい...好きに遊んでくるといい
(聞こえてはいないだろうが誰に言っているわけでもなく呟き、しばらくリビングのソファに座ってぼんやりし)
(まだ、相手を傷つけた自覚はなく、むしろスッキリしたような顔で街へと歩みを進め)
……さすがにベッラと遊びはしないけどね
(勢いに任せてでた言葉に苦笑してから)
(ジェラートを買って食べ歩きながら街を歩き、道行く人に挨拶し女の子を見つけると声をかけ、「祖国さまに」とすすめられるものを受け取ることもあったりと、国民の顔を見るように歩き、以前二人で訪れたあの工房にたどり着く頃にはジェラートもとっくに食べ終わり、片手には手土産を多く貰いすぎて困惑する自分を見かねた雑貨屋の店主に貰った手土産を一纏めにした大袋を提げていて)
(そんなに遠くへは行けないので自然と足は裏の森へ向かい、前回は早足だったが今回はゆっくりと景色を楽しむように歩き)
(前回と同様、突然の来訪にも快く迎え入れてくれた工房の主と少し立ち話をして、前回買えなかったカップを買うことも考えたが、あえてそれはせず、今度はまた連れと来るという旨を店主に告げて店をあとにし)
(歩きながら相手の態度が変わった理由を考えていたがやはりこれと言った理由は浮かばずただ自分の言動が相手を不愉快にさせたことだけは分かったのでそれは改めて謝ろうと思い)
やっぱり...変な事を考えるものじゃないな
(相手に女の話題を振ったのはひょっとしたらそれで自分にヤキモチを妬かせようと思ったのだが、一緒に探しに行こうとまで言われ何とも言えない気分はなり...)
やはり嫉妬は、するのもさせるのも罪深い事だったんだな
(自分の信じる宗教は色欲も嫉妬も罪深いものとされているので)
さて、食材買いますかー
(元より食材を買い出しに来たかっただけで、こうして街の人たちとのふれあいは国象として本能的に心を穏やかにさせてくれるが、同時に彼らのことを忘れて同性との恋愛にうつつを抜かし色欲に取り憑かれた自分の罪深さと浅ましさを思い知ることになり)
はやく、帰りたいな
(街行く人、可愛い女の子に挨拶して声をかける笑顔の裏では、こんなことを呟くことも少なくなく)
(相手を怒らせてしまったどうしようとその事ばかり考えているうちに相手が以前横たわっていた巨木にたどり着いて、休憩も兼ねてその根本に横たわり目を閉じ)
(買い物中も手土産が増えつつ、やっと必要なものを揃えるとかなりの量になり、両手に大量の荷物を抱えて帰路につこうとして、もう一度街を振り返り)
ごめんね、みんな
(こぼれた呟きは変わらない人々の喧騒にかき消えて、そっときびすを返し歩き始め)
(少し休憩するだけのつもりが眠り込んでしまったらしく目を覚ましたものの、まだ少し寝ぼけた頭でそろそろ帰った方がいいだろうとも思ったが、仮に先に相手が帰っていたとしても自分のことなど待っていないだろうし自分を見て嫌な顔をされるのも嫌だしそれだったらいっそのこと好きな時間に帰ってやろうと再び目を閉じ)
(家にたどり着くと玄関の鍵をはじめ几帳面にもすべての窓の鍵はかかっていて深いため息をつき)
ヴェ……、んーと……
(インターホンを押してみても反応がないところを見ると相手も外出しているようで、取り敢えず玄関先の日陰になりそうな場所に荷物を下ろしてまたため息をつき)
この辺に……
(庭の植木の影を手近に放置されていたスコップで掘り返し、もしもの時のために隠しておいた予備の鍵を取り出して玄関の鍵を開け)
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