フェリシアーノ・ヴァルガス 2015-06-20 16:58:50 |
通報 |
(適当に言ってみた言葉に合わせてくれた相手に驚きつつ、それを顔に出さないようにそっと微笑んで)
ご主人さまの寛大なお心に感謝いたします
(相手を心優しい王子さまのようだと言っていたが、このような暴君も似合うのだと密かに心の中で頷いて)
それはもういい、菓子はまだか?オレを殺す気か?空腹で死にそうだ
(実際そんなに空腹ではなかったがこのタイプの人間ならこれぐらいの理不尽なことは言うだろうと思い)
申し訳ありません、すぐに用意して参ります…!
(慌てたように立ち上がり、一礼して急いでキッチンへ戻り)
……ふふ、なんだこれ
(丁度焼き上がったアッペルクーヘンを切り分け、皿にのせて粉砂糖をふりかけながら小声で呟き)
....何か恥ずかしいな
(相手が何も言わずにノッてくれているのが余計に恥ずかしく)
あんまり長く引きずってもな...もうやめるか
(ここがやめどきかなと苦笑し)
お待たせいたしました
(トレイに皿をのせてリビングに入り)
どうぞ、お召し上がりください
(相手の目の前に皿を差し出して、相手の様子を伺って)
も、もういい!もういいから!
(相手の様子を見てもう少し遊んでいたかったがキリがないのでもうやめるように言い)
い、いただきます
(相手から皿を受け取って食べようとし)
ヴェー、もうおわり?
せっかくダニエル似合ってたのにー
(相手の言葉を受けて、表情も雰囲気も一気に崩れていつも通りの気の抜けた顔になり)
どうぞ、どうかなどうかな??
(相手の隣に座って)
え、うん...うん...
(相手の言葉に顔を真っ赤にしながら頷き大きい方の自分だったらもう少し迫力が出ていただろうかと思い、機会があったらやってみようと考え)
ん...美味しい
(もう少し見ていたかったのにと残念そうな表情を見せ)
ヴェ、ほんと!?
よかったぁ!
(謎のごっこ遊びをしていたため、テーブルの上にある皿は相手に出したものだけで、自分の分は用意してなくて、相手の皿を興味津々に覗きこんで)
ん、お前も食べるか?
(しばらく頬張っていたが相手が自分の皿を見ていたが自分の食べかけでよければと相手に差し出して)
ヴェっ
(相手の提案に内心驚いて)
んー、じゃあ、…あーんして?
(先程気を遣いすぎと自覚したこともあり、まだ少し怖くはあるが、少しは甘えてみようと思って)
それはオレがお前に食べさせるってことか?
(それならばとクーヘンをフォークに乗せて)
ん...これでいいか?
(相手に食べさせようとしながら同じフォークを使ってもよかったのだろうかと今更疑問がわいてきて)
ほら...美味いだろ?
(相手に食べさせてやり、自分が作ったわけではないのに自慢げに言って)
あのさ、ちょっといいか?
さっきオレに気を遣ってるって言ってたけど、何でそんなことをする必要があったんだ?
(自分は性格上の関係で別にその様な間柄でなくても気を遣ってしまいそうだったが、相手がそういうことをするのはあまりイメージ出来ず)
んー……
(相手からの質問について、目を伏せて少し考えて意見をまとめ)
あのね、俺、ダニエルがおっきかった頃、今思うと、ダニエルに頼ったり甘えたりしすぎてたんだ……
(相手が大人の姿だった頃、過剰なハグやキスは当たり前で)
…えっちしたいって言って、俺の我が儘、叶えてもらっちゃったし…
(また相手に怒られるかもしれないと、自然と視線は下がるも語り続け)
でも、ダニエルが元の姿に戻って…、あれは、やり過ぎてたんだ、って、気付いて……
ダニエルがちっちゃくなったとき、接し方が分からないって言ったと思うけど、本当にその通りで
とりあえず、おっきいダニエルにしてたように、キスやハグはしちゃいけないなって
(本来彼は子供で、自分は甘える側ではなく甘やかす側でいなくてはならなくて)
そう思ったら、心配させたくない、難しいことを考えさせたくない、大切にしたい、だって俺は大人なんだから、って思っちゃって…、で、結局ダニエルに怒られちゃった
(静かな声で語り終え、視線は依然あげることができず、膝の上で握り締めた手は過去を悔いるようにわずかに震えていて)
ごめん、ね…
オレは...小さくなる直前、お前に触れるのが怖いって言われたとき、拒絶されたような気がしたんだ。それがショックで、この体はお前を苦しめるだけなんだ、だったらいっそのこと子供に戻ってしまえば…ってそう思ってたから子供に戻れたときは本当に嬉しかった、お前を解放してやれるって...現にお前は嘘のように明るくなって触れてくれるようになったから、嬉しかった。でも....それはオレへの気遣いからだったんだな、ごめん
(相手が触れてくれるようになったのは本当に嬉しくてだからこの体で生きていく覚悟も出来ていたのだが、実際は自分への気遣いからで、気遣わせていたこともそうだが、それに気付いてやることも出来なかった事に申し訳ない気持ちでいっぱいになって、相手に向かって深々と頭を下げて)
トピック検索 |