カク 2015-06-17 01:25:49 |
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なんじゃ、折角ちゃんと治療を済ませてきたんならわしの家でなら飲み会をやらんでもないと思っとったんじゃが。( 部屋の外に出ればまともに歩けるであろう相手気遣いぱっ、と手を離し、不満げな相手振り返れば悪戯っぽくも口角上げ、相手の肩に手を伸ばすと僅かに血が滲む箇所ゆっくりと撫で、「店じゃと何かあった時対処に困るが、わしの家なら無茶しようとも傷が開こうとも対処が利くしのう?」と先程まで落ち込んでいた相手気遣ってか、或いは軽傷だからと手当蔑ろにしようとしていた相手乗せるためか、はたまた自分がそうしたいからか自分でも分からず、それでも相手の様子伺うように見て、 )
…は?(相手からの提案は予想だにせぬものであり目を丸くして間抜けな顔を晒しては手が離されたにも関わらず暫し固まってしまい。危うく口から葉巻を落としそうになったことで漸く我に返れば指先で葉巻を支え、「おまっ、そういうことは早く言えよな。」と相手の思惑通りとでも言うべきか漸く治療へのやる気を見せればにやりと上がる口角抑えることもせぬままに立ち上がり、「うし、んじゃとっとと救護室でも何でも行ってやるよ。ま、包帯巻いて終わりだろ、こんなもん。」と、未だ楽観視はしているものの、単純なもので今度は自分から救護室の方向へと歩き出し)
さあ、どうじゃろうなあ。あんまり傷が酷いようなら縫うのもあり得るしの。( まんまと引っ掛かった相手の単純さに忍び笑い浮かべるもそういう所も面白く可愛らしいと思う自分がいること自覚しては末期だなぁと自分の中で自嘲し、自分も相手の後ろにつきながら歩いては元気の出た相手の姿に安心しながら返答返し。「少なくとも肩の傷と拳じゃから、仕事に少しは差し支えるんじゃないか?」と先程アイスバーグに相手が入った発言引っ掛かったようでじ、と手の傷口見やり、 )
あ?、あー…、大丈夫だろ。荷物は反対の肩で担ぎゃ問題ねぇし、手もほれ、大したことねぇって。(聞いてたのか、と改めて実感しつつ、まだじんわりと痛みの残る手をお望みならばと相手の目の前でひらひらと振ってみせればにっ、と口角上げ。「しっかり働かねぇと借金の取り立てうっせぇしな。」なんてさも自分らしい理由を付け加えるも、本心では金儲けではなくアイスバーグや相手を始めとする仲間への義理堅さで言っていることは一目瞭然で。そうするうちに救護室へと到着すれば今度はノックすることもなくガラリと扉開け「おい、ちと手当て頼みてぇんだが。」と中に人が居るかも確認せぬまま先に用件を告げ)
そうかい、まあ止めはせんよ。お前さんがやりたいようにやるべきだと思うしの。( 口調の端から溢れる意味は普段の相手の仕事態度からも出ている為に深く注意することもなく軽く帽子下げて目元隠すも口許には小さく笑み浮かべて。堂々としてるとも図々しいとも言える様子で救護室に入る相手に続くものの人は出払っているのか誰もおらず、どうしたもんかと救護室の扉閉めながら「どうしたもんか、人を待つべきなんじゃろうか。」と困ったように呟き、 )
あ?一人もいねぇってどういうことだよ?サボってんのか?(漸くやる気になって手当てを受けに来たというのにこれでは拍子抜けだとばかりに文句垂れては近くの椅子にどか、と腰掛けて。「待つか出直しか…あとはセルフ、ってか?追いかけようにも何処にいるか見当もつかねぇしな。」と面倒くさそうに相手の呟きに返答するも、己の中で出直しなんて面倒な選択肢は始めから消しており、おもむろにぐるりと室内見回しては目に付いた棚へと歩き出して中をがさがさと漁り始め)
探すのは構わんが、後でちゃんと戻しとくんじゃぞ。( 自分としても出直すのは遠慮願いたいものだが遠慮なく棚がさがさと探し出す相手に苦笑浮かべては、必要なものは包帯とガーゼと消毒液ぐらいじゃろうか、と内心で自問自答すると相手が探している棚の方へ自分も向かい、相手の横に立つと必要なものひょいひょい、と手に取っていき、「しょうがないからわしらでなんとかするしかないのう。」と平然と処置道具手にして、 )
…お前、必要なもん分かってんだったら最初から出してくれよ。(小さな怪我ならしょっちゅう負うもののわざわざ手当てを受けるなど殆ど無かった経験のため、必要なものは包帯程度しか思い浮かばず。そんな己を尻目に手際よく処置道具手にしてしまう相手にジト目向けてはこんなことなら最初から任せりゃよかった、とただ散らかしただけの己に溜息つきたくなり。再び先程座った椅子に腰掛けては、「自慢じゃねぇが手当てなんぞ受けたこともしてやったことも殆どねぇぞ?」と先に宣言してしまい)
寧ろ何故お前さんは知らんのか…まあ大方、さっきの口ぶりじゃといつも放置しておるようじゃがな。( 相手が散らかした道具も結局自分が元の配置に戻してやってははふ、と呆れた様子で溜息零し、一応は怪我を負いやすい職業であるのだからと思うのだが相手の性格上それも無駄だと納得してしまうと諸々の道具持って相手の側に行き、椅子の側の机にそれらを置くと、「仕方ないからわしがしてるわい、ほれ、とっとと傷口を見せてみろ。」と自分も椅子に腰掛け、 )
…あぁ、頼む。(片付けは疎か手当てまで相手に任せることになれば頼り過ぎかと少々申し訳なくなるもこればかりは仕方ないと、珍しく素直に相手に手当て強請っては相手を前に横向きに座り直し、上着をずらして拳より重症と思われる肩口を相手の前に晒しては大人しくじっとしており)
よし、いい子じゃ。( 素直になった相手自分も珍しく思ってしまうとからかってはいけないと分かりつつも揶揄い混じりに笑いながら上記告げ、最初に応急処置で巻いていた自分のタオルも解いてやる弾道掠めた患部現れ、血だらけのその箇所消毒液染み込ませたガーゼで拭ってやると真新しいガーゼを患部につけ、綺麗に包帯巻いていき。最中は真剣そうに黙っては相手の傷口に視線注ぎつつ手当てこなしていけば患部付近は包帯巻きつけた状態になり、小さく一息ついて、 )よし、次は拳じゃな。
てめ、子ども扱いしてんじゃ…ーッ、(いい子との言葉が気に食わなかったのかジロリと軽く睨み効かせるも消毒液のせいで滲みた患部に痛みが走れば思わず顔歪め。結局そのまま再び大人しくなれば黙って痛みに耐え相手の手元を見ていれば包帯巻き付けられていくさまが見え。器用なもんだな、と感心覚えるうちに手当ては終わり、相手の言葉に半ば反射的に反応すれば「お、おう。」と拳差し出して)
今のお前さんの姿は間違いなくやんちゃ坊主じゃしなあ。( ムキになって返してくる相手にくつくつと喉奥鳴らし笑いながら、差し出された手もなんだかんだ血が滲んでいるのを見て、先程と同じように消毒液で全体を拭っていくと、傷口覆うように指一本一本に巻くようにして包帯を巻いていき、最終的に綺麗に手全体に巻かれた包帯に処置もすっかり終わるとふぅ、と息吐き出し、「そら、終わったぞ。ちゃんと大人しくしとくようにな。」と忠告するように告げると相手の手やんわりと撫でて、 )
おう。さんきゅ。…お前、案外器用だったんだな。(順に包帯巻かれあれよあれよという間に綺麗に傷口隠されてしまう様をただ静かに眺めていれば、手当てしてくれたことに素直に礼述べつつ、感心するように、それでいて撫でられる感覚の心地好さ故動かすこともなく、ただその手をじっと見つめて賞賛の言葉を呟き)
悪い。背後の都合でちょい遅れちまった…(頭がしがし)
船大工に器用不器用もないわい。あ、パウリーは別なのかもしれんが。( 普段手当等したことないであろう相手から見たらすごいことらしく、思わず苦笑しつつも揶揄い付け加えると包帯巻かれた手を軽く握ってから複雑そうに目を細め、すぐ手を離し、「自分の身体なんじゃから大事にしろ。」と簡潔に述べては相手の髪ぽん、と軽く撫でて、 )
大丈夫じゃ、…というはいいものの、「寂しかった」とでも言えば何かしてくれるのかのう?( にやにや、 )
ん、あぁ…。(ほんの一瞬相手の顔に落ちた陰を見落とさず、此方も瞳細めて真意を読もうとするもそこまではやはり無理な話で。離された手に残る温もりを惜しむようにもう片方の手で一撫でしつつ、髪撫でながらの言葉にこくりと頷いてはそのままその場で立ち上がり。相手に陰を感じるのは今だけに限ったことではなく、「お前時々…」そこまで言って口を噤んでは、「…やっぱいい。それよか酒、飲んでもいいよな?」と結局はいつもの調子で口角上げることで誤魔化してしまい)
あー…、俺が独断で決めちまうのもどうかと思うしよ、何か一個お前の言うこと聞いてやろうか?…っつっても金はねぇけどな?(空っぽの財布ひらひら)
…どうしたんじゃ、急に。( いつもハキハキと物事をいう相手にしては煮え切らない言葉に驚いた様子で相手の方見つつも隠し事がないわけではなく、自分は座ったまま相手見上げながらも途中で会話遮られて仕舞えば自分も追求しようとはせず立ち上がり、「仕方ないが約束じゃしのう。よし、そうと決まれば行くとするか。」と笑って見せればすんなりと歩き始め、 )
言う事、か…そう言われると別段ないのが残念じゃわい。ま、金をせびるつもりは最初からないんじゃが。…そうじゃのう、じゃあ足伸ばしてみてもらえんか?( ふと思いついたように、 )
おう。…あ、俺今金ねぇから給料日まで借りな?(特に追求されることもなく歩き始めた相手の背を見ながらどうにか誤魔化せたかと内心安堵しつつ己も笑い返して歩き出し。隣を歩きながら最早お決まりでもあるが己の財布は空、それどころか借金取りにまで追われる日々に金など持ち合わせがある筈もなく、あまり悪びれる様子もないままに相手に借りると勝手に宣言して)
足?ん、こうか?つかこんなんでいいのかよ?(訝しげにしつつ言われた通りにし)
最初っから期待しとらんわ。( いつもいつも借金取りに追われてばかりの相手が給料日前に金を所持している訳もなく、酒を呑みにいこうと言っていた段階からそう言われる事は目に見えていた為に呆れた様子で肩竦ませ返事を返し。救護室を出てそのまま外に出れば終業時間だからか人も帰る人間ばかりで、職人仲間横目に自分達も帰路につこうと、 )
ああ、それでいい。…んー、やっぱり固いのう。( 相手の脚にごろん、と寝そべり、 )
居なくなってしまったかのぅ…。ま、これだけ空いてしまったらそういうことなのかもしれんが、どうにもわしは諦めが悪いようでな。上げさせてもらうぞ、パウリー。
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