君に溺れる〔bl/先生募集中〕

大丈夫。そんな心配しなくてもひとりで帰れますって
(相手の表情を見て心配性だな、なんて思いながらも「ありがとうございました」と一言お礼を述べ)

(/おやすみなさいです！)

そっか。じゃ、気ィつけて帰れよ。
(自分もベッドから立ち上がれば笑んで言い、)

はい。
(相手に向けてにこっと微笑むと保健室をあとにし、どこか楽し気に歩いて)

……は…っ疲れた……っ。
(相手が去った足音を聞けば、どさりとベッドに座り込みそのまま倒れ込んで呟き、本当はだいぶ気を張っていたらしく荒い息つき、)

(相手がどんな状態なのかなどとつゆ知らず、もちろん教室へもどるつもりはなく樹機嫌で他の先生にみつからないように廊下をぶらぶらして)

しっかりしろよ……っもう……っ。
(他の生徒が入ってきたらどうするんだと思い、小刻みに震え始めた指先を押さえ込んで自分を叱咤し、)

(丁度空き教室の前を通りかかり、誰もいないことを確認するとがらがらとたてつけの悪いドアを開けて少し埃っぽい教室へと足を踏み入れ)

……っ。
(相手とのやりとりでほんの少し思い出しただけのトラウマが、じわじわと侵蝕してきてぎゅっと目瞑り、)

(軽く埃を払って適当に一番前の椅子に座ると、ぐっと伸びをして意味もなく宙を眺め。)

も…っいいかげんにしろよ……っ情けねえ……っ。
(蘇った記憶に涙すら滲んできた目元を手で覆い、唇を噛み、)

(少しの間そうしていると、廊下のほうから数人の男子生徒の笑い声が聞こえ。この時間に廊下にいるのはサボりだけだと考え、少しだけ警戒して)

何年引きずってんだよ……っ馬鹿じゃねえの…っ！
(絞り出すように叫べばボスッと布団殴りつけ、)

っ！？…せん、ぱい
(姿を現したのは。数か月前自分を襲いかけた先輩のグループで。自分と目が合うとにやにやと笑いながら教室へはいってきて

……っ。
(寝返りをうてば滲んできた涙をシーツで押さえつけ、布団に残った相手の匂いにふと相手を思い出し、)

(あの日のことを思い出すと震えが止まらなくなり、動けないでいるとすぐにまわりを囲まれてしまい

………。
(ほぼ無意識に起き上がり、ふらつきながら保健室を出て扉を閉める事すら忘れ廊下を歩き、思考は霞がかっているのになぜだか無性に相手に会いたくて、)

い、やだっ…離せっ！(その中のリーダー格の男に腕をつかまれ、必死で抵抗するが明らかな力の差には逆らえず

おう…さか……？
(他の音は気にならないのに相手の声だけ微かに聞こえて、足はふらりとそちらに向かい、)

やだっやだ…っ
(抵抗もむなしく制服は乱され、胸元はほぼ全開になってしまい。いくら抵抗しても無駄だと分かると涙があふれそうになってしまって

逢坂……逢坂、何してんの…？
(相手の声を頼りに廊下歩き、相手のいる教室を見つければ教室の出入り口に手かけ、まるで相手以外は見えていないかのように尋ね、)