主 2015-06-12 20:27:54 |
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だから買うんだ。
(懐から取り出した金貨袋を、取りやすい位置に投げ置く。しっかりと100枚入っているようだ。少女の肩に手を添えれば、暫しの沈黙の後に口を開く)
名前は?
……確かに…ほらよ
(投げ置かれた金貨の袋を手に取り数えるとしっかり枚数分入ってるのを確認すると少女の鎖を外して差し出し)
……名前…無いの…
(相手に名前は?と聞かれるとしばらく黙り込んだあとに名前が無いことを相手に告げて)
ふむ、では「リーリャ」と呼ぶ。
不満ならば言え、新しいのを考えるから。
(相手の少女には「白百合」の名に相当しそうな特徴は見られない(強いて言えば可憐さか)。あまり深く考えた名では無いのだろうが、女性らしい名前を考えていた。)
俺に買われて構わんか。この先は好きにしていい。
親元に行くも、俺についてくるも、また売りに出されるも……な。
リー…リャ…?……不満じゃない…
(自分の名前をボソッと呟くと上記を述べて小さく首を横に振りながら話して)
親…居ない…売られるの…イヤ…
(自分は物心ついたときには誰も居なく、相手に売りに出されると聞けば悲しそうな顔をしながら上記を述べて後ろをてくてくと歩いていて)
行く当てはなし、か。決まりだな。
売りゃあしない。金には困っとらん。
(懐に吊るされた大量の金貨袋を見せつけながら、歩幅を狭めて相手を自身へ追い付かせる。)
取り敢えずは服でも買うか。
そうだ。お前が嫌になるまで、ついてくるがいいさ。
……ふむ、このあたりかな。
(手近な服屋を見つければ、外から店内の様子を眺める。商品の質を確かめているのだ。)
服は自分で選べよ。女の趣味は分からん。
こいつか。分かった。
店主、勘定だ。
(品物の品質を確かめながら眺めれば、問題なしと判断して差し出す。……暫くの値切り交渉の後、元値の八割ほどで購入。)
そっちで着替えてこい。終わったら飯を食いに行くぞ。
服のセンスには自身がないが……無駄金にはならずに済んだ、というところか。
大事に着ろよ。
(しばし腕組みした後、やや愛想のない遠回しな賛辞を送る。)
……どこか、行きたいところはあるか。飯の後にだが。
うん、ありがとう…
(相手から服を買ってもらうと服を大事そうにして嬉しそうに話ながら歩いて)
……行きたいところ?
(相手に行きたいところと言われるも今まで見たこともない景色ばかりがありすぎて迷ってしまい)
あー……うむ。取り敢えずは飯だ。
その間にでもゆっくり話し合おう。
(全うな暮らしと縁遠い事にまで気が回らなかったようだ。うっかり、という風に言葉を濁せば、近くの酒場へリーリャを連れ込む。)
ビールだ。こっちはピザとオレンジジュースでいい。
(適当に見繕って注文し、隣に座ったリーリャに向き合う。)
取り敢えずは自己紹介か……ネル・ヘレンハウゼンだ。
/返レス遅れ申し訳ありません!←
ネル・ハウ…ゼン…?
(言いにくそうに相手の名前を復唱しながらも復唱していると腹の虫が鳴り始めて)
/いえいえ、大丈夫ですよ!
難しいなら好きな様に呼べ。
俺と分かる呼び方なら文句は言わん。
(食え、とばかりに、ピザを相手の目の前に差し出せば、片手間でやや適当に切り分ける。)
リーリャ、お前についても色々知りたいんだが……。
じゃあ…ネルって呼ぶ…いただきます…
(目の前にピザが置かれるとチラッと相手をみつめてからいただきますと呟いて食べようとして)
……リーリャ、あまり記憶がない…生まれたときに怪我したのに治って気味悪がられて捨てられた…
(相手に色々知りたいと言われれば自分の過去の事や死なない身体は生まれつきで捨てられてからは見せ物として何度も酷い仕打ちを受けてきたことを告げて)
そうか、気の毒な事だな。
傷なんざ、遅かれ早かれ治るものだがね。無知ってのは恐いもんだ……。
(相手の生い立ちについても、反応は薄めだ。ただ、彼女の親族については小馬鹿にしたように小さく笑う。)
傷が治って不気味と来たら、俺の立つ瀬がねえ。
(袖を捲れば、折り重なるようにいくつも傷痕が刻まれている。)
ネル、傷痛くないの?
(相手の無数の傷痕を見ると悲しそうな瞳で撫でながら上記を述べては……リーリャ、もう悲しくない…ネル…居るから…と呟き)
もう治したからな。
まあ、どう見るもお前の勝手だが……。
お前の方から嫌になるまでは捨てんよ。
(高い襟を下げて口元を露にすれば、ビールをジョッキの半分になるまで飲み干す)
手伝う、ねえ。無理のない範囲でやれよ。
かえって尻拭いとか、趣味じゃないからな……。
(差し出されたピザを一切れつまむ。礼儀もありはしないが、続けて語られた愛想のない一言は遠回しに危険から遠ざけようとしている。)
これから、また別の町に出ようと思う……この町は少し退屈かもしれんからな。
……迷惑かけないようにする
(相手に尻拭いをしないと言われると迷惑にならない程度に手伝うと小さく頷きながら「次はどの町に行くの?」と相手にたずねて)
……迷惑かけないようにする
(相手に尻拭いをしないと言われると迷惑にならない程度に手伝うと小さく頷きながら「次はどの町に行くの?」と相手にたずねて)
一番大きな街を目指そうと思う。
ここからじゃあ国と国の端っ子同士みたいな距離だが……ここよりは退屈しないだろう。当てもない旅だ、せめての目標としよう。
(食事が終わると、善は急げとばかりに立ち上がる。)
……道中、あまり治安は良くないのが心配だがな。
…ネルについていく…ネルは死なせないから
(道中治安があまり良くないという呟きを耳にすると小さな声で相手に上記を呟いては自分も食べ終わって立ち上がり)
ふん……子供にお守りされるほど、か弱くは育ってないが。
(暫くして……ネルはリーリャを連れて飛空艇の発着場へ向かった。次の街への移動手段として、飛空艇を選んだ。通商・旅客の定期便が出ているものである。発着場へはそう時間はかからない。)
……ネル、コレなあに?
(目の前に大きな飛空挺を見ると不安げに相手の後ろに隠れて指を指すとたくさんの飛空挺を見ては周りを見回しながらなんで飛ぶのか不思議そうにしていて)
そうか、見たことがないのか。
飛空艇って奴だ。空を飛ぶ乗り物さ。
人も数十人は乗れる。
(飛空艇の発着場は、空港よりはむしろ鉄道駅に似る。横長で五階立ての建物、その最上階は鉄道駅のホームのように飛空艇が横付けで発着している。百足のようにロータがついた方舟、とでも言う風な飛空艇へ乗り込む。)
……飛空挺…大きいな~…
(相手の説明を聞きながらただただ圧倒されるがままに大きな飛空挺に乗り込むと窓から見える景色をぼんやりと眺めていて)
上等なのを選んだからな……と、やっぱりハズレかもな。
(座席はビロードだろうか、柔らかな毛に覆われ、また座面自体も柔らかい座り心地だ。乗務員も申し分のない数だ。にも拘らずハズレと称したのは……。)
こりゃあ一段と物騒な道を行きそうだ。
(天井等に、幾つか張り出した部位がある。そこは温室めいたガラス張りであり……銃座ともなっているのだ。)
ネル、これからどこに向かってるの?
(相手の呟きには全く気づいておらず席に座ってたずねると何やら怪訝そうな顔を浮かべながら座っている相手が気になり辺りを見回していると銃座を発見して黙り込んでしまい)
隣……で、間違いはないんだが、遠い街だ。つく頃には夜になってるかもな。
……で、そこまでの航路はあんなのがいるくらいには気が許せんのさ。
(穏やかな空模様の中、銃座の見張り員は、銃眼より露出した長銃から離れようとはしない。その鋭い視線は、何かを待ち構えるが如しだ。)
……何か来るの?
(長い長銃を構えている見張り員を見ては相手の顔を見上げながら小首を傾げて何が来るのか分からない状況に相手の服を掴みながら震えていて)
例えばああいうのだ。
(窓の外を指差す。……最初に見えた頃には芥子粒よりも小さな何かは、近づくにつれて小型の飛空艇の姿を露とする。見張りの様子が慌ただしくなり、仕切りに双眼鏡を覗いている。ふと、ネルはリーリャの肩を包み込むように抱く。)
少し騒がしくなるぞ。
……リーリャ…ネルが居るから怖くない…
(相手が指差す窓の方角をみると小型の飛空艇が味方でないことを直感的に感じ取り上記を述べながら行く末をただジッと見守っていて)
(銃座からの発砲。しかし実力の差は歴然であり、接近は防げそうもない。直後、上昇した敵機は飛空艇の天井に乗り上げる。激しく揺れる艇内。)
……キャッ…
(激しい揺れで相手の服を掴んでいる手が外れて後ろに転がってしまいながら頭をぶつけては「イタタ」と呟いて再び立ち上がって相手の服の裾を掴み)
頭、下げてろ。
(裾を掴む手を取り、座席の物陰に隠れるよう誘導する。乗り上げた小型艇からは、身元の解りにくい格好をした賊が乗り込み、乗務員と交戦する。賊の方が銃などの武器が多く、乗務員は苦しい戦いを強いられる)
う、うん…
(相手に言われるがまま座席の物陰に隠れていると「よし、コイツを人質にするぞ」と一人の賊が短銃を突きつけながらボスの所まで連れて行き周りの乗客に脅しをかけて)
ふう、ちょいとばかし、荒っぽくなりそうだ。
(乗客が連行されていくのを見ながら、自身の懐の得物に手を伸ばし、戦闘に備える。彼らは全てを略奪した後でも、無事ではか帰さないだろうから。)
……?ネル?
(荒っぽくなるという相手の一言に首を傾げながら見上げていると…「可愛い嬢ちゃんだなぁ…コイツを連れていけ…」とひとりの賊が自分に手をかけて連れて行こうとして)
タダとはいかんぞ。高かったからな。
(待ったをかけるように、賊の手を掴み制止する。その手にかかる力は、万力めいた強さであった。)
あぁん!?逆らうのか?コイツがどうなってもいいのか
(待ったをかける相手を睨みつけながらチラチラと短剣を自分に向けると相手に挑発してはケラケラと高ら笑いをして見せて)
そういうことはどうにか出来るようにしてから言うもんだ、坊や。
(相手の腕を、横方向に大きく揺さぶる。力の入れかた次第では、人間の骨などあまりに頼りないだろう。)
顔出すな、上手く盾にしろ!
(リーリャへ忠告しつつ、彼女を抱き寄せるようにして自身の懐へ隠しつつ、リーリャと入れ換えるが如く散弾銃を取り出し、発砲。狙いは当然賊の一党。)
う、うん…
(抱き寄せられると相手にくっつきながら言われたとおりに後ろに隠れていると賊の男たちの怒声とも取れる叫び声が聞こえてきて)
さっさとお引き取り願いたいもんだ!
(座席の陰から身を乗り出して発砲。それによって敵を牽制しつつ、リーリャを連れて敵との距離を一座席ずつ縮めていく。)
当ててみな。
(挑発的なダブル・ミーニング。リーリャを座席の奥に隠せば、堂々と出でて、カットラスを引き抜き突き付ける。)
(銃弾が放たれるより先に、銃を抜いた瞬間に回避の前転を行うネル。前転から復帰すれば、カットラスを突き出し刺突の構えのまま、床を蹴って接近。)
さっさとお引き上げ願う。
旅の途中なんだ。略奪品は返してからな。
(日常茶飯とでも言う風に、適当に事後処理を済ませてから自分の席へ戻る。)
もう出てきていいぞ。
(途中、リーリャを呼び出しながら)
クッ、撤退だ。野郎共…撤退だ
(相手に略奪品を返すと取り巻きに撤退命令を下すとそそくさと逃げていき)
ネル、終わったの…?
(相手に呼ばれると上記をたずねながら隣に座ると空を眺めていて)
ああ、やっと静かになった……と、言いたいところだが。
(思い出したように、先程賊の乗り込んできた方を見る。天井には大穴が空いている。機長が高度を下げたのに加え、かなり減速したのもあってか気圧は正常だが、穴からの風切り音はやかましくてかなわない)
天井に穴が開いてる
(相手と一緒に天井を見上げると空を眺めては風切り音を聞きうるさいという感情よりも空から見える星を眺めながらキレイ…と呟くと疲れていたのか眠ってしまい)
……おう。
(安らぎの二人を乗せて、飛空艇は次の町へ。……最初の町と同規模の、摩天楼も少なくない都会だ。だが、窓から見下ろすと随分暗く見える。近寄ってなお、だ。)
……暗い街…ここ?
(次の町に着いて相手について行くと街並みが暗く感じたのか相手にたずねながらここが自分たちの街になるんだなと辺りを見回していて)
しばらくはな。……ただ、長居できそうな気はしねえな。
(地面の近くを、ゆっくりと霧が這う。ガス灯の光は闇夜を照らすよりも、むしろ暗い影を際立たせるようにも感じられる。何より、町の規模の割には人通りが一つもない。)
……あんた、旅の人かい?
(暗い夜道を歩いているとフードを深く被った隠者が現れて相手にたずねて来ると後ろに隠れながらジッとしては隠者を見て怯えていて)
まだ、な。
もしかしたらもうしばらく。
(隠者に身の上を軽く語る。リーリャの肩を抱き、自身に引き寄せる。)
宿を探しているんだが、適当な所を知らないか。
宿ならあそこだよ
(宿はどこかにないかと訪ねられればまっすぐ指をさすとこの辺は亡霊が出るから気をつけなよと一言述べるとゆっくりとその場を立ち去っていき)
亡霊、か。……オカルトには耳を貸さん主義だが、用心しておくよ。
(その手は懐の得物へ添えられ、宿への僅かな距離でさえ警戒を緩めることはない)
本当の幽霊でなくても、幽霊ゴッコしてる悪どいボンクラはいるかもしれん。俺にだけついてこい。
(上等なほうの部屋を確保し入室。ベッドが二つ、窓もあり、何より浴室が備わっている。)
……もしかしたら、数日のうちにここを発つかもしれんな。杞憂で済めばいいが……
知らんことばかりだな、まあ、無理もない。
蓄音機と言ってな、音楽を……いや、使った方が早いな。
(ネルがぜんまいを回せば、ゆっくりと動き出す蓄音機。上等なオーケストラが、謹み深く再生される。)
珍しいものが多いか。外に出てから。
……ちくおんき?
(相手がゼンマイを回すと流れ出す音楽に心を奪われたのか音楽に聴き入って「心地良い音色…」と呟きながらみつめていて)
中々質の良いやつだな。
確かに悪くない。選曲も凝ってる。
(が、その興味は実際蓄音機にはあまり向いていない。無表情に、窓の外を一瞥する。)
風呂に入って、早めに寝よう。明日は早めに出るから。
一人で入れるな。
(自身は上着を脱いで過ごしやすい服装に着替えながら、ベッドに横たわりリーリャの様子を見守っている。)
……うん、入れる
(相手の問いかけに小さく頷くと浴槽に入っていきシャワーを使う音が聞こえしばらくするとお風呂から上がって来て)
着替えは鞄のなかだ。
さっさと着替えて早く寝ろ。ベッドを使っていい。
(ベッドは一人用。ネルはそれだけ伝えると、すぐに入浴してしまった……一見不用心にも見える、武器類をベッドに放置してから。)
うん…ありがとうネル
(相手の一言に小さく頷くと着替えをしてベッドに入ろうとすると相手がいつも身に付けている武器類を邪魔にならないようベッドの横に置いて床に入り)
……杞憂か。それならそれで良かったが。
(逞しい上半身を晒したまま、入浴から戻るネル。放置した火器は何かの備えの様でもあった。しかし安堵の溜め息をつきながら武器を回収すれば、リーリャの顔を覗き込む。)
……ネル
(相手の名前を呟きながらいつの間にか眠ってしまいへにゃっと笑顔を見せると旅に出ている夢を見ているのか次の目的地をたずねていて)
……世界の果てかもな。
(聞いてはいないだろうが、寝言に返事を返し添い寝して就寝。就寝までのしばらくの間、無意識に体を撫でてたり軽く叩いたりして、安らかな眠りを手伝った。)
………ネル、まだ寝てる…
(相手が眠っているのを見ては自分も小さく欠伸をすると再び布団に入り相手を抱きしめながら寝息を立てて)
(……夜更けにて、ネルは目を覚ました。ベッドから這い出せば、窓際へ向かう。……途中、武器を拾いながら。リーリャの安眠を確認するように、その髪を整えてやる。)
……ネル、リーリャも一緒に行く
(どこかに出かけている夢を見ているのか寝言を呟きながらムクッと起き上がりベッドから降りようとしていて)
手間のかかるやつだな。
(下手に歩き回られると多少なり怪我などもあり得るので、背後から優しく抱き上げて制止。その最中、相手の寝言に答える)
おう、ゆっくり寝たらついてこい。
……取り越し苦労、だったな。
(対してネルは、夜中の起床から夜明けまで目覚めていた。良からぬ気配に警戒してのことだが、貴重品も無事だった。)
起きるかな……。
/お待たせして申し訳ありません!←
……ネル、おはよう
(眠い目を擦りながら相手の方へと顔を向けるとボソッと呟いて小さく欠伸をするとベッドから起き上がり)
/此方こそお待たせしました
……おう。
今日は出掛けるぞ。留守番でもいいが。
来るなら準備しろ。
(日の出を迎えた今も、外は陰鬱な空気を漂わせている。生乳のプールのような、濃い霧が町を覆っている。)
リーリャも行く…!
(相手の一言を聞くと慌てて準備をしながら上記を呟くと服を反対に着ているのに気づかずに相手に準備が出来たと伝えて)
鏡を見ろ鏡を。
準備しろとは言ったが慌てろとは言わなかったぞ。
(相手を背後から押して、姿見の前へ連れていく。)
とはいえ、当ても土地勘もない散歩だ。
……今更だが、はぐれるなよ。
(施錠し、霧に咽ぶ街中へ歩み出す。整った石畳の街道と、宗教的な意匠の装飾を持つ多くの建物は観光には向いた町である。だが、街中には人通りは無い。)
田舎の方がまだ賑わいがあるな。
うん、わかった
(相手に小さく頷くと相手の手を掴んでくっつきながら街並みを歩いていく。……人が居ないね…あまりに人が居なくボソッと上記を呟いて)
勤めに出る人手のひとつや二つはありそうなもんだがな。
(不満げに辺りを見回せば、人を探して街道を行く。だが、多くの建物は、朝から真昼までの中間程度といった今現在の時間にも関わらず閉まっている。)
……ただじゃあすまん理由らしいな。この退屈さは……。
(他とはあからさまに異なるその家に、長く続いた旅人の勘が働いたのか、リーリャを連れてその家の戸口へ背中向きに張り付く。その手は左右の得物へ延びる)
/度々の遅れ申し訳ありません……
ひっ……あ、アレ…
(窓からうごめく何かを見てはガタガタと震えながら相手の服の裾を掴み人ではない何かがいると指を指して教えて)
/構いませんよ~
音、立てるなよ。
……さて、何がいたものか。
(扉を静かに開けて、内部へ侵入。入念なクリアリングで玄関に危険が無いことを確認すれば、リーリャを手招きで中へ誘う)
っ!欲しがるのはわかるが、タダではやれねぇな。
(危地に際し、咄嗟にカットラスを投げつける。狙うは当然襲撃者。尋問の為、急所は外して投げる。)
……キシャアァ…
(カットラスを刺されて悲鳴をあげながらじたばたしているところをみつつ相手に近寄ると「ありがとうネル…」とお礼を述べて)
とんだ歓迎だな。どんな野郎か、ツラを拝んでやろう……。
(カットラスの回収も兼ねて、襲撃者へ近寄るネル。道中、リーリャをしっかりと抱き締めて守りながら。)
こいつは生き物だろうかね。
ここに来てから「亡霊」が出るなんて話があったが、これがそうかもな。
(しゃがんでそれの様子を見守ったあと、念の為蹴り転がそうと足を伸ばす)
………コレが、こう?うわっ!?
(相手が動かなくなった何かを蹴り転がそうとしている間に何やら「魔術書」を見つけて読みながら見よう見まねで呪文を詠唱して)
何をやってんだ、何を。
あんまりそこらをいじくらん方が良いぞ。
こんなのが彷徨いてるんだ。何があるかわかったもんじゃない。
(リーリャの近くに敵の亡骸を投げ捨てれば、魔導書を取り上げ開かれていたページを読む)
読めるのか?意味はともかく、使い方はさっぱりだ。
(字は読めるが、魔術を使えるほど理解はしていない。一人で読んでも仕方がないので、しゃがんでリーリャと一緒に読もうと見せる。)
わからない…だけど、なんとなく読める気がするの…
(相手の一言に自信なさげに答えると「…この魔術書は禁忌の魔術書である。そして、最後のページには死者を蘇らせる…が、失敗すれば二度と人には戻れないだろう…」と書いてあり)
随分学があるな。俺には売れない詩集にしか見えん。
(リーリャに読ませた方が価値あると踏んで、本を引き渡すネル。最後の一文に、不快そうに眉をひそめる。)
甦らせるったって、さっきから彷徨いてる幽霊じゃあ果たして甦りと扱ってよいものかね。
……見える……ダメ…ネ…ル…逃げ…て…
(ボソッと上記を呟くと急に目が虚ろになり何かに憑依されたかのように呪文を唱えると近くにあったナイフで相手を切りつけようとするも頭を抱えながら苦しみだして)
っ……!やっぱりろくなもんじゃなかったな。
(ナイフの刃を咄嗟に手で受けつつ、それをリーリャの動きを止めようと背後から組みつこうとして)
早く起きろ寝坊助。命がいくつあっても足りん。
/度々お待たせしてすみません!←
ネル……ごめ…ん…なさい
(相手の名前を呼び一言ボソッと呟くと意識を乗っ取られそうになりながらも自分の胸にナイフを突き刺して気を失うとしばらくして傷が塞がり目を覚まし)
よし、起きたな。何があった?わかる範囲で答えろ。
(自身の傷口を、携行していた包帯で応急的に塞げば、ナイフを拾ってリーリャから離し、先の一件の説明を求める。)
禁忌の部分を読んでいたら……いきなり天使と悪魔の羽をつけた女の子が現れたと思ったらさっきの呪文が頭の中に流れてきて…
(相手に自分が乗り移られた時の事を少しずつ思い出しながら話すと相手の方を見て、ネル…怪我してる…と言うと持っていたハンカチで傷口を塞ぐと「何かイヤな予感がするよ」と相手に呟き)
道具が人を使うとはな。無礼なもんだ。
人間様に有無を言わせねえとは、ちょっと仕置きが必要か。
(リーリャの治療を受けながら、奥への道を睨む。まだ奥があるようだ。)
イヤな予感、か。そいつも魔術の類いかい。
/大きく遅れました、重ねて申し訳ありません……←
わからない…だけど、何か居そうな気がするの
(相手の一言に小さく頷くと後ろに回らず相手を守ろうと前に立ちながら奥の部屋へと入っていき)
俺が先だ。お前じゃどうにもならん。
(無愛想に告げながら、リーリャの前に出る。銃を構え、いつでも発砲できる姿勢だ。……リーリャを押さえつけたかに見えたその手は、心なしか優しく撫でたようにも感じられるか。)
だ、大丈夫だもん
(自分の身体は死なない身体なので相手にケガをしてほしくないためか前に出ようとするも震えていると相手に撫でられて嬉しそうにして)
怪我しても知らんぞ。
その不思議な体だって、この先ずっと大丈夫かなんて分からんぞ。
今までが幸運だったのかもしれんぞ。
……暗いな。転ぶなよ。
(仕方なし、とばかりに相手を前に行かせるが、面倒が増えた、とでも言いたげに溜め息をつく。次の部屋は、何かの研究室の様だ。試験管やフラスコ、その他奇妙な実験器具類。目を引くのは、床面に描かれた魔方陣。)
うん…。ネル、すごい臭いだよ?
(相変わらず前は歩いていても相手から離れようとはせず歩きながら、部屋中に染み付いた血のような臭いと周りの魔法陣を見ては不思議そうにしていて)
何をやってたものやら……。
(ネルが手に取ったのは、机の上に置いてあった黒革の日記。中を開いて暫く読んでみるが……)
駄目だな。まるで意味があるとは思えん。
(ネルは日記を投げ捨てる。中の文章は、普通の文字と奇妙な未知の文字とが、一文字ずつ交互に書かれている。とても読めない。)
ここの住人は本格的なイカれだな。
ネル、誰か来るよ?
(相手が投げ捨てた日記を拾い上げて内容を読みながら歩いていると前から誰かの気配を感じて相手に話しかけて)
「誰か」ならいいな。俺は「何か」である方に賭ける。
(リーリャと、足音のする方向の間に立ち塞がり、銃を構える。)
今の内に隠れる場所を探しとけ。余裕があれば逃げ道もだ。
……若いの…ただ者ではないな
(しばらくしてゆっくりと現れたのはフードを深く被った隠者で相手を見ながら「ここに何故足を踏み入れた?」と呟き)
人だったか……若くもねえんだがな。
なに、ウチの連れが怯えるもんだから……怪物退治?
(隠者を振り向けば、失敬を詫びることもなく肩を竦め)
こっちが色々聞きたいんだがね?
ここは…死者を蘇らせるための部屋だったのじゃ…だが、術式中に暴走して……この有り様じゃ…
(壁に書かれた無数の錬成陣や魔法陣は死者を蘇らせるための儀式だと説明しながら相手を見ると…もはやこの町に生き残った者は自分たち位だと話して)
大した研究だな。
要するに、手の込んだ墓荒らしってわけか。
で?どうすりゃいいんだ?あんたの脳漿ぶちまけりゃ終わりか?
(大層面倒そうな顔をしながら、銃を老人の頭に突き付ける。)
ウチのツレがその死者とやらに世話になったんでな。どうにかしろ、老いぼれ。
ワシを倒したところで収まらんよ…じゃが、責任は取る
(銃を突きつけられても眉一つ動かすことなく呟くと古びた本を取り出して呪文を述べると死者たちが灰になり)
ネル、どんどん灰になっていくよ?
おう、安心して良さそうだな。
……で、何で今までほったらかしだったんだ?
こんなに簡単に解決するのによ?
(念のため、リーリャを足元へ抱き寄せれば安堵のため息をつく。一方、老人には冷ややかな視線を送る。)
お陰でここに二人の新入りが増えちまうとこだった。
大人、子供それぞれ一命様がな。
古より伝わりし秘術により蘇った者たちを止める方法が分からず、時間がかかったのじゃ
(全てが灰に還ればフードを再び深く被り「すまなかった」と呟くと部屋をあとにしていき)
ネル、暖かい…えへへ
(相手に抱き寄せられ今まで味わったことのない温もりを感じながら相手を見上げて)
俺達も行くか……。
こんなになっちまったら、この街には住めそうにないしな。当初の目的地を目指した方が良さそうかもな。
(リーリャを見下ろして今後の予定を告げれば、彼女の背後から抱き上げてその場を立ち去ろうとする。)
この国最大の街……ここよりもっと大きな街だ。
生憎、長い長い陸路しかないがね。ここからだと。
うん、でも…ネルとならどこでも大丈夫だから
(たとえ目的地が遠くても相手と一緒ならば自分は構わないと呟くと相手から離れないように歩き出して)
次はイカれた奴のいない街だといいんだが。
(屋外へ出れば、町中を見渡し溜め息をつく。異変が解決されてなお、この大都市にあるべき喧騒は戻らない。ネルは近場に止まっていたクラシックカー(この世界では最先端であるが)を吟味する)
頂こう。どうせ持ち主はいない。
ネル…この乗り物はなに?
(しばらくついて行くと相手が吟味するクラシックカーを不思議そうに眺めながら質問をするととりあえず乗り込むも「コレ、ネルの?」と相手にたずねて)
金持ちの道楽さ。今から俺のになった。
(言いながら車のエンジンをかけ、ゆっくりと走り出す。ネルは決して善人というわけでもないのだ。)
俺は馬の方が好きだが……乗り心地が気に入らんでな。
乗ってから言うのも何だが、「襲ってください」と言いながら走ってるようなもんだな。
……揺れるから目を回すなよ。
(俗に言う乗り物酔いを忠告しながら、車は町を出る。瞬く間に、摩天楼が小さくなっていき)
次の街は間違いなく大丈夫だ。この国の首都だからな。
は~い、「わぁ~大きい~」
(相手の忠告を聞くと前を見ながら大きな街を見上げるとここが相手の言っていた街なんだと心をわくわくさせていて)
ん?もう着いたのか?3日はかかるはずだが……十分。これはおかしいぞ。
(まだ街を出たばかりだと言うのに、すぐに返って来たリーリャの返事を不審に思い懐中時計を取り出す。)
あの町じゃない。あれよりももっとデカいのだ。
それこそ、さっきの街を十倍にしても釣り合うか分からんような、な。
そのくらいでなけりゃあ、この国の首都は務まらん。
治安の良くない道が続くから、覚悟はしておけ。
じゃあ、まだまだ走るの?
(ネルの一言を聞くと小首を傾げながらたずねては周りの景色を見るとネルの言うとおり治安が良くないのを見ていると不安げにネルの横にくっついて)
予定外の事が多すぎた。
本当なら舟(飛空艇)で手早く行きたかったが……あんなことがあっちゃあな。
仕方ないと諦めるさ。
(車はいつしか深い森の中へ入り、確かに不穏な雰囲気が増してきた。物陰だらけの森、何が隠れているか分かったものではない。)
ネル、このままくっついていい?
(深い森の中に入ってきたのと相手の話を聞いて少し不安になったのか相手を見つめながら呟くと相手に寄り添うように座り)
その方が面倒がない。
(自身の上着にくるむようにしてリーリャを抱き寄せる。その中途、武器を懐から取り出したのは、どうにもリーリャのスペースを確保するためだけではないようだ。)
えへへ、ネルと居れば安心
(ニコッと微笑みながら相手に抱き寄せてもらい近くに武器がありはしたがきっと相手が守ってくれるものだと考えてはボソッと上記を呟いて)
(比較的和やかな時間ではあったが、それを許さぬ様に二人を載せた車は勢いよくスピンして停止。目の前の道を塞ぐように、大量の丸太が横から転がってきたのだ。スピンするほどに激しいネルのハンドリングがそれをかわした。)
一息ついてる場合じゃなさそうだぞ。
車は通れそうにないし……通してもくれなさそうだ。
(周りはかなり騒がしい。大勢の人の声だ。しかし独自性の強い言語であり、何を喋っているかは解らない。喜びを感じさせるその声は……獲物を見つけた狩人のそれであった。)
何?何があるの?
(周りの騒がしい声が気になるのか車から身を乗り出しながら見ようとするも見えないよ?ネル…とくいくいと裾を引っ張って様子をたずねて)
少なくとも平和とは無縁だな。
(リーリャを半ば抱えるようにして車から飛び出せば、道路を塞ぐ丸太を乗り越えて森からの脱出を図る。騒がしい気配は確かに周囲を取り囲み、近付いている。)
分かるか?逃げ切らんといかんらしい。
まだ危ないことがいっぱいあるの?
(相手にくっつきながらひょこっと顔を覗かせると何だか周りが騒がしい気配を感じ取ると「どこかに平和は無いのかな~?」と呟いて)
(その矢先、いくつもの槍が二人の行き先を塞ぐように飛んできた。実用性と無関係な派手な装飾の矢だ。ネルは顔色ひとつ変えず、しかし慌てたように立ち止まってリーリャを引っ張りながら横道に入る。)
いっぱい、で足りるかはわからんがな……。そらきた。
(その横道の前に、大楯が並ぶ。脚が見える辺りそれは人で、敵であった。)
ネル、木の陰にもたくさん居るよ?
(大勢に囲まれているのに気付きすぐに相手に知らせると近くにあった槍をよろけながら構えて「ネルはリーリャが守るの」と呟いているとリーダーらしき人が現れ)
(色とりどりの鳥羽根と戦化粧、獣骨に身を彩った蛮賊の長は、何かを喚きながら同胞と共に突っ込んでくる。ネルは最初の一人を射殺。)
どっちが守るんだかな……死なんよう気を付けろ。
(相手の不死の体にあまり信頼が無いのか、その身を案じる。しかしリーリャの覚悟に水を差すまいと思ってか、今度は庇わずにいる。)
/毎度遅くなりましてすみません……。
ん~しょ…ネルをイジメないで~
(大きな声を出しながら槍を振り回しながら抵抗をしていると槍が蛮族の胸に突き刺さり血を見ると怯えながらも必死に相手を守ろうとさらに抵抗して)
多少は度胸がある、か。その調子でやれ。
誰も文句は言わんのだから。怯える暇はねえぞ。
(しかしそれで怯む賊でもなく、再びの槍投擲。カットラスでこれを迎撃していたネルだが……一本だけ、リーリャに飛んだ槍を片腕を盾に刺させて防いだ。)
あ、ネル…腕から血が
(賊の投げた槍が相手の腕に刺さった為少し怯むもすぐに周りの賊を倒していきながら相手を心配そうに見つめて)
情けねえ声を出すな。一生治らんわけじゃない。
ほら、余所見しねえで降りかかる火の粉は払え。
……と、また面倒な。
(槍兵が退いたが、今度は遠方から石が飛んでくる。スリングショットだ。)
う、うん…!!
(相手の一言に一瞬ビクッとするもすぐに相手を守らないとという思いが働いて石を避けながら敵をなぎ払っていきながら石を飛ばす方向へと突っ込んでいき)
……一秒先も死なん身のままかは分からんだろうに。……っ!少しは休ませろ。
(前進するリーリャを手斧を持った五人程の敵が取り囲む。一方、リーリャの後を追おうとしたネルは背後から頭を打たれる。幸い多少の流血で済んだが、リーリャとの距離が離れる。)
自分の心配をしてろ!そう簡単に死にゃせん!(だが、二人の間には次々と敵が割り込み距離を縮めるのは困難であった。幸いと言うべきか、敵はリーリャから興味を逸らし)どっかに隠れてろ!
だって、ネルはリーリャが守るの!!
(相手の制止を無視するかのように相手に近づきながら周りの敵を倒していっているといつの間にか服が赤く染まっていて)
珍しく聞き分けのねえ……っ!(組ついてきた敵を裏拳で沈黙させるが……そこは崖であり、かつすぐ下に急斜面がある地形だった。昏倒した敵は、団子になったネルと敵集団を道連れに落下。斜面を転がっていった)
ネル、大丈夫?しっかりして
(落下していった相手を後から追いかけていき周りの敵を放りながら相手を引き上げれば、傷の手当てをし始めて)
後ろだ……後ろ!(しかしそれを拒むようにリーリャを押し退けようとし、背後からやってくる集団を指差し。懐から銃を取り出し射撃)
ネル、ここから逃げて?
(射撃をする相手にこのままではダメだと判断し、せめて相手だけでも逃げてと呟くと次々と来る集団に突入していき)
敵を集めてどうする。走れ、走るんだよ。敵を撹乱しろよ。(酷く痛む脚を引きずりながら、敵に突っ込むリーリャへ不愉快そうに怒鳴る。二人の進行が止まったのを見ると、蛮族は今とばかりに総攻撃をかけてきた。不気味な意匠の盾を構え、包囲の輪を縮めてくる。)
/私的な都合により、大変遅くなりました。申し訳ありません……
ここは私が食い止めるから……ネル、また…アレが…ダメ…早く逃げ…て…
(蛮族の総攻撃に血を流しながら耐えているといつかの時のような何かに取り付かれたかのような感覚を覚えたのか上記を述べると、不敵な笑みを浮かべて目を光らせると持っていた得物を振り回して包囲する蛮族を蹴散らし、しばらくして蛮族が引き上げて行くのと同時にその場に自分も倒れて)
/いえ、お気になさらないでください!
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