KRA八十九。 2015-06-04 07:52:10 |
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…大袈裟だなんて思わないよ、だって俺もそう思ってるもん。俺にとっても蘭丸は、なくてはならない存在!(自らねだっておきながらもいざ言の葉が耳に届くといささかの面映ゆさが込み上げ、相手同様に胸元に手を添えると誤魔化すように黒色に彩られた爪で浴衣の布地を弾く事数回…緩慢と面を持ち上げ第六天魔王なる呼び名に似付かぬ程の屈託の無い一笑を。健気な台詞に心を打たれた様子で感動を露わに揺れる黒目を相手に向けたのも束の間、恐ろしい事実に気が付いてしまったとばかりにわなわなと身体を震わせ…癇癪を起こした幼子にも似た姿で声を荒げると抱擁を解いてその場から腰を上げ。次いで片手で彼の掌を捉え確と互いの手指を組み、爛々と目を光らせつつ目の前の相手は自分が守るとばかりに意気揚々胸を張って)送ってくれるの?さっすが蘭丸!……でも夜道が危険なのはおらんの方だと思う…こんな可愛い子が一人で歩いてたら誘拐されるから!そんなの絶対駄目!…って事で一緒に帰ろう。家に帰るまでがデートだぞ、蘭丸!
…嬉しいです。(相手の所作を目で追った後ゆっくりと深呼吸を繰り返し、安堵の息を吐き出して。小さく身を震わせる彼の様子を見て頭上にいくつかの疑問符を浮かべ、緩い角度にて首を傾げつつ結ばれた互いの手を一瞥。落ち着いてください、と。子供をあやすかの如く彼の手甲にするすると指先を這わせ…その途中で告げられた己の身を案ずる言葉に大きく瞳を見開くと嬉しさと羞恥に頬を紅潮させて視線を下方へ。それから手甲に寄せていた手でぬいぐるみを持ち直し、胸元にそっと抱くとベンチから腰を上げ離すものかと繋いだ手に力を込め。何処か拗ねたように唇を尖らせて)…信長さんは僕を可愛いと仰いますけど、僕は貴方の方がずっと可愛らしいと思います。絶対に傍に居てくださいね。…僕、帰るまで離しませんから。
メリークリスマス!(クラッカーぱぁんっ!)あちらでもご挨拶しましたけど、やっぱり信長さんにも言いたくて!本日はお忙しい中お付き合いいただきありがとうございます。これからも末永く、よろしくお願いしますね。――貴方だけだよ、信長さん!(ふふ)
(慰撫するようにうっそりと手の甲を滑る華奢な指先を視界に映すと緩慢に双眸を瞬かせた後一呼吸…我を忘れてしまった事への申し訳なさに曖昧なはにかみ笑いを浮かべたのも束の間、窺い見た相手の面持ちに浮かぶ喜色とほんのり朱に染まった頬に此方までつられた様子で口元を綻ばせ。可愛らしい相手とぬいぐるみとのショットに再び写真撮影に興じたい気持ちに駆られながらも辺りの薄暗さからあえなく断念、せめてとその姿を確と双眼に映しつつ応えるように握った手指へと力を込めて。残ってしまった飲食物はマネージャーの明智に押し付け…ではなく贈呈してやろう等と思いを馳せていた所で拗ねたように小さく尖る唇に気が付き、淡く色付いた口唇が紡ぐ台詞を拾うと怪訝そうな面持ちで首を傾げながら一歩足を踏み出し)ええ…おらんの方が可愛いに決まってんじゃん、100エステール位賭けても良い!…勿論。絶対に離さないから安心して良いよ、…まあ俺は帰っても蘭丸の事離してやれないかもしれないけどね!
もう年の瀬になっちゃったけど、この間は本当にありがとう。おらんと一緒にクリスマス出来て俺世界一の幸せ者って感じ!……っていうかちょっと待って蘭丸、そんなに可愛くて大丈夫!?あまりの可愛さに国が一つ尾張になるレベル!…今のは終わりと尾張を掛けた信長ジョークだったんだけど、賢いお前なら気が付いたよな?(…)――改めて。来年も、君だけだよおらん!(この上なく晴れやかな顔)
そ、それは…帰ったら明智さんに聞いてみましょう。きっと信長さんの方が可愛いと仰るはずです!…!……貴方のお傍に居られるのなら、僕はずっとこのままでも構いません。(未だ納得がいかないといった様子で相手と同じ方向に首を傾げつつ暫しの間思案顔。後、ふと思い浮かんだマネージャーの姿に表情を明らめると彼の名を口に出し。次いで自らの暇手を強く握り締め力説してみせ。繋いだままの指先へと込める力はそのままに相手の半歩後ろを雛鳥のように付いて歩き、睫毛を伏せりぽそぽそ煮え切らぬ語調にて言の葉を溢しながらも時折彼の後頭部へと視線をやり振り向け振り向け…なんて子供染みた念を送り。しかしながら、数秒と立たぬうちに己の所作に恥ずかしさを覚え首を左右に振って遠くで鳴り響く祭囃子のリズムに意識を移し。今日体験したたくさんの出来事に思いを馳せるかの如くすうと瞳を細め幸せそうな笑みを浮かべて)
勿論、今のダジャレ相当面白かったですよ!お腹の底から笑わせて頂きました。…ってもう、もう…っ!大袈裟ですよ信長さん!(きゃっ)――あけましておめでとうございます。去年は色々なイベントを信長さんと一緒に過ごす事が出来て本当に嬉しかったです。今年も、たくさん楽しい思い出を作っていけたらいいな。(ほくほく)
ええ…おらんならともかく、明智に可愛いとか言われても何も嬉しくないし…寧ろ腹立つ!俺の事を可愛いだなんて酔狂な事を言うのは蘭丸一人で十分だから!……もー、そんな事言われたら本当に離してやれなくなっちゃうよ。お前を傍に置いておきたいのは俺も同じなんだからさ。(明るい相手の表情とは対照的な何とも言えぬ渋い表情にて緩慢と、それでいてしっかりと首を左右に振ると悍ましいとでも言わんばかりの様子で忌々しそうに吐き捨てる始末…平素から世話になっていると言えどもマネージャーへの当たりの強さは健在なようで。この時間が永遠に続けば良いのにとでも願うかのように普段より幾分も遅い歩みで辿る帰り道、慎ましく己の後ろを歩く姿を静かに横目で窺うと離れた場所から風に乗って届く宴の音楽に耳を傾ける姿を視界に認め、再び視線を戻し微笑ましそうにひっそりと口元に笑みの色を湛えて。楽しかった出来事を反芻していく内我知らず歩みを止めるとその場で暫し立ち止まる事数秒、相手の姿を振り返り何処か畏まった声音にて寵愛する相手の名を呼んで)――蘭丸。
やっぱり蘭丸はセンスがあるな、俺が見込んだだけの事はある!(ドヤァ…)あけましておめでとう…って言うにはもうちょっと遅いのかな、でも俺が言いたいから言わせて!俺だって、去年はおらんと一緒に色々な事が出来てとーっても幸せでした!お前が言うように今年も二人で楽しい事いっぱいして、楽しい思い出いっぱい作りたい!……そういう訳だから、今年も俺の傍に居てね。
確かに、明智さんが信長さんの事を可愛らしいと仰ったら…少し妬いてしまうかもしれません。僕だけが知っていたのになって。…ふふ、貴方が望んでくださるのなら蘭丸はいつまでも何処へだってお供いたしますよ。約束です。(常日頃から良くしてもらっているマネージャー相手といえど己の敬愛する主君に可愛いなど…なんて自ずから提案したにも関わらず何処となく浮かない表情を浮かべ緩く首を傾げ、少しの独占欲を滲ませた語調にてぽつりと呟き。主君の背中を両の眼で捉えたままゆっくり、ゆっくりと歩みを進め。帰路を辿るにつれて徐々に込み上げてくる寂しさや焦燥感を振り払うかのようにぬいぐるみを持つ手先に力を入れ、また一歩と踏み出そうとしたその瞬間。不意に此方を向いた主君の姿といつになく畏まった様子へ不思議そうに瞬きを繰り返した後無意識に背筋を伸ばし、口元に小さな笑みを携えながら唇を動かせて)…はい、何でしょう?
もう恐縮です…!僕も信長さんのセンスにはいつも圧倒されてばかりですから!(力説)…!はい、かしこまりました!森蘭丸、信長さんに飽きられぬよう今年はより一層努力精進して参ります。……大好きです。お返事ありがとうございました、この部分は蹴っていただいて構いませんよ。(ふふー)
心配しなくても俺の事可愛いとか言うのは絶対お前位だと思う…だから大丈夫!…それに俺本当は“格好良い”じゃなきゃ嫌だけど、おらんだから“可愛い”でも許可してるんだからな!蘭丸だけ特別!…後からやっぱりやめますって言うの絶対無しだから。そんなの絶対絶対聞いてやんない。…だから約束、ね。(言葉尻から滲み出る独占欲の気に思わずといった様子で表情を綻ばせ掛けたものの“可愛い”という形容詞はどうにもしっくりと来ない様子…腑に落ちないと言わんばかりの表情で幾度か瞬きを繰り返すといささかの気恥ずかしさを誤魔化すように小さく咳払いをして。来た頃にはどれ程も軽く感じた脚は今は鉛でも仕込まれたかのように重々しく、薄く墨を刷いたような宵闇を意味も無く見上げた後殊勝に背を張るその華奢な体躯に片腕を伸ばすと己の側へと多少強引に引き寄せ。通行人の姿は見当たらないと言えども往来で抱擁を行う姿はうつけ様様、茶化した口調ながら節々から寂寥感と独占欲の感じられる言の葉をぽつりぽつりと並べ立てて)…今日一日凄く楽しかったからさ、何ていうか…帰りたくないなーって。このままおらんの事を攫って、どっか遠くに愛の逃避行しちゃいたい気分!…なんて、そんなの許されないだろうし実際にはしないけどさ。
…特別なんて言われたら何も言い返せないじゃないですか。ずるいですよ。約束を破ったら針を千本飲む覚悟です!指切り、しますか?(和やかな表情から機嫌の良さは一目瞭然、片手で軽く拳を作ると小指を立て緩い角度にて首を傾げ。相手の視線の先にある夜の空を己も見上げ、きらりきらりと浮かび上がる満天の星々を視界に捉え眩げに瞳を眇め。普段となんら変わりない空、けれどどうしてか今見上げている空は普段より幾分も輝いて見えて。その美麗さに思わず感嘆の吐息が零れ落ちる…ものの、同時に覚えた自らの身体が引き寄せられる感覚と背に感じる相手の温もりに数秒の間息が止まり。すぐ傍で紡がれる言の葉に数度瞬きを繰り返した後、小さく息を吐き出すと共に眉根を下げ困ったようにはにかみ笑い控えめながらも確と抱擁を返して)…もし許されるならば、僕も貴方と何処か遠くに逃げ出してしまいたい。そうして、信長さんを独り占めする事が出来たら…きっと、凄く凄く幸せなんだと思います。…貴方を必要とする人はたくさん居るから、僕だけの主君、僕だけの信長さんになれないのは分かっているんです。それでも…考える位良いですよね。
蘭丸は約束を破ったりしないだろうから針千本は必要ないと思うけど…折角だし指切りしよっか!――指切りげんまん、嘘ついたら針千本飲ーます!…これで俺とおらんは契りを交わしたからな!だから離れるの絶対無し!(ふと差し出された華奢な小指を双眼に映すと暫し考え込むような素振りを見せた後立場にも年齢にも似付ぬ玩具を見付けた幼子のような笑みを浮かべ…相手の指に己の指をそっと絡ませると有名なフレーズを伸びやかに口ずさみ、口角を持ち上げつつ悪戯に黒目を揺らめかせて。引き寄せた身体を衝動のまま抱き締める事数十秒…傍と腕に込めた力が強過ぎたと感じて慌てて力を緩めるものの背に回した腕を解く気は無い様子、そのままの体勢で何処か切なさの窺える表情を横目に捉えながら嘆願交じりの吐息を吐き出すと片掌を滑らせて栗色の髪の毛へと慈しむように触れつつ近しい距離にて面持ちを覗き込み)…俺もそうなったら良いなって思うよ、そうなったら幸せだなーって。叶える事は難しいって分かってはいるけどさ。…でも、俺が統一したいのはおらんの心だけ!君だけだよって思うのも、勿論おらんだけ!……信じてくれる?
はい。万が一にもそのような事があった場合針を千本…いえ、自刃を!僕のこの命尽きる時まで、全力で貴方をお守りいたします。そして目指すは天下統一…!(絡み合う指先と視界いっぱいに咲く主君の笑顔に自らの胸は小うるさく高鳴るばかり。睫毛を伏せがちに一度、二度と、何度か深呼吸を繰り返した後己の小指にほんの少し力を込め至極真剣な面持ちにて言の葉を並べ立て…やる気満々といった様子。ふと、弱められた腕の力に眉根を垂らし何か言いたげに口許をむずむず…暫くして遠慮気味に腕を伸ばすと相手が離れて行かぬようにと黒地の着物の袖を掴み。彼の唇から紡がれる言葉の数々に覚えるは底知れぬ満足感、耐え切れず頬を緩めながらも相手の心臓のある場所へと布越しに片方の掌を添わせると瞳を細め緩やかに笑い)……僕が信じるのは他でもない貴方だけです、信長さん。誰に何と言われようとも、何をされようとも、信じるのは貴方だけ。
自刃とかやめて、冗談でもそんなの聞きたくないってば!いや、蘭丸は本気で言ってるんだろうけど!…でも俺おらんが居ないと生きてけないから。だからやめてね。…天下統一は夢だけどさ、蘭丸が居ない世界なんて統べる意味が無いから。お前のサポートがあってこそ、俺の天下統一が実現するんだからな!その辺忘れないで。(面持ちいっぱい機嫌の良さを露わにした表情を浮かべていたものの、彼の口から飛び出した物騒な単語に一気に引いてゆく血の気…真っ青な顔をしながら絡ませていた小指を解くと次いで相手の掌を包み込むように握り締め、悲痛な声色で切々と言い聞かせるように言の葉を並べ立て。寵愛の加減を見せ付けた所でやる気に満ち溢れた様子につられて幾許か強張った表情を和らげると宝物を扱うが如く恭しい手付きにて包み込んだ手の甲を軽く撫で上げ。遠慮がちながらも確と布地を掴む手を認めると応えるように小さく首を縦に振り、今度は加減をしながら再び相手を掻き抱く諸手に力を込めて。急所である胸元に触れられた所で感じたのは畏怖…ではなく安心感、目の前の彼に年甲斐もなく心を許し切っている現実に口元を和らげると己の心臓が位置する場所へと宛がわれた手に己の手を添わせて)…俺もおらんの事、信じるよ。だから大丈夫、安心して俺の隣に居てね!――さ、そろそろ帰ろうか。このままで居たいのは山々だけど、流石に此処道の真ん中だし他の人の邪魔になっちゃう。……うつけの続きは帰ってから、ね!
…!大袈裟ですよ、僕が居なくとも貴方には他の小姓が大勢居るのに。生きていけないなんて言われたら死ぬ訳にはいかないじゃないですか。…ずるい、ずるくて優しい人。……でも、そんな貴方が大好きです。(真剣な面持ちから一変、相手の言葉にぱちぱち瞬きを繰り返すと僅かに眉根を下げて。小姓の身でありながらお仕えする主君に心配をかけてしまった事へ些か申し訳なさの滲む表情を浮かべるものの、紡がれる言葉の節々から感じる切なる心持ちに気付いた途端嬉しそうに笑い、軽く頭を垂れ己の掌を覆う彼の手甲へとそうっと敬愛の口づけを落として。口許に笑みを携えたまま相手の所作一つ一つを幸せそうに受け入れると袖を掴む手に力を込め、身体だけでなく心までもを暖かく包み込んでくれる彼の存在の偉大さに思わず感嘆の息を吐き、胸に添えていた掌を返し手を繋ぐとその手を己の胸元に寄せて。右へ左へ…少しの間視線を宙に泳がせた後照れ臭そうに咳払い、茶化すような語調と共に一歩前に歩みを進め)――もう、信長さんってば…期待しちゃいますよ?
…大袈裟なんかじゃないよ、蘭丸が居ないと本当に俺生きていけないもん。初めて会った時におらんと生きるって決めたしね!……ずるいのはお前も一緒だろ?俺の心を掴んで離さない、ずるい子だよ。…まあ、俺もそんな蘭丸が大好きだけどさ!(未だいささかの憂慮を滲ませた表情のまま相手を想う気持ちを切々と説いて…ふと伏せがちにしていた双眸を持ち上げた所で視界に映った嬉しそうな表情に安堵の息を吐き出すと己の手の甲へと柔く触れた唇の感触にだらしなくも頬を緩ませ。繋がれた手指を確固と握り締めると寄せられた胸元から微かに掌に伝わる穏やかなリズムに口角を持ち上げ、面映ゆそうなかんばせを捉え悪戯に片目を眇め。声高らかに宣言した後相手の手を引いて先程までよりいくらも軽い足取りにて帰路へ着いて――)期待して良いよ、楽しみにしておいて!
…信長さんに楽しんでいただけるように頑張ります。(目先の唇より紡がれる言の葉へ瞳を細め、満足そうに微笑を浮かべながら相手に続いて帰り道を行き。暫くして街灯の仄かな明かりが照らす小道を抜けると見覚えのある鳥居が姿を現し。初めは人で溢れていた待ち合わせ場所も花火の打ち上げが終わった事で幾分か人も減り、普段の静けさを取り戻していく様。一度躊躇するものの渋々といった風に相手の掌から手を離し、代わりに主君の着物姿を目に焼き付けるが如くまじまじと凝視した後頂戴した犬のぬいぐるみへと視線を向け。まるで宝物を扱うかのような手付きで自らの胸に抱き寄せると一歩身を引き…とびきりの笑顔と共に深々と頭を下げて)本日は本当にありがとうございました!今日の日の事は決して忘れません。大切に、大切に致します。…思い出も、頂いたぬいぐるみも。
…頑張る必要無いよ、俺はそのままの蘭丸が好きだから!無理して楽しませようとしなくても、一緒に居るだけで楽しい気持ちになれるから大丈夫。(繋いだ手を歩みに合わせて上下に揺らす道すがら、相手の発言に重ねて思うままの気持ちを言の葉へと込め…現にこうして小道を辿る最中でありながらも隣に愛おしい姿が有る、それだけで楽しさと嬉しさに満ち溢れているのだとばかりに一歩ばかり後ろを歩く姿に屈託の無い笑みを向けて。程なくして辿り着いた鳥居にそこはかとない寂寥感を抱きながらもぬいぐるみを抱く相手の格段と輝いて見える笑みを視界に映し、その表情を引き出しているのは自分だという満足感を隠す事なく口角を持ち上げ。なれども紡がれる感謝の言葉が耳に届くと表情を少しばかり陰らせ…年甲斐も無く甘ったれたようにぼやきながら感謝を見せる相手の面持ちをそうっと覗き込んで)俺の方こそ本当にありがとう。…でもその言い方だと何か今日が最後みたいでちょっとやだ!俺はこれからも蘭丸といっぱい楽しい思い出を作るつもりでいるし、お前が欲しい物ならなーんでもあげるつもりでいるからな!だから今ある物を大切にするだけじゃなくて、新しい物も二人でいっぱい作って行こう。……おらん、いいとも?
(キラキラ輝く相手の笑顔とその唇から紡がれる言葉の数々に一寸ばかり呼吸が止まり、微かに赤みの差した頬をぬいぐるみで隠しながら逃げるように視線を他方へ泳がせて。己の何気ない一言でさえもこうして優しさに溢れた詞で返してくれる彼の心温まる様に口許は緩むばかり。控えめに持ち上げられた口端はそのままに暫くの間頭を垂れる…ものの、ふと降りて来た主君の声に数度瞬きを繰り返し。視界いっぱいに広がる相手の表情を一目見てからしまったと言わんばかりに口を閉ざすと恐る恐る顔を上に上げて。しかしながら、次ぐ彼の言の葉に一瞬の内に表情をぱっと明らめ力強く頷き返すと自らの片手で握り拳を作ってみせて)……!いいとも!僕も信長さんと特別な思い出をたくさん作っていけたらと、そう思います。またお出掛けしましょうね。…お花見や温泉旅行…ふふ、信長さんと一緒なら何処だろうと楽しめそうです。
(顔の高さまで掲げられたぬいぐるみによって遮られながらも時折見え隠れする含羞の滲む表情を横目で捉えると口元をだらしなく緩ませ…懐にしまった携帯端末へと手を伸ばし掛けたものの、この薄闇だと満足の行く写真の撮影は不可能だろうと浅く息を吐き出して緩慢と首を左右に振り。一瞬曇り掛けたものの刹那の内に明るい表情の戻った相手の面持ちを双眼で見据え、その返答と握られた拳に満足そうに幾度か首肯すると挙げられる魅力的なイベント名に和やかに瞳を細め…握り拳にそっと己の掌を重ねると行きは別々に来た道を二人で帰るべく鷹揚と足を踏み出して)俺も、蘭丸と一緒なら絶対何処でも楽しいと思う!…言い換えるなら、おらんと一緒じゃないとダメって事だからね。それだけは覚えてて!――さ、帰ろっか。帰りながら次の計画でも立てような!
はい!信長さんからそのようなお言葉を頂けるだなんて…光栄です。……お足下にお気を付けて。(愛する主君の唇より介された言の葉に酔いしれるかの如く暫しの間真黒の浴衣に包まれた大きな背中を凝視…した後。彼の手中に収まったままの握り拳を柔く解くとその手を返し、相手の体温をより近くで感じるべく互いの掌を先程より更に密着させて手を繋ぎ。帰路を辿る道すがら、すれ違い様に自分達を見る女性の熱い眼差しにも当初程嫉妬の念は抱かず、寧ろ今は己が相手を独り占めしているのだという充足を感じるばかり。口許に密かな笑みを湛え嬉しそうに瞳を細めると、何気なく視線をやった先で歩道の端に転がる空き缶の存在に気が付くや否や控えめに注意を促し。握る手に強く、力を込めて)
(言葉は返さずとも心得ていると示すようにゆったりとした首肯を一つ、一度解かれた後密さを増して絡まる互いの手指をしっかりと保ったまま日頃身を置いている城に戻るべく足を動かして。隣を歩く細やかで気の利く存在に目を向ける事は有れども此方に向けられているらしい眼差しには一向に気が付く素振りを見せず…曰く“アウトオブ眼中”を貫きながら幾許かの間の後辿り着いたのは二人の愛の巣…ではなく、居城を構える安土城。名残惜しい気持ちを覚えながらもそっと繋いだ手を解くとその手を握ったり開いたりと何やら思案している様子…小さく息を吸った後相手の双眸を掌で覆い隠すと互いの顔を寄せ、ごく一瞬掠める程度に唇同士を触れ合わせて。すぐさま俊敏に互いの身を離し、何やら早口にて言の葉を並べ立てると脱兎の如しスピードで一足早く城の中へ――)…今日は本当にありがとう、蘭丸。――えっと、やる事済んだら俺の部屋に来る事!これ主君命令!…じゃあ、後でね!
――こんなんで良かったかなー…正直自信無い!でもまあ取り敢えずは、一区切りって事でね。お前はいつも素敵な言葉や嬉しい言葉をくれるから、その十分の一でも良いから俺もお返し出来てたら良いんだけど。……蘭丸が居ない間も俺頑張るし、スッゲー嫌だけど明智の言う事も聞くし、可愛い子が居ても余所見したりしないよ!任せて!…おらんが帰って来る場所、ちゃーんと空けとくからさ。だから蘭丸はまた俺の名前を呼んで、俺に可愛い顔を見せて。約束。……うわ、何か湿っぽくなっちゃった!湿っぽくなったけど、おらんが居てくれる間は俺存分にうつけるつもりで居るから…シクヨロ!(こめかみ辺りに添えた中指と人差し指を払い、気障ったらしいポーズ!)
――!、か、かしこまりました!すぐに参ります!(柔らかな唇の感触にぽかんとした表情を浮かべる事数秒、早口にて言の葉を捲し立てる主君の様子に己がされた事を理解するや否や林檎にも勝る程の赤色が自らの頬を彩り。暫しの間はくはくと口を動かしていたものの後の主命に背筋を正し、半ば勢い任せに返事を返すと真黒の着物をゆらめかせ城の中へと入って行く後ろ姿を見送って。――主君が去り一人となった今。思い出深い安土城を目の前にして微かに目を細めると徐に顔を持ち上げ天守閣を視界へと収め。未だ熱の残された掌と唇に順に指先を触れさせた後、最後にお犬様のぬいぐるみの頭を柔く撫ぜて彼の後を追い城の中へ…)
長い間お付き合いいただき本当にありがとうございました、信長さん。…いえそんな!貴方も、いつも僕に幸せを運んでくださっているんですよ。だからお返しなんて考えなくても良いんです、僕は信長さんのお傍に居られるだけで、それだけで充分幸せですから。(ふふ)…約束、ですよ?僕の一番が何時だって信長さんであるように、信長さんの一番も僕のままでいて。……なんて少々重すぎるでしょうか。でも、それくらい貴方の事をお慕いしているんです!こ、此方こそ…!不束者ですが何卒よろしくお願いいたします。(深々と頭を下げ、自らの茶髪に手を添わせつつ照れ臭そうにはにかみ笑い)
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